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アファーマティブアクションとは?例や問題点を紹介します。


「『アファーマティブアクション』ってどんな意味なのかな。仕事にどう活かせるのかな…」

と思っている方。

アファーマティブアクションとは、「少数派に対する、過去にあった差別をなくそうとする取り組み」です。理念としては素晴らしいのですが、実は取り組みについては問題点が少なくありません。

とはいえ、アファーマティブアクションはカタカナ語で、なんとなくとっつきにくさを感じますよね。

そこでこの記事では、

  • アファーマティブアクションの概要
  • アファーマティブアクションの例
  • アファーマティブアクションの問題点
  • 企業ができるアファーマティブアクション

を、お伝えします。

まずはこの記事で、アファーマティブアクションを大まかに理解しましょう。

アファーマティブアクションとは、「少数派に対する、過去にあった差別をなくそうとする取り組み」

アファーマティブアクション(affirmative action)とは、「マイノリティ(少数派)が過去に受けた、教育などに関する差別をなくそうとする取り組み」です。

今はだいぶ状況が変わってきていますが、歴史的な観点でマイノリティと言われていた人たちの代表として

  • 黒人
  • 女性
  • 障害者

などがあります。

アファーマティブアクションは、日本語では「積極的格差是正措置」と訳されます。

次では、アファーマティブアクションの類語を紹介します。

アファーマティブアクションの類語:ポジティブアクション(日本では「女性に対する改善措置」を意味する)

アファーマティブアクションの類語は、ポジティブアクション(positive action)です。海外では、ポジティブアクションの意味はアファーマティブアクションと変わりません。

しかし日本では、ポジティブアクションの中でも「女性労働者に対する改善措置」の面が強く押し出されています。

次では、アファーマティブアクションの2つの例を紹介します。

アファーマティブアクションの2つの例

ここではアファーマティブアクションの例として、

  1. アメリカの入学試験、採用試験にあったクオータ制
  2. 日本の男女雇用機会均等法

を紹介します。

1. アメリカの入学試験、採用試験にあったクオータ制

第1の例は、アメリカの入学試験、採用試験にあったクオータ制です。クオータ制とは、全合格者の定員の一部をマイノリティに割り当てる方法です。

例えば、入学者300人のうち60人は黒人にする、などですね。

クオータ制は、かつては入学試験や採用試験において用いられていました。しかしマジョリティに対する差別につながるため、現在アメリカではほとんどの場合で違憲とされています。

マジョリティへの差別については、「アファーマティブアクションの2つの問題点」で詳しく解説します。

2. 日本の男女雇用機会均等法

第2の例は、日本の男女雇用機会均等法です。男女雇用機会均等法は、雇用において女性が不利にならないために、

  • 募集・採用や昇進などにおける、性別を理由とする差別の禁止
  • 妊娠・出産などに基づいた、労働者に対する不当な扱いの禁止

などを定めています。

次では、アファーマティブアクションの問題点を紹介しますね。

アファーマティブアクションの2つの問題点

考え方としては素晴らしいアファーマティブアクションですが、実際の取り組みには問題も少なくありません。ここではアファーマティブアクションについて、以下の問題点を紹介します。

  1. 逆差別=マジョリティに対する差別を生む
  2. 個人の能力が軽視される

1. 逆差別=マジョリティに対する差別を生む

第1の問題点は、アファーマティブアクションがマジョリティに対する差別、つまり「逆差別」を生む問題です。この「逆差別」が実際に問題になった例としては、アメリカのバッキ(Bakke)事件があります。

バッキ事件とは、カリフォルニア州立大学メディカル・スクールの試験に落ちた白人男性のバッキがカリフォルニア州立大学メディカル・スクールを訴えた事件です。

このときのバッキの主張は、「マイノリティに対する特別枠がなければ、私は合格していた。特別枠は教育の平等に反する」というものでした。

このようにマイノリティへの優遇がマジョリティへの差別につながってしまうおそれがあるのが、アファーマティブアクションの問題点の1つです。

2. 個人の能力が軽視される

第2の問題点は、個人の能力が軽視される問題です。

例えば試験にクオータ制を導入すると、全受験者での合格ラインは80点なのにもかかわらず、特別枠を満たすために合格ライン以下のマイノリティが合格させられる可能性があります。

つまり合格に必要な能力のあるなしに関わらず、マイノリティの方々が「マイノリティであるから」合格してしまう可能性があるわけですね。このように個人の能力ではなく、人種や性別などで合否を判断することは、 個人の能力に対する軽視です。

次では、企業ができるアファーマティブアクションを紹介します。

企業ができるアファーマティブアクション

企業ができるアファーマティブアクションとしては、以下の3つがあります。

  1. マイノリティをターゲットにした求人広告を出す
  2. 採用を進めるときに、マイノリティにまつわる要素を入れない
  3. トップが従業員に対して、アファーマティブアクションの理念を広める

1.マイノリティをターゲットにした求人広告を出す

最初の例は、マイノリティをターゲットにした求人広告です。例えば、募集する職種の女性労働者の割合が4割を下回っている場合は、「女性歓迎」といった文言を広告に入れることができます。

ちなみに女性労働者の割合が4割を超える場合は、「女性歓迎」とは書けません。なぜなら、男女雇用機会均等法に反する可能性があるためです。

2.採用を進めるときに、マイノリティにまつわる要素を入れない

第2の例は、採用を進めるときにマイノリティにまつわる要素を入れないことです。例えば面接では、

  • 思想に関する質問(「何を信仰しているか」など)
  • 男女雇用機会均等法に反する質問(「結婚の予定はあるか」など)

をしないようにしましょう。

これら就職における差別につながりそうな質問について、詳しくは大阪労働局の「就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例 | 大阪労働局」をご一読ください。

3.トップが従業員に対して、アファーマティブアクションの理念を広める

第3の例は、トップが従業員に対して、アファーマティブアクションの理念を広めることです。

というのも多くの場合、現在会社にいる従業員はほぼマジョリティです。彼らマジョリティにとっては、アファーマティブアクションの重要性は自分ごととしてとらえるのは簡単ではありません。

経営者が従業員に対して「アファーマティブアクションによって様々な属性を持った人を採用することは、従業員の多様性につながる。したがって弊社はアファーマティブアクションに取り組む必要がある」と説明するなど、従業員にアファーマティブアクションを知ってもらう取り組みが重要です。

補足:アファーマティブアクションは注意深く進めるべき

アファーマティブアクションに実際に取り組むときには、注意深く進めるのが重要です。というのも問題点で紹介したように、アファーマティブアクションが新たな問題を生む可能性があるためですね。

具体的に検討すべきこととしては、

  • アファーマティブアクションは全ての従業員に対して不利益を生まないか
  • アファーマティブアクションに取り組む期間はあるか。それとも可能な限り長く続けるのか

などがあります。

まとめ:現状の問題点を分析して、差別の是正を!

おさらいします。まずアファーマティブアクションとは「少数派に対する、過去にあった差別をなくそうとする取り組み」である、と紹介しました。

「アファーマティブアクション」の例としては、

  • アメリカの入学試験、採用試験にあったクオータ制
  • 日本の男女雇用機会均等法

などがあります。

考えとしては素晴らしいアファーマティブアクションですが、実際の取り組みには

  • マジョリティに対する逆差別を生む
  • 個人の能力が正当に評価されない

などの問題がつきまとうため、注意深い検討が欠かせません。

最後に企業ができるアファーマティブアクションとして、

  1. マイノリティをターゲットにした求人広告を出す
  2. 採用を進めるときに、マイノリティにまつわる要素を組み入れない
  3. トップが従業員に対して、アファーマティブアクションの理念を広める

の3つを紹介しました。

本文で書いた通り、アファーマティブアクションを正しい形で行うのは簡単ではありません。まずは現状の人事制度や採用制度を見直して、差別を生む部分がないか、調べてみることをおすすめします。



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