アサーションとは?意味、メリット、トレーニング方法を紹介BLOG

 2021.7.31

ビジネスの現場でコミュニケーションを取る際に「アサーション」という用語を聞いたことはあるでしょうか?

アサーションは、働き方改革が推進されている現代社会で注目されているコミュニケーションスキルです。顧客との円滑なコミュニケーションをしたい時はもちろん、リーダーが部下チーム全体を管理するために真価を発揮する手法として注目を集めています。ただ、「聞いたことはあるけどよく知らない」「どのようにアサーションを身につけていいか分からない」という人も多いかと思います。

今回はアサーションについてメリット、トレーニング方法やポイントなどさまざまな観点で詳しく紹介していきます。

アサーションとは?

アサーションとは英語の「assertion」が基になっており、直訳すると「主張」「断言」といった強いニュアンスを持った言葉です。ビジネスシーンでは、自分の言いたいことや主張はしっかり通しながらも、相手のことを尊重しながら行うコミュニケーション方法のことを指します。コミュニケーションは伝える力と聞く力の2つに分類できますがどちらに偏っても効果的なコミュニケーションにはならないでしょう。伝える力が強すぎれば、相手を萎縮させてしまい、聞き手にばかり回ると窮屈になってしまいます。アサーションによる適切な自己主張を行うことで、相手と対等で良好な人間関係を構築することができるのです。

アサーションのメリット

実際にアサーションを身につけることで、コミュニケーションにおいてどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは「コミュニケーションでのストレスを軽減する」「自分の要求をスムーズに伝達できる」「ハラスメント防止に役立つ」という3つの具体的なメリットについて、それぞれ詳しく紹介していきます。アサーションはビジネスだけでなくプライベートでも活用できる手法であるため、メリットを把握して実践してみましょう。

コミュニケーションでのストレスを軽減する

コミュニケーションと取る際には、人によってさまざまなストレスがつきまといます。中でも「自分の言いたいことがなかなか伝わらない」「言いたいことを我慢しなければならない」ということが要因でストレスを抱えてしまいがちです。その場の空気を乱さないようにと発言を控える人も多いかと思いますが、それではストレスが溜まる一方でしょう。アサーションを実践することで、場の空気を乱さずに自分の主張をしっかりと伝えることができるため、コミュニケーションによるストレスを軽減することができます。それにより、人間関係におけるストレスも合わせて軽減することができるでしょう。

自分の要求をスムーズに伝達できる

アサーションを活用することで、相手のことを尊重して傷つけないように自分の主張を伝えることができます。そのため自分が「こうしたい」という要求をスムーズに相手に伝えることができ、相手もしっかりと要求を受け止めて返してくれます。自分の要求を通したい時は、つい強すぎる言葉を使ってしまって相手が反発してしまうという場合も多いでしょう。それではいくらいい主張をしていても受け入れられないため、相手を尊重した言葉選びの配慮をすることで、結果的に円滑に自分の主張を通すことができるのです。

ハラスメント防止に役立つ

近年はコミュニケーションの仕方に起因するハラスメントの事例が増えていますが、アサーションを実践することで防止することができます。特にハラスメントで多いのが、上司から部下への仕事上でのコミュニケーションですが、指導する上司がアサーションを身につけて部下を尊重するような伝え方をすれば、信頼関係を構築しながら指導に当たることができるでしょう。また、部下も上司の主張に納得がいかない場合にアサーションを実践することで、冷静に自分の意見を上司に伝えることができます。

アサーションからみる3つのコミュニケーションタイプ

アサーションの考え方を通して、コミュニケーションをする際の自己表現の方法は大きく「アグレッシブ」「ノン・アサーティブ」「アサーティブ」の3つに分けることができます。アサーティブを身につけることも重要ですが、それぞれ相手がどのようなタイプなのか正確に把握したり、それに合わせたコミュニケーションを取ることも必要です。

ここでは3つのコミュニケーションタイプについて、それぞれ詳しく紹介していきます。

アグレッシブ

アグレッシブタイプは自分中心のコミュニケーションを取る傾向にあり、自己主張が強いです。自分の主張が正しいと信じ切っているため、相手を尊重せずに自分の主張を押し付けてしまいます。相手より優位に立つために時に感情的になったり、勢いで言いくるめようとしてくるため、コミュニケーションを取る際に困惑することが多いです。自身の主張をしっかり持っており伝えることができるのは素晴らしいですが、相手を傷つけてしまう可能性が高いため、自分がそうならないように注意が必要です。

ノン・アサーティブ

ノン・アサーティブタイプは自分の主張をあまりせず、相手に合わせる傾向にあります。自分に自信がないため、自分の主張をすると「相手に迷惑をかけるかも…」「否定されたらどうしよう…」と考えてしまい、タイミングを逃してしまうのです。また、何か依頼をされた際に上手く断ることができないため、コミュニケーションだけでなく仕事の量など別の観点でもストレスを抱えてしまいます。相手を思いやっているつもりが、自分の首を締めるだけでなく、議論が進まないため結果的に相手に迷惑をかけてしまう可能性も高まります。

アサーティブ

アサーティブタイプは、コミュニケーションを取る相手や状況に応じて適切な言葉選びや伝え方を選択できるため、自分の主張をしながらも人を傷つけずに話を前に進めることができます。いわゆるバランス型と言えるでしょう。また、自分の主張を適切に通すだけでなく、相手の主張もしっかり引き出そうするため、お互いが納得する形でコミュニケーションを取ることができます。

アサーションのトレーニング方法

アサーションは何もしなくても身に付くものではありません。これまで紹介してきたような基本的な姿勢やメリットを理解した上で、日頃のコミュニケーションから実践を積んでいくことが必要になります。普段からアサーションを身につけるためのトレーニングを積んでおくことで、自然と適切に自分の主張ができるようになり、コミュニケーションにおけるストレスを軽減することができるでしょう。

ここからは日頃から実践できる、アサーションを身につけるトレーニング方法をいくつか紹介していきます。

主語を「I=私」にする

コミュニケーションを取る際に、何かを伝える主語を相手ではなく「私」にしましょう。例えば、何か相手に対して迷惑を被っている時に「なんであなたは〇〇ができないのか」と伝えると、相手は自分を否定されている感覚になりネガティブな印象を与えてしまいます。その場合は、主語を「私」に変えて、「私はあなたの〇〇に対して困っている」「私はあなたが〇〇だと嬉しい」と、なるべく相手を否定しないように伝えるよ良いです。内容の視点を変えるだけで、相手を尊重したコミュニケーションになります。

DESC法を活用する

DESC法とは、「Describe(描写する)」「Express(表現する)」「Specify(提案する)」「Choose(選択する)」の4つの頭文字を取った手法で、この手順に沿ったコミュニケーションを取ることで自然にアサーションを実践することができます。手順としては、まず自分自身の状況を客観的に描写して、気持ちを表現し、それに対する解決策を相手に提示した上で、提案が通らない場合の他の選択肢も提示する手法です。このような手順を踏んでコミュニケーションを取ることで、相手が納得感を得ながら自分の主張を聞いてくれ、自分も状況を整理しながら冷静に意見を伝えることができます。

些細な表現に注意する

相手に自分の主張を受け入れてもらうためには、些細な言葉遣いへの配慮が重要になります。相手に何かを強制したり命令したりするのではなく、「○○してください」などお願いをするような言い回しをすることで、内容は同じでも相手へ与える印象が全く異なるでしょう。また、相手からの依頼を断る場合などは、出来るだけ否定的な表現を避けて、ポジティブな代替案を提示すると良いです。例えば、資料の作成を頼まれた際に「できません」ではなく、「〇〇までなら可能です」「△△さんに頼んでみます」などと伝えることで、コミュニケーションに余白が生まれてスムーズなコミュニケーションが可能になります。

非言語的アサーションも活用する

基本的にアサーションは言語的なアプローチ方法がメインになりますが、身振り手振りや表情、声のトーンなどの非言語的なアプローチも有効です。人はコミュニケーションを取る際には、話している内容だけでなく、相手の非言語情報も読み取りながら意図や感情を判断します。例えば、話している内容がポジティブにも関わらず、表情が暗かったり、ソワソワしながら話していたら、内容があまり入ってこないでしょう。このように、アサーションで適切に自分の主張を伝える際は、主張の内容に合わせて自身の表情や声のトーンも調整するのが重要です。

アサーションを身につけてコミュニケーション能力を高めよう

アサーションは仕事やプライベート問わず、コミュニケーションが発生するさまざまな場面で効果を発揮する姿勢です。日本人はあまり自分の意見を主張できないノンアサーティブタイプが多いですが、自分と相手の双方が不利益にならないように、アサーションを実践して良い人間関係を築けると良いでしょう。

こちらの記事を参考に、すぐにでもアサーションを意識したコミュニケーションをしてみてください。

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