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OKR でエンゲージメントを高めるための方法とは?


一度でも事業を回したり、メンバーを率いる責任ある立場に置かれたことがあれば、メンバーが力を発揮しやすい環境づくりに苦心したご経験があることと思う。

停滞を避けて企業の成長を促進するためには、メンバーがワクワクして仕事に打ち込み、高い成果をあげ続けてもらう必要があることは間違いない。

 

今回は、数十社にわたるOKRの導入・運用コンサルティングの実績から、OKR でエンゲージメントを高めるためのポイントについて紹介する。

なお、ここでいうエンゲージメントを、「自発的な貢献意欲」= メンバーが自律的に企業に貢献する意欲の度合いと定義しておく。

 

OKR の基本的な考えについては、「OKR を使いこなして目標達成に近づく具体的な方法」を確認して欲しい。

 

 

エンゲージメントを向上させていく3ステップ

 

個々人が意義をもって目標に向かい、達成することは、社内での自らの存在価値を最も強く実感できる瞬間の1つだろう。

 

こうした、点(瞬間)の高揚だけにとどまらず、継続的に貢献意欲を持って働き続ける状態が、「エンゲージメント」が高い状態だ。

エンゲージメントを向上させ、高い水準を保ちつづけるために必要なステップは、おおまかにまとめると以下の3つに整理できる。

 

ステップ①:オン・ボーディングが完了している

「オン・ボーディング」とは、「組織の文化やルール、仕事の進め方などにいち早くなじませ、パフォーマンスを引き出すための教育・訓練プログラム」のことだ。(日本の人事部より https://jinjibu.jp/keyword/detl/772/)

企業が目指す理念、大切にしている文化の伝達、配属先部署の役割や、仕事の進め方を理解するためのミーティングを経て、具体的に仕事を進めながら一人立ちすることを目指す。

周囲の手を借りながら、1人で問題なく仕事を進められるようになることが、エンゲージメントを向上させていく第一歩となる。

 

ステップ②:周囲からの信頼を得る

オン・ボーディングが完了すれば、次に求められるのは成果を出すことだ。

単に自身の成果にフォーカスするのみならず、周囲を適切に巻き込み、全体最適を意識した成果創出ができなければ、周囲からの信頼を得ることはできない。

関係するメンバーの成果を犠牲にしたり、コミュニケーションやサポートの負荷が高い状態は、まだステップ1の状態だろう。

 

周囲からの信頼を得られれば、自らの「存在意義」を実感することができ、組織内での貢献意欲が高まってくる。

 

ステップ③:企業に貢献しながら個人ビジョンを実現しようとする

ステップ②以上のエンゲージメント向上や高水準の継続を実現するには、企業ビジョンの達成に向かうことで、個人ビジョン達成に近づくことができるという自覚が必要だ。

時に、ステップ②が完了する前にステップ③に進みたくなることがあるが、周囲からの信頼を得られなければ、組織内で自己実現を果たすことは困難だろう。

ステップ③に足をかけるものの、まずは周囲からの信頼獲得の必要に迫られるはずだ。

 

ステップ③の状態では、自ら会社に対して働きかけて変化を起こしたり、時に会社のビジョンや、チームのビジョンを変更するような働きかけをすることがある。

また、そうでなくとも、組織内での自らの役割を自覚し、周囲の環境の変化にうまく適応していくことができる。

 

この状態は、周囲からの信頼も厚く、自らの貢献を明確に自覚している。

 

エンゲージメントが先か、企業ビジョンの浸透が先か

ここまでにエンゲージメント向上のステップを整理したが、エンゲージメント向上の前提には、メンバーが貢献したい、関わり合いたいと思えるような企業ビジョンや組織風土が先立つものだ。したがって、メンバーのエンゲージメント向上を検討する場合、企業側(経営やマネジメント)が、メンバーに求める貢献の方向性を明確に定める必要がある。

 

OKR は、貢献の方向性を定め、エンゲージメントを高める各ステップに必要な客観的な情報をもたらしてくれる。

 

 

KPIやマイルストーンの先にある「目指す姿」・「意義」を明確にする OKR

 

先に見たように、エンゲージメントを高めるには、企業として求める貢献の方向性を明確に示す必要がある。そうでなければ、メンバーが思い思いの方向に向かってしまい、時に統一的な価値基準で束ねることができなくなる。

OKR は、企業の方向性を明確にする有効なツールであり、エンゲージメント向上に寄与する。

以下に、エンゲージメント向上を実現する OKR の運用を紹介する。

 

 

企業やマネジメントが、「目指す姿や状態」を明確にし、必要な成果を定義する

OKR では、「Objective」と呼ばれるワクワクするような「目指すべき姿」や野心的な目標を設定する。

組織のトップや各チームの Objective を可視化し、その「目指すべき姿」に至るために必要な主な成果(Key Results)を明確にすれば、メンバーはマイルストーンを達成した先の「状態変化」を具体的にイメージことができる。

 

たとえば、「海外売上比率を高める事業構造にし、世界に通ずるサービスで名を轟かす」という Objective に対し、以下3つの Key Results が設定されているとする。

海外ユーザを3000万人増加

国内売上で25億円(前期比15%up)

国内の開発リソースを30%軽減する

ここからは、国内売上を継続的に高めながら開発リソースを海外に向け、市場を広げて世界で名を馳せることが目的だと読み取れる。

 

それぞれの Key Result を割当てられた各部やチームメンバーは、自らの仕事を積み重ねた結果の状態変化をイメージして、達成のプランニングをする。

国内売上に関わるインサイドセールスは、アポイントの基準を変更し、少ない営業リソースで効率よく受注に繋げられるような仕組みに変更するかもしれない。

また、開発部門は、営業部門と連携して注力プロダクトを選定し、他プロダクトの開発リソースを海外事業に振り向けるように計画するかもしれない。

 

各部門は「商談セットの基準を変更し、圧倒的に効率的な受注プロセスに変革する」、「国内開発部隊を精鋭化し、世界に通ずる開発リソースを提供する」などと Objective を定義する。これは、上位Objectiveが明確であり、かつ各部門メンバーがそれに「ワクワク」でき、「意義がある」と思えることで可能になる。

このように、メンバーが自らの持ち分の先で遂げるべき「状態変化」を定義できれば、ワクワクしながら自己成長を遂げるための仕事に取り組み、かつその成長が企業成長に貢献していると実感することができる。

 

エンゲージメントを高める OKR の使い方

それでは、先にまとめた3つのステップを進めていくために、OKR はどのような情報をもたらすだろうか。

 

・ステップ1:オン・ボーディングの完了

ステップ1は、自分自身でチームの Key Result に整合する Objective (自身がチームにもたらす「状態変化」)を定義できるようになることをもって完了と言えるだろう。

チームに貢献するように自らの仕事を定義できるということは、目の前の1つ1つの作業や業務が生み出す価値や、目指すべき方向性を理解できているという証になる。オン・ボーディングプロセスでは、メンバー自身で仕事の価値を定義づけられるよう、チームOKRの意図やメンバーへの期待を丁寧に伝えていく必要がある。

 

・ステップ2:周囲からの信頼獲得

信頼獲得には、単に自チーム内だけではなく、自チームの仕事が影響を及ぼす他チームの成果や優先順位に配慮し、組織全体の成果を高められるように自身の目標を達成することで実現できる。

OKR で言い換えると、「他チームの OKR は◯◯のような意図であり、自チームとの関連や影響関係は□□である」というような理解の仕方ができることが必要だ。

その上で、自らに割当てられた Key Result に向けて必要なタスクを理解し、達成することで、信頼を獲得できる。

 

ステップ2を完了させると、「あのチームの OKR はなんだろうか」「◯◯さんは今どんな OKR に打ち込んでいるのか」など、他メンバーや他チームの OKR を積極的に意識して、把握することが基本的なスタンスとなる。周囲に悪影響を及ぼして自身の目標達成をしても、信頼は得られないことをよく理解しており、影響関係を把握しておきたいのだ。

 

・ステップ3:企業に貢献しながら個人ビジョンを実現しようとする

ステップ2を完了すると、周囲や企業全体の OKR を理解した上で、どのような変化を起こせば、企業がより成長できるかを考え、そこに自らの力を使おうとする。

部門を横断し、各部を1つにまとめる「共通ビジョン」の設定と、各部が担う重要な成果の提案をし、組織の方向性を統一させようとする。

これにより、組織を1段上のステップに進ませ、社内に蓄積した知見をフル活用するダイナミズムを生み出そうとする。

いわば、組織の OKR を自ら定義し、組織の成長エンジンたろうとするのだ。

時に、組織内でまだ存在はしないが成長のエンジンとなる役割を定義したり、新規事業を打ち立てようとする。

 

 

まとめ

以上、エンゲージメントを高めていく3つのステップと、各ステップでの OKR の使い方を簡単にまとめた。

人事部門や、チームのリーダの方々にとって、メンバーが活躍できる環境整備の参考となれば幸いだ。

 

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