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「透明性」により社内コミュニケーションを改善するツール「OKR」


「適度な」社内コミュニケーションとは

社内コミュニケーションは、ただ活性化すれば良いというものではない。

もちろん、コミュニケーションの頻度を高めることは、仕事をスムーズに進める上での関係づくりに有効なものだ。
しかし、限られた時間の中でコミュニケーションばかりを取るわけにもいかず、業務で成果をあげるには実務に打ち込む時間が必要だ。

 

では、生産性向上と成果を両立させる「適度な」コミュニケーションを行うためのポイントとは一体なんだろうか?
本論に入る前に、適切でない、「ズレ」を感じるようなコミュニケーションを引き起こす要因をまとめてみたい。

 

社内でのコミュニケーションの「ズレ」

社内で生じるコミュニケーションの「ズレ」は、主に以下の3つに起因することが多い。

 

・ゴールのズレ:何を「目的」とした会話かわからない
・緊急性のズレ:「なぜ優先度が高い」のかわからない。または同じ話題に対して、双方の優先度が異なる
・前提知識のズレ:「背景」の説明が困難。または前提知識が異なる

 

同じチームで働いていてさえ、役割が異なると上記3つのポイントに「ズレ」が生じる。
卑近な例として、営業がエンジニア側に要求するシステム改修より先に、エンジニア側がクリティカルと認識するバグ改修が先行するなど、リソースの配分について相互の優先度にズレが生まれることは少なくない。この場合、前提知識のズレにより緊急性にズレが生じている。

 

上記3つのポイントがズレていると、1人1人が置かれた状況に配慮することだけではコミュニケーションの「ズレ」を最小限にしていくことは困難だ。
ズレたまま最終成果が高まったとしても、ケースが重なると相互不信に繋がり、生産性が低下していく。

 

チームや部門を横断したプロジェクトを進めるケースなどでは、なおさらコミュニケーションの「ズレ」は大きくなる。

一層注意深くコミュニケーションを取らなければ、業務をまともに進めることさえできない。

 

では、ゴールや優先順位、背景について共通の認識を浸透させ、生産性向上と成果を両立させる「適度な」コミュニケーションを促す仕組みはあるのだろうか?

 

その仕組構築の1つの手段として、「OKR」がある。

 

 

 

社内のコミュニケーションを改善するツール「OKR」

OKR は、一言でいうと社内の誰もがいつでも会社の戦略と実行計画を確認できる、”全社のアクションプラン” のことだ。

会社ビジョンや会社目標を達成するために、誰がどのようなアプローチを取るかを目標としてすべて可視化する。

 

OKR では、なりたい姿や目指すべきゴールである「Objective」を設定し、その達成を定義する KPI を「Key Result」としてを3–4個設定する。

Key Results を達成した先にある本当のゴールが Objective で明確化されることになる。
OKR では経営者や現場メンバーにかかわらず、全員がOKR を設定し、上位階層のOKR に関連づけていく。

設定後には全員の目標が会社目標から分解されたツリー状に可視化されるため、チーム同士の関連や、共通ゴールを直感的に理解しやすいという特徴がある。

 

そして、共通認識として展開された OKR を前提としてコミュニケーションを取ることで、それぞれのゴールや優先順位、背景を都度時間を取って振り返る必要がなくなるため、全体の生産性が向上するというわけだ。
部門やチーム横断のコミュニケーションにおいても、プロジェクトや会話のはじめに OKR を軸にゴールや背景を整理すれば、それぞれのチーム目標の優先順位を尊重しつつスケジュール・計画立案がスムーズに進む。

 

(OKR の基礎的な概要については、OKR を使いこなして目標達成に近づく具体的な方法を参照ください)

 

実際に OKR で社内コミュニケーションを改善するための具体的な運用のポイントは2つだ。

 

ポイント1:簡便なフォーマットで OKR を可視化する(透明性)

会社全体の目標のつながりと、それらの最新状況を可視化することは、案外骨が折れる。

目標設定をしても、様々な事業上の変化に伴って優先事項が移り変わり、設定したものを変更する必要が出る。
それらの移り変わりを織り込んで、組織全体で最新の状況を可視化することは、非常に負荷がかかる。

 

また、あるチームの目標設定を変えることが、他のチームに思わぬ悪影響を及ぼすことも少なくない。

それらを明らかにしながらメンテナンスをすることは、想像以上にリソースを費やすことになる。

それゆえ、OKR に最適化され、会社全体の目標と進捗簡単に整理できるフォーマットが必要になる。

 

 

ポイント2:OKR の優先順位を明らかにし、「可視化」する

 

会社OKRは、時に1つだけではなく、複数設定されることがある。

 

OKR は少なければ少ないほどよいが、会社を取り巻く環境によっては、目標を1つに絞ることはできない。
この場合、OKR に優先順位をつける必要がある。
こうすることで、リソースが不足した際や、本当に焦点を絞る必要がある際の意思決定のコミュニケーションがスムーズになる。

 

また、会社OKRの優先順位さえ決まれば、下層組織の OKR は自ずと決まる。
なぜなら、下層組織の OKR はすべて会社OKRに関連付けられるためだ。会社OKRの優先度に従って、それぞれの部門が担当する OKR の順位を決めれば良い。

この優先順位を決めたら、「透明性」の考えに従って、社内全員にこれを浸透させる。

これにより、コミュニケーションの際に、「なぜ優先順位が高いのか」が理解できるようになる。

 

ただし、ポイント1で示したように、適宜変わっていく優先度の最新情報を反映させ、部分最適に陥らないようにすることが重要だ。

 

まとめ

以上、「透明性」を意識しながら OKR を設定し、優先順位を決めることで、その後の社内コミュニケーションの前提となる情報が統一されることを示した。

 

OKR を導入することで社内コミュニケーションの「ズレ」を排除し、必要なコミュニケーションと実務の時間確保を両立できる。

また、OKR を有効に活用するには、設定した OKRとその最新の進捗状況を常に可視化しておくことが重要だ。企業活動においては時間の経過と共に優先順位は変わっていくからだ。

進捗が芳しくないものは優先順位を落とし、常に全体としてフォーカスすべき OKR を浸透させていく必要がある。

また、変化を許容し、フォーカスポイントを調整していくことも、社内コミュニケーションの「ズレ」を解消するために積極的に意識すべきだろう。

 

このような「透明性」と「変化への適応力」も、Google などの成長企業から学ぶべき文化なのではないだろうか。