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なぜ KPI と OKR の「野心的な目標」が企業を飛躍させるのか?


Google, Facebook, LinkedIn も実践する飛躍的な成長の秘訣

一般に、達成困難とも思えるほど高い目標や事業KPIをメンバーに受け入れてもらうには、多大なコミュニケーションコストを要する。コストをかけたとて、メンバーに受け入れてもらえないことも多いのではないだろうか。

 

一方でこんなケースもある。

大きなビジョンは存在するが、どのようにそのビジョンに近づけば良いのか明示されず、メンバーが迷ってしまうというものだ。「売上+150%」にするという壮大なビジョンは大いに結構だが、ゴールに至る具体的な道筋が示されない、というような具合だ。

 

こうした場合にメンバーをうまく巻き込めるかどうかは、マネージャーの属人的なスキルによるところが大きいだろう。

だが、属人的なスキルによらず、困難な目標にメンバーを巻き込む「仕組み」はないものだろうか?

 

 

Google を始めとした「飛躍的企業」が身につけている OKR という目標設定手法に、そのヒントが隠されている。

(OKRの基本的な考え方がわからないという方は、OKR を使いこなして目標達成に近づく具体的な方法を参照いただきたい)

 

今回のエントリでは、OKR の最大の特徴である「野心的でワクワクするような Objective」と、「達成困難とも思える Key Results (≒ KPI)」が、いかにしてメンバーを巻き込み、会社全体の成長を加速させる原動力となるか説明する。

 

「ビジョン」と「達成困難な KPI」

OKR の例に入る前に、陥りがちな具体的なケースを1つ挙げてみる。

 

経営陣からは、今期の事業ビジョンが以下のように掲げられた。

「焼畑営業を脱却し、安定した事業基盤を構築する」というものだ。

しかし、これに対する具体的なアクションが明示されることはなく、「単に」2つの部門に事業KPIが割当てられた。それは、「売上10億」、「返品率10%未満達成」というものだ。

 

 

社内では、これらの事業KPIが達成困難なものと受け止められたと仮定しよう。「売上10億」、「返品率10%未満達成」という高い目標が「焼畑営業を脱却する」ために必要なことと理解はするが、達成の具体的な道筋が示されず、メンバーからの様々な意見にマネージャーには大きな負担がかかる。

 

ビジョンはある。困難な目標もある。ただし、具体的な道筋は示されず、混乱する、という状態だ。

 

OKR では、どのようにしてこうした事態を避けるのだろうか?

 

OKR の「野心的な目標」とつながり

その答えは、OKR がもつ以下2点の「仕組み」だ。

 

①すべてのチームが数字や KPI(Key Results)だけでなく、その背後に野心的な意図(Objective)を設定し、共有する

②会社OKRと、下層組織の OKR の関連やつながりを可視化する

 

順を追って説明して行こう。

以下は、「売上10億」、「返品率10%未満達成」を担当するA/Bの各部門が設定した OKR だ。

 

 

 

各部門の「焼畑営業を脱却する」ための戦略は、

・売上増の観点では、数字だけの売上増ではなく、大手客からの「安定」収益にフォーカスする

・返品率減の観点では、卸先は整理するが、これによる売上減少に配慮して優先順位をつけて整理を進める

というものだ。会社全体として、ビジョンに向けて矛盾のない目標が設定されている。

受注はすれど売上が足りず、おまけに返品率が高く事業が安定しないという状態を具体的にどう解決し、焼畑営業を脱却するかが示されている。

 

重要なことは、単に達成困難とも思える「Key Results (≒KPI)」のみを示すのではなく、それぞれの部門が「達成することに意義を感じられるビジョンや戦略を Objective として設定している」ことだ。

このような Objective の設定には、部門内メンバーの納得感や全体戦略との整合が必要となるが、部門毎に「野心的でワクワクするようなObjective」を設定し、その達成の道筋を「Key Results≒ KPI」として設定する「仕組み」を経ることで、マネージャーの属人的なスキルによらず、メンバーを達成困難とも思える目標に巻き込むことができる。

むしろ、メンバーが積極的にOKRの設定に関与することで、属人的なスキルではない、「仕組み」としての OKR の価値が高まる。

 

また、合わせて重要なことは、各部OKRが会社Objective「焼畑営業を脱却し、安定した事業基盤を構築する」に関連付けられて共有されていることだ。会社のビジョンに向けて、それぞれの部門が具体的にどのようなアプローチを取るかが、Key Results ≒ KPI として設定されていることが、誰の目にも明らかになる。加えて、全体として互いの成果を阻害せぬよう、戦略と実行が整合させやすいメリットもある。

 

今回の例では、会社のビジョンが示されていることを前提としたが、仮に会社から具体的なビジョンや戦略が示されなかったらどうだろう?

その場合には、会社の戦略やビジョンを設定することから着手しはじめるべきだ。

困難な目標に向かうための道しるべがメンバーに示されず、迷い続けてしまうことになる。

 

 

まとめ

以上、

①「すべての」チーム(経営者を含む)が、数字や KPI(Key Results)だけでなく、その背後に野心的な意図(Objective)を設定し、共有すること

②会社OKRと、下層組織の OKR の関連やつながりを可視化すること

により、OKR では属人的なスキルによらず「仕組み」として達成困難な目標にメンバーを巻き込み、飛躍的な成長に邁進できることを示した。

 

「達成困難とも思えるほど高い目標や事業KPIをメンバーが受け入れてくれない」

「大きなビジョンは存在するが、どのようにそのビジョンに近づけば良いのか明示できず、メンバーが迷ってしまう」

「そもそも会社のビジョンが不明瞭だ」

 

ということに思い当たる場合には、OKR の導入を検討してみてはいかがだろうか。

Google などの飛躍する企業が指数関数的な成長を遂げたヒントを体感することができるだろう。

 

補足として、本エントリでは Key Results ≒ KPI と記してきたが、Key Results はあくまで「Objective」に至るキーとなる指標やプロジェクトを設定するものである。

したがって、両者は近しい概念ではあるが、厳密には異なるというケースもあるだろう。

いずれ、KPI と OKR の Key Results との類似性や違いについてまとめてみたい。

 

OKR についての詳細の資料ダウンロードはこちらから