OKRの導入によってチーム間の取り組みが見える化され、組織内の風通しが良くなった導入事例

 株式会社カラダノート

カラダノート

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カラダノート取締役CFO 平岡 晃様

― 本事例のポイント ―

  • OKRの導入理由は、ストレッチした目標を掲げ企業成長スピードと業績を伸ばすため
  • Objectiveの設定は「ワクワクするもの」を重視することで施策の幅が広がった
  • OKRの導入によってチーム間の取り組みが見える化され、組織内の風通しが良くなった

カラダノートは「家族の健康を支え笑顔をふやす」というビジョンのもと、生活支援事業やメディア事業を展開しています。育児期のから圧倒的な認知度を誇り、2019年版「働きがいのある会社ランキング」においてはベストカンパニーに選ばれるなど、今注目を集めている企業です。

カラダノートでは2019年2月からOKRの導入を開始し、徐々にその効果も出てきているとのこと。今回はカラダノート取締役CFOの平岡晃様に、OKR導入に至った経緯やハードル、導入効果や今後の展望まで、幅広くお話をうかがいました。

カラダノートに移った際のカルチャーショックは「あだ名」と「定時で帰宅」

ーまずは平岡様のお役回りをお聞かせください

カラダノート取締役CFO平岡様(以下、平岡):弊社ではコーポレート全般、一般的にバックオフィスと広報やブランディング、CSを見させてもらっています。前職では、経営企画本部で子会社の管理や事業再編、グロースアップ支援などをさせてもらっていました。

ーカラダノートへ入社されたのが2017年ということですが、何かカルチャーショックなどはありましたか

平岡:2つありまして、1つが「あだ名」で呼び合うところですね。

役職や年齢の上下も関係なくあだ名で呼び合うので、最初はちょっと慣れませんでした。でも、あだ名で呼び合うことで目線が近くなり、親しみやすくなります。ちなみに私はこの会社では「ひらっち」と呼ばれています(笑)

2つ目が「働き方」の部分ですね。

弊社は子育て層向けのサービスを開発していて、社員も6〜7割くらいが子育て層です。皆さん子どもの送り迎えがあるので、基本的に残業できないんですよ。なので、ほとんどの人は19時までに帰宅しますね。

自分からするとこれまで夜の10時11時まで働くのが普通だったので、急にそのような環境になって戸惑いました。確かに面接を受けた際にそのようなカルチャーがあることは聞いてはいたんですが、まあ半分くらいは嘘だろうなと思っていて(笑)でも本当だったんですね。

ー前職では夜中まで働いていたとのことですが、それは前職の方が忙しかったということでしょうか

平岡:それは違うと思いますね。やっぱり「意識」の問題だと思うんです。

これまでの働き方は、ある意味ダラダラと会社に残ってしまっていた部分がありました。

でも子育てがあることで仕事に対して終わりを強く意識し、それによってムダな残業が発生しなくなっているのではないでしょうか。これはとても良い文化だと思いますね。

OKR導入を決めたのは、頑張ってる人に対してもっとしっかり評価をしてあげたかったから

ーそれまでの評価制度では何が課題だったのでしょうか

平岡:弊社ではもともと「360度評価」を採用していました。

ビジョン・ミッションの他に、弊社にはカルチャーの軸が4つあるんですが、それぞれの軸に対して誰が1番貢献したかをお互いに順位付けするんですね。それを毎週投票していき、半期に1回集計をして1番貢献度が高かった人がもっとも評価される仕組みです。

ただこの評価制度には問題があって、評価の傾斜が付きづらいんです。

普段一緒に働いている同僚に対して評価しなければならないので、心理的な面から評価しづらいのかもしれません。評価に差がつかないので、昇給してもみんな同じ、みたいな感じが続いてしまいました。経営側からすると、頑張ってる人に対してもっとしっかり評価をしてあげたかったわけです。

あともう1つの課題としては、スピード感を伴った意思決定が必要なときに、思い切った判断がしづらかったり、判断が遅れたり鈍ったりしてしまう可能性がありました。

もちろんみんなで1つの方向性を決めるというのは大事だと思うんですが、やはりその辺の意思決定に関わるラインはしっかり整えてあげなくてはいけないなと感じていましたね。

ーOKRを導入しようと考えたのはなぜですか

平岡:新たな目標管理制度を検討する上で、もともと進めていたKPI(主要業績評価指標)の延長線で考えていては、どうしてもストレッチしにくい目標設定になってしまいます。

もっと成長速度を上げるためのツールはないかと探していたところ、弊社の代表がOKRの情報を入手してきたんです。

中身を見てみると、これからの会社の成長や個人の成長を考えたとき、OKRのコンセプトがとても会社に合ってるんじゃないかと感じました。

ツールに関しては国内外問わずいくつか検討しましたが、その中でResilyさんに決めた理由は「わかりやすさ」です。ツリー構造で進捗を確認できるツールは他社さんには無かったように思います。

それで「弊社でも導入してみよう」ということになりました。

Objectiveを設定する際のキーワードは「ワクワクするもの」

ーOKR導入はどのように進めたのでしょうか

平岡:全社会議の中で、OKRの導入についてしっかりと伝えるなどしたので、思ったよりもスムーズに導入できたように思います。

弊社では全社員を対象にOKRを導入したのですが、最初はツールを使わずにエクセルで皆に作ってもらっていたんですね。でもやはりエクセルだとツリー構造が見えにくいですし、操作性もあまり良くなかったので、ツールの導入も早い段階で決めました。

ーOKRを社員に伝える際に、どのようなポイントを重視しましたか

平岡:Objectiveを設定するときは、キーワードとして「ワクワクするもの」を設定するようにと伝えました。 Objectiveだけでなく数値目標も、それを口に出したり聞いたりしたらワクワクするようなもので頑張ろう、という形で進めていきましたね。

実際みんなに作ってもらうと、最初はObjectiveというよりも、数値的な定量目標の方が先にきてしまっていたように感じます。ただそれを、「ワクワクするような表現で書いて欲しい」ということを伝えて、できるだけイメージに近づけるように進めました。

ー具体的な目標設定や運用はどのような形でやられてるんでしょうか

平岡:目標設定はメンバー自身に立ててもらっています。これは、自分で考えるプロセスが重要だと思っているからです。

運用に関しても、基本的には各部門にお任せしていますね。

部門では毎週ミーティングをやってもらってるのですが、ミーティングボードを使って

  • 自分の抱えているミッションは何か
  • ミッションに対してどこまで達成できているか
  • 問題だと感じているものは何か

などをメンバーに入れてもらいながら確認していく感じです。

1 on 1については、月に1回以上実施する形で運用しています。話し合う内容は、個人OKRの課題や障害になっている部分のヒアリングが中心ですね。

OKR導入によって施策の幅が広がり、想像を超えた成果が生まれた

ーOKR導入によって変わったことはありますか

平岡:今までチャレンジしなかったことにチャレンジするようなシーンが増えてきましたね。

どうしてもKPIのモデルだと、今までの既定路線の中でプラスアルファの変化を加えていくという施策の幅になってしまいがちじゃないですか。

でもOKRの場合、これまでの2倍3倍を目指そうとするので、今までとは違った施策を考えようというマインドが自然と出てきます。

実際にKPIが跳ね上がるようなことは何回もありました。

具体的な例でいうと、今回「バーバパパ」とコラボしているんですが、それがかなり好調なんです。
コラボが生まれたのは、メンバーの話し合いの中で「キャラクターを使ったら応募数が増えるんじゃないか」という、自社において前例の無い発想を出してくれたことがきっかけでした。そこからどんどん施策の幅が広がっていき、想像を超える成果につながりました。

このような成功事例はOKRを導入したことで増えていますし、部署間における「誰が何をやっているのかわからない」という状況を改善することにもつながっていますね。KPIなどの数字に対する意識も以前より上がっている気がします。

加えてこれまでは「賞賛する」という行為をあまり意識していなかったのですが、ウィンセッションを通じて賞賛が増えたことで、社内の雰囲気が良くなっているように感じますね。

ーOKRを運用する中で感じている課題はありますか

平岡:現状はOKRツールの使い方に関してメンバーごとに濃淡があることが課題ですね。みんながきちんと運用できるようになって、全員で「OKRツールに情報を貯めていく」という意識が統一できるといいと思います。

またもともとの目標設定の仕方の問題ではあるとは思うんですが、それぞれのメンバーが100%達成できたにもかかわらず、実際の部門KRが達成されないというケースがありますね。

部門のOKRを分解していくときに漏れや重複なくできていればいいんですけれど、まだまだそこが難しいということだと思います。

掲げたビジョンのもと、家族4世代の幸せを追求していきたい

ー今後、会社が向かう方向性や目標はありますか

平岡:もちろんゴールは我々が掲げているビジョン「家族の健康を支え笑顔をふやす」ですが、そこに対してどういう順番でどういうマイルストーンを置いて、というのは継続して考えていかなければいけないと思っています。

今は子育て層、中でも母親が中心になって利用するサービスに特化していますが、あくまでそれは家族の中で1番重要なポジションにいるのが「母親」と考えているからなんですね。
この先は「父親」や「親世代」をターゲットにしていくことも考えています。

弊社のロゴは「四つ葉のクローバー」が描かれていますよね。

ピンクの葉が1枚ありますが、これは「自分のハート」を表しています。そして他の3枚の葉は「子ども」「親」「おじいちゃんおばあちゃん」、つまり4世代が集まって幸せの象徴になるということを表現しているんです。

このロゴが表すように、我々は4世代に対して幸せにしていきたいという思いを持って事業に取り組んでいます。子どもがパパやママになり、おじいちゃんおばあちゃんに見守られながらまた子どもが生まれていく。そういった家族の輪が幸せに循環していくイメージが、私たちが目指しているものなんです。

育児において、それぞれの価値観が認められる世界を実現したい

ー今取り組んでいる事業について教えていただけますか

平岡:今取り組んでいる事業は、大きく「メディア事業」と「生活支援事業」の2つです。

メディア事業ではITやテクノロジーを活用することで、育児における「知らないから不安」に陥ることを防ぎ、ママの心理的な安全性を高めていけたらと思っています。

一方、生活支援事業は「ママの意思決定をサポートする」がコンセプトの事業です。

母親の目線で様々な商品やサービスをご紹介し、健康で笑顔あふれるライフスタイルをサポートしています。
また会社としては子育てにITやテクノロジーを用いた、豊かな育児になることを『子育Tech(こそだてっく)』と称し、ITベンチャー企業8社と共同で有志の組織を運営しています。

もちろんこのようなサービスに対して「私はアナログでやりたい」という方もいると思います。それはそれで全然いいんですね。

ただ「このような育児の仕方もあるんだよ」という、両方の価値観が認められるような世界にしていきたいんです。

特に今は核家族化が進み、昔であったら同居の親世代から入ってきたようなノウハウが無い状況です。ネットから情報を得るにしても、どの情報が正しいのかわかりづらくなっていますよね。そのような中で、実際に不安になったり、苦しんだりしているママさんもいるんです。

我々の役割は、そのような不安に対して「いかに情報を整理し提供していくか」だと思っています。何か不安が生じたとき、「カラダノートに聞けば安心だ」と思ってもらえたら、こんなに嬉しいことはありませんね。

OKRをうまく活用することで、ワクワクするような飛躍が実現できる!

ここまで、OKR導入に至った経緯やハードル、導入効果や今後の展望までをカラダノート取締役CFOの平岡様におうかがいしました。

導入からまだ間もないにもかかわらず、すでにハッキリとしたいくつかの成果が出ているカラダノート様。恐らくOKR導入前から、チームでの目標に対する取り組みを通じて、質の高いコミュニケーションが取れていたのでしょう。

OKRはチーム間の取り組みを見える化し、組織内の風通しを良くします。それによって、それまでは表に出ていなかった、組織の強さや魅力が引き出されることが多いです。

加えて部署や個人で立てる目標は目にするだけでワクワクするようなものになるため、自然と今までに無いチャレンジングな施策が増えてきます。

今回お伝えした事例を参考に、OKRをうまく活用することでワクワクするような飛躍を実現しましょう!

※本記事は2019年7月時点のものです。

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