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導入事例

「デザイン経営」という壮大な企業戦略テーマに、OKRツール「Resily」を活用して自律的かつ創意工夫のチーム体制で挑む|NTTコミュニケーションズ株式会社様

NTTコミュニケーションズ株式会社(KOEL)


NTT コミュニケーションズ株式会社様(以下、NTT Com)は、早くからデザイン経営の可能性を見つめ、2010年にプロジェクトチームを発足。それ以来、顧客と企業のあらゆる接点でのブランド価値の創出やデザインによる顧客視点でのイノベーションの実現に邁進(まいしん)されてきました。

プロジェクトが大規模かつ複雑になる中で、プロジェクトチームの方向性やメンバーとのコミュニケーション改善のため、2019年6月にクラウドOKRサービス「Resily」を導入したNTT Comに、導入背景や、OKRに取り組んだ成果について、お話をうかがいました。

お話を聞いた方

NTT コミュニケーションズ株式会社
経営企画部 デジタル・カイゼン・デザイン室 担当課長(現所属:イノベーションセンター デザイン部門(KOEL) 担当課長)

金 智之 氏(HCD-Net認定 人間中心設計専門家)

 

3ヵ年計画で進めるデザイン経営戦略は、プロジェクトが巨大すぎて先が見えないことも

デザイン経営の4領域

 

2018年5月に経済産業省が「デザイン経営宣言」を発表したことから、今では一般的になりつつあるデザイン経営という新たな経営手法。

しかし、NTT Comではいち早くプロジェクトを立ち上げて、戦略策定とさまざまな施策検討に入りました。金課長は、立ち上げ時のオリジナルメンバー。デザインを企業価値向上のための重要な経営資源と捉え、ブランド力の向上とイノベーション創出に向けた活動がスタートしました。

Resily:
まず、経営企画部のデジタル・カイゼン・デザイン室としては、現在どういう事をされているのでしょうか?

NTT Com 金 智之 氏(以下、金):
主には、デザインの考え方や方法論を会社の経営に組み込んでいくという事を行っています。一口にデザイン経営といっても幅広い概念ため、4つの領域に区切って、デザイン経営に取り組んでいます。
具体的には、

・プロセス(Process)
・プレイス(Place)
・ピープル(People)
・プリンシプル(Principle)

の4つの領域で区切り、具体的な施策に落とし込んでいく形です。

まずプリンシプルについては、経営の指針を変えていくという事で、コーポレートレベルからサービスレベルまでのリブランディング、企業のExperienceを大切にして引っ張っていける方の配置や、体験価値を経営指標としてNPSなどから捉えていく取り組みをしています。特にブランディング観点で大きいものだと、NTT Comとしての一貫した経営理念を作るプロジェクトがあります。

次にプロセスについては、デザインプロセスを機能別の組織に合わせた形で、日々の業務プロセスに落とし込んでいく取り組みです。ピープルは、問題解決のためのデザインができる方を増やすために、新規採用や社内でのデザイナーへの転向支援などを行っています。最後にプレイスですが、これはワークショップができる場所、コミュニティなどを作っています。これらを、3ヵ年で進めていますね。

Resily:
そういった中で、現状Resilyを使ってOKRに取り組まれているかと思うのですが、どういったきっかけがあったのでしょうか?

金:
きっかけとしては、元々チームメンバーが10人いて、途中増減もする中でメンバーから「プロジェクト全体が俯瞰(ふかん)できない」であったり、「自分の仕事が何に貢献しているのか分からない」という声があったんですね。4つの領域に分けて取り組んではいますが、それでも一つひとつのプロジェクトが大きいので、やりきった感がないといいますか、3ヶ年全体の中での進捗が分からないといった感じですね。メンバーからすると、目隠しされて手を引っ張られながら走ってるような状態だったと思います。また新しいメンバーにプロジェクトへのキャッチアップをしてもらう方法として、今までの資料を大まかに渡すだけではなかなかうまくいきませんでした。

巨大なプロジェクトなので、PMOとしてもマネジメントのしづらさがありました。個々のプロジェクトにも参加はしていたのですが、日々スコープが広がり続けていたこともあり、目標設定やスコープ管理、コミュニケーションに課題を感じていましたね。そこで、マネジメントについての情報収集をする中で、いわゆるOKRの白本『シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』に出会いました。

※『シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』の書籍については、こちらの記事でも紹介しています

OKRを学べるおすすめ本を紹介します!現場に活かすためのポイントとは?

 

OKRに取り組む事で、メンバーとのコミュケーションが改善され、マネジメントがしやすくなった

月次レビューにおける、チームでの振り返りワークショップ風景

 

Resily:
まず、どのような期待からOKRをはじめられたのでしょうか?

金:
もともと会社としては、言われたことをやるという傾向が強かったので、自律的に動いてもらえるようなんとかできないかと思ってたんですね。
WBSだと管理感が強くなりより受け身になってしまう印象だったので、OKRの自律性や創意工夫性の部分が、やりたい事にフィットすると思いました。

具体的には、
・メンバーが動きやすいチームにするために役割と目的を明確にしたい
・わかりやすいスパンでの目標設定をしたい
・コミュニケーションのためのイベントが、週1の定例だけだったので見直したい

という事をしたくて、PMOとしてはプロジェクトごとに目的・ゴール・期間を管理していたのですが、先程お伝えしたようにメンバーからするとプロジェクト間のつながりが分からないであったり、目的や目標の設定方法が分からず、形骸化してしまっていました。ですので、全体感を把握しつつやりがいを持って動けるマネジメント方法を探していたところOKRに出会い、最初からシステムもあわせて入れた方がスムーズだと思ったので、OKR運用のためのサービスも探して、Resilyを見つけたという形になります。

ただ最初からResilyを使っていた訳ではなくて、元々他社のサービスを試していたんですよ。隣のチームが使ってたので、見せてもらったりアカウントを作ってもらって試してみてたんですが、少し使いづらかったんですね。そこで他のサービスもないかと探した結果Resilyを見つけて、使い比べてみて、導入に至りました。

Resily:
実際OKRに取り組んでみて、効果の程はいかがでしょうか?

金:
突然効果が出た感じではありませんが、徐々にコミュニケーション部分から変わりつつあると実感しています。運用開始後、メンバー向けにOKRについて聞くアンケートを取った時は、当時まだ浸透しきっている感じではなかったのですが、前向きにうまく取り組めているメンバーもあらわれていました。元々全体感が分からないと言ってたメンバーからも、
「OKRに取り組むことで、今の取り組みとプロジェクト全体との関連が明確になった」という感想もありました。まだ完璧にまわっているわけではありませんが、いわゆるOKRイベントとしてのチェックインやウィンセッション、月次や3ヶ月のレビュー、また1on1もやってみている中で、OKRベースで話ができる形になってきており、マネジメントしやすくなってきていると感じています。

ただ一方で、運用の中で要望も出てきてまして、例えば定めたOKRに対するフィードバックや、リアクションをもらうなどのコミュニケーションが、Resily内でできればより良いと思っています。あとはウィンセッションの運用についても、すごく盛り上がる時とそうでもない時があって、コツが必要だと感じていますね。場の特殊性といいますか、今までと違うことをやってる感じがあると盛り上がります。4人くらいでビール飲みつつやった時はとても盛り上がったんですが、ただの飲み会みたいになってしまいました笑

これから更にプロジェクトに関わる人数が増えていく予定なので、どうやってコミュニケーションやOKRのイベントをより良く運営していくかが課題です。

Resily:
OKRの中での1on1は、具体的にはどうおこなわれているのでしょうか?

金:
特に難しいことはしておらず、いま何をやっているかを確認するぐらいですね。業務 / チーム / キャリアといった観点で、最近の状況や詰まりがないかを20分程度話します。そこでOKRについても触れたりしています。皆悩んでる事やモヤモヤしている事もあるのが分かりますし、メンバーからもやってよかったという感想をもらっています。隔週で水曜の午後にやってますが、人数が増えてきたので半日潰れちゃったりとかして、結構負担が大きいのが悩みではあります。あと1on1を誰とやるのか問題もありますね。課長というポジションだったら誰でもいいとという訳でもないと思うので。

普段使っているチャットツールで話す中でも、そういった日々の悩みやモヤモヤはキャッチするようにしています。理想としては、ResilyでOKRを運用する中で自然にキャッチできればいいんですが、そこまではまだ運用しきれてない感じですね。

Resily:
普段のコミュニケーションはチャットで、週のOKRイベント等はResilyで、という形で使い分けていただいてるんですね。

 

今後の展望、デザイン組織であるために

Resily:
今後、OKRを使って「こういう組織を作りたい」というような展望はあるでしょうか?

金:
ちょうどいま設計しているところでして、今はOKRに取り組んでるメンバーが約10人なのですが、1人1チームではなく複数のチームを兼務している状態なので、チェックインの時間などが物理的に被ったり、その結果時間がズレたり、手持ち無沙汰の人が出てきたりしてしまっています。メンバーが増える中で業務はさらに細分化されていくので、できればOKR内でいくつかのチームを編成したいと考えています。

その実現のためには、どのようなコミュニケーションやイベントが必要かや、上流のディレクションをどうやっていくのかが、これからの課題です。まずは確実に成果が出る単位に絞っていこうとは思っています。あとは実行する人と支える人を分けたいですね。具体的には、オペレーションやガイドラインを揃える人、現場のプロダクトの人達と一緒にUIデザインしたりリサーチしたりする人、という風にロールを分けたい。そういう状態であれば、自分達のOKRがやりやすくなると思いますし、自律的に動ける余地が広がりそうなので、そんな組織を作っていきたいと思っています。

Resily:
今後、どのような年代の方が多くなっていくイメージでしょうか?

金:
まだハッキリとは見えていないのですが、今後おそらく若い方たちが増えると思っています。社内の各部署で決定するメンバーの参加もあると思いますが、こちらから指名できる枠では、若手の方を中心に集めていく形になると思います。

Resily:
若い方だと、自走していい組織で働ける事はモチベーション向上につながりそうですよね。

金:
そうですね。ただ人によっては何にモチベーションを感じるかは結構違ったりもしてて、いわゆる診断テストが社内で行われた際は、自律性にモチベーションを感じるメンバーが意外に少なかったんですよ。なので、個人の特性を把握した上での目標設定ができるとより良いかと思っています。一人ひとりが試行錯誤しつつ、やれる事が広がる、深まる、といった形になるのが理想です。これまでは、デザイナーという役割の細かい定義はしていなかったんですが、今は決めた方が個人のキャリアが明確になると思っています。新しい組織にあわせてロールを決めていきたい。そうなると、これが得意だからこういう事をやろう!というように、自分なりにも方向性が見えてくると思うんですよね。また強みがどこにあるのかも明確になると思います。

今後は会社全体でOKRをやれるといいなと思っています。ただ組織に「余白」がないと、なかなかOKRのような新しい取り組みを始められなかったり、始めたとしても運用がおざなりになってしまう懸念はあります。余白を生むために、フォーカスという観点で、やめることを決めるというのも大事ですね。OKRで決めた目標に対して最適な組み合わせや役割や配置を決め、それぞれが最大限力を発揮できるような組織にしていきたいです。

 

OKRとResilyは、ありたい組織像を目指すためのパートナー

ここまで、OKR導入に至った経緯や導入後の印象や効果、今後の展望までをうかがいました。

導入から約半年、コミュニケーション面やマネジメント面で効果を感じられているNTT Com様。お話をうかがう中で、組織の成長だけではなくメンバーの成長への想いも伝わってきました。組織の成長に向けては、チームや組織のトップの想いと、それを実現するための手段の両輪が組み合わさる事で、より効果が高まるものだとあらためて感じます。

OKRは、プロジェクトや組織の取り組みの見える化により、マネジメント効果の向上やメンバーのモチベーションアップにつながります。また、ありたい組織像を目指すための手段としても効果的です。

今回お伝えした事例を参考に、自社でのOKRの活かし方を考えてみませんか?

※本記事は2020年3月時点のものです。