OKRの報酬制度のあり方について【実例紹介】BLOG

 2023.8.31

この記事ではOKRの報酬制度について、実例と共に紹介していきます。

OKRにおける報酬制度のあり方はわかりにくいかもしれませんが、OKRを導入している企業の実例を知ることで、組織にあった報酬制度を設計できるはずです。

「OKRの導入を検討しているけれど、人事評価や報酬はどうすればいいのか...」

と悩んでいる担当者様はぜひご一読ください。

過去に開催されたOKRと人事評価に関するセミナーを無料で公開しています。こちらも併せてご視聴ください。

報酬制度とは何か

報酬制度は、社員に対して企業が求める行動を促し、その行動による貢献などに報いることで、人件費を配分していくための仕組みです。

そのため、報酬制度設定時には、以下の内容の把握が必要です。

・企業の経営や人事方針
・社員の人員構成と人件費の見通し
・人事制度を運用する背景
・評価する側の説明能力
・社員の成熟度

これらを踏まえたうえで、それに適した報酬制度を企業の状況に合わせて設計する必要があります。

OKRの報酬制度について検討している経営層の画像

報酬制度には人事評価も関係してくる

人事評価とは、社員の評価を行いその評価を待遇に反映させる制度です。

人事評価制度は主に評価制度、等級制度、報酬制度の3つの要素から成り立っています。

評価制度は企業の方向性を示す行動指標に基づき、評価対象期間の業績や行動を評価し、その結果で等級や報酬が決まります。

等級制度では、企業内での等級とその等級に求められる役割や権限を示す制度です。等級によって社内での立場が明確になるため、重要な制度といえます。

報酬制度は、従業員に対しての給与や賞与などを決定する制度です。評価制度や等級制度などの評価結果に基づいているため、個人個人に応じた賃金の支給が可能です。

そのため、報酬制度と人事評価は深く関係してきます。

【参考】OKRと人事評価の関係とは?評価制度の例もご紹介します

OKRの特徴について解説

OKRは人材管理・目標管理のことで、Objective and Key Resultの略称です。

OKRはアメリカのインテル社で誕生し、googleなどの世界的大企業で取り入れられたことで、近年注目を集めています。

OKRの目的は、企業に所属している全従業員が会社と同じ方向に進むようにすることです。

そういった状態になれば、個人個人の目標の達成が、会社にとっての目標の達成につながる特徴があります。

OKRの基本から導入方法、事例までを詳しく記載した記事はこちらになります。報酬制度よりもまずはOKRを学びたいという方は、ぜひ併せてご覧ください。

OKRとは?Google採用の目標管理フレームワークを導入事例を交えて紹介。KPIやMBOとの違いも解説

OKRにおける報酬制度のあり方について

OKRは従来型の管理手法であるMBOやKPIとは運用が異なります。

MBO(Management By Objective)は目標管理制度であり、個人ごとまたは所属するチームごとに目標を設定し、その目標に対しての達成度を評価する仕組みです。

MBOが目的としているのは、個人の目標を組織として管理し、その結果を人事評価に結びつけることです。

そのため、目標は設定期間内に100%達成することが求められます。

KPI(Key Performance Indicator)は、代表的な人材マネジメント手法で、主要業績評価指標と訳されています。

KPIの目的は、目的に対しての達成状況の測定・把握を行い人材を管理することです。

MBOと同じく目標の100%達成が求められます。

そのため、MBOとKPIは報酬制度と紐づけられる場合が多いです。

それに対してOKRは、組織やチームの目標に対してメンバー各自が自発的に目標を立てたうえで、具体的な行動をおこします。

また、達成度が70%と困難度の高い目標を立てるのが特徴です。

MBOやKPIのように100%の目標達成を求められていないため、報酬制度と結び付けにくいと言われています。

MBOとOKRは併用する手段もある

MBOを導入する企業では、OKRを導入することができないのではと感じる方もいます。

しかし、OKRでは必ず報酬と評価を結び付ける必要がないため、MBOとOKRの2つの手法を併用することが可能です。

併用する場合のやり方は企業により違いはあるものの、一例を挙げます。

例えば、MBOの目標とOKRでの目標を別々に設定し、MBOの目標のみを評価に紐づけ、OKRの評価に関しては、評価に紐づけない運用も可能です。

また、併用しなくてもOKR、MBO単体で報酬制度と結び付けることができます。

どのように目標達成度を報酬制度に紐づけるのかは、企業の状況を把握したうえで検討する必要があるでしょう。

Resilyでは従来のMBOによる目標管理に不満を感じていた企業の課題解決としてOKR導入を行いました。事例記事としてまとめていますのでぜひご一読ください。

MBOからOKRに変えたことで、自律的にアクションする組織づくりに成功した事例

従来のMBOでは会社が目指しているところがわからないということに課題を感じ、OKRと専用ツールResilyの導入を決めた大日コンサルタント様の事例です。

詳しくはこちら

OKRは結果を報酬に反映させるには向いていない

OKRにおけるO(目標)の難易度は、部門やチームによって異なり、KR(主要な成果)の達成状況の判断も考え方がさまざまです。

そのため、目標を定量化しにくく、結果を報酬に反映させることに向いておらず、OKRを導入している日本企業でも、OKRの達成状況を報酬制度に結び付けているところは多くないです。

OKRを評価と連動させる場合、困難度の高い目標であるため失敗を社員が恐れて萎縮する可能性があります。

目標の達成率が70%程度であるため、不可能ではないものの、報酬制度には適しているとは言い難いです。

実際、OKRを導入している企業も、個人の評価ではなく、チームの評価に適応するなど工夫しています。

OKRだけでなく、他の評価とあわせた総合的な評価が必要

OKRを報酬制度に結び付けると達成が困難な目標ではなく、達成が容易な保守的な目標を設定します。

また、達成が困難な目標の進捗状況が悪い場合には、不当に評価を下げられるという不公平感が生じるリスクがあります。

こういった事態が発生すると、企業の目標と従業員の向う方向に齟齬が生じるため、OKRの目的である、「企業の目標に向って従業員の方向を一致させる」ことは困難です。

こうした事態を避けるためにも、OKRを参考にしつつ、他の評価(「成績」、「能力」、「情意」)などを加味したうえで、報酬制度を整える必要があります。

他の評価としては、成績・能力・情意考課があります。

成績考課は、設定した目標の達成度、社員の活動を評価することです。

評価を数値化しやすい反面、目に見える実績が評価されやすいため、実績を達成するまでの過程も評価することが重要です。

能力考課は、従業員が仕事を通じて身に着けた能力やスキルを評価します。

能力考課では、社員の立場や業務内容を考慮しつつ、難易度が高い仕事の達成状況や緊急時においての対応を評価します。

情意考課は、勤務態度や仕事への意欲を評価することです。

また、仕事に対する責任感、積極性、協調性や規律性がも加味されたうえで評価されます。

OKRの達成度だけではなく、さまざまな評価を行ったうえで、総合的に評価を下す必要があります。

OKRの評価に関してまとめている記事もありますので、併せてお読みください。

OKRと人事評価の関係とは?評価制度の例もご紹介します

OKR導入企業の報酬制度の具体例

日本でOKRを導入している企業は増加傾向にあります。

そういった中で、GameWith、ChatWorkの2社はOKRを報酬制度に結び付けた運用を行っています。

株式会社GameWithのOKR活用法

株式会社GameWithは、国内最大級のゲーム攻略情報サイト「GameWith」を運営している企業です。

以前のGameWith では、メインビジネスであるゲーム攻略事業には求めるスキルを定義したグレード制度というものはありましたが、他の事業部では明確に定義された制度がなく、特に目標管理は全社で統一されておらず、明確なゴールがないまま、期末に属人的に評価されるという流れになっていたため、人事・評価制度がしっかりと整った状態ではありませんでした。

そこで、そんな状況を変えるために取り入れられたのが、OKRと目標管理ツールの導入です。OKRを導入したことにより、会社として目指す方向が統一されることで経営と現場の目線が合うようになりました。
また、GameWithではOKRを評価と連動させており、OKRの達成率とバリューによる総合評価を行っています。

実例については下記をご覧ください。

【参照】

【OKR最前線vol.3】HRデータを徹底的に「見える化」 GameWith流・OKRを利用したゼロからの人事評価とは?

ChatWork株式会社のOKR活用法

ChatWork株式会社は、ビジネスコミュニケーションツールのなかで圧倒的なシェアを誇る「チャットワーク」を運営しています。

ChatWorkは、企業が成長していくにつれて増えていく社員数に、「メンバー一人ひとりの活動を共有し、評価する」というこれまでの評価方法では負担が大きくなり、さらに会社の戦略や方針も社員に浸透しづらい状況に陥りました。

そこで「評価制度の刷新」と「社員と経営の目線のすり合わせ」を目的として、2017年からOKRが導入されました。しかし導入後、すぐには効果が出ず運用方法について見直されることなります。
導入当初はOKRの達成率を評価制度に連動させていたものの、あまりうまく運用出来ているという手ごたえがなかったため、2018年からはOKRの達成率を評価に連動させないという運用方法にしました。
代わりに、業績評価にOKRを参考にした数値を入れる際に、OKRを通してどれだけチャレンジしたのかなどの内容に変更し、評価に加えていったのです。

こういったトライ&エラーを繰り返すことで、ChatWorkは人事評価を社員のモチベーションに繋がるような制度に昇華させながら、OKRをコミュニケーションツールの1つとしても役に立つ運用を行えています。

実例については下記をご覧ください。

【参照】

【OKR最前線vol.2】ChatWork流 「完璧を求めない」「カッコつけない 」理想の会社に近づけるためのOKR運用

OKRの達成率は報酬制度の評価基準の一つ

OKRの達成率だけを報酬に紐づけると、社員の不安や不満を招く可能性があります。

他の評価と合わせた総合的な評価が必要であるため、OKRは報酬制度の評価基準の一つと考えておきましょう。

OKRを使った目標管理でプロジェクトを成功に!「Resily」

Resily」は国内ツールで唯一OKRに特化したものです。ドラッグ&ドロップでOKRツリーの作成ができ、進捗状況の更新リマインドやチャットツールへの通知などOKRを効率的に運用するための機能が充実。

スプレッドシートやExcelなどでOKRを管理しているけど不便さを感じている、もっと効率的に運用したい、というお悩みをズバリ解決してくれるツールになっています。

他のツールとの違いはOKR特化でOKR関連の機能が充実している点です。タレントマネジメントや人事評価の機能がメインのツールはOKR管理はオプション機能のため、OKRでマネジメントを革新したい!という方には物足りないと感じてしまうかもしれません。

チームや組織のマネジメントの中心にOKRを置きたい、浸透させたいという方にはResilyがおすすめです。

ResilyはSansan株式会社やみんなの銀行など全社的にOKR導入に取り組んでいる企業を中心に170社以上の導入実績があります。

Resilyを使って作成したOKRツリー

Resilyは20日間無料でツールのすべての機能を試すことができます。クレジットカード登録や商談なしで試すことができるのでまずは使ってみましょう。サンプルOKRが最初から入っているため、これからOKRを始めたいという方でも利用イメージがつかめるようになっています。

また無料アカウント開設された方には無料で30分間の面談も行っています。今行っているOKRの診断やResilyの活用方法などお気軽にご相談いただけます。

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