OKRとは

企業とそこで働く社員が成長していくために、さまざまな組織マネジメント手法 がこれまでに開発され、そして取り入れられてきました。その中で、現在特に注目されているのがグーグルやメルカリが採用した、OKRという目標管理手法です。

OKRは、Googleで採用されたマネジメント手法

OKRとは目標の設定・管理方法のひとつで、Objectives and Key Results(目標と主要な結果)の略称です。

海外の成長企業で活発に採用されており、日本ではGoogleで採用されたマネジメント手法として、書籍が売り出され認知されてきています。

OKRの主な特徴は従来の計画方法に比べて高い頻度で設定、追跡、再評価すること。

チームの成長やチャレンジを促す仕組みを整え、すべての従業員が同じ方向を向き、明確な優先順位を持ちながら一定のペースで計画を進行できるようするためのマネジメント手法です。

詳しいOKR情報は
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OKRで解決できる組織課題

労政時報掲載 OKRの基本と導入

人事評価制度とOKR

なぜOKRが世界的スタンダードになっているのか?

OKRは、自分が所属するチームや会社の組織のありようを一変させていく目標管理手法とその取り組みです。

社会が横並びで成長していた時代と違って、現在は半年もしないうちに事業環境がどんどん変わっていきます。形骸化した「無難な達成目標」や「あいまいで測定不可能な目標」に従い、意味のない仕事をしていると、競合他社に取り残されていくばかりです。

しかしながら、既存の人事評価と組み合わされた目標管理ではこういった課題を解決するのが難しいとされています。

会社員の方であれば、会社から何らかの人事評価を受けているでしょう。「半年または1年に1回目標を設定し、半年または1年後の評価面談で振り返りを行う」というケースが多いはずです。

会社からは売上数字やあいまいな目標しか与えられず、仕方なく無難な数字を立てたり、 あいまいな目標を作っている。それは自分の評価に直結するので仕方がないということもあるでしょう。

このような目標管理の課題を解決するために生まれたのがOKRなのです。

世界的スタンダードであるOKRが、
日本企業では一般的ではない理由

日本国内の標準的目標管理はMBOです。MBOは人事評価制度として色合いが強く、OKRのように組織目標を達成するための考え方ではありません。そのため、目標管理においては上のデータのように多くの問題点を抱えています。

なぜ問題が多いか?

目標管理だけでなく、報酬設計・パフォーマンス管理がごちゃまぜになっているためです。本来、これらは整理された上で各要素に対して適切な制度設計が必要になります。

その点に気づいたグローバル企業では早々にOKR/CFRの採用が進みました。残念ながら日本企業はいまだに旧来的なMBO(人事評価制度)を継続してしまっているという状況なのです。

OKRとMBOの違い

OKR

目標設定

OとKRで規定、組織全体に公開し全員が同じ方向を向き、生産性を向上することを目指す

パフォーマンス管理

週単位レベルのコミュニケーション頻度を推奨しており、対話、フィードバック、承認のコミュニケーション設計を規定して実施する。

MBO

目標設定

人事評価のため上司と部下でのみ会話されブラックボックス化してしまいがち。定性・定量、組織目標との結びつけなどの具体的なガイドラインを設けている企業は多くありません。

パフォーマンス管理

会社制度上、多くの場合は半期・年次での振り返りのみ。近年は、高頻度な1on1が普及し始めたが、話す内容は属人的であり、目標達成に繋がってはいないことが多い。

OKRMBO
主な目的生産性向上・目標達成人事評価・報酬査定
目標の立て方全体の意図と関連した全社最適な目標設定
ワクワクするようなストレッチ目標を指向
上司・部下間で個別最適な目標設定
内容は属人的に決定される傾向
目標の共有範囲全体公開上司・部下に限定
振り返り頻度リアルタイム/1on1やチーム会議半期・年間に1回/上司と部下で面談
報酬との連動(結果と直接は)しないする

OKRの基本

OKRは「野心的なObjectiveと測定可能な Key Results」から成り立ちます。それぞれは次のように定義されます。

Objective(目標)

現状業務の延長ではなく、「ビジョンの実現に貢献する野心的な目標」を設定します。
「何を達成したいのか?」と聞かれたときに「定性的」に答えるものだと考えてください。

Key Results(主要な結果)

その目標の達成度を示す指標で、「Objectiveが実現したことに、どうやって気づく?」の問いに「定量的」に回答するものとします。

OKRは、Objective(目標)を達成困難で野心的なものに設定し、Key Results(主要な結果)はその目標の達成度の尺度と基準を客観的指標で示すことです。

ObjectiveとKey Resultとは?

OKRはObjectiveとKey Resultsを組み合わせること。そして、その実行を頻繁に振り返るシンプルな仕組みで、この「O」と「KR」を設定することが大きなポイントになります。

OKRの大きな特長は頻繁にフィートバックを行い、必要があればすぐ修正することです。

1年や半年の単位ではなく四半期(3ヶ月)で見直すことが推奨されます。現在のような事業環境がすごいスピードで変わっていく時代には、とてもマッチした手法です。

まず重要なのが、この「Objective(目標)とKey Results(主要な結果)」 を決めることと言えるでしょう。

OKRの基本的な考え方

ObjectiveKey Results
質問何を実現したいのか?Objectiveに到達できたことに、どうやって気づくか?
形式定性的な表現をおく
際立っていて鼓舞されるような表現にする
1つのObjectiveに3~5つ
第三者から見てもわかるように、測れる/観察できるものにする
注意点KRはObjective実現のための仮説ですモラルを損なう過度な目標はNG
ObjectiveとKey Resultsのバランスを取る
全て達成されるとObjectiveが実現するかどうかの関係性をチェックしましょう
KRはObjective実現のための仮説です
全て達成されるとObjectiveが実現するかどうかの関係性をチェックしましょう
具体例生活スタイル提案企業への変革東京の表参道・銀座・六本木に情報発信基地としてのカフェを出店

OKRの考え方の基本

O:Objectives(目標)を設定

Objectiveとは、事業のゴールと、なぜそのゴールを目指すのか?を表したものです。Objectiveの設定には、いくつかルールがあります。

Objective設定時のルール

・野心的だが現実的であること
・具体的で客観的、曖昧さがないもの
・目的が達成されたか否かが明白であること

優れたObjectiveが設定できれば、方向性が明確になり、併せて設定するKey Resultのクオリティも上がり、より成果を得られる可能性が高まります。

KR:Key Result(重要な成果)を設定

Key Resultとは、Objectiveの達成を測定するための成果指標です。Key Resultを達成することが、Objectiveの達成につながります。Key Resultの設定にも、いくつかルールがあります。

KR設定時のルール

・定量的で数値で測れること
・活動ではなく成果であること(「分析する」ではなく「分析結果を公表する」など)
・完了した事を証明できる根拠が明示できること

時には、運用開始後に正しいKRが見えてくる事もあります。

Confidence Level(自信度)を設定

自信度とは、各メンバーが自分の目標について、主観的に、今の目標を達成できそうか?を、他のメンバーに共有する目的で設定する指標です。

自信度が高い場合、進捗が良い理由は何か?自信度が低い場合、進捗を妨げているものは何か?またチーム内で自信度にばらつきがある場合は、業務の割り振りを見直す必要があるかも知れません。チーム全体の自信度が低い場合は、そもそも設定しているOKRの修正が必要な場合もあります。

例えば毎週のチェックイン時に、各メンバーに自信度を入力してもらい、その内容をベースに、業務の割り振りやOKR自体を見直しを話し合います。
自信度があることで、チームの健全性を保ちつつ、OKRの達成を目指すことができます

OKRが生まれた背景

OKRという言葉は、グーグル社の関係者が著した『How Google Works—私たちの働き方とマネジメント』や『WORK RULES!』の中で紹介され、日本で急速に広まりました。しかしOKRはさらに前、インテル社からはじまったのです。

グーグルの急成長を支えたOKR

グーグル社は現在世界有数のメガ企業。しかし1998年頃は小さなベンチャー企業に過ぎませんでした。

21世紀に入って恐るべき成長を遂げ、現在のような巨大企業になったわけですが、その技術力はもちろん、独特な人事制度にも注目が集まりました。

どうやって組織を拡大・成長させてきたのか。その答えの中核にあるのがOKRという目標管理手法だったわけです。 そして現在、日本のメルカリ社をはじめ、スピード感をもって成長する多くのベンチャー(スタートアップ)企業が取り入れはじめています。

また、歴史ある大企業においては、何かしらの変革に迫られた状況に陥っており、変革実行のためにOKRを導入しようとする動きが活発化しています。

インテルの復興を支えたOKR

OKRの考え方は米国インテルで生まれました。1979年、インテルはメモリチップ市場で日本企業やベンチャー企業から攻勢を受け、収益の柱であるマイクロプロセッサ市場でもモトローラ社に押されて青息吐息でした。

インテル存亡の危機だったのです。そこでインテルは社長に就任したアンディ・グローブのもと、 OKRという新しい目標管理手法を推進し、約2000人の従業員のうち半数を動員する「クラッシュ作戦」を展開した結果、数年後には競合に勝ち、市場を制することができました。

当時インテルで働いていたジョン・ドーア(グーグルにOKRを紹介したベンチャーキャピタリスト、『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法OKR』の著者)は、1000人もの従業員を動かすための驚異的な情報伝達は、OKRシステムがなければ実現しえなかったと言います。

ドーアは、インテルの復興にOKRの“4つの特徴”が表れていると語っています。 それは、「ストレッチ」「トラッキング」「アラインメント」「フォーカス」です。

OKRの“4つの特徴”

特徴1「ストレッチ」

一見達成が困難なストレッチ目標を立てる事で、挑戦する文化やイノベーションだけではなく、メンバーの成長や連帯感も生まれます。

OKRにおけるストレッチとは

・社運を賭けるレベルの大きな目標
・そもそものやり方を変えないととても達成できない目標
・当たり前の事をとんでもないレベルで行う目標

ムーンショットと
ルーフショット
OKRの目標設定種類

ムーンショットとは、チャレンジングで達成が難しい野心的な目標。アポロ計画の月面着陸が語源(それほど達成が困難という意味)で、60~70%の達成で成功とみなされ、達成のためにはイノベーションを起こす必要があります。
ルーフショットとは、現実的な範囲で達成可能なコミットする目標のことです。「屋根(roof)に届くほどのショット」という意味で、100%以上の達成で成功とみなされます。
どちらかの種類の目標とするのではなく、組織の目指す方向や状況に応じて併用し、重み付けを行います
売上や収益といったコミットが必要な目標はルーフショットとして設定、業界を変えるなどの壮大な目標はムーンショットとして設定するなどします。
OKRの設定には、ガイドラインはありますが、決まったルールはありません。状況に応じた柔軟な目標設定を行いましょう。

ムーンショット

非常にチャレンジングな目標

60~70%で達成成功とみなされ、
完璧にできなくてもよいとされます。

ルーフショット

難しいけど達成可能な目標

100%の達成こそが成功であり、
100%未満は失敗とされます。

ストレッチによって
得られるメリット

相互配慮

目標の実現に向けて、メンバー全員で全力を尽くす過程で、メンバー全員も成長でき、連帯感が生まれます。

野心的な計画と挑戦

ムーンショットと呼ばれる、一見無謀な挑戦を思いつく自由な発想と、失敗を恐れない前向きさが生まれます。

モチベーションアップ

高い目標は業務への関心を高め、魅力を発見する動機付けになり、意欲や積極性が生まれます。

特徴2「トラッキング」

定期的にOKRの進捗をトラッキングすることで、正しい目標に向かうための機会が生まれ、各メンバーの貢献や方針が明らかになりエンゲージメントが高まります。

OKRにおけるトラッキングとは

・OKRを推進する担当を決めましょう
・その担当の方を中心に、定期的にOKRの進捗をチェックします(目安は週次ペース)
・OKRの期間(例えば四半期)が終われば総括を行い、OKRの見直しを行います(継続、修正、新規開始、停止)停止する場合、関係メンバー全員に必ず通知&なぜ停止するのかの振り返りをしましょう

トラッキングによって
得られるメリット

適正な貢献評価

各メンバーが、自分が正しい仕事に取り組んでいるか、仕事が組織の成功にどのように貢献するかわかることで、組織へのエンゲージメントが高まります。

臨機応変なOKRの見直し

OKRを見直す事で、状況の変化に対して柔軟に対応ができます。(OKRは本来、状況に合わせて適宜調整していくものです)

特徴3「アラインメント」

組織のOKRがすべてのメンバーに共有され、方向性がアラインメントされることで、ボトムアップの文化が生まれ、部門を超えた連携が生まれます。

OKRにおけるアラインメントとは

・組織の透明性を重要視するため、全体OKRはすべてのメンバーで共有します
・組織階層を気にすることなく、1人ひとりが会社の方向性を理解した上で、目標設定を行います

アラインメントによって
得られるメリット

メンバー同士のサポート

同じ課題感を持っているであったり、同じ取り組みをしている同僚が分かり、まわりからのサポートやアイデアが出る機会が生まれます。

個人と組織の整合性

個人の仕事が、チームの取り組み・部門のプロジェクト・全社的なミッションと結びつくので、方向性の整合が取れます。

業務効率改善

業務の重複が明らかになり、時間やコストを見直すことができます。

特徴4「フォーカス」

目指す目標を絞り込む事で、何をやらないのか?を決め、会社全体としてやるべき重要なプロジェクトにフォーカスすることができます。

OKRにおけるフォーカスとは

・ストレッチした目標(Key Result)を、3~5個に絞って立てます
・リーダーが全力で取り組む姿勢を、全メンバーに言葉と行動で示します

フォーカスによって
得られるメリット

建設的な議論

重要な局面で、組織全体が戦略にとって重要なことに集中できます。その結果、無駄を排除した建設的な議論が進み、会社の成長を後押しします。

競合差別化

決定的な違いを生む可能性のある、ごく少数のプロジェクトにフォーカスできます。

OKRを使った
継続的パフォーマンス管理

「1on1(ワン・オン・ワン)」の取り組み

「対話(Conversation)」は、上司と部下が1対1で、部下を中心にして上司がフィードバックを行う個人面談の「1on1(ワン・オン・ワン)」に近いものです。ヤフーの取り組みを契機に、1on1に取り組みはじめる日本企業が増えています。

「フィードバック」の一形式「360°評価」

「フィードバック(Feedback)」は、「組織のあらゆる部署の人々とのオープンな対話」であり、リアルタイムに、さまざまな方向からメンバーに提供されるものです。「360°評価」(組織内さまざまな人からの多面的評価)はフィードバックの一形式であり、部門横断型の取り組みにおいて特に有用です。

「承認」がポイント

「対話」「フィードバック」を実施している企業は多いはずですが、次に紹介する「承認」については、目新しく見えるかもしれません。「承認」は、会社の目標や戦略と結びつけた成果を同僚の間で互いに認め合うものです。大きな成果のみならず、期限に間に合わせるための懸命な努力、提案へのひと工夫など、マネージャーからすると当たり前に思われる成果であっても、承認することが重要とされています。

Resilyで行っている
OKR導入支援のご紹介

事前準備から効果の実感まで

ResilyではOKRツールの提供だけでなく、事前準備の制度構築の段階から専任スタッフがサポートします。ツールを使っての定着化から、成功事例の創出と組織内での活用を支援することで、OKRの効果が実感できる仕組みを作っています。

社内ワークショップの実施

取り組んでいくOKRを決めるため、関わるメンバー全員で、OKRを決めるための作業やディスカッションを行う必要があります。関係者全員でワークショップを行うことで、OKRの整合性があることや意思決定者の承認のルールをあらかじめ決められ、スタートしてからの摩擦を少なくすることができます。

OKRセミナーの開催

OKRに取り組んでいくにあたり、目的や設定方法、運用していくにあたってのポイントなどをセミナーで情報提供しています。OKRの導入や運用を進めていくには、導入の担当者や決裁権のある方だけではなく、OKRに関わる全員の理解や協力が必要です。セミナーにより、OKRの理解を深め、「なぜOKRをやるのか?」を共有することでスムーズな導入が可能になります。

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