2021.8.1
「目標設定の仕方が分からない」「設定した目標を管理できない」というお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
目標設定をする際にフォーマットに沿って埋めていくことで、効率よく目標設定とその管理ができます。
今回はそのフォーマットとなる目標設定シートの作成の仕方やポイント、職種ごとの記入例をまとめていきます。
こちらを参考に自身の立場に合った目標設定シートを作成してみてください。
目標設定シートとは、効果の高い目標の設定とその行動計画の策定を効率よく行うツールです。
仕事において目標設定をすることによって、モチベーションの向上や効率よく仕事を進められるといった効果が期待できます。設定した目標にはそれを達成するための具体的な行動が伴い、その進捗を定期的に確認することが重要です。
目標設定シートを活用して目標設定を実施することで、目標設定する人も手順に従うだけなので取り組みやすく、評価する人も組織内のフォーマットが統一されるので管理がしやすくなります。
目標設定シートには組織によって作成するフォーマットはさまざまです。
ここではその基本的な項目や作成するメリット、ポイントをまとめていきます。こちらを参考に目標設定シートを作成するイメージをつけて、自社に合ったフォーマットを作成してみましょう。
目標設定シートを作成する大きなメリットは「目標とステップの視える化」です。目標設定シートには組織の目指すべき方向性に基づいた達成すべきゴールとその達成に向けたステップが明確に記載されます。組織のメンバーのやるべきことが一目で分かることで、個人の業務へのモチベーションを維持し高い成果を生むでしょう。また、メンバーの目標が明確になっていることで上司も評価や指導を行いやすいという点も、目標設定シートのメリットと言えます。
前述した通り、目標設定シートのフォーマットは組織によって違います。
最も重要なのは自身の組織に合ったフォーマットで目標設定シートを作成することです。
こちらでは基本的に抑えておきたい項目を5つ紹介いたします。
何を目標としているのかを具体的に記載します。数値を用いて設定すると効果的です。
設定した目標をどのあたりまで達成を目指すのか記載します。数値目標が設定してある場合は、その内何割以上を達成とするのか明確にしておきましょう。
設定した目標をいつまでに達成するのか記載します。長すぎたり短すぎたりしないよう、適切な期限を設けましょう。
設定した目標をどのように達成していくのか、具体的なアクションを記載します。こちらも数値を用いると効果的です。
設定した目標が現在どのレベルに達しているのか、設定した達成基準をもとに進捗状況を記載します。
基本的な項目を抑えれば目標設定シートは作成できます。ただ効果をより高めるためには抑えておくべきポイントを意識して目標設定シートを作成しましょう。
今回は目標設定シート作成時の2つのポイントをご紹介いたします。
目標設定シートに記載する目標は、将来のキャリアプランを意識したものにしましょう。目標が短期的なものばかりだと、目標を達成することそのものが目的になってしまいます。目標設定シートは「将来的などうなりたいか」という成長を支えるツールであるべきなので、短期目標とは別で中長期的な目標も設定するようにしましょう。
目標は多く設定しすぎると、意識が散ってしまったり管理しづらくなったりするのであまり効果が高くなりません。目安ではありますが3つに目標を絞るようにしましょう。
もしも目標が3つ以上ある場合は、目標に優先度をつけて自身の成長やキャリアアップに繋がるものから取り組むことをおすすめします。また、達成難易度も考慮し、現状努力をすれば達成可能な目標を選びましょう。
作成のポイントを抑えた目標設定シートができたら、あとはうまく活用していくだけです。ただ作成して満足してしまっては意味がないため、目標設定シートがうまく機能するような活用方法も抑えておきましょう。
ここでは目標設定シートの活用方法を4つに分けてご紹介いたします。既にシートができているという方は、こちらを参考に活用し始めてみてください。
設定した目標へ取り組む意欲を継続させるためには、どれくらい達成できているかを定期的に振り返る機会を設けましょう。定期的に振り返ることで目標を常に意識することができ、「何が良かったのか」もしくは「なぜ達成できていないのか」を考え次のアクションに繋げることができるからです。
具体的には、まずメンバー自身で目標設定シートを振り返ります。その際に自己評価欄にコメントを書くようにしましょう。そしてコメントに対して上司がフィードバックをし、次に繋がるアドバイスを返します。しっかり目標に対するプロセスも評価することがポイントです。
目標設定シートで各メンバーが決めた目標は、組織の全体目標に紐づいていることが大前提です。個人の取り組みが組織全体に影響を与えているという実感があると、それぞれのパフォーマンスが向上し全体の成果も底上げされます。
メンバーに組織への貢献を実感してもらうためには、それぞれに役割を与えましょう。設定した目標に対しての取り組みが実現しやすい最適な環境にメンバーを割り振ることがポイントです。
目標設定シートへ振り返りを記載しそれに対してフィードバックするだけでなく、顔を合わせて目標への取り組み状況を共有する機会を設けましょう。
面談の際のポイントは、「メンバーが自主的に面談を組むこと」と「時間を決めて実施すること」です。面談を通じてメンバーの自主性を引き出すことが重要です。また、面談時間が長くなるとメンバーと上司それぞれに負担が大きくなるので、報告のポイントを「進捗状況」と「その要因とネクストアクション」に絞って計画的に実施しましょう。
目標設定シートは作成したものを本格的に運用する前にトライアルをして評価することをおすすめします。トライアルをしないまま組織全体での運用を開始すると、評価側の視点ばかりでメンバーの不満を汲み取りきれず、効果があまり出ないという場合が出てきます。
まずは最小限のメンバーで一定のトライアル期間を設け、そこで出た不備や不満を踏まえて本格的な目標設定シート運用に落とし込みましょう。
目標設定シートの記載方法は組織によってもさまざまですが、職種によっても異なってきます。特に職種ごとで設定するのに適した目標があるので、自身やメンバーに合った目標設定ができるようにしておきましょう。
こちらでは4つの職種に分けて目標設定シートへの記入例をまとめていきます。
営業職は数ある職種の中でも、数値目標がはっきりしていることが多い職種です。そのため目標設定シートには、チームで与えられた売上や粗利、受注件数などを目標として記載するのが良いでしょう。また、営業職の場合、チームメンバーを統括する役割に付いているのであれば「メンバー育成・目標管理」といったマネジメント観点での目標も必要になってくるでしょう。
飲食店やアパレルショップなどのサービス職も、目標を数値化しやすい職種と言えます。具体的には売上数や金額、来客数などを目標に設定するとわかりやすいです。顧客満足度も目標になりますが、何を顧客満足とするのかをしっかり明確にすることが必要になるでしょう。目標を数値化しておくことで、前月比や前年比での評価もしやすくなりサービスの向上に繋げることができます。
企画職は組織活動の中心となる役割を担っている職種です。世間のニーズを正確に汲み取り、自社の理念と照らし合わせた企画を立てていくことが主な目標になります。具体的な数値にするのは少し難しいですが、例えば企画の個数や市場調査のためのアンケート実施数などを目標にすると良いでしょう。
また、職種が近しいマーケティング職も企画職と連動した目標にすることをおすすめします。打ち出した企画の認知度や市場のシェアなどを目標に置き、その結果をもとに新たな企画に繋がるようにしましょう。
バックオフィスの役割を担う管理部門は、業績へ直接的に繋がりづらいため具体的な目標を立てにくく思われがちです。しかし業務改善のためのシステム導入や社内満足度の向上など具体的な数値に落とし込める目標は多くあります。
また、管理職は企業の方向性を正確に理解し、メンバーに伝達・浸透させることが求められます。加えて、メンバー個人の目標達成に向けた管理も重要な役割になるので、定期面談の実施やメンバーの目標達成率などを目標に置くのも良いでしょう。管理職は業務に関わるあらゆる観点から目標を検討する必要があるため、目標が乱雑にならないよう優先度と重要度を見極めるのがポイントです。
目標設定シートは組織やメンバーのモチベーション向上や成長に繋がる有効なツールになりますが、重要なのは設定する目標が適切かどうかです。そもそも効果的ではない目標を設定してしまっては、成果には繋がらなくなります。
自社に合った目標設定シートの作成と活用ができれば、自ずとメンバー全体の業務への意欲が高まり、組織の成長をもたらすことでしょう。
是非こちらの記事を参考に目標設定シートを作成してみてください。