2021.4.30
「目標と目的の違いが分からない」
「目標設定をしてもうまく達成できない」
とお悩みの方は多いのではないでしょうか?
仕事を進めていく上で必ずと言っていいほど、目的や目標を達成していくことが求められます。ただ、目的と目標の意味を正しく理解していないと、それぞれの達成は難しいです。より大きな成果があげられるよう、目標と目的の違いを把握しておきましょう。
今回は目標と目的の違いを説明しながら、達成に向けてどのようにそれぞれを設定したら良いかポイントもご紹介いたします。
まずは目的の意味を確認しておきましょう。目的とは字にも現れている通り「目」で見える「的」、つまりは最終的に到達したいゴールのことを指します。さらに言うと、「状態」ではなく成し遂げたい「内容」を指すことが多いです。「目的がない」という場合は、成し遂げるために「何をやればいいか分からない」という状態だということです。ビジネスでは経営戦略や企業として目指すビジョンが目的にあたるでしょう。
目的のイメージがつきやすいように、具体的な例を挙げると以下のようなものになります。
これらはどれも成し遂げたい「内容」を示したものになっています。目的を決める際は、漠然としたものでも良いので、何に向かって頑張れば良いか分かるようなものにしましょう。
目的の意味が分かった上で、目標の意味も確認しましょう。目標とは「目的の達成水準」のことです。つまり目標は「目的を達成するための手段」と言い換えることができます。目的が成し遂げたい「内容」を示していたのに対して、目標は目的の達成に向けて「何を」「どれだけ」「いつまでに」頑張るのか具体的に設定して行動に結びつけるためのものです。
先ほど挙げた目的に対して、目標のイメージがつきやすいように具体例を示すと以下のようになります。
→目標:3年以内に業界内でのシェア40%
→目標:今期中に新規サービスを1つ以上リリースする
→目標:売上高を前年比120%に向上させる
→目標:5年以内に売上高○○億円
→目標:2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
このように決めた目的に対して、成し遂げるための具体的な達成基準を示しましょう。
目標と目的の意味が理解できたところで、それを踏まえて改めてそれぞれの違いを整理しておきましょう。ここでは目標と目的の違いを3つの視点に分けてまとめていきます。異なる視点で違いを把握することで、目的や目標を自身で設定する際に適切に取り組むことができるはずです。
まずはそもそもの意味合いの違いです。前述の通り、目的は成し遂げたい「ゴール」であり目標はそのゴールをどう達成するか、つまり「手段」を示したものになります。例えば大学受験を例に考えてみると、目的は「第一志望の大学に合格すること」、目標は「模試で○○点を取る」「1日○○時間勉強」「苦手な数学の偏差値を5上げる」などが設定できます。「ゴール」を達成するための「手段」として目標があることが意識できないと、ただ単に設定した勉強時間をこなすだけで結果に繋がらないという状況になってしまうので注意しましょう。
先ほどの受験の例では目標を点数などの定量的な数値で設定し、目的はもっと漠然とした定性的なもので示していました。このように目的は自身の欲求や意志、動機のような事柄で、その漠然としたものをどう達成していくか具体的にしたものが目標です。目的を決める際に定量的なものが含まれている場合は、目標と混同している可能性があるため、「それはなんのためにやるのか」を一度深堀りしてみると良いでしょう。
目標が全く同じで目的が異なる場合は、目的の質によって成果が変わってきます。受験生の例に当てはめると、目標を「1日10時間勉強」と設定した3人の受験生がいた場合、それぞれの目的が「先生に言われたことをやる」「親に迷惑をかけないように仕方なくやる」「志望校に合格し夢を叶える」だとすると最終的な結果はイメージしやすいでしょう。目的が自身の意志に結びついているほど、大きな成果に結びつく可能性が高いです。
目標と目的を設定することでどんなメリットがあるのでしょうか。1番のメリットは「モチベーションを高められる」ことです。特に自身が主体的に設定した目的や目標であれば、自ら進んで仕事に取り組むことができ高い成果に繋がるでしょう。また、モチベーションを高めて主体的に目標達成に向けて取り組むことで、自分の自信になり前向きになるのも大きなメリットです。そうなることで、高い成果が生まれさらに自信がつきまた成果に繋がる、といったいいサイクルを生み出すことができます。
ここまで目的と目標のそれぞれの違いや設定することのメリットを紹介してきましたが、実際に自分で設定できなければ意味がありません。なんとなく目的と目標を設定することもできますがそれでは高い成果を生むことはできません。特に仕事においては成果が求められるため、高い成果が出せるような目的と目標を自分で設定できることが重要です。ここでは仕事に置いて目標設定をする際のポイントを3つに分けてご紹介します。
仕事において目標を立てる際には、高すぎる目標や現実離れした目標を設定をしないようにしましょう。目標を立てるメリットは前述した通り、モチベーションを維持して主体的に仕事に取り組めることですが、目標が高すぎて達成できないことが続くと逆にモチベーションが下がってしまいます。いきなり高い目標を設定するのではなく、現状から努力すれば達成できる適切な目標を設定し、段階的に成果を高めていくのが良いでしょう。
目標は目的がどれだけ達成されているか確認する基準になります。具体的な行動を目標として設定するのはもちろん、達成度がわかりやすいように出来るだけ数値を用いて目標を立てるようにしましょう。例えば営業職であれば「たくさんの営業先に訪問し、受注率を向上する」だと曖昧で振り返りづらいので、「月に20件新規訪問、受注率を前月比120%」と数値目標に置き換えるようにしましょう。
仕事における目的の達成及びその達成に向けた目標への取り組みが、突き詰めると「自分がどうありたいか」に結びついてるべきです。そうなることで自身の社会的な存在理由を見出すことができ、意欲的に仕事に取り組むことができます。設定した目標がその場しのぎのものではなく、将来的に自分がありたい姿に向かえるものにしましょう。そのためには目的を決める段階から「なぜ?」の問いを繰り返し、質を高めることが重要です。
いい目標が設定できたらあとはその達成を目指すだけです。しかし、ただ闇雲に行動するだけでは達成するのは難しいでしょう。設定した目標に対して適切な努力を行うためにも、抑えておくべきポイントがあります。ここでは3つのポイントに分けて目標達成のためのコツをご紹介します。
目標を達成するためには進捗をこまめに記録しましょう。記録の方法は毎日記録するでも良いですし、業務ごとやプロジェクトごとにまとめて記録するでも効果があります。重要なのは目標に対して予定通りに進んでいるのかどうか確認できることです。また、記録を残しておくことと進捗の遅れに早く気づけたり、目標未達だった時に細かく反省でき流というメリットがあります。取り組んだことを記録を取っておくことで、自身で歩みを進めている感覚を得ることができ、さらに意欲的に目標達成に向けた行動への自信に繋がっていくでしょう。
期間を区切って進捗を記録するのと同時に、振り返りの時間を設けましょう。
記録した内容をもとに振り返ることで、行動の良かった点や改善点の発見、次のアクションの決定ができます。重要なのは記録と同様、適切な期間を区切って振り返ることです。目安ですが、1週間ごと、もしくは1ヶ月ごとに振り返ると良いでしょう。
振り返り方法はさまざまなので、自身に合った方法で実施するのがポイントです。
もちろん目標達成を目指すのですが、もし達成できなかったとしても大きな問題ではありません。重要なのは達成できなかった要因を見つけ出し、次に同じ失敗をしないようにすることです。その際に進捗の記録や振り返りが活きてきます。振り返りを通じて次の目標達成の可能性を高めるようにしましょう。目標達成を目指しつつも、できなかった時に失敗したことにこだわらず、次に繋げる姿勢が大切です。
仕事において目標設定するのは面倒くさく感じてしまうことが多いでしょう。しかし、目的と目標の違いや目標設定するメリットを正しく把握し、主体的に取り組んでみると結果的に自分の人生の糧となります。人生の中で多くの割合を占める仕事の時間を有意義にするためには、自身に合った目標設定をすることが重要です。例え上司から与えられた目標設定の課題だとしても、いい機会だと捉え、自分ごととして主体的に取り組むようにしましょう。