1on1とは?得られる5つの効果と実施方法を紹介BLOG

 2023.4.10

近年、1on1ミーティングという対話方式が注目されています。「1on1、うちの会社でもやってますよ。」という声も徐々に聞かれるようになってきました。今回は、そんな1on1ミーティングについて、以下の項目に添いながら、注目される背景や目的、実際の内容について解説していきたいと思います。

  • 1on1とは?人事面談との違いについて
  • 1on1が注目されるようになった背景
  • 1on1で得られる5つの効果
  • 1on1の実施方法
  • 1on1で大切な4つのポイント

1on1とは?評価面談との違いについて

1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行う対話のことです。元々、革新的なベンチャー企業や有名企業が集まるアメリカのシリコンバレーで取り組みが始まり、当たり前の習慣として実施されていましたが、ここ数年、ヤフーをはじめとする大手企業が取り組んでいることで、日本でも注目され始めました。

1on1での対話というと、人事面談を想像する方も多いかもしれませんが、目的や実施方法に大きな違いがあります。人事面談は、部下の人事評価の決定・通知を目的としています。ですが、1on1は、部下の能力を高めたり引き出すことを目的としています。

1on1は大抵の場合、週に1回、最低でも月に1回は実施をします。また、1回の実施の平均時間は30分ほどとなっているようです。「短いサイクルで定常的に行う」ということが通常の面談との大きな違いとなっています。また、目的がそもそも違うので、人事面談の際は、上司が部下にほぼ一方的に話すのに対し、1on1では、上司と部下が「対等」に話すということも大きな違いです。

1on1が注目されるようになった背景

上述したように、1on1が広まった背景には、ヤフー株式会社が2012年に1on1を導入したことが、注目される大きなきっかけとなりました。ヤフーは1on1を導入した際、「社員一人ひとりの才能や情熱を解き放とう」という目標を掲げました。この目標は、日本で1on1が広まった以下のような背景と密接に関係しています。

不確実性の高い市場への対応

今の時代は「VUCAの時代」と呼ばれています。これは、

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainity(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambuiguity(曖昧性)

以上の4つの言葉の頭文字を取った、現代社会の混沌さを表した言葉です。

急速なIT化などにより、今までにはない様々なビジネスが日々生まれています。そのような状況で、「これまでの経験やスキルが通用しない」「従来通りにビジネスを行っても生き残れない」という状況が生まれつつあります。このような不確実性の多い状況の中では、社員一人ひとりが、常に市場の変化や情報に敏感になり、自律的に目標を設定し、イノベーションを起こすことが必要になってきます。そのために必要なことの一つが上司と部下の対話なのです。上司と部下の間でしっかりと対話をこなすためには、お互いの信頼関係と相互理解が必要不可欠です。そのため、1on1での対話が重要視されてきたと言えるでしょう。

優秀な人材の流出を避ける

近年は、少子高齢化による労働人口の減少、そして、終身雇用の崩壊による転職活動も活発になってきています。このような環境では、専門性を持った優秀な人材に、いかに長く自社で働いてもらうかというのは、企業にとって大きな課題の一つとなっています。そのため、女性の活躍のようなダイバーシティの推進や、テレワークの実施など、多様な働き方が急速に勧められているのです。多様な働き方や価値観を理解するためには、上司には今まで以上に部下の状況を把握しておくことが求められています。これも、1on1が日本で注目され始めた理由の一つと言えるでしょう。

1on1で得られる5つの効果

1on1を行うことで、企業が抱える課題が解決されるかもしれません。1on1が持つ、企業の課題を抱えるための5つの効果について紹介します。

①メンバーの育成促進

1on1では、業務から得た経験を振り返ることでメンバーの成長を促すことができます。人は、本を読んだり、テレビを観たりするよりも、自ら経験することで物事を一番身に付けることができます。しかし、もちろん経験しただけでは、時間が経てば忘れてしまいます。そのために必要なのが、結果を振り返った上で次の目標・行動を決める「経験学習」です。1on1は定期的に行うことで、経験学習のサイクルが機能し、メンバーの成長が促進されます。

②信頼関係の構築

「自分の業務が忙しくてなかなか部下と話す時間を持てない」「世代によるギャップが大きすぎて、部下とうまくコミュニケーションがとれない」と悩まれている上司の方も多いのではないでしょうか。1on1を導入すると、自然と上司と部下のコミュニケーションの機会が増えます。部下が現在抱えている悩みを報告・共有し、それに対して上司がアドバイスをするという機会となるため、徐々に信頼関係を築くことができます。また、信頼関係ができるということだけでなく、実際の業務のことを考えても、必然的に報告等をする機会が増えるので、言いにくくてそのままにしてしまっていたなどのトラブルを未然に防ぐこともできるのです。

③現場の状況把握

1on1を行うことで、上司は「今、現場で何が起きているのか」「部下の目標達成に向けての業務の進捗状況はどうなっているか」などを把握することができます。メンバー個々人が抱える課題は、企業全体の問題とも密接に絡んでいるため、メンバー個人の状況を把握する中で、企業が抱える課題を洗い出す機会にもなり得ます。また、上司側としてみても、部下の課題解決のために、一緒に悩みアドバイスを与えることが必要になるため、上司にとっての経験学習にもなり、上司側の成長にも繋がるのです。

④キャリア開発の支援

1on1は、部下が中長期的なキャリアプランを考えるきっかけにもなります。1on1で対話を繰り返すことによって、メンバーの強みや弱みが明確になり、どのようなキャリアを見据えるべきなのか、どの役職や職種が一番向いているのかなどのヒントを得ることができます。このように、部下の適材適所の実現も可能なのです。

⑤定着率の向上

これまでの4つの効果によって、部下は「この上司と一緒に仕事がしたい」「この会社で自分のキャリアを築きたい」と思うようになってくるでしょう。上司と部下の良好な関係は、自然と職場環境の雰囲気も良くし、社員の定着率の向上にも繋がります。また、場合によっては、プライベートの悩みを話してくれるようになり、それに合わせての働き方の企業側からの提案などができる可能性もあり、社員のモチベーション向上も期待できるでしょう。

1on1の実施方法

それでは、1on1はどのように実施していけば良いのでしょうか。ここでは順を追って説明をしていきます。

目的を伝える

1on1を行うということだけを部下に伝えると、「どこまで話せば良いのか」「何か話したことによって評価に関わってしまうのではないか」など部下が不安を感じてしまう可能性があります。それを避けるためには、事前にその際の 1on1の目的を部下に明確に伝えておくことが大切です。部下が抱えている課題や悩みを共有し、それに対しアドバイスを与え個人の成長につなげる時間であり、人事評価などにはまったく関係ないということをしっかりと伝えておきましょう。

日程を決める

1on1の日程を決める際は、実施する頻度や時間が非常に重要です。あまりに時間を空けすぎてしまうと、リアルタイムでのフィードバックができなかったり、前回話した内容を忘れてしまうなどの危険性があるため、冒頭でも述べたように、できれば週一回、最低でも月一回は実施するようにしましょう。また、従業員それぞれの業務スケジュールなどもあるため、部下それぞれが余裕を持って行える時間帯や曜日をできるだけ選ぶように心がけましょう。曜日や時間について、できるだけ毎回同じ曜日などのほうが習慣化されやすく望ましいでしょう。

Resilyの1on1スケジュール機能

当日のテーマを決める

いざ実施してみて話すことがわからないとなってしまえば、無駄に時間が過ぎてしまうだけです。上司は、事前にその日何をテーマに話すかをしっかり決めておきましょう。また、テーマを事前に部下に伝えることができれば、1on1はより有意義なものになるでしょう。当日のテーマは、それぞれの部下に合ったものを上司が決めておくのが一般的です。ですが、あくまで1on1は部下のための時間なので、もし他に話したいことがある場合は、そちらを優先しましょう。

Resilyの1on1議事録機能の1on1テンプレート
Resilyの1on1議事録機能の1on1テーマシート

当日の進め方を考える

当日のテーマを冒頭で再確認することで、1on1をスムーズに進めることができるでしょう。まずは、部下の話をしっかりと聞き、それに対してフィードバックを行うというのが一般的な流れです。部下に何を質問するかなどの項目も事前に決めておければ、より円滑に進めることができるでしょう。

1on1の実施

部下の緊張を解くためにも、いきなり本題に入るのではなく、雑談なども交えながら話すことを心がけましょう。1on1の最中は、「部下が何を話したか」「自分がどのようなアドバイスを行ったか」を忘れずにメモするようにしましょう。1on1は一回で終わりというものではないので、今後に向けてのアクションなどの方向性を決めておくと、次回以降の1on1も有意義なものになります。

次回に向けての準備

1on1を終えた際には、その日話した内容についてのメモなどを共有するようにしましょう。次回の日程やテーマについても忘れずにこの時点で伝えるようにしましょう。

OKR管理クラウド「Resily」で1on1の議事録を取った例

1on1で大切な4つのポイント

最後に、1on1を成功させるための4つのポイントを紹介します。

①会社全体で1on1に取り組む

いざ1on1を導入すると会社が決めても、「いったいにどのように行えば良いのかわからない」と戸惑う上司も多いはずです。ですので、1on1については、決して現場任せにせず、記者全体として取り組むことを心がけましょう。例えば、「経営陣も1on1に参加する」「担当するマネージャー陣に研修を行う」などが挙げられます。このような取り組みを会社として行うことで、担当する上司の精神的負担も和らげることができます。

②部下のことを事前に知っておく

部下一人ひとりはそれぞれ異なった性格や悩みを持っています。一人一人にできるだけ合った1on1を進めるためにも、ある程度部下のことを事前に理解にしておくようにしましょう。日頃から意識して様子を見ておくことで、その社員の性格や、悩んでいそうなことなどが把握できるかもしれません。そうすれば、事前に1on1の際に何を話すべきなのかについて準備がしやすくなり、当日雑談だけで終わってしまうなどの失敗を避けることができます。

③傾聴・コーチングを意識する

1on1を成功させるためには、部下が本音で悩みや考えていることを開示し、それに対して上司がフィードバックを与えることで、今後に向けてのヒントを得てもらうことが最も重要です。そのために、まずは上司は相手の話にしっかりと耳を傾ける「傾聴」、そして、ただ答えを与えるのでなく、部下が自発的に気付くことができるように促す「コーチング」を意識しましょう。イメージとしては、話す割合は「部下が8割、上司が2割」です。そうすることで、部下は不安を感じずに行動を起こすことができます。

④頻繁に実施した上で記録を残す

人材育成を目的とした1on1では、「自分はこれができるようになった」「このような工夫をしたら課題が解決できた」と気付いてもらうことが主な目的です。ですので、1on1はできるだけ頻繁に行い、常に「どのような変化が起こったか」「どのような成長が見られたか」を同時に記録するようにしましょう。そうすることで、部下も成長の実感を感じることができ、生産性やモチベーションのアップに繋がります。

1on1を取り入れて社員の力を最大限に引き出そう

1on1を行うことで、上司と部下の信頼関係が生まれるだけでなく、部下の成長に繋がり、キャリア開発をサポートすることができます。大事なことは、部下が本音で話ができるように意識し、上司は聞き役であるということを理解しておくことです。1on1を効果的に取り入れることによって、社員一人ひとりが最大限自分の力を発揮でる職場環境をつくっていきましょう。

Resilyで1on1を最大限に効率化する

Resilyの1on1機能を使えば担当する部下の1on1スケジュールと過去の議事録を1つの場所で管理することができます。シンプルで強力な目標管理フレームワークであるOKRと1on1を組み合わせて使うことで、マネージャーの負担を軽減しながら、強い組織マネジメントを可能にします。

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