メンタルヘルス・マネジメントとは?目的、メリット、活用方法を紹介BLOG

 2021.5.29

昨今、企業経営における従業員のメンタルヘルスに注目が集まっています。それに伴って、メンタルヘルス・マネジメントにも注目が集まっています。また現在では、コロナウイルスの感染拡大により、新しい生活様式への対応も求められています。

環境の変化というものは、ストレスの大きな要因の一つと言われてます。このような時代だからこそ、メンタルヘルス・マネジメントはより大きな意味を持ってくると言えるかもしれません。

みなさんはそんなメンタルヘルス・マネジメントについてどこまでご存知でしょうか?今回は、下記の項目に添いながら、メンタルヘルス・マネジメントについて詳しく解説していきます。

  • メンタルヘルス・マネジメントとは?
  • メンタルヘルス・マネジメントの目的
  • メンタル・マネジメントとの違い
  • メンタルヘルス・マネジメントのメリットとデメリット
  • メンタルヘルス・マネジメント検定とは?
  • メンタルヘルス・マネジメントの活用方法

メンタルヘルス・マネジメントとは?

メンタルヘルス・マネジメントとは、従業員のメンタルに不調をきたすことが少ない職場環境を整えることを指します。先に述べたように、現代社会ではメンタルヘルスの問題がどの企業にも起こる可能性があり、実際に、日本におけるメンタルヘルスの問題による労災請求件数は毎年増え続けています。

従業員それぞれが自分の能力を発揮して、活気のある職場にするためには、メンタルヘルス・マネジメントが欠かせないのです。

メンタルヘルス・マネジメントでは、職場環境の改善や従業員のストレス緩和など、従業員のメンタル面をサポートすることで、組織全体のレベルアップを図ります。

そのためには、従業員一人ひとりが自分の職場での役割を認識し、その役割に応じたメンタルヘルスケアの知識を持っておくことが重要です。特に、現場で重要な存在である管理職は、ラインケアを学び、部下の状態に配慮した行動をとることが求められます。一般の従業員の場合は、自分自身でストレスを管理するセルフケアの考え方や方法を学んで実践していくことが必要となります。

このような取り組みを包括的に行うのが、メンタルヘルス・マネジメントなのです。

メンタルヘルス・マネジメントの目的

メンタルヘルス・マネジメントの一番の目的は、従業員一人ひとりが自分の力を最大限に発揮できる活気ある職場づくりをすることにあります。そのため、メンタルヘルス・マネジメントにおいて、中心的な役割を担うのは、経営層や人事総務部門です。

メンタルヘルス・マネジメントでは、ストレスに関する質問表などに従業員が記入をし、それを集計・分析することで、従業員のストレスがどのような状態であるかを調査します。

メンタル・マネジメントとの違い

メンタルヘルス・マネジメントと似た言葉に、メンタル・マネジメントというものがあります。非常に似た言葉ですが、目的がそれぞれ微妙に異なっています。

メンタルヘルス・マネジメントとは、働く人のメンタルがマイナスな方向に向かわないように、職場環境の改善やストレスの緩和などをして、メンタルの健康面のサポートを重要視しますが、メンタル・マネジメントの目的は、モチベーションの維持をよりポジティブな方向に向かわせることで、目標までどのように進めば良いのかわからない、何を行えば良いかわからないなどの問題を解決することにあります。メンタル・マネジメントは、高いモチベーションを維持しなければならない人にとって必要不可欠なものなのです。

つまり、メンタル・マネジメントは、アスリートなどモチベーションの維持が必要な人にとって有効と言えます。例えば、極度のあがり症の解消など、自らのパフォーマンスを最大限に引き上げる役割を担うものなのです。

一方、メンタルヘルス・マネジメントは、労働者のメンタルがマイナスに方向に向かわないよう心の健康サポートを重視します。

メンタルヘルス・マネジメントのメリットとデメリット

ここでは、メンタルヘルス・マネジメントに取り組むことで得られると言われている4つのメリットと、簡単なデメリットについても紹介します。

メリット

部下への接し方に指針が生まれる

1つ目のメリットは、「部下への接し方に指針が生まれる」ということです。働いていれば、必ずどこかでストレスのかかるタイミングは訪れるものです。そのような場合には、上司のサポートが非常に重要になってきます。ただ、ここで、どのような対応を行えば良いのかがわからないという上司の方も多いようです。中途半端な対応であったり、逆に何もしなければ、部下により大きなストレスを与えてしまう危険性もあります。ですが、もし上司がメンタルヘルスやストレスへの知識を持っていれば、正しい対応を行うことができ、部下のストレスを軽減することが可能になります。

生産性が向上する

2つ目のメリットは、「生産性の向上」です。従業員のメンタルヘルスに考慮することによって、その職場はより働きやすい環境へと変わっていくでしょう。1つ目の、部下への接し方にも繋がりますが、部下のメンタルヘルスやストレスに対しての対応が正しくできていれば、ストレスの少ない職場環境を作ることも可能です。マイナスなストレスを感じることが少なければ、従業員もより生き生きと働き、それぞれの能力を発揮することで、個人としても組織としても生産性の向上を図ることができるでしょう。

キャリアアップに活かす

メンタルヘルスに関する知識を習得することで、その知識を今後の自分に活かすことが可能となります。メンタルヘルス・マネジメントは、近年では特に重要なマネジメント・スキルの一つと考えられています。しっかりと知識を得て、実践を重ねていくことで、将来的なキャリアアップにも効果的だと言えるでしょう。

自分自身の心のケアができる

最後のメリットは、メンタルヘルスの知識を得ることで、「自分自身の心のケアができる」ことです。メンタルヘルスの知見を持っていれば、自分自分のメンタルの状態に関しても認知をしやすくなります。周りからのサポートももちろん大切ですが、自分自身でメンタルを管理することができるようになれば、メンタル不調による休職のリスクを削減し、モチーベーションの維持にも繋げることができます。

デメリット

メンタルヘルス・マネジメントの導入によるデメリットを敢えて挙げるとしたら、それは導入後の効果が測定しにくいという点です。従業員のメンタルというものは、はっきりと目に見えるものではありません。そのため、会社として効果を実感しにくいという点があります。実際に導入した際には、短期的な効果に捉われるのでなく、長期的な目線でその成果を確認していく必要があるのです。

メンタルヘルス・マネジメント検定試験とは?

メンタルヘルス・マネジメント検定試験とは、従業員に起こりうるメンタルヘルスの不調に対処したり、問題が起こらないよう予防策を取って、より健康な状態を目指すことができるように、正しい基礎知識を習得することが目的とした2006年から始まった試験です。

この試験では、健康増進や疾病の未然防止を柱に、管理職者が統括する部下のケアや、組織単位で取り組む従業員のケアの促進などを学習し、習得することができます。

また、メンタルヘルスといえば、「産業保健」の観点で考えがちの事案ですが、人事労務管理からの観点も重要視しているため、個人のみの問題として捉えず、組織全体の観点でメンタルヘルスも捉えられるようにもなります。

メンタルヘルス・マネジメントの活用方法

メンタルヘルス・マネジメントは仕事や私生活で実践してこそ意味があります。ここでは、いくつかメンタルヘルス・マネジメントの活用をご紹介します。

職場の士気を高め、働き心地の良い環境づくり

部門に1人でもメンタルヘルスに不調を抱えている人がいると、それで職場全体の活力がなくなってしまうこともあります。特定に従業員の欠勤や遅刻が続くと、周りの従業員にも疑心や不安が生じてしまいます。

こうした状況を作り出さないためにも、部門全体を対象とした研修を行ったり、普段からヒアリングを行っていると、労働環境の改善に繋がります。従業員の声に意識的に耳を傾けることで、職場がより働きやすい環境となり、職場の士気も高まることでしょう。

早期発見によるリスク管理

心の健康状態が不安定だと、注意力散漫になったり、集中力が著しく低下してしまう恐れがあります。このような従業員の不調を見過ごしたままにしてしまうと、重要な場面でミスなど生じ、会社全体にも大きな損害を与えてしまう可能性があります。

メンタルヘルス・マネジメントへの意識が高いと、部下や同僚の様子の変化にもいち早く気付くことができ、必要な対策を打つことができます。そうすることで、周囲や現場への影響を最小限に抑えることができるでしょう。

部下への適切なサポート

メンタルヘルスは、真面目な人ほど問題を抱えやすくなる場合があります。優秀な人材が突如メンタルヘルスに問題を抱えてしまうということもあり得るでしょう。部下の行動パターンや個性を把握し、普段と異なる点がないか注意深く観察するようにしましょう。

いつもと何か異なる言動などが続いた場合は、状況によって時間を取って話を聞くなど、部下の声に耳を傾けましょう。上司が素直に心配しているということを伝えれば、部下との信頼関係もより良いものになるでしょう。

パワーハラスメントの防止や解決

職場の上下関係の乱用などによる、相手に精神的苦痛を与えるパワーハラスメントは、近年メンタルヘルスの不調につながる大きな原因の一つです。

パワーハラスメントが行われている職場の場合、実際に被害を受けている本人だけでなく、周りの従業員もメンタルに不調をきたしてしまう場合が多く見られます。実際にハラスメント気づいた場合は、当人のプライバシーに配慮しながら、必要な場合は専門家に相談するように促しましょう。

過重労働の予防

勤務時間が極端に長かったりする職場だと、心の不調だけでなく、身体にも悪影響がもたらされてしまいます。残業時間などが多いと、日頃の業務の集中力が下がってしまい、結果さらに労働時間が長くなるという悪循環に陥ってしまいます。

こうした過重労働を未然に防ぐためにも、自分からの労働環境の改善を求めたり、部下や同僚の声に耳を傾けることが大切です。仕事の分担に偏りがある場合は、人材配置を再考したり、人員を増やしたりなどの対策を打つことができるよう、日頃から周り環境を意識的に観察するようにしましょう。

メンタルヘルス・マネジメントを通してより良い職場環境を

現代の複雑な社会は、職場でも私生活でも非常にストレスを抱えやすい社会と言えます。現に、前述したようにメンタルの問題を抱えた人の数は毎年増加をし続けています。組織としても個人としても、いかにメンタルヘルスの問題と向き合っていくかというのは、今後の大きな課題となってくることは間違いありません。

従業員一人ひとりが力を発揮して自分らしく働けるよう、会社としてもしっかりとこの問題に向き合い、より良い職場環境づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。

OKRを1つのツールに
まとめて運用しましょう

製品資料のダウンロードはこちら

お問い合わせ・導入のご相談はこちら