アントレプレナーとは?意味、イントレプレナーとの違い、教育方法を紹介BLOG

 2021.5.31

将来自分で事業を起こしたいと考えている人であれば、「アントレプレナー」という言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか?直訳すると「起業家」という意味になりますが、ビジネスシーンで使われる場合はどういった資質を持っている人か、どんなスキルが必要なのかまである程度定義されたものとして使われます。では、実際にどんな人がアントレプレナーに向いているのでしょう。

今回はアントレプレナーという言葉がどのような意味合いを持っているのか、注目される背景や派生した考え方である「アントレプレナー教育」についても含めて解説していきます。

アントレプレナーとは?

アントレプレナーとは前述した通り、「事業を起こす人」という意味があります。ただ単なる経営者としてではなく、独創的かつ革新的なアイデアでゼロから事業を起こす人という意味合いが強いのが特徴です。そのためアントレプレナーには、新しいテクノロジーへの関心の強さやリスクを取って挑戦していく姿勢などの資質を総称した「アントレプレナーシップ」を持っていることが求められます。つまり起業家でない会社員でも、アントレプレナーシップを持っている場合はあるのです。

アントレプレナーが注目される背景

アントレプレナーは革新的な製品やサービスを生み出していくことで、社会に対して価値を提供することができます。アントレプレナーは日本でも昨今注目を集めていますが、そのような精神を持った人がなぜ現代社会で求められているのでしょうか。

ここからはアントレプレナーが昨今注目をされている背景をいくつか紹介していきます。

従来の経営体制の変革

これまで長く続いてきた日本的経営である「終身雇用」や「年功序列」といった経営体制が、近年崩壊してきています。代わりに成果主義での評価が浸透してきており、ただ指示を待つだけの人材ではなく、主体的に価値を創り出そうとする人材を育てようする企業が多くなっているのです。このような機運が高まっていることから、アントレプレナーシップを持った人材の発掘や育成が注目されています。

革新的なビジネスの創出

さまざまな分野でイノベーションが起こり、アイデア次第でビジネスは無数に生まれるようになりました。その分ビジネス上での課題は複雑化つ高度になってきており、これまで通りのことをやり続けても、企業としての価値を維持できなくなってきています。そのため各企業で新たなビジネスの創出する必要性が高まってきており、独創性とリスクを恐れない挑戦心のあるアントレプレナーシップを備えた人材の育成によって、革新的なビジネス創出を目指そうとしているのです。

グローバル人材の需要

世界規模で考えると、ビジネスシーンは急速に変化していきます。インターネットの普及によってそのスピードはさらに増しており、イノベーションの種類も多様になっているため、グローバルに活躍できる人材の需要も高まっているのです。アントレプレナーシップを持っている人材は、急速なスピード感にも柔軟に対応しながら主体的に価値を創造することが可能であり、多種多様な価値観を受け入れられる素養があるため、さまざまな企業が獲得・育成に注目を集めています。

イントレプレナーとの違い

アントレプレナーに対して「イントレプレナー」という言葉も存在します。イントレプレナーとは社内起業家を意味する言葉で、ゼロから起業をスタートするアントレプレナーとは異なり、所属する組織からの支援を受けてビジネスを生み出すという意味合いが強いです。組織のリソースを活かせるかつリスクを抑えて起業に挑戦できるというメリットは大きいですが、その分立ち上げの際や事業を運営していく際の制約も多々あります。必要な素養はアントレプレナーと大きくは変わりませんが、イントレプレナーは社内での細かな調整などが必要になるため、折衝能力がより必要になるでしょう。

アントレプレナーに必要な能力

アントレプレナーには資格や経験に加えて、多様なスキルが求められます。ただし最も重要なのは目に見えるものではなく精神的な「アントレプレナーシップ」です。アントレプレナーシップはどのようなもので、どのような能力を備えていれば良いのでしょうか。

ここからはアントレプレナーシップに必要な5つの能力について、それぞれ詳しく紹介していきます。

周囲を巻き込むリーダーシップ

アントレプレナーとして新しいビジネスモデルや新製品などの独創的な価値を作り出していくためには、周囲を巻き込んでいくリーダーシップが必要不可欠です。革新的なアイデアで起業するのは、一人では立ち行かないことが多いでしょう。事業の目標に向かって周囲を巻き込みながら、価値を作り出していくことが必要になります。組織に属している会社員でも、新規プロジェクトを立ち上げる際にアントレプレナーシップを持って、社内の常識にとらわれない強い意志で事業を牽引していくのは非常に重要です。

周囲を巻き込んでいくためには、時にリスクの高い決断が迫られることもあるため、手がけることに自信を持って思い切った選択をすることも必要です。そのような姿勢が、周囲を惹きつけることでしょう。

豊富なネットワーク

事業を成長させていく上で、「事業に対して率直な意見をくれる」「的確なアドバイスをくれる」ような人と関係性を築いておくことは非常に重要です。アントレプレナーとして事業を起こすと、当初は想定しきれなかったさまざまな課題にあたることになります。そうなった時に、人からもらう率直なアドバイスや質問は貴重な判断材料や精神的な支えになることでしょう。自分が信頼できるかつ支援をしてくれる人と、幅広くネットワークを築いておくことで、アントレプレナーシップを強めていくことができます。このようなネットワークは、利害関係が大きく関係するビジネスの場だからこそ、強い力を発揮することでしょう。

前向きで情熱的な姿勢

アントレプレナーには事業の目標に向かって、前向きに進んでいく情熱的な姿勢が必要です。起業をする中では、競合とどう差別化するか、既得権益にどう立ち向かうか、複雑な人間関係の中でどう立ち回るかなど、各方面でさまざまな困難が待ち受けています。そのような困難の中で、事業目標や目的を達成していくためには情熱的な姿勢がなければ、心が折れてしまうかもしれません。また、強い意志を持って事業を前に推し進める姿勢がなければ、仲間や支援者を惹きつけることもできないでしょう。強い情熱があることで、幅広いネットワークを築くことができ、集まった人たちをリーダシップによって巻き込むことができるのです。

アイデアを形にできる

ゼロから新しいビジネスを作っていくためには、持っているアイデアを形にしてビジネスモデルとして確立させることが求められます。どんなに目新しい独創的なアイデアを持っていたり、最新のテクノロジーの知見を持っていても、それをビジネスとして成立させて持続できるものにしなければ意味がありません。そのためには、市場動向に常に目を光らせてユーザーの興味関心がどこにあるのか、世の中の困りごとや不便な点は何か、成功しているビジネスはどのようなものかなど、日常から自然とアイデアを得ることが重要です。また、アイデアを形にする力を身につけるためには、小さなトライアンドエラーを繰り返して、成功のための知見を蓄えていくことが必要になるでしょう。

独創性を持っている

アントレプレナーには革新的なビジネスアイデアを生み出したり、新しい技術を開発するなどの独創性が求められます。アントレプレナーに求められる独創性は、ビジネスアイデアだけでなく、組織の動かし方や組織管理、人材育成のやり方など、経営にまつわるあらゆる観点で発揮することを指します。さまざまな分野での独創性を発揮できなければ、いくらいいアイデアを持っていても、事業として続けていくことができなかったり、競合に競り負けてしまうこともあるでしょう。また、既にある経営資源にとらわれずに、社外リソースを活用するなど多角的な視点で経営をしていくという姿勢も求められます。

アントレプレナー教育とは?

これまで述べてきたようにアントレプレナーシップを持つためには、これまでの日本の企業文化、もっと言うと日本的な教育で育った人材とは異なる資質が求められます。従来の日本的教育では、振られた仕事を丁寧かつ素早くこなしていくことは得意な傾向にありますが、革新的なアイデアを生み出すための創造性やリスクを負って挑戦していく姿勢は養われにくいとも言えます。そこで昨今アントレプレナーシップを持った人材を多く輩出することを目的として、「アントレプレナーシップ教育」が日本でも注目されています。

アントレプレナー教育は、主に欧米やヨーロッパ等諸外国で実践されているものです。そこでは既存の社会や組織に対して変革を起こす人材の育成を目的に、お金についての教育や起業ののやり方など具体的なビジネスを起こせるレベルの内容を学んでいきます。

日本でも各自治体や教育機関が連携しながら、アントレプレナー教育を積極的に推進していますが、諸外国に比べるとまだまだ及んでいないのが現状です。教育機関だけでなく、民間企業でも独自にアントレプレナーシップを持った人材育成に力を入れていく必要があるでしょう。

アントレプレナーシップを身につけて事業を起こす力をつけよう

アントレプレナーは、さまざまな方面での高いスキルが求められますが、基本的には情熱など精神的な部分や信頼を得る人柄など、定性的な部分が最も大切です。事業を起こす上で出てくる困難に立ち向かうことで、前向きな情熱を持ち続けて人を惹きつけていけるようになり自然とアントレプレナーシップが身に付いていくことでしょう。

将来起業を目指しておりアントレプレナーシップを身につけたい方は、是非こちらの記事を参考に、トライアンドエラーを積み重ねていってください。

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