2021.6.16
ビジネスの場面で「アセスメント」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?ただ聞いたことはあるけど「意味を知らない」「どう活用していいかわからない」という方もいるはずです。アセスメントはさまざまな用途で使われるため、意味や活用方法を理解しておけば効果的に自身の仕事や生活に役立てることができます。
今回はアセスメントの種類や活用方法など、意味を知らない人にも分かるように詳しく解説していきます。
アセスメントとは評価・査定、評価額「assessment」が語源となった用語で、転じて「客観的に評価すること」という意味合いでさまざまな場面で使用されます。特にビジネスシーンでよく聞かれますが、医療や福祉、建設など業界問わず客観的な評価が必要な場面で用いられることが多いです。省略して「アセス」と呼ばれたり、動詞として「アセスメントする」という使われ方もするので、聞いた時に戸惑わないように意味を覚えておきましょう。
アセスメントにはさまざまな種類がありますが、中でもビジネスにおける人事分野で「人材アセスメント」としてよく使われます。
人材アセスメントとは、組織内の人材を適切に配置するためにスキルや特性を客観的に評価することです。人事評価は適材適所な人員配置を実施するために重要な役割を担いますが、そのほかにも社員のモチベーションに影響を与えるため、効果的に実施する必要があります。
人材アセスメントを活用することで、適切な人材配置を実施することができます。客観的な指標で評価が可能になるため、主観だけでは評価しきれない部分を網羅することができるでしょう。それにより人材のミスマッチを防ぐことが可能です。
また、組織に必要な人材の育成にも活用ができます。人材アセスメントを実施することで、必要な人材の適正や必要なスキル、強みや弱みが把握できるでしょう。このように幅広い人材から集めたデータによって、自社の人材開発プログラムに組み込むことができます。
人材アセスメントは多くの場合、外部のアセッサーと呼ばれる評価者によって実施されます。外部の経験豊富なアセッサーによって実施されることで、公平で効果的な客観的評価が可能になるでしょう。また、外部の人材によって評価されることで、受け手も公平に評価してもらえているという実感を得ることができ、結果を素直に受け止めやすくなります。評価する側とされる側の双方が納得していることが、組織の高い成果に繋がります。
人材アセスメントはただ外部のアセッサーに依頼して任せておくだけでは、高い効果を得ることは難しいでしょう。効果的に実施するためには抑えておくべきポイントがいくつかあります。具体的には「目的を明確に伝える」「適切にフィードバックを行う」「継続的な効果測定を行う」の3つのポイントです。
ここからはそれぞれについて詳しく解説していきます。
人材アセスメントを実施する際は、実施する目的を明確にしておきましょう。そうすることで自組織に合った手段やツールを選ぶことができます。また、明確にした目的を組織内のメンバーに明確に伝えることも重要です。目的がメンバーに共有されていることで、納得感を持って人材アセスメントにおける評価を受けることができ、評価されるための準備をしておくことができます。この際、評価を受けるメンバーはもちろんのこと、評価を受けないメンバーにも同様に目的を共有しておくことも重要です。
人材アセスメントを実施した後は、その結果を評価されたメンバーに適切にフィードバックすることが重要です。客観的な評価とそのフィードバックがされることで、メンバーが素直に評価を受け入れやすくなるでしょう。また、フィードバックをもとに明らかになった自身の課題に対して新たな目標設定が可能になります。このような課題の発見と目標の設定が繰り返されることで、優秀な人材を育成していくことができるのです。
人材アセスメントは単発で実施してもあまり効果を得ることはできません。評価された結果やフィードバックをもとに、継続的にメンバーが学習をし、その成果を測定するというサイクルを回していくことが重要です。継続的な学習を促すために人材アセスメントでの結果を受けて研修を組んだり、その研修での成果を試験等で測定するなど仕組みを整備することが必要でしょう。
一般的な企業でよく用いられるのが前述した人材アセスメントですが、ビジネスシーンにおいては他にもさまざまな種類のアセスメントが存在します。アセスメントを効果的に活用するためにも、それぞれの特長や活用方法を理解しておきましょう。
ここからは中でもよく耳にする「環境アセスメント」と「リスクアセスメント」について、それぞれ詳しく解説していきます。
環境アセスメントとは、製品そのものや開発が環境に与える影響に関して、あらかじめ評価することを指します。新製品を開発する際や、プロジェクトを進めていくにあたって、それらが環境にどれほどのダメージを与えるのか予測したり、ダメージを抑えるためにどんな施策を立てるのか検討することが必要です。この環境アセスメントでの予測・対策を公表することで、関係各所との連携が取りやすかったり、周辺住民の納得を得られたりするため、プロジェクトを円滑に進めるためには環境アセスメントを有効に実施していくことが重要です。
環境アセスメントを実施する際には、事業者と周辺住民相互の連携が必要となります。事業者側は利益を一方的に押し付けるのではなく、地域住民の意見を取り入れながら情報収集をすることが重要です。また、住民側も賛否問わず積極的に意見を述べて情報提供しながら話し合いを進めていくことが求められます。どちらかの観点が欠けてしまうと、効果的な環境アセスメントを実施することが難しいでしょう。
リスクアセスメントとは作業現場や事業を行う場所での危険性をあらかじめ予測し、評価することを指します。主に安全確保・措置の実施が義務つけられている製造業や建設業にて用いられる用語です。そのためリスクアセスメントでは、単に危険性や有害性を見積もるだけではなく、リスクを減らすためにどんな対策をするのかも合わせて検討する必要があります。全てのリスクに対して対策を講じることは難しいかもしれませんが、対策できないリスクに対して危険性の周知や順守事項を明確にできるでしょう。
リスクアセスメントにおいて、全てのリスクに対して措置を施すことは不可能に近いです。ただし、リスクになりうることを洗い出して、対応する優先順位をつけることは可能でしょう。優先順位の高いリスクから適切に対応していくために、リスクアセスメントは複数人で実施し、さまざまな角度からリスクに対応していくことが重要です。多角的にリスクを評価することで、対応の精度を高めることが可能になります。
ここまではビジネスシーンでよく使われるアセスメントの種類を見てきましたが、前述した通りアセスメントにはさまざまな活用方法があります。ここからはビジネスシーン以外でよく使われる「看護アセスメント」と介護・福祉の現場でよく使われる「アセスメントシート」の2つについて詳しく解説していきます。さまざまなアセスメントについて理解しておくことで、幅広く活用できるようにしておきましょう。
看護アセスメントとは、看護の現場でそれぞれの患者に合った看護計画を立てるために実施されるものです。主に看護師が患者の情報を収集し、それを基に患者の状態を分析・評価します。看護アセスメントによって患者の問題点を明確にすることができるため、今後の治療やケアの方向性を決定することができるのです。収集する情報としては、患者の言動などの主観的なものと、データとして客観的に把握できるものがあります。
看護アセスメントを効果的に実施するためには、常日頃から患者をよく観察して状態の変化に敏感になっておくことが重要です。そうすることで、いざ対処が必要な際に素早く判断することが可能になります。
アセスメントシートとは、介護の現場で活用される用語です。介護サービスを利用する人にはどんな背景があり、どんな介護支援が必要になるのか、基本的な情報を簡潔にまとめているシートになります。アセスメントシートを基にサービス利用者と最初の面談を実施し、ケアプランの作成をすることが多いです。アセスメントシートによって、利用者の課題を正しく把握して適切なサービス提供ができるでしょう。
アセスメントシートを活用する場合は、作成したプランを基にしたサービスを提供して終わりではなく、新しい情報を更新し改善することが重要です。介護サービス利用者の状態や環境はどんどん変化していくので、常に変化に意識を配るようにしましょう。
アセスメントはビジネスやそれ以外のシーンで、客観的な評価を取り入れるための有効な手段です。それぞれの意味や活用方法を正しく理解し、自身に必要な場面で効果的に活用できるようにしておきましょう。特にビジネスの場面では、感情に流されずに第三者的な視点で取り組むようにすると、ストレスなく仕事を進めることができるはずです。今回紹介したポイントを抑えながら、組織の評価方法として取り入れてみてはいかがでしょうか。
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