ベンチマーキングとは?種類、メリット、目標設定方法を紹介BLOG

 2021.6.30

みなさんは「ベンチマーク」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?この言葉は、ビジネスや投資の場面で非常によく使われる言葉です。みなさんの会社の中には、経営力を上げるために積極的に他社の良いところは取り入れていきたいと考えている企業も多いかと思います。

すでに成功しているモデルがあるのであれば、それを参考にすることで、ゼロから自社で考えるよりも圧倒的にスピーディーに成果を出すことも可能です。

しかし、ただ漠然と他社の良いサービスを探しているだけでは、なかなか自社に合った成功事例を見つけることは難しいでしょう。

そこで今回は、「ベンチマーキング」に注目し、下記の項目に沿ってどのようにベンチマーキングを活用していけば良いのかを解説していきたいと思います。

  • ベンチマーキングとは?
  • ベンチマーキング活用のメリット
  • ベンチマーキングの種類
  • 目標設定におけるベンチマーキング

ベンチマーキングとは?

「ベンチマーキング」とは、1989年にゼロックス社のロバート・C・キャンプによって提唱された手法です。本来ベンチマークという言葉は、「指標、基準」という意味を持ちます。測量の分野で、高低差を測る際の基準点をベンチマークと呼ぶようになったのが由来です。

ベンチマーキングを簡単に説明すると「他社の優れた経営方法や商品などを分析して、そこから学んだことを自社に取り入れる」という手法です。このときの分析対象となるのは、その分野で最も優れていると思われる事例です。これを「ベストプラクティス」と呼びます。ベストプラクティスを対象とし、自社と比較することで、自分たちに何が足りないのか、何をすればベストプラクティスに近づけることができるのかということが段々と見えてきます。

ベンチマーキングをする際は、ただ漠然と対象を見るのではなく、しっかりと本質を見るようにしなければなりません。例えば飲食店を例に挙げると、仮に調査に行ったとして、そこの大きなアドバンテージがその価格だったとします。それを見れば、「この価格でこんなクオリティーの高いものを出せるのか」と、その飲食店の優位性を見つけ出すのは比較的簡単でしょう。しかし、本当に大事なのは、この場合「なぜその価格で提供できるのか」ということでしょう。そこまで考えなければ、そのポイントを自社に取り入れることはできません。しっかりと本質の部分まで分析と研究をすることが、ベンチマーキングでは非常に大切なことなのです。

そして、ベンチマーキングの対象は、製品やサービスだけとは限りません。経営や戦略、社内の福利厚生のシステム、従業員の働き方など、企業で発生するあらゆる事例に対して、ベンチマーキングは有効に活用することができるのです。

ベンチマーキング活用のメリット

ベンチマーキングには様々なメリットがあります。まず一番のメリットは、自社の製品やサービスを客観的に見ることができるということです。なかなか自社のサービスや製品のみに目を向けていては、表面上の問題点に気づくことはできても、本質的な問題にまでたどり着けないこともあります。

例えば、新製品をローンチしたが、なかなか思い通りに売り上げが伸びていないというときに、もちろんどこに問題点があるのかを考えることでしょう。製品そのものに問題がある可能性もありますし、製品の広告の打ち出し方に問題があるのかもしれません。問題をしっかりと明確化するためには、徹底的な調査が必要となりますが、すでに述べたように、自社製品だけを見ているのでは、なかなかその問題点を浮き彫りにすることはできません。ここで必要なのは「比較」なのです。

ベンチマーキングを行うことで、同種の製品やサービスのベストプラクティスについて研究をしあらゆる点で比較することで、自社の視点のみでは気づくことのできなかった根本的な問題点を浮き彫りにすることができるのです。

この「自社製品やサービスを客観的に見ることができる」というのが第一のメリットです。

もう一つのメリットは、比較するだけでなく、そこで学んだ他社製品やサービスの優れた点を自社のものに取り入れることができるという点です。他社を分析することによって、自社にはなかった様々な優れた点を発見することができます。そうした他社の強みを自社に取り入れることによって、自社でゼロから考えるよりもよりスピーディーに自社のビジネスを伸ばすことができるのです。

ベンチマーキングの種類

比較する対象によって、ベンチマーキングにはいくつかの手法があります。ここではその代表的な3つのベンチマーキング手法をご紹介します。

内部ベンチマーキング

他社ではなく、自社内の別の部署や製品を対象にしたベンチマーキングを行う手法が「内部ベンチマーキング」です。似たような製品やサービスを提供したり、業務プロセスを行なっている場合は、比較しやすく参考にできる改善点が多く見つかるかもしれません。例えば、残業が長時間続く部門の中でも、人事部だけはほぼ定時に帰宅することができていたとすれば、スケジュール調整や仕事を効率化する環境づくりへの取り組みが整っているのかもしれません。

内部ベンチマーキングの場合、かなり細かい情報まで収集できるため、より緻密な分析が可能というメリットがあります。一方で、あくまで社内での比較ということになるので、業務プロセスなどがかなり類似していることも多く、抜本的な解決にはつながらない可能性があるというデメリットがあります。

競合ベンチマーキング

自社の競合他社を分析し、サービスや製品の優れた点を自社に取り入れるベンチマーキングの手法です。競合他社の場合、自社と同じ、もしくはかなり近い業種ということもあり、参考になりやすいアイディアが見つかりやすいというメリットがあります。競合他社の優れた製品やサービスを取り入れ、それに改善点を加えることで、自社の新製品として開発することもできます。

ただ、もちろん競合他社なので、相手の協力を得られるわけではありません。そのため、分析や情報収集にどうしてもコストがかかってしまいます。また、その製品やサービスの肝となる重要な部分においては、他社からも調査できないように工夫している企業も多いため、多くのコストを割いた割に、それほどの成果が得られないというリスクも孕んでいます。

機能ベンチマーキング

ベンチマーキングの対象は競合他社とは限りません。「機能ベンチマーキング」とは、比較対象となる機能を有する異業種の企業をベンチマーキングすることです。大手企業の例としては、ゼロックスが異業種のLLビーンの倉庫内業務からベンチマーキングをしたことが有名です。「在庫管理がうまくいっていない」という課題がもしあるのだとすれば、うまくいっている企業の手法をベンチマークすれば良いわけですが、対象は別に同業種である必要はありません。むしろ、異業種に目を向けることで発見できる斬新な気づきも十分にあるのです。

目標設定におけるベンチマーキング

このベンチマーキングは、個人の目標設定に応用することもでき、「ベンチマーク法」として、目標設定のフレームワークの一つとして考えられています。今までご紹介したベンチマーキングと考え方は基本的に同じで、簡単に言ってしまうと、競合他社やライバルの良い点を真似しながら、自分、自社の改善点を見つけ出す目標設定の方法となります。

ここでは、そのベンチマーク法の実践方法の流れをご紹介しますので、ぜひ目標設定の一つの参考にしていただければと思います。

計画

ベンチマーキングを活用して目標設定をする場合、まずはベンチマークの対象を挙げることが必要です。いくつか候補を挙げ、最も最適な指標を見極めることが重要です。ポイントとしては、「こうなりたい」という理想像をベンチマークするようにしましょう。最終的な目標としては、そのベンチマーク対象を超えることです。

よって、「そのベンチマークを超えるとどうなるか」ということを考えることも重要です。その結果どのような効果をもたらすのかということを考えることで、より効果的なベンチマークを設定することができるでしょう。

情報収集・分析

ベンチマークの対象が決まったら、次に情報収集をします。そこで得た情報をもとに、自分とベンチマークとの間にあるギャップを浮き彫りにしていきます。そして、なぜそのギャップが生まれているのかという原因を分析していきます。これにより、ベンチマークの対象となっている競合他社やライバルとの差の原因を認識することができるのです。

統合・目標設定

分析結果をもとに、目標を設定していきます。情報収集と分析により、ギャップの原因がある程度理解できたはずなので、そのギャプを埋めるための目標を設定していきます。

実施検証

目標を設定したら、次に実際に目標達成のための実践をしていきます。つまりは、ギャップを埋めるための実践です。実践をスタートさせたら、定期的に検証をすることも重要です。フィードバックを定期的に行い、方向性が間違っていないかを積極的にチェックするようにしましょう。もちろん、場合によっては計画を練り直すということも必要になる場合もあります。

このように、ベンチマーク法を活用することで、どのような違いから結果の差が出ているのかを明確にすることができます。それはほんの些細な違いかもしれませんが、だからこそ、比較を行うことでしか見えないものかもしれません。自分や自社のウィークポイントや改善点を客観的に洗い出すことによって、的確な目標を設定することが可能になるのです。

ベンチマーキング法を取り入れて目標を達成しよう

ベンチマーキングは、他社の優れた点を分析・研究することで自社に取り入れる手法です。実際に多くの企業がこの手法を取り入れ成功事例もたくさんありますが、一方で、ただ表面的に他社の真似をするだけでは、うまくいかないのも事実です。他社で成功しているのにはもちろん理由があり、他社だからこそ成立しているということも言えます。実際に取り入れる際は、しっかりと本質を理解し、自社に向けて最適化したかたちで取り入れるようにしましょう。

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