メラビアンの法則とは?3つの要素と、コミュニケーション方法を紹介BLOG

 2021.7.30

コミュニケーションに関連する用語として「メラビアンの法則」を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?就職活動の際や、ビジネスマナー研修の際に「人のイメージは第一印象で決まる」のように語られるのは、このメラビアンの法則に基づいています。メラビアンの法則は、コミュニケーションの要素を分解しその割合を示したものであり、「見た目が重要」と言われる根拠となっているものですが、意味が過剰に解釈されて間違った捉え方をしてしまっている人が多いのも事実です。

そこで今回はメラビアンの法則に関して、構成うる要素やよくある誤解、実際の活用方法などさまざまな観点で紹介していきます。こちらの記事を参考に、ビジネスシーンや普段の生活で正しくメラビアンの法則に基づいたコミュニケーションを実践してみてください。

メラビアンの法則とは?

メラビアンの法則とは、7-38-55ルールとも呼ばれる心理学の法則のことを指します。人は相手と会話する際に言語情報から7%、聴覚情報から38%、視覚情報から55%の割合でそれぞれ影響を受けていることを示した法則になっています。1971年アメリカの心理学名誉教授で合ったアルバート・メラビアンによって発表され、今現在では「人にいい印象を与える方法」の基本的な原則として、ビジネス研修や指南本にも取り上げられているものです。例えば、「笑いながら叱る」場合はプラスの印象を与えることが多く、「納得行かない表情で褒める」場合はマイナスの印象を与えることが多いように、人はコミュニケーションを取る際に言語情報よりも視覚情報を優先する傾向にあることを示唆しています。

メラビアンの法則の3要素

メラビアンの法則は、「視覚情報=Visual」「聴覚情報=Vocal」「言語情報=Verbal」の3要素に着目したもので、その頭文字をとって3Vの法則とも呼ばれています。ここではそれぞれの要素に関して、詳しく紹介していきます。

視覚情報

視覚情報は、相手の態度や表情、目線といった見た目から影響を受ける情報のことです。メラビアンの法則では、視覚情報が55%と最もコミュニケーションにおいて影響を与える割合が大きいとされています。視覚情報は非言語コミュニケーションとも呼ばれ、五感を使って感情的な言語化が難しい部分を伝えることができるため、コミュニケーションを円滑にする役割があります。

聴覚情報

聴覚情報は、相手が話している声の大きさやテンポ、話し方のことを指します。メラビアンの法則によると、コミュニケーションにおける割合は38%です。聴覚情報も視覚情報と同様、非言語コミュニケーションに分類することができ、視覚情報と合わせると非言語コミュニケーションが占める割合は93%にもなります。言い換えれば、コミュニケーションにおいて非言語の情報が9割以上相手に影響を与えているということになるのです。

言語情報

言語情報は、相手が話している内容や使っている言葉自体を指すものです。視覚情報、聴覚情報とは逆に、言語情報によるコミュニケーションのことを言語コミュニケーションと呼びます。対面で相手に話していることはもちろん、メールやSNS上でのやり取りなどテキストでのコミュニケーションも言語情報に分類でき、明確な情報を伝達するのに活用されます。ただし、言語コミュニケーションだけでは感情的な部分を適切に伝えることは難しく、場合によっては意図に反する形で相手に伝わってしまう可能性もあるのです。

メラビアンの法則の誤解

メラビアンの法則の実験結果に基づいて、「人は見た目が9割」と言われています。もちろんコミュニケーションにおいて見た目が重要なのは間違っていないのですが、それが拡大解釈され「話の内容ではなく、見た目をしっかりしていれば大丈夫」のような言語コミュニケーションを軽視した捉え方をされることも多いです。

メラビアンの法則を発見した実験では、感情を伝えるコミュニケーションにおいて前述したような結果が得られているため、全てのコミュニケーションに当てはまるわけではなく、その点についてはメラビアン自身も言及しています。メラビアンの法則において重要なのは、3つの要素が矛盾なく一致していると相手に自身の感情を的確に伝えることができるという点です。話の内容に応じた身だしなみや態度、ボディランゲージなどを取ることで、自身が伝えたい内容が相手に齟齬なく伝えることができるという捉え方をしておきましょう。

メラビアンの法則に基づくコミュニケーション方法

メラビアンの法則がどういったものかをみていきましたが、具体的にどのようにコミュニケーションをとれば良いのでしょうか?メラビアンの法則に基づいたコミュニケーションを実践するには、いくつかのポイントがあります。ここでは「笑顔を心がける」「聞き取りやすいトーンで話す」「分かりやすい言葉を使う」という3つのポイントに分けて、メラビアンの法則に基づくコミュニケーション方法をそれぞれ解説していきます。

笑顔を心がける

視覚情報が与える影響の中でも、笑顔が与えるポジティブな影響は非常に大きいです。言語情報でポジティブなことを言っていても、表情が暗かったり不安そうだったりすると、相手にネガティブな印象を与えてしまうでしょう。感情的に嬉しかったり、楽しかったりする時はもちろん、相手の話すことを肯定する時も笑顔が有効です。例えば相手を賞賛する時や励ます時、祝福する時などは、言葉だけでなく笑顔も添えることで、より一層感情が相手に伝わりやすくなります。

聞き取りやすいトーンで話す

話している内容に合わせて、聞き取りやすいトーンで話すことも重要です。せっかくいい話やタメになる話をしているのに、早口すぎたり聞き取りづらい声で話してしまうと内容があまり相手に伝わりません。緊張している時や疲労が溜まっている時は、棒読みになってしまいがちですが、話に抑揚がないと話の内容が入ってきづらくもなってしまいます。うまく話せなくても良いですが、落ち着いたトーンで時折抑揚をつけながら話すと良いでしょう。また、話す相手やどこで話しているかにも合わせてトーンを調整すると良いです。例えば、上司に話す時と同僚に話す時、外で話す時と家で話す時では、相手に伝わりやすいトーンが変わってきます。

分かりやすい言葉を使う

メラビアンの法則に基づくと、言語情報がコミュニケーションに与える影響は僅か7%のため軽視されがちです。ただそれは前述した通り、間違った解釈であり、そもそも話の内容が伝わりやすいものでなければ意味がありません。まずは相手に伝わりやすいような分かりやすい言葉を選ぶことが、対面のコミュニケーションでもテキストでのコミュニケーションでも大事なことです。決して難しい言葉をわざわざ選ぶ必要はなく、相手に誤解を与えない程度の伝わりやすい言葉で、プラスアルファで非言語情報で補うように話すと良いでしょう。

ビジネスにおけるメラビアンの法則の活用

メラビアンの法則に基づいたコミュニケーションは、もちろんビジネスシーンでも効果を発揮します。仕事を進める上で多くの人がコミュニケーションや人間関係で悩んだ経験があるはずです。メラビアンの法則を意識することで、円滑にコミュニケーションを取ることができ、取り巻く人間関係も良好になっていくでしょう。

ここからはビジネスシーンにおけるメラビアンの法則を活用したコミュニケーションについて、いくつかのパターンに分けて紹介していきます。

電話対応をする時

電話対応では、メラビアンの法則の割合の55%を占める視覚情報がないコミュニケーションになるため、使う言葉や話す内容、そして声のトーンやテンポがより重要になってきます。残りの45%でも、ある程度の感情や話の内容は伝えることができるため、聴き心地がいいテンポといつもよりも少し大きめの抑揚をつけて話すようにしましょう。また、会話の「間」を使うことで表情がなくとも、微妙なニュアンスや細かい意図を伝えることができるでしょう。

上司と部下の間でのコミュニケーション

上司と部下の間でコミュニケーションを取る際は、上司の方がよりメラビアンの法則を意識すると良いでしょう。立場上部下の方が上司の言葉や態度に敏感である場合が多いため、無意識のうちにハラスメントに繋がってしまう場合もあります。また、些細な会話が部下の仕事へのモチベーションを左右することもあるため、話す内容と表情、声のトーンをしっかり適切に揃えることが重要です。例えば、部下のことを褒める際も、ぶっきらぼうな表情では部下は素直に褒め言葉を受け取ることはできないでしょう。しっかり笑顔で褒め言葉を伝えることで、部下も素直に受け止めてモチベーションをアップさせることができます。

面接官としてコミュニケーションを取るとき

ビジネスシーンでは、採用の現場で面接官として応募者とコミュニケーションを取ることもあるでしょう。面接時は限られた時間の中で応募者の本音を引き出す必要があります。そのためには応募者にリラックスした状態で受け答えしてもらうことが重要です。相手に安心感を与えるような丁寧な言葉遣いと、柔らかい表情で面接をすることで、応募者に会社としてのいい印象を与えることができます。

メラビアンの法則を取り入れて効果的なコミュニケーションを

メラビアンの法則は、非言語コミュニケーションが会話において重要であることを示す法則ですが、かといって言語コミュニケーションを軽視していいわけではありません。3つの要素をうまく一致させることで、人間関係をうまく構築するために効果的なコミュニケーションを取ることができます。

こちらの記事を参考に、ビジネスシーンでも日常生活でもメラビアンの法則を意識したコミュニケーションを実践してみてください。

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