OKRの設定方法とは?設定する際に気をつけるポイントを紹介BLOG

 2021.8.31

アメリカで生まれたOKRですが、近年メルカリを始め、多くの国内企業がOKRを導入し始めています。チームとしての結束力を高めるだけでなく、従業員個人個人のパフォーマンスを最大化するOKRの効果から、導入を考えている企業も多いかと思います。

ですが、目標設定の手法の一つとはわかっていても「実際のところどうやって目標設定すれば良いのか」「設定方法がわからない」という方も多いのではないでしょう。そこで今回は、OKRを用いた目標設定の方法について詳しく解説していきたいと思います。今OKRの導入を考えている企業の方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

  • OKR設定の流れ
  • 企業OKRの設定
  • Objective設定の際の4つのポイント
  • KR設定の際の3つのポイント
  • 部署OKRの設定
  • 個人OKRの設定
  • OKRの公開

OKR設定の流れ

OKRは、O=ObjectivesとKR=Key Resultsが部署やチームの数とメンバーの数だけ幾重にも重なってツリーのようなかたちで構成されます。そのため、まずはツリーの頂点となる目標や戦略、いわゆる企業Objectiveを最初に設定する必要があります。

まずは最初にOKR設定の全体の流れをざっとみておきましょう。

  1. 企業Objectiveを社長や取締役が設定する
  2. 企業KR=部署Objectiveを社長や部署マネジャーが設定する
  3. 部署KR=個人Objectiveを部署マネジャー、もしくはメンバーが設定する
  4. 全社にOKRが公開されるとともに運用が開始される

スケジュールを組む際には、OKRは最終的には会社の戦略を実行するためのフレームワークなので、導入スケジュールは会社の計画としっかりと連動させる必要があります。

企業OKRの設定

次に、OKRを用いた具体的な目標の設定方法について解説していきたいと思います。まずは、前述したツリーの頂点である「企業OKR」を設定することから始めます。大事なのは、会社のメンバーがそれを見て「これを実現してみたい」と思えるようなワクワクする言葉を用いて設定することです。

Objective設定の際の4つのポイント

適切な難易度を設定する

OKRでは、予測通りのパフォーマンスをメンバーが発揮すれば達成ができるであろう難易度のものではなく、達成するのが困難で達成できるかどうか定かではない難易度、パーセンテージで言うと、達成度が60~70%程度の難易度のものを設定するのが良いとされています。

似たような目標管理手法としてKPIが挙げられます。目標管理というとこちらを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。KPIは、目標達成のために必要なプロセスをし評価して管理していく手法です。達成までの道のりを明確化し、数値などで達成度を計測できるようにする点でこ2つの手法は共通していますが、KPIの場合は、目標を100%達成することを目指しています。よって、それまでのプロセスにおける指標も達成可能な難易度で設定されることが多く、年による劇的な成果の変動などは起きにくくなっています。

一方、OKRの場合は「従業員も巻き込み組織全体で同じ方向性を持ち成長するためには、チャレンジングな目標が必要」という考えを根底に持っています。ただ、もちろんこのような高い目標がすべての組織に対して当てはまるわけではありません。若いメンバーで構成されているのであれば、成功体験の積み重ねも大切ですし、ただ闇雲に難易度の高い目標を設定すれば良いというわけではありません。あくまで、それぞれの組織に成熟度や環境に合わせた難易度を設定するようにしましょう。

ワクワクする表現を使う

ただ単に「売上1億円達成」のような目標は、部署レベルならまだよしとしても、会社のツリーの最上位にあるObjectiveに設定してまうのは、あまり望ましくない例です。

OKRを導入するからには、それは経営状況を外部に公開する決算資料のようなものとは違い、会社のミッションを遂行するためにメンバーを常に鼓舞し続けるような道標となる存在でなければなりません。

例えば、上に述べたような「売上1億円達成」という目標を掲げたいにしても、そのままではなく「新規販促エリアを拡大して売上1億円達成」など、従業員のやる気をさらに起こさせるような言葉で目標を掲げることが重要です。

目標の数を絞り込む

Objectiveの数は、多くなりすぎないように注意しましょう。OKRを用いて最大限の成果を出すためには、Objectiveの数は少なければ少ないほど良いとされています。もしこの目標があまりに多くなってしまうと、その分だけ業務量が分散されてしまい、達成すべき最も重要な目標に最大限の力を注ぐことができなくなってしまう恐れがあります。

特に、スタートアップや小規模の企業の場合、リソースの分散は大きなリスクになりかねないので、できる限り全員が同じ目標に向かって業務を行えるよう、目標は少ない数に絞るようにしましょう。

目標サイクルの期間はバランスよく

OKRによる目標サイクルは、1ヶ月から四半期など比較的短期的なものが良いとされています。一週間単位では、野心的な目標を達成するにはあまりに短く、一年単位では、外部環境などの変化によって目標の修正を余儀なくされた場合、変化に対応しづらくなってしまいます。

また、継続的な業務改善や学習のために活用していくためにも、定期的に成果を測定し振り返ることが重要です。OKRの特徴をしっかりと活かすことのできる目標サイクルを設定するようにしましょう。

KR設定の際の3つのポイント

トップダウンかボトムアップか

OKRを決定する際に、トップダウンで決めるのか、それともボトムアップで決めるのか、どちらの方法で決めるかというのも考えなければいけない要素の一つとなります。ちなみに、Googleが公表している『re:Work』の中では、「OKRは、トップダウンとボトムダウンの双方の提案が組み合わさることで、最大限の効果を発揮する」と記されています。

例えば、まず社長が企業目標を設定します。その上で、目標達成のための指標を設定し、トプダウンで担当部署のマネージャーに割り当てを行います。その後、1on1などで個別の面談等を行うなどして、戦略や方針について個人にしっかりと理解してもらい、目標へのコミットメントを促します。部署の達成指標は、ボトムアップでマネージャーに設定してもらいます。そうすることで、マネージャーは目標に対しての責任感と納得感が増し、目標達成するための強いモチベーションとなるでしょう。

トップダウンなのかボトムアップなのか、または両方なのか、どの方法が最適なのかは企業の文化や成熟度によっても変わってくるかと思いますので、経営陣で事前に決めておくとよりスムーズに運用を行うことができるでしょう。

目標達成のための要素を具体的に洗い出す

企業目標を達成するために必要不可欠な要素を洗い出しましょう。それがそのままKR=部署目標となります。

例えば「英会話スクール業界でNo. 1になる」という目標を掲げた場合、どのような要素が業界No. 1になるために必要なのかということを洗い出していきます。あくまで例ではありますが、以下のようなものが考えられるでしょう。

Objective

「英会話スクール業界でNo. 1になる」

KR

  1. 売上規模が業界No. 1(営業、マーケティング)
  2. サービス価値が業界No. 1(開発部、デザイン)
  3. ブランドイメージが業界No. 1(マーケティング)
  4. 顧客満足で業界No. 1(カスタマーサクセス)
  5. 従業員満足でNo. 1(人事、経営管理)

これらの具体的な目標が企業KRとなり、それがイコール部署Objectivesとなります。

計測可能な管理指標を設定する

KRは、Objectiveとは違って、数値などの計測可能な定量的な指標で設定するのが良いです。これは、KPIなどにも共通する点ですが、数値など定量的に表すことができる目標のほうが、メンバーも目標達成のための具体的なアクションを起こしやすくなります。また、そのアクションの結果が、達成なのか未達成なのかが一目瞭然となるため、より具体的な改善案も出しやすくなります。

例えば、先ほどの例をそのまま使って考えてみると、Objectiveは「英会話スクールで業界No. 1になる」です。そうなると、具体的なKRとしては、例えば、「毎月の新規契約数を50件取る」「毎月のHPのPV数を1000件以上にする」「イベントのNPSを7から9に上げる」などが考えられるでしょう。このように具体的な数値を入れるように心がけましょう。

部署OKRの設定

次に部署OKRを設定します。これを設定するのは、経営者か部署のマネージャーとなります。設定する上での重要なポイントは企業OKRでご紹介したものと同じになりますので、そちらをご参照ください。

部署OKRをトップダウンで設定する場合は、企業OKRで設定されたKRが、そのままイコール部署Objectiveとなります。ボトムアップで各部署のマネージャーが設定する場合には、都度すり合わせが必要となります。

・Objective

企業Objective達成に直接直結し連動している内容のものを設定するようにしましょう。

・Key Results

部署KRは、個人Objectiveに当たります。個人OKRをトップダウンで設定するのかボトムアップで設定するのじゃ、はたまた両方を合わせるのかは、メンバーの成熟度などを加味して決めるようにしましょう。

個人OKRの設定

OKRでは特に、従業員個人個人のパフォーマンスが会社全体の成果に直結するため、個人OKRの設定は非常に重要です。また、業績としての成果だけではなく、従業員個人の成長にも重要な意味を持ちます。

部署OKRと同様、トップダウンかボトムアップかでタイミングは変わりますが、全員が目標に対してコミットできるように、1on1などの機会を設けるようにしましょう。こちらも設定のポイントは企業OKRと共通です。

OKRの公開

全メンバーの個人OKRまで決まって、いよいよ社内全体への公開となります。全体に公開をすることで、全員が一丸となって目標に向かっていける雰囲気を作ることができるので、できるだけ全体に公開することが望ましいです。

ここまで話してきた、会社、部署、個人の目標が同じ方向性を持ってしっかりと一致していれば、個人としても、自分の業務がいかに会社に貢献しているのか、自分の成長がいかに会社の成長につながるのかということ認識でき、エンゲージメントも高くなることが期待できます。また、部署間でのコミュニケーションも活性化され、より会社として団結力のある組織になっていくことも期待できるのです。

正しくOKRを設定して運用を成功させよう

本記事では、OKRの設定方法について詳しく解説しました。

OKRの最も大きな特徴は、会社、部署、個人の目標が全て連動しているということでしょう。しっかりと今回ご紹介したポイントなどを踏まえながら、目標を設定していくことで、目標達成に向けて皆が同じ方向を向いた強固な組織作りを行うことができる可能性があります。

ぜひ今回の記事を参考に、自社に合ったOKR設定のご参考にしていただければと思います。

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