PDCAとは?意味、OODAとの違い、メリットを紹介BLOG

 2021.10.2

生産性の向上のために、各企業がさまざまな施策を検討し実施しています。その際に重要なのが、実施した施策を振り返って次の改善策に繋げることです。その振り返りと改善のサイクルを回していくために使われるのがPDCAサイクルです。ビジネスシーンではよく聞く言葉であるため、なんとなく分かっている人は多いかと思いますが、正しく理解して効果的にPDCAサイクルを活用できているとは限りません。

今回はPDCAについて改めて意味を解説し、メリットや効果的な運用ポイントも紹介していきます。

PDCAとは?

PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字を取ったもので、この順番で継続的に業務を改善していく手法です。「Action」のあとに再び「Plan」に立ち戻って循環させることを「PDCAサイクル」と呼びますが、一般的にPDCAとPDCAサイクルは同義として解釈されます。

それぞれの段階についての詳細は以下の通りです。

Plan(計画)

Plan(計画)とは、目標を設定したり、その目標を達成するための行動計画を策定する段階のことを指します。ここで設定する目標は、PDCAサイクルを回す上での起点となるため、誰が見てもわかりやすく具体的である必要があります。そのため出来るだけ数値で設定したり、5W1Hを用いて具体性を持たせるように意識しましょう。

Do(実行)

Do(実行)は、Plan(計画)で策定した目標や行動計画を元に、行動をしていく段階です。ここでいう行動とは、決めたことをただやるだけではなく、実行に移してみて効果は出たのか、他の方法は考えられないかなど、試行していくことが重要になります。サイクルをうまく回すためには、このDo(実行)の段階で経過を記録しておくのもポイントです。目標に対しての進捗具合や工数を時間で記録しておくなど、振り返りやすくしておきましょう。

Check(評価)

Check(評価)では、設定した目標や行動計画が達成できているかどうかを評価します。計画通りに進まなかった場合は、なぜそうなったのか原因を分析し、計画通りに進んだ場合でも、なぜ成功したのかを分析しましょう。Plan(計画)で立てた数値目標と照らし合わせながら、Do(実行)での記録を根拠として具体的で整合性のある検証結果をまとめることが重要です。

Action(改善)

Action(改善)は、Check(評価)での分析結果から改善点を検討する段階です。改善点を検討する際は、さまざまなパターンの改善案を持つようにして、その中から最適な改善案と課題設定を行うようにしましょう。

OODAとの違い

PDCAと似たような手法で注目されているのがOODAです。OODAとは「Observe(観察)」、「Orient(状況判断、方針決定)」、「Decide(意思決定)」、「Act(行動)」の頭文字を取ったもので、PDCAに代わる手法として注目を集めています。PDCAとOODAの異なる点は、問題解決のステップです。OODAは現状の観察から始めるため、分析から実行までをスピーディに実行できるというメリットがあります。また、OODAでは、PDCAのような計画策定をしないため、柔軟な発想で問題解決を進めることができるのです。一方で、PDCAは着実に改善点を見つけることができるため、自社に適切な手法を選択することがポイントになります。

PDCAのメリット

PDCAには具体的なメリットがいくつかあります。ここでは、「目標とタスクが明確になる」「タスク実行に集中できる」「確実な改善に繋がる」という3つのメリットについて、それぞれ解説していきます。

目標とタスクが明確になる

PDCAでは目標とそれを達成するためのタスクを明確にすることができます。目標が明確になっていなければ、具体的に何をして良いか分からず、結局目標を達成できないという事態に陥ってしまうでしょう。その状態が続くとモチベーションを維持することが難しいです。PDCAでは最初に目標とタスクを具体的に設定し、それに基づいた行動をしていくため何をすべきか分かっている状態で目標達成に取り組むことができるため、モチベーションを維持しやすいというメリットがあります。

タスク実行に集中できる

目標とタスクが明確になっていることで、実行するタスクだけに集中することができます。目標やタスクが曖昧だと、目標に関係ないことに手を出してしまったり、何をすればいいか分からず無駄な時間を過ごしたりしてしまう可能性が高いです。PDCAでは取り組むタスクが明確になっているため、余分な行動に時間を割くことなく、集中力を保ったまま目標達成に向けて動くことができます。

確実な改善に繋がる

PDCAサイクルが一巡すると、改善案が確実に出てくるため、少しずつでも着実に成果を大きくしていくことができます。よかったところ、悪かったところの双方の観点で分析をした上で次はこうした方がいいという案に落とし込むため、派手ではないものの着実な改善に繋がるのです。

PDCAのデメリット

PDCAにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在しています。デメリットも正しく理解しておくことで、より効果的にPDCAを活用できるでしょう。ここからはPDCAのデメリットをいくつか紹介していきます。

PDCA自体が目的になってしまう

よくあるのがPDCAを回すことが目的になってしまう状態です。PDCAを回していくうちに、同じような振り返りばかりで良しとしてしまったり、目標を策定してちゃんと結果の分析をしない状態になる可能性があります。PDCAはあくまで目標を達成するための手段として捉えて、少しずつ改善に繋げるという意識で活用することが重要です。

イノベーションが生まれにくい

PDCAは前例があるものや、使えそうなデータに基づいて分析や改善案の検討を繰り返していく手法であるため、新規事業など画期的なアイデアを生み出すことには向いていません。着実に改善に繋げていくことはできても、イノベーションを生み出すことはできないため、OODAなどを活用して新しいアイデアを生み出し、それをさらにいいものにしていくためにPDCAを活用するなど、場合に応じて手法を使い分けることが重要です。

PDCAの失敗要因

PDCAをただ回していれば、必ず成果が上がったり、目標が達成できると限りません。PDCAを回すことに失敗してしまい、成果に伸び悩んでいる企業も多いことでしょう。ここでは、PDCAでよくある失敗要因をいくつか紹介していきます。

目標設定が不適切

PDCAにおいて起点となるPlan(計画)の段階で、不適切な目標を設定してしまって失敗している場合が多いです。目標が高すぎても具体的で現実的なタスクに落としこめず、モチベーションを維持できず、達成から遠ざかってしまいます。また、目標が低すぎると効果的な改善に繋がらないため、現状維持もしくは成果が下がってしまうという状態になってしまうでしょう。目標は少し努力すれば届くくらいの適切なものを設定し、具体的な行動計画を策定するのが重要です。

評価・改善をしっかり行っていない

目標が適切でそれに基づいた行動を取ったとしても、それに対しての評価が適切に行われていなければ改善には繋がっていきません。例え成果を出していたとしても、評価が曖昧だと同じ成果を再びあげることは難しいでしょう。評価をするための過程やデータの記録は必ずしておきましょう。成果を早まるあまり、どんどん改善に進んでいきたくなりますが、まずは評価・分析を丁寧に行うことが重要です。

PDCAを効果的に回すポイント

PDCAを失敗させないためには、ポイントを抑えて運用していくことが重要になります。最後にPDCAを効果的に回すためのポイントをいくつか紹介していきます。

正確なタイムマネジメント

いい目標や行動計画を立てたとしても、いつまでに何を終わらせるのかなど期限や時間を意識していなければ改善に繋がっていきません。同じ成果でもより短い時間で出せた方が、他のことに時間をあてることができるからです。タスクを実施する時間がそもそもなければ、その行動計画は意味がないものになってしまいます。自分がタスクに対してどれくらい時間がかかるのか整理し、使える時間と照らし合わせた上で、タスクの中でも必要ないものは削ることが必要になるでしょう。また、優先順位をつけて、優先度の高いものからタイムマネジメントをしながら着実に行動していくことが重要です。

ツールを活用する

PDCAを回していく際には、目標やそれに紐づく具体的な数値を管理したり、活動記録をしっかりつけておくことが必要になります。それらを全て自分の手で管理するとなると、余計な時間が取られたり、抜け漏れが出てしまうでしょう。SFAなどのツールを活用すれば、数値の管理が簡易的になったり、状況をチーム内に共有しやすくなったりと、効率よくPDCAサイクルを回していくことができます。PDCAを回すための作業に時間を取られてしまって、評価分析や改善策の検討がそこそこになってしまっては元も子もないので、ツールを活用して余計な時間をかけないようにするよ良いでしょう。

PDCAサイクルを回して仕事の質をあげよう

PDCAは仕事だけでなく日常生活でも活用できる汎用的なフレームワークです。何事も完璧なことはなく、うまくいっていることでも何かしら改善の余地が残されているはずなので、改めてPDCAサイクルを回してみると新たな課題を発見できるでしょう。ビジネスや生活がよりいいものになるよう、こちらの記事を参考にPDCAを実践してみてください。

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