2023.8.14
「1on1を行うことになったけど人事評価面談と何が違うの?」
「1on1はどのような手順で行えばいいの?」
と悩んでいませんか?
ヤフー株式会社のような大手企業でも1on1を導入してますが、まだまだ国内の企業に浸透しきってるわけではありません。
そこで今回は1on1について以下のことを紹介します。
この記事を読めば、1on1をスムーズに行える方法を知ることができますので、ぜひ参考にしてください。
1on1とは、部下と上司が2人で対話をする面談のことを指します。米国のシリコンバレーにある企業でよく行われており、近年日本でも導入されるようになりました。
1on1は、上司が部下の成長をサポートすることが目的で行われています。仕事や会社の話から、部下のプライベートのことまでさまざまなテーマを話す場合が多いです。
上司は部下の話を聞いて、悩みを解決したり、キャリアを支援したりします。
上司と部下が自分の仕事やプライベートについてを開示することによって、お互いをより深く理解できます。
1on1を「部下と上司が分け隔てなく会話する場」として活用することで、信頼関係を構築できるのです。
上司と部下の2人で行う面談として、人事評価面談があります。
しかし、1on1と人事評価面談では、以下の3点が異なります。
それぞれの違いを詳しく見てみましょう。
1on1 | 人事評価面談 |
・部下の成長を促進するため ・エンゲージメント向上 | 部下の評価・フィードバックを行うため |
1on1と人事評価面談では、実施する目的が大きく異なります。
1on1は部下がメインとなって話す場です。部下の成長を促すために、上司が話を聞いて問題解決のアドバイスやキャリア支援を行います。
他の目的として、部下のエンゲージメントを向上させることもあります。部下が会社に対して愛着をもつことで離職率の増加を抑えられるのです。
一方、人事評価面談は部下を評価することが目的です。業績や目標の達成度をもとに評価を行い、昇給や昇進を決定します。
1on1 | 人事評価面談 |
週1回~月1回 | 四半期および半期に1回 |
実施する回数や1回あたりの面談時間も大きく異なります。
1on1は月1や週1など頻繁に行う場合が多いです。面談の時間は15分〜30分程度と短い傾向にあります。
人事評価面談は四半期に1回や半期に1回と実施する回数が少ないです。30分〜1時間ほどかけて面談を行います。
1on1 | 人事評価面談 |
・部下のプライベートや心身の健康について ・現在の業務について ・将来のキャリアについて ・業務目標の進捗について | ・部下の業績や目標達成度のフィードバック ・昇給や昇進 ・来期の目標について |
話す内容についても異なる部分があります。
1on1では部下がメインで話をすることと、仕事以外の話もすることが1on1の特徴です。一方で、人事評価面談は上司がメインで話し、業務関連のことを中心に話します。
1on1が必要となった背景として以下の3つがあります。
それぞれ詳しく解説します。
現在、VUCA(ブーカ)の時代と呼ばれるようになったことから、1on1の必要性が高くなっています。
VUCAとは、次の4つの単語の頭文字をつなげた言葉です。
あらゆる原因で環境が変化し、未来を予測しにくい状態という意味でVUCAが使われています。
現在、IT技術の革新によって目まぐるしくビジネスの環境が変化しています。変化が激しいと、今後の市場ニーズや経済トレンドの予測が非常に困難です。
変化に対応するには、自発的な行動と機動性の高さが求められます。
1on1を実施すると、部下自身の考える機会が増えるため、自分で考えて行動できる力が養われます。週1や月1で行うため、スピーディな情報共有ができ、こまめに組織の軌道修正が行えるのです。
1on1は環境の変化に対応できるツールとして注目が集まっています。
優秀な人材が働き続けたいと思える会社づくりを行うためにも1on1は有効です。
現在ではどの業界でも転職が当たり前になっています。優秀な人材が転職した場合、代わりになる人材を育成することも採用することも非常に難しいです。
優秀な人材が見つかるまでの間、会社のサービスの質が低くなり、売上に影響が出る可能性もゼロではありません。優秀な人材を流出させないことが最善の手段です。
1on1は、上司が部下の要望を聞ける貴重な機会です。部下の意見を反映し、サポートを行うことで、長く働き続けられる環境づくりを実現できます。
1on1は国内の大手IT企業のヤフー株式会社が取り入れて効果があったため、他社でも実施されるようになりました。
ヤフー株式会社では、上司と部下の間で意思疎通がうまく行えていないという問題があり、人材戦略として1on1を行いました。
最初は上司と部下が週1で30分間のキャリアについて対話していたそうです。
その後、1on1を繰り返し実施し、さまざまな改良を行った結果、社内コミュニケーションの改善に成功しました。
改善の結果、業務での混乱やトラブルが減り、生産性が向上しました。
1on1導入の成功例が国内でできたことで、取り入れている企業が増えています。
1on1を実施することで以下のメリットがあります。
それぞれについて詳しく解説します。
1on1を取り入れることで、部下の成長を促進できます。
一般的に社員は仕事をある程度覚えたら、自身の力で成長する必要があります。しかし、「成長のために何をすればいいかわからない」という社員も少なくありません。
1on1は、上司と業務の振り返りを行う場としても機能します。強制的に振り返る時間ができることで、問題の原因や改善点など部下が自身で考える力を身につけられます。
PDCAサイクルを回す習慣ができるため、部下が自ら成長できるように促せられるのです。
部下と上司がお互いの信頼を深められるのもメリットの1つです。
1on1でこまめに意思疎通をはかることで、お互いのことを理解できます。
導入してすぐに信頼関係が構築されるわけではありません。しかし、繰り返し実施することによって、徐々に部下が心を開いて話すようになるでしょう。
深い人間関係が構築されることで、部下が自社で働き続けたいという気持ちが強くなります。部下が会社に愛着をもつようになるため、離職を防ぐ効果があります。
1on1によって、部下のモチベーションを引き出せます。
定期的に上司と話すことで、部下が悩んでいた業務課題がスムーズに解決できるためです。
1on1にはコミュニケーションが活性化され、風通しのよい職場環境を作る効果があります。
1on1以外の時間でも上司に相談しやすくなるため、部下の仕事への意欲を上げられるのです。
部下の今後の目標を共有できることも1on1ならではのメリットです。
上司が部下の目指したい人物像や、将来やりたいことについてアドバイスをすることで、部下の今後やるべきことが明確になります。中長期の目標と達成のために必要なミッションが具体化することで、仕事への意欲も向上します。
また、部下の能力、将来のキャリアについて把握できるため、最適な人材配置にも有効です。
1on1では、部下から部署全体についてもヒアリングできます。部下から共有してもらった情報から、現場の状況や部署内のトラブルの把握が可能です。
特に、社員が抱えている悩みは、組織の問題とも関わりが強いです。上司が部下の悩みを聞くことで解決策が見つかり、よりよい組織作りを行えるでしょう。
1on1は組織全体の改善にも大きく役立ちます。
1on1を取り入れると、以下のデメリットが生じる可能性があるので注意しましょう
話す内容を決めていない場合、雑談で終わることがあるので注意しましょう。
1on1では、仕事以外のことも話していいので、雑談自体は決して悪くありません。むしろ最初に少し雑談することで、部下との会話が円滑になります。
しかし、1on1はあくまでも部下に関することをメインで話す場です。15〜30分という短い時間で仕事の悩みや業務の進捗について共有する必要があります。
1on1がムダな時間にならないよう、事前に何を話すか決めましょう。
部下が複数いる上司にとって、1on1は負担が大きい業務になります。
1on1は面談の時間だけでなく、事前準備にも多くの時間を要します。
特に、部下の育成を意識しすぎると、プレッシャーのあまりどうしても工数の負担が大きくなりがちです。
1on1で工数が圧迫されないためにも、しっかりとスケジュール管理を行う必要があります。
また、上司と部下がお互い「今回は特に話すことがない」と思うときもあるでしょう。その場合はムリして1on1を実施せず、中止することも1つの手段です。
1on1は以下の手順で行います。
それぞれのステップについて詳しく見てみましょう。
1on1を行う前に、部下に実施理由を共有しましょう。
部下が1on1の必要性を知ることで、話すことを考えたり、業務の進捗をまとめたりするなど、協力的になるためです。
もし理由を言わないと、部下が「業務が増えた」と思い、1on1に対してマイナスな印象を抱いてしまうので注意してください。
部下に1on1について伝えたら、お互いの空いている時間を共有し実施日を決めます。
1on1を実施する前にアジェンダを用意しましょう。事前に話すテーマを考えておかないと、雑談で終わってしまう可能性があるためです。
面談で話すテーマを決めたら、部下に共有しましょう。アジェンダを共有することで、部下が面談前に話すことをまとめられるので、会話がスムーズに進みます。
アジェンダをもとに、1on1を行います。
現在の仕事の進捗や将来の目標について聞き、悩みや問題があればアドバイスをします。
ただし、はじめて1on1を行う際は勝手がわからないため、部下が緊張するかもしれません。
その場合、部下にプライベートなことを聞いたり、自分のことを開示したりするのがおすすめです。部下が素直に意見を言える環境づくりのために、緊張を緩和してあげましょう。
1on1で話した内容は必ず記録してください。1on1の記録を積み重ねることで部下の成長や変化を把握できます。
過去の記録を全体的に見ることで、部下への対応の仕方がわかるようになります。
また、過去に実施した1on1の記録と比較して、適切なフィードバックを行うのにも有効です。
1on1の内容をまとめることで、部下の行うべき業務がわかるようになり、生産性が向上します。
最後は次回の1on1の日程を決めます。1on1は頻繁に行われるため、毎度スケジュールを決めるのは大変です。
できる限り同じ曜日・同じ時間で実施できるように、日程調整することをおすすめします。
1on1と人事評価面談は上司と部下が2人で行うという点は共通していますが、まったくの別物です。
1on1は対話型の面談で、業務に関わる話以外に、部下や上司のプライベートに関することも話します。
1on1を実施することによって、信頼関係が深まり、優秀な部下の離職を防げます。部下の成長の促進やエンゲージメントの向上にも有効です。
市場のニーズや経済環境の変化に対応するためにも、あなたの会社でも1on1を検討してはいかがでしょうか。
Resilyの1on1機能を使えば担当する部下の1on1スケジュールと過去の議事録を1つの場所で管理することができます。シンプルで強力な目標管理フレームワークであるOKRと1on1を組み合わせて使うことで、マネージャーの負担を軽減しながら、強い組織マネジメントを可能にします。
Resilyは20日間すべての機能が無料で使うことができます。クレジットカード登録や商談は不要。誰でも今すぐOKRと1on1の機能をお試しいただけます。