2022.6.30
ビジネスにおいて、やるべきことを期日までに終わらせるには、適切にスケジュールを管理する必要があります。しかし、効果的なスケジュール管理方法がわからずに困っている人もいるのではないでしょうか?
スケジュール管理が適切でないと、業務の抜けや漏れ、遅延が発生して、トラブルの原因になるかもしれません。従業員にとっても働きにくいと感じる理由のひとつになるでしょう。
そこでこの記事では、効果的にスケジュールを管理する方法を解説します。いくつかのコツや具体的なステップについて詳しく紹介するので、ぜひ一通りチェックしておいてください。
ビジネスにおいて、スケジュールを管理する主な目的は以下の通りです。
これらの目的を果たすには、適切なスケジュール管理が欠かせません。どのように管理すればよいのかについては後述するので、ぜひチェックしておくことをオススメします。
スケジュール管理に含まれる項目には、さまざまなものがあります。ここでは、とくに重要な管理項目として、以下の5つをチェックしましょう。
それぞれ何をどのように管理すればよいのか、目的は何かを紹介します。スケジュール管理がうまくできずに困っているなら、ぜひ参考にしてみてください。
まずはチーム全体のスケジュールをきちんと把握し、適切な業務計画を立てることが必要です。全体のスケジュールを明確しておかないと、個人のスケジュールを割り当てたりタスクの工数を適切に見積もるのが難しくなります。
そもそも人員配置に問題がないか、納期設定自体が現実的かを判断するためにも大切です。
チーム全体のスケジュールを適切に把握・管理し、どの段階でどれくらいの時間がかかりそうかをある程度見積もっておきましょう。業務を滞りなく進められるチームスケジュールを組んだら、次の段階に進みます。
チーム全体のスケジュールを計画通りに進めるために、各個人のスケジュールを調整して適切にタスクを割り当てる必要があります。スタッフが担当する職種に応じてタスクを配分し、予定通りに進んでいるかを随時管理しなければなりません。
上記の目的を実現するためにも、チームスケジュールだけではなく、個人のスケジュールも可視化・集約して管理する必要があります。
スケジュールを予定通りに進めるには、それぞれの工程でやらなければいけないタスクを可視化し、優先順位を定めて取り組むことが大切です。
全てのタスクに優先順位を定めることで、重要なタスクが後回しになって全体のスケジュールに遅れが発生することを防げます。プロジェクトが進行している間にタスクが抜け落ち、忘れ去られることも防止できるでしょう。
各工程におけるタスクの数と優先順位が明確になったら、各タスクに割り当てるリソースを見積もります。リソースには主に以下のものを含みます。
これらのリソースを各タスクに割り当て、円滑にプロジェクトが進むようにすることが重要です。人員が不足していると予定通りに完了せず、時間の見積もりが甘いとそもそも達成不可能なプロジェクトになってしまいます。予算が不足した場合も同様です。
タスクを割り当ててプロジェクトがスタートしたらそれで終わりではありません。それぞれのタスクが当初の予定通りに進んでいるかを随時チェックする必要があります。進捗状況を確認するときは、以下の要素に注意を払いましょう。
スケジュール管理は人間が行うものなので、どうしても抜けや漏れをゼロにはできません。突発的なタスクが発生したときやトラブルに見舞われたときは、柔軟に対応する必要があります。
スケジュール管理はプロジェクトを進める上で大切なものです。しかし、効率化しないとスケジュール管理業務に奪われる時間が増え、「プロジェクトを完遂させる」という当初の目的を果たす上で支障になります。
スケジュール管理を効率化することには以下のようなメリットがあるため、負担に感じているなら積極的に改善に取り組みましょう。
これから、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
スケジュール管理を導入して各タスクに優先順位を定めることで、ビジネスのスピードアップを図れて効率的に業務が進むようになります。優先順位を定めた結果、タスクを以下のように分類できます。
その結果、本当に取り組まなければいけないことに重点的にリソースを配分し、効率化することが可能です。
スケジュール管理が不十分だと、「やらなくてよいことに時間を使って重要なタスクが終わっていない」というトラブルが発生しがちです。
スケジュール管理では従業員一人ひとりのタスクを定め、各従業員が定めたスケジュールに従って業務を進めます。「誰が何をいつまでにやらなければならないのか」が明確になり、スムーズにプロジェクトを進められるのがメリットです。
個人のタスクを明確化していないと、「重要なタスクに誰も取り組んでいない」というトラブルが発生しかねません。事前に個人単位でタスクを割り当てることで、重要な業務が忘れ去られることを予防できます。
チームスケジュールと個人のスケジュールを可視化して一元管理することは、チームワークの強化につながります。複数のメンバーが同じ業務に携わって無駄が発生したり、遅れが発生しているところをサポートしたりできるようになるでしょう。
チームメンバーが協力し、スムーズに業務を進めるにはタスクの可視化と担当業務の明確化が必要不可欠です。
スケジュール管理を効果的に進めるには、これから紹介するステップに従ってタスクを可視化するのがオススメです。具体的なステップは以下の通りです。
それぞれのステップでどのようなことを意識すればよいのかを解説します。スケジュール管理に課題を感じている人は、ぜひ参考にしてみてください。
まずはチーム全体(プロジェクト全体)のタスクを可視化しましょう。タスクを可視化するときは、以下のように可能な限り細分化します。ゲーム開発業務を例にすると以下の通りです。
まずは主目的を明確にし、大まかなタスクを挙げ、詳細なタスクを考えていくとスムーズに細分化できます。全体のタスクを可視化したら、次の段階に進みましょう。
次に、タスクを分類します。タスクを分類する方法はいくつか存在しますが、今回はその中から「アイゼンハワーマトリクス」について解説します。アイゼンハワーマトリクスとは、膨大なタスクを以下の手順で4種類に分類する方法です。
この手順でタスクを分類することで、すべてのタスクを以下の4種類に区分できます。
分類が完了したら、次の手順に進みましょう。
タスクの分類が完了したら、処理する順番(優先順位)を定めます。処理する際の基本的な考え方は以下のとおりです。
タスクの種類 | 処理方法 |
---|---|
重要かつ優先度が高いタスク | すぐに処理する |
重要だが優先度が低いタスク | 先送りする(後日処理する) |
重要ではないが優先度が高いタスク | 委任する(外注するか他の人に任せる) |
重要ではなく優先度も低いタスク | やらない(タスクを処理しない) |
優先順位が高いタスクを優先的に処理することが大切ですが、重要ではなく優先度が低いタスクは削除することも大切です。不要なタスクでリソースが圧迫されると、やるべきタスクが終わらなくて困る可能性があります。
タスクの優先順位と処理方法が定まったら、各スタッフにタスクを割り当てましょう。タスクを割り当てるときの考え方の一例は以下の通りです。
タスクの種類 | 割り当て方 |
---|---|
すぐに処理するタスク | 最優先で各スタッフに割り当てる |
先送りするタスク | 最優先で処理すべきタスクが終わったら取りかかるようにあらかじめ割り当てる |
委任するタスク | 納期を指定して外注する |
やらないタスク | タスクリストから削除する |
ここで重要なのが、優先度が低いために先送りする重要タスクもあらかじめ割り当てておくことです。優先度が高いタスクが終わったらすぐに取りかかれるようにしておくことで、いつの間にかリストから消えてしまうことを防げます。
スケジュール管理が効率的に行えず、困っている人は以下のポイントを意識してみてください。
これらのポイントを意識しておくことで、全体のタスクをスムーズに進められるようになります。
まずは、プロジェクト全体を通して達成すべき目標を明確化しましょう。「来月末までに新システムをリリースする」などのように、何を目指すのかを明らかにします。
これまで意識的に目標を定めていなかった場合は、スケジュール管理を見直すときに目標管理制度の導入を検討してもよいでしょう。目標管理のフレームワークとしてオススメなのは、達成すべき目標と達成状況を測定する指標を定めて管理する「OKR」です。
このフレームワークを活用することで従業員が一丸となって目標達成を目指せるようになり、効率的に業務を遂行できます。OKRについては以下の資料でも詳しく解説しているので、ぜひダウンロードして確認してみてください。
目標管理DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化の取り組みとしてOKRツールが選ばれる理由をまとめました。目標管理や評価制度に課題感をお持ちの方なら、この資料が必ず役に立ちます。
各従業員にタスクを割り当てるときは、タスクの内容とセットでタスクを遂行するために必要な情報を共有することが大切です。開発資料など、タスクを完遂するのに必要な資料がある場合は、忘れずに当該タスクを割り当てた従業員が閲覧できるようにします。
一例として、システム開発を任せた従業員に要件定義書を共有していないと、どのように開発を進めればよいのかわかりません。質問や確認の手間が発生し、業務効率は大きく低下します。
上記のようなトラブルを防ぐためにも、資料の共有は忘れないようにしてください。
続いて、タスクごとにかかる時間を見積もって明確化しましょう。どのタスクにどれくらいの時間が必要なのかを可視化することで、無理のないスケジュールでタスクに取り組めるようになります。
無理があるスケジュールによるオーバーワークや業務の遅れを防ぐためにも、適切に見積もることが大切です。
各個人にタスクを割り当てるときは、マルチタスクにならないように注意してください。マルチタスクになると、取り組むタスクを変更するときに切り替え作業が発生し、その分業務効率が低下してしまいます。
マルチタスクは、シングルタスクに比べて生産性が40%程度低下するともいわれています。「ひとつのタスクが完了してから次のタスクに取り組む」ことを意識してスケジュールを組みましょう。
スケジュール管理を効率化するには、手動で管理するのではなくICTツールの力を活用するのがオススメです。ここでは、スケジュール管理に役立つICTツールとして以下の3つを紹介します。
それぞれの特徴を詳しく解説するので、ぜひ参考にして自社のニーズにマッチしたモノがあれば活用してみてください。
Google CalendarはGoogleが提供しているカレンダーアプリであり、スケジュール管理に役立つ機能も提供しています。主な機能は以下の通りなので、これらの機能を必要とするならぜひ検討してみてください。
Google Calendarは知名度が高く、導入しやすいのもメリットです。複数のカレンダーを併用すれば、異なるチームのタスクもまとめて管理できるので、非常に使いやすいでしょう。
チームタスクと個人タスクをまとめて管理したいなら、Trelloがオススメです。Trelloはタスクカード方式のシステムで、掲示板にカードを貼るイメージで管理できます。以下のような機能を搭載しており、タスク管理で便利に活用できます。
タスクカードを移動させるだけでどのタスクがどこまで進んでいるのかを確認できるため、利便性が高いツールです。
rakumoはGoogle Calendarをベースに開発したタスク管理システムです。「組織やチームで活用するために最適化すること」をテーマに開発しており、プロジェクト単位での管理に役立ちます。チームのスケジュール管理に役立つ機能配下の通りです。
予定が重複したり空き時間が分かりにくかったりするなど、Google Calendarを利用する上で問題になりがちな部分を解決できるのがメリットです。
スケジュール管理の適正化は、ビジネスのスピードアップを図るために欠かせません。チームや個人のスケジュールを適切に管理することで、無駄なタスクや重複しているタスクを排除して生産性を高められます。
スケジュール管理がうまくできずに困っていた人は、この機会に管理体制の見直しを検討するのがオススメです。目標管理制度を導入したり、スケジュール管理用のICTツールを活用したりすることで、スケジュール管理を適切に行えるようになります。
労働生産性の向上や無駄の削減を課題に感じているなら、ぜひこの機会にスケジュール管理の適正化に取り組んでみてはいかがでしょうか?