製造業界における目標設定の重要性と具体的な目標の作り方【OKRサンプルと事例】BLOG

 2023.12.18

Resily 製造業界における目標設定の重要性と具体的な目標の作り方Resily 製造業界における目標設定の重要性と具体的な目標の作り方

製造業界はこれまでの大量生産から多品種小ロット、モノからコトへとビジネスモデルの変革が進みつつあります。この変革に伴い、製造業企業はより柔軟で効率的な生産体制を構築し、顧客ニーズに迅速に対応する必要があります。そのためには、明確な目標設定が不可欠です。

以下では、目標の重要性やメリット・デメリット、製造業での目標設計の必要性について詳しく説明します。

なぜ目標設計が重要なのか

製造業において目標が必要な理由は数多くありますが、以下の点が特に重要です。

1.方向性の確定
目標は企業や部門の方向性を明確に示し、ビジョンや戦略の実現に向けた指針を提供します。組織の目標がない場合、組織全体や個々のメンバーは何を追求すべきかが明確でなくなります。組織の方向性や優先事項が不明瞭になり、行動の一貫性が欠如する場合があります。

2.パフォーマンスの向上
目標を設定することで、メンバーは個人やチームの成果に向けて努力する意識を持ちます。具体的な目標が明確になることで、モチベーションが高まり、生産性や品質の向上に繋がります。

3.組織の統一
共有された目標は、組織内の全てのメンバーが一体感を持ち、協力して働くことを促します。目標が明確であれば、各部門や個人が目指すべき方向が統一され、組織の効率性と連携性が向上します。

目標を作るメリット・デメリット

目標設定には以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

1.モチベーション向上:
明確な目標がある場合、メンバーは自身の成果に向けて努力し、達成感や成功体験を得ることができます。これにより、モチベーションが向上し、仕事への取り組みが活発化します。

2.フォーカスと集中:
目標を設定することで、メンバーは仕事の優先順位を明確にすることができます。具体的な目標があることで、作業に集中し、時間やリソースの効率的な活用が可能になります。

3.成果の可視化と評価:
目標は成果を定量的に評価する指標となります。目標達成の度合いや成果の可視化は、メンバーに対する評価や報酬の基準となります。これにより、成果に対する公平な評価が可能となります。

4.自己成長とキャリア発展:
目標設定は個人の自己成長とキャリア発展にとって重要な役割を果たします。目標を達成するために必要なスキルや知識の獲得に取り組むことで、メンバーは自己成長を実現し、キャリアの進展につなげることができます。


5.チームの協力と組織内の連携:
目標は個人だけでなく、チームや組織全体の方向性を示すものです。共有された目標に基づいて、チームメンバーは協力し、組織全体が一体となって目標達成に向けて取り組むことができます。

6.透明性と意思統一:
目標設定は組織内の透明性と意思統一を促進します。明確な目標が共有されることで、メンバーは組織の方向性や重要な目標に対する理解を深め、組織全体が同じ目標に向かって進むことができます。

    デメリット

    1.達成の難しさとストレス:
    高難易度や短期間での目標設定は、メンバーにとって負担となる場合があります。達成があまりにも困難な目標を設定すると、メンバーのストレスやモチベーション低下の原因となる可能性があります。

    2.目標の適正性の欠如:
    不適切な目標を設定すると、メンバーが現実的な目標に向かって取り組むことが難しくなります。目標が適正でない場合、モチベーションの低下や成果の低下につながる可能性があります。

    3.組織全体の連携不足:
    目標設定が個別の部門や個人に偏ると、組織全体の連携不足が生じる可能性があります。部門間やチーム間の協力や情報共有が不足し、組織の効率性や成果に影響を及ぼす可能性があります。

    4.目標の短期化による長期的視野の欠如:
    短期的な目標にのみフォーカスすることで、長期的な戦略やビジョンの見失いが生じる可能性があります。長期的な視野を持つことは、持続可能な成長や競争力の確保に不可欠です。


    5.同じ目標を使い続けてしまうリスクと柔軟性の欠如:
    目標に固執しすぎると、変化や新たな機会への適応が難しくなります。時代の変化や市場の要求に応じて目標を柔軟に見直すことが必要です。ずっと同じ目標を掲げることにこだわることで、イノベーションや成長の機会を逃す可能性があります。

    6.目標達成のみに焦点を当てた結果主義:
    目標達成のみに焦点を当てると、プロセスや学びの重要性が軽視される傾向があります。結果のみに重きを置くと、メンバーの創造性や自己成長の機会が制限される可能性があります。

    これらのメリット・デメリットは製造業界だけにとどまらず、どの業種・業態においても目標を設計する時に知っておくと良いと思います。

    製造業界の目標設計で必要な6つの視点

    製造業において目標設計をする際に、次の6つの視点を意識して作ると良いでしょう。

    生産性の向上

    目標設計は生産性の向上に直結します。明確な目標を設定することで、効率的な生産プロセスや作業フローを設計し、生産ラインの最適化や生産性の向上を図ることができます。

    品質管理の向上

    目標設計は品質管理においても重要です。品質向上のための具体的な目標を設定することで、製品の品質基準や品質管理プロセスを明確にし、品質の一貫性と信頼性を向上させることができます。

    コスト削減と効率改善

    目標設計はコスト削減と効率改善にも関連しています。具体的な目標を設定することで、無駄な作業やムダを削減し、効率的な生産や運営を実現することができます。これにより、製造コストの削減や収益性の向上が期待できます。

    安全性と労働環境の改善

    目標設計は安全性と労働環境の改善にも貢献します。安全な作業環境を確保し、労働災害や事故のリスクを減らすための目標を設定することで、メンバーの安全意識の向上や労働条件の改善を図ることができます。

    イノベーションと競争力の確保

    目標設計はイノベーションと競争力の確保にも関連しています。製造業は常に進化し続ける市場において競争力を維持する必要があります。目標設定によって新たな技術やプロセスの導入を促し、イノベーションを推進し競争力を確保することができます。

    持続可能性への取り組み

    目標設計は持続可能な経営への取り組みにも関与します。製造業は環境への影響や社会的責任を考慮する必要があります。目標設定を通じて、資源の効率的な利用、環境負荷の低減、社会的な価値の向上などを追求し、持続可能性への取り組みを具体化することが求められます。

    自分たちで作った目標が上記6つの視点のどれに当てはまるか、目標が作られていない視点はないかなど、チームで作る目標に対して話し合う会議を実施してみてはいかがでしょうか。

    製造業での具体的な目標

    製造業における具体的な目標は多岐にわたりますが、以下にいくつかの例を挙げます。

    品質向上

    製品の品質向上を目指すことは、製造業において重要な目標の一つです。
    不良品率の削減や顧客クレームの減少、品質検査の合格率の向上など

    生産性向上

    生産性の向上は製造業の競争力を高めるために欠かせません。
    生産ラインの稼働時間の最大化、サイクルタイムの短縮、無駄な作業の削減を目指すことなど

    エネルギー効率の改善

    環境への配慮とコスト削減の両面から、エネルギー効率の改善を目指すことが重要です。
    エネルギー使用量の削減、省エネルギー設備の導入、再生可能エネルギーの利用割合の増加など

    廃棄物削減とリサイクル

    廃棄物の発生量を削減し、リサイクルを推進することは持続可能な製造業の目標です。
    廃棄物削減率の向上、廃棄物の適正な分別・処理、製品や資材のリサイクル率の増加など

    安全性向上

    安全な労働環境の確保と労働災害の防止を目指すことも重要な目標です。
    労働災害の発生件数や頻度の削減、安全教育の実施や安全管理システムの強化、作業環境の改善など

    サプライチェーンの持続可能性

    サプライチェーン全体の持続可能性を考慮した目標も重要です。
    サプライヤーの環境・社会責任の評価やコンプライアンスの実施、サプライチェーンにおけるCO2排出量の削減、サプライヤーとの持続可能なパートナーシップの構築など

    イノベーションと技術開発

    製造業は技術の進歩やイノベーションによって競争力を維持する必要があります。
    新製品や新技術の開発、研究開発への投資の増加、デジタル化や自動化の導入など

    社会貢献と地域への関与

    企業の社会的責任を果たすために、地域社会への貢献や関与を目指すことも重要です。
    地域コミュニティへの支援活動やボランティア活動の推進、地域雇用の創出、地域環境への配慮など

    これらは一部の具体的な目標の例であり、製造業界各社の特性や事業目標に応じて、さまざまな目標が設定されることがあります。目標の達成は組織やチームが一丸となって取り組む努力と継続的な改善活動が不可欠です。

    そこで、最後の章では製造業界において、目標管理のフレームワークとしてOKRを導入された企業の事例をご紹介します。

    製造業でのOKR導入事例

    製造業におけるOKR(Objectives and Key Results)の導入事例をいくつか紹介します。

    1. 鉄鋼製造企業の品質向上:
       - Objective: 品質向上を通じた顧客満足度の向上
       - Key Result 1: 不良品率を現行の10%から5%に削減する
       - Key Result 2: 顧客からのクレーム数を現行の月平均20件から10件に削減する
       - Key Result 3: 品質検査合格率を現行の90%から95%に向上させる

    2. 自動車部品メーカーの生産性向上:
       -Objective: 生産性向上によるコスト削減と納期遵守の向上
       - Key Result 1: 生産ラインの稼働時間を現行の80%から90%に向上させる
       - Key Result 2: サイクルタイムを現行の30秒から25秒に短縮する
       - Key Result 3: 作業の無駄を削減し、生産効率を現行の80%から85%に向上させる

    3. 食品加工企業の環境負荷削減:
       - Objective: 環境負荷の削減と持続可能な製造活動の推進
       - Key Result 1: エネルギー使用量を現行の年間5000MWhから4000MWhに削減する
       - Key Result 2: 廃棄物の削減率を現行の30%から40%に向上させる
       - Key Result 3: 再生可能エネルギーの利用割合を現行の10%から20%に増加させる

    これらは一部のOKR導入事例であり、企業や組織の目標や状況に応じて設定される具体的な目標となります。

    OKRの特徴であるObjective(目標)とKey Result(進捗指標)の組み合わせによって、具体的な成果を達成するための方向性と指標が明確化されます。OKRの導入により、製造業企業は目標の可視化とフォーカスの向上を実現し、チームや個人のモチベーションを高めながら成果を追求することができます。

    製造業界においてOKRを導入し成功している企業

    製造業でOKRを導入し成功している企業の一つとして、Intel(インテル)が挙げられます。Intelは、半導体製造業界のリーディングカンパニーとして知られており、OKRを活用して成果を上げています。

    Intelでは、OKRを組織全体の目標設定とパフォーマンス管理に活用しています。具体的な目標や成果指標を設定し、チームや個人の目標との関連性を明確にします。これにより、組織全体の方向性を共有し、個々の取り組みが戦略的な目標に貢献することができます。

    IntelのOKR導入の成功~4つの要因

    1. トップダウンのサポート:
    CEOや経営陣からの強力なサポートがあり、OKRの重要性と導入の意義が組織全体に浸透しています。経営陣がOKRを推進し、自らも目標を設定して取り組むことで、メンバーの参加意欲と取り組みの質が向上しています。

    2. 目標の透明性と連携:
    目標は組織内で透明に共有され、各チームや個人の目標が連携しています。目標設定においては、戦略的な目標から下層のタクティカルな目標までの関連性を明確にし、全体最適を追求しています。

    3. 適切な目標設定と評価:
    Intelでは、目標設定において「意欲的なObjective(定性目標)」「測定可能なKey Result(定量目標)」「挑戦的な期間(四半期ごとだけでなく1ヵ月の目標)」などの原則を重視しています。また、定期的な進捗報告や評価を通じて、目標達成の進捗状況を可視化し、成果を評価しています。

    4. チームと個人の自律性と裁量:
    OKRの導入により、チームや個人に対する自律性と裁量が重視されています。目標設定は上層部からではなく、チームや個人自身が関与し、目標の達成に向けた取り組みを自ら決定することができます。

    IntelはOKRを活用して、戦略的な目標の達成や組織全体の成果を向上させています。OKRの導入により、目標の可視化とフォーカスの強化、チームの連携と自律性の向上が実現され、成果を追求する文化が醸成されています。

    なお、製造業界におけるOKRの導入事例は企業ごとの独自性や状況により異なります。成功の鍵は組織の特性や目標に合わせた適切な目標設定や進捗管理、文化の浸透などにあります。企業がOKRを導入する際には、自社のニーズや目標に合わせたカスタマイズが重要となります。

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