目標設定理論でビジネスの成果を上げる方法BLOG

 2023.8.10

目標設定は、ビジネスの成功に欠かせない要素です。しかし、どのように目標を設定すれば効果的なのでしょうか?その答えを提供してくれるのが、目標設定理論です。この記事では、目標設定理論とは何か、どのような原則があるか、どんなメリットやデメリットがあるか、そしてどのようなフレームワークで活用できるかについて解説します。目標設定理論を理解して、ビジネスの成果を上げる方法を学びましょう。

目標設定理論とは

目標設定理論とは、1970年代にエドウィン・ロックとゲイリー・ラザムによって提唱された、人間の動機づけと行動に関する心理学的な理論です。この理論は、以下のような仮説を立てています。

  • 人間は自分に与えられた目標に向かって努力する傾向がある。
  • 目標が明確で具体的であればあるほど、動機づけが高まり、パフォーマンスが向上する。
  • 目標が困難であればあるほど、動機づけが高まり、パフォーマンスが向上する。
  • 目標に対するフィードバックがあればあるほど、動機づけが高まり、パフォーマンスが向上する。
  • 目標に対する自己効力感(自分が目標を達成できると信じる度合い)が高ければ高いほど、動機づけが高まり、パフォーマンスが向上する。
  • 目標に対するコミットメント(目標を達成したいと思う度合い)が高ければ高いほど、動機づけが高まり、パフォーマンスが向上する。

つまり、目標設定理論は、目標の質や量が人間の行動や成果に影響を与えるという考え方です。この理論は、多くの実験や研究によって支持されており、現在でも組織や個人の目標管理に広く応用されています。

目標設定理論の原則

目標設定理論を実践する際には、以下の5つの原則に従うことが推奨されています。

1. 目標は明確で具体的に

目標は曖昧ではなく明確で具体的に設定する必要があります。例えば、「売上を上げる」という目標は、どのくらい上げるのか、いつまでに上げるのか、どのように上げるのかが不明確です。このような目標では、行動や評価が困難になります。そこで、目標はSMARTという基準に沿って設定することが望ましいです。SMARTとは、以下のような意味です。

  • Specific(明確):目標が何を意味するのか、誰が関係するのか、どこで行われるのかを具体的に示す。
  • Measurable(測定可能):目標がどのくらい達成されたかを数値や指標で測定できるようにする。
  • Achievable(達成可能):目標が現実的であり、自分の能力や資源の範囲内で達成できるようにする。
  • Relevant(関連性):目標が自分や組織のビジョンやミッションと整合しているようにする。
  • Time-bound(期限付き):目標を達成するための期限やスケジュールを設定する。

例えば、「売上を上げる」という目標をSMARTにすると、「2023年度末までに前年比20%増の5000万円の売上を達成する」というようになります。このように、目標が明確で具体的になると、動機づけや行動計画がしやすくなります。

2. 目標は困難であるが達成可能である

目標は簡単すぎず難しすぎず、自分にとって挑戦的だが達成可能なレベルで設定する必要があります。目標が簡単すぎると、自己効力感や満足感が低くなり、動機づけが低下します。一方、目標が難しすぎると、自己効力感やコミットメントが低くなり、挫折やストレスを感じる可能性が高まります。そこで、目標は自分の能力や資源を考慮して、適度な困難度で設定することが望ましいです。また、目標は一つではなく複数設定し、長期的な目標と短期的な目標を組み合わせることも効果的です。長期的な目標はビジョンや方向性を示し、短期的な目標は進捗やフィードバックを提供します。このように、目標は困難であるが達成可能であるというバランスを取ることで、動機づけやパフォーマンスを高めることができます。

3. 目標に対するフィードバックを得る

目標に対するフィードバックとは、目標の達成度や進捗状況に関する情報のことです。フィードバックは、自分の行動や成果を客観的に評価し、改善点や課題を明確にすることに役立ちます。また、フィードバックは、自己効力感やコミットメントを高めたり、目標を修正したりすることにも役立ちます。そこで、目標設定後には、定期的にフィードバックを得ることが重要です。フィードバックは自分自身からも他者からも得られます。自分自身から得るフィードバックは、自己モニタリングや自己評価などの方法で行うことができます。他者から得るフィードバックは、上司や同僚や部下などの関係者から意見やアドバイスをもらうことで行うことができます。フィードバックを得る際には、以下の点に注意することが望ましいです。

  • フィードバックは具体的で正確でタイムリーであること
  • フィードバックは目標に関連する内容に限定すること
  • フィードバックは肯定的な点と改善点の両方を含めること
  • フィードバックは受け入れやすい言い方や姿勢で伝えること
  • フィードバックは行動や成果に対して行い、人格や能力に対して行わないこと

このように、目標に対するフィードバックを得ることで、自分の現状や問題点を把握し、目標達成に向けて効果的な行動を選択することができます。

4. 目標達成に向けて行動計画を立てる

目標設定だけでは不十分です。目標達成に向けて具体的な行動計画を立てる必要があります。行動計画とは、目標を達成するために必要な行動や手順を明確にすることです。行動計画を立てることで、目標達成のための具体的なガイドラインができ、行動の優先順位や効率性が高まります。また、行動計画を立てることで、自己管理や自律性が高まり、目標達成へのコミットメントが強化されます。そこで、目標設定後には、以下のようなステップで行動計画を立てることが重要です。

  • ステップ1:目標を達成するために必要な行動や手順を洗い出す
  • ステップ2:各行動や手順に期限や責任者や資源などを割り当てる
  • ステップ3:各行動や手順の実施状況や結果を記録し、評価し、反省し、改善する

このように、行動計画を立てることで、目標達成に向けて具体的かつ効果的なアクションを実行することができます。

以上が、目標設定の基本的なプロセスとポイントです。目標設定は、自分の能力やパフォーマンスを向上させるための有効な方法です。しかし、目標設定は一度だけではなく、継続的に行う必要があります。環境や状況や自分自身が変化することによって、目標も変化する可能性があります。そこで、目標設定は定期的に見直しや修正を行うことで、常に最適な目標を保つことが重要です。また、目標設定は個人だけではなく、チームや組織でも行うことができます。チームや組織の場合は、メンバーや関係者とのコミュニケーションや協力が不可欠です。チームや組織の目標は個人の目標と整合性があることや共有されることが望ましいです。このように、目標設定は個人だけではなくチームや組織の成功にも寄与することができます。

目標設定理論のメリット・デメリット

メリット

  • 目標が明確になることで、行動の方向性や優先順位が決まり、効率的に作業できる。
  • 目標が難易度の高いものであればあるほど、モチベーションや自己効力感が高まり、チャレンジ精神や創造性が発揮される。
  • 目標が具体的で測定可能なものであればあるほど、進捗状況や成果を客観的に評価でき、フィードバックや改善が容易になる。

デメリット

  • 目標が過度に高いものであれば、ストレスや不安が増し、達成できない場合は自己評価が低下する可能性がある。
  • 目標が過度に低いものであれば、モチベーションやパフォーマンスが低下し、自己実現の欲求が満たされない可能性がある。
  • 目標が固定的で柔軟性がないものであれば、環境や状況の変化に対応できず、目標達成の妨げになる可能性がある。

目標設定理論が使われるフレームワークとは?

目標設定理論とは、目標の明確化や難易度や具体性がモチベーションやパフォーマンスに影響するという理論です。この理論を活用するために、様々なフレームワークが考案されています。フレームワークとは、目標設定の手順や基準を示したもので、目標の質や達成度を高めるために役立ちます。

この記事では、目標設定理論が使われるフレームワークの中から、代表的なものを3つ紹介します。それぞれの特徴や使い方を理解して、自分に合ったフレームワークを選んでみましょう。

1. SMARTの法則

SMARTの法則は、目標設定のフレームワークの中でも最も有名でポピュラーなものです。SMARTとは、以下の5つの頭文字を取ったもので、目標がこれらの条件を満たすように設定することを示します。

  • Specific:具体性
  • Measurable:測定可能
  • Achievable:実現可能
  • Relevant:関連性
  • Time-bound:期限

例えば、「英語力を上げる」という目標は、具体性や測定可能性が低く、達成感や進捗管理が難しいです。しかし、「3か月後にTOEICで800点以上を取る」という目標は、SMARTの法則に沿っているため、モチベーションやパフォーマンスが高まります。

SMARTの法則は、個人やチームの目標設定に幅広く使えるフレームワークです。自分の目的や状況に応じて、目標をSMARTにすることで、効果的な目標設定ができます。

2. OKR

OKRとは、Objectives and Key Resultsの略で、目的と主要成果指標という意味です。このフレームワークでは、目的(Objectives)とその達成度を測る主要成果指標(Key Results)を定めて、目標設定と評価を行います。

例えば、「英語力を上げる」という目的に対して、「TOEICで800点以上を取る」「英語でプレゼンテーションができるようになる」「英語でビジネスメールが書けるようになる」という主要成果指標を設定します。そして、それぞれの主要成果指標に対して0から1までのスコアを付けて、達成度を評価します。

OKRは、個人だけでなく組織全体の目標設定にも使えるフレームワークです。組織のビジョンや戦略に沿った目的と主要成果指標を設定することで、目標の進捗や成果を明確にすることができます。また、目的や主要成果指標は、組織のトップからボトムまで連携され、全員が同じ方向に向かって動くことができます。

OKRは、GoogleやAmazonなどの大企業が採用しているフレームワークです。高い目標を掲げて、チャレンジングな成果を目指すことができます。

3. GROWモデル

GROWモデルとは、コーチングの手法の一つで、目標設定にも使えるフレームワークです。GROWとは、以下の4つの頭文字を取ったもので、目標設定のプロセスを示します。

  • Goal:目標
  • Reality:現状
  • Options:選択肢
  • Will:意志

例えば、「英語力を上げる」という目標に対して、GROWモデルを適用すると以下のようになります。

  • Goal:英語力を上げるために、具体的に何をしたいか?どうなりたいか?
  • Reality:現在の英語力はどの程度か?どんな課題や障害があるか?
  • Options:英語力を上げるために、どんな方法や手段があるか?どれが一番効果的か?
  • Will:英語力を上げるために、どんな行動や計画を立てるか?どれだけの時間や労力を割くか?

GROWモデルは、自分自身や他人の目標設定に使えるフレームワークです。自分の目標に対する意識やモチベーションを高めることができます。また、他人の目標設定に対して、アドバイスやサポートをすることができます。

まとめ

目標設定理論とは、目標の質がモチベーションやパフォーマンスに影響するという理論です。この理論を活用するために、様々なフレームワークがあります。この記事では、代表的な3つのフレームワークを紹介しました。

  • SMARTの法則:目標を具体的、測定可能、実現可能、関連性の高い、期限のあるものにすることで、効果的な目標設定ができるフレームワークです。
  • OKR:目的と主要成果指標を定めて、目標設定と評価を行うフレームワークです。個人や組織全体の目標を連携させることができます。
  • GROWモデル:目標、現状、選択肢、意志の4つのステップで、目標設定のプロセスを進めるフレームワークです。自分自身や他人の目標設定に対する意識やモチベーションを高めることができます。

これらのフレームワークを使って、自分に合った目標設定をしてみましょう。目標設定理論を活用することで、より効果的な目標設定ができるようになります。

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他のツールとの違いはOKR特化でOKR関連の機能が充実している点です。タレントマネジメントや人事評価の機能がメインのツールはOKR管理はオプション機能のためOKRでパーパース実現に向けてしっかり取り組んでいきたいとお考えの方には、物足りない部分があるかもしれません。

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