2024.1.11
組織が繁栄し、成果を上げるためには、従業員やメンバーのエンゲージメントが不可欠です。エンゲージメントとは、単なる仕事の遂行ではなく、情熱やコミットメントをもって組織の目標に向かって働くことを指します。成功する組織とは、このエンゲージメントの力を最大限に引き出し、共通の特徴や秘訣を抱えているものです。
このブログでは、エンゲージメントが組織にもたらす魔法のような影響に焦点を当て、成功の鍵が共通しているのかを明らかにします。どのような組織でも共通する原則や実践方法があるのか、探求していくことで、我々が日々のビジネスにおいて学ぶべき重要な教訓が見えてくるでしょう。
エンゲージメントの高い会社の特徴や、測定方法も紹介しているので、人事担当者やマネジメント職の方におすすめの内容です。
ぜひ最後まで読んでみてください。
エンゲージメントは、近年ますます注目を集めているビジネスのキーワードと言えます。企業が成功するためには、従業員や顧客との深い結びつきが欠かせません。その中でも、エンゲージメントという概念は、単なるロイヤルティや従業員満足度を超えて、より深い関与と共感をもたらすものです。では、エンゲージメントとロイヤルティ、従業員満足度の違いについて見ていきましょう。
エンゲージメントは、従業員や顧客が会社に強い関与を持ち、積極的に参加し、貢献している状態を指します。これは、ロイヤルティや従業員満足度とは異なり「企業と従業員の双方向の関係性の深い結びつき」を意味します。
従業員エンゲージメントは、企業と従業員との間の信頼関係のことです。
従業員が仕事に情熱をもち、組織の目標に共感し、自らの能力を最大限に発揮する状態です。これにより、生産性や創造性が向上します。
近年は「従業員エンゲージメントの高い企業の経営成績が優れている」という調査結果が注目されていることから、従業員エンゲージメントの向上に努める企業が増えてきています。
顧客エンゲージメントは、企業と顧客の親密度のことです。
顧客が製品やサービスに対して良好なイメージを持ち、ブランドとのコミュニケーションを積極的にとっている状態を指します。顧客エンゲージメントが向上すると、顧客が企業の製品・サービスを利用するようになり、売り上げが向上します。
それだけでなく、顧客からの意見を抽出しやすくなるため、それらを参考にして業績向上にも繋げることが可能です。
会社におけるエンゲージメントが焦点とされる背景は、主に以下の要因にあります。
まず、組織と個人の関係性の変化が挙げられます。過去は終身雇用制度が一般的で、個人が一つの組織に長期間所属することが通例でした。しかしここ近年では、流動的なキャリアが一般的になり、これに伴い組織と個人を結びつける新しい手法としてエンゲージメントが注目を浴びています。
次に、モチベーションが低下しやすい環境の変化が挙げられます。2022年のIMF(国際通貨基金)の報告によれば、日本のGDP成長率は、192ヵ国中167位という結果が出ています。この状況下で賃金の向上がほとんど見られず、モチベーションの低下が懸念されます。こうした中で、エンゲージメントが従業員のモチベーションを維持するための救世主として期待されています。
最後に、マネジメントスタイルの限界についても考える必要があります。近年の雇用関係の多様化に伴い、モチベーションの源泉も同様に多様化しています。このため、従来の画一的なマネジメントスタイルを維持することが難しくなりつつあり、多様な個人に適したマネジメントを構築するためにエンゲージメントが注目を浴びているのです。
エンゲージメントの高い企業は、従業員と顧客が共感し、参加している環境を提供しています。これにより、組織全体のパフォーマンスが向上し、持続可能な成功を収めることができます。
エンゲージメントが高い企業は、従業員が会社のビジョンやミッションに共感し、それを実現するために協力している特徴があります。ビジョンに共感することで、従業員は自主的に目標に向かって一体となります。
エンゲージメントの高い会社は、適正な評価制度が整備されています。
従業員は自身の成果を正しく評価されることで、モチベーションが向上し、エンゲージメントが高まります。適正な評価制度は、従業員のモチベーション維持に繋がります。
エンゲージメントの高い企業は、従業員のスキルや能力を向上させるためのトレーニングやキャリアアップ支援を提供しています。従業員が成長できる環境があることで、モチベーションが保たれます。
人材育成に力を入れることで、従業員一人ひとりの向上心も高まり、会社全体としても成長するでしょう。
エンゲージメントが高まる要因の一つは、従業員が自分の強みを最大限に活かせる職務に配置されていることです。適材適所の人材配置を行っている企業は、従業員の満足度とエンゲージメントが高い傾向にあります。
また、キャリアが充実しやすい状態となります。
会社のエンゲージメントの測定方法は、パルスサーベイとエンゲージメントサーベイの2種類があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
パルスサーベイは、週1回や月1回の頻度で実施され、質問数も10個程度と手軽な内容の調査になります。
短期間で定期的に実施し、リアルタイムに近い従業員のエンゲージメントを把握する手法です。迅速かつ効果的に組織の課題や改善点を特定することができます。
エンゲージメントサーベイは、より包括的で定期的なアンケートで、組織全体のエンゲージメント水準を評価します。長期的な視点から組織の健康状態を把握し、改善策を導くのに適しています。
どちらが良いかは組織のニーズや課題によります。一部の組織はエンゲージメントサーベイとパルスサーベイの組み合わせを使用しています。
エンゲージメントを高めるためには、従業員と顧客の声に真摯に耳を傾け、それに基づいて改善策を実施することが重要です。定期的なフィードバックや研修プログラムの提供、コミュニケーション強化などが有効です。
会社のエンゲージメントを高めるための手順について、一般的な取組を紹介します。会社の状況や文化によって微調整が必要かもしれませんが、参考にしてください。
定期的なアンケートやフィードバックセッションを通じて、従業員の声を聞くことが重要です。
何が働きやすく、何が改善されるべきかを理解しましょう。
会社のビジョンや目標を明確に伝え、従業員がその一部であることを理解させることが重要です。
目標が従業員と組織全体の意義を持つと、エンゲージメントが高まります。
上層部とのオープンな対話を奨励し、従業員が意見やアイディアを自由に共有できる環境を作りましょう。定例の会話やフィードバックセッションが有益です。
従業員がスキルを向上させ、成長できるようにトレーニングや開発プログラムを提供しましょう。
明確なキャリアパスや昇進の機会を示すことも重要です。
快適なオフィス環境や柔軟な働き方を導入することで、従業員のワークライフバランスをサポートします。
仕事の柔軟性や福利厚生の向上にも注力しましょう。
マネージャーやリーダーにリーダーシップトレーニングを提供し、従業員との良好な関係構築を促進します。
リーダーシップがサポート的であれば、エンゲージメントも向上します。
チームビルディングイベントや社内イベントを通じて、従業員同士の関係を強化します。
チームの協力と連帯感はエンゲージメントに直結します。
従業員が自身の業績や報酬について理解しやすい環境を作りましょう。
成果に対する公正な評価と報酬はエンゲージメントにプラスの影響を与えます。
従業員が異なる役職や部門に進む柔軟性を提供し、個々の能力や志向に合わせたキャリアパスを用意します。
フィードバックをもとに、改善すべき点を素早く行動に移すことが大切です。
従業員が自分たちの声が反映されていると感じれば、エンゲージメントが向上します。
これらの手順を実践することで、会社のエンゲージメントを高め、従業員のモチベーションや生産性を向上させることが期待できます。
エンゲージメントが高いことによって、企業はどのように変化していくのでしょうか。
ここではエンゲージメントの高い会社のメリットを解説していきます。
エンゲージメントの高い企業は、魅力的な職場環境を提供しているため、優れた人材を引き寄せやすくなります。従業員が満足し、誇りを感じる組織に所属することは、新しい才能を引き付ける力となります。
エンゲージメントが高いと、従業員の離職率が低下します。従業員は仕事に満足し、組織に貢献できることを感じるため、定着率が向上します。
エンゲージメントの高い企業は、従業員の健康状態も考慮しています。健康な職場環境は、従業員の体調やメンタルヘルスをサポートし、組織全体の生産性を向上させます。
ここからはFAQ形式で、会社におけるエンゲージメントを解説していきます。
例えば、GoogleやZapposなどが従業員エンゲージメントを重視し、その結果、業績が向上しています。
日本の企業では、以下の企業が注目されています。
リクルートホールディングス
リクルートは、求人情報や人材紹介、広告など多岐にわたる事業を展開しており、従業員の働きやすい環境づくりに注力していることが知られています。
リコー
リコーは、コピー機やプリンターなどのオフィス機器を製造する企業で、従業員が働きやすい職場環境を整備することに力を入れています。
セブンイレブン・ジャパン
セブンイレブンは、コンビニエンスストアチェーンとして知られていますが、従業員に対して様々な福利厚生を提供し、働きやすい環境を作っているとされています。
これらの企業は、社員満足度や働きやすさに注力しており、その結果としてエンゲージメントが高いとされています。
これはケースバイケースですが、通常は従業員エンゲージメントが先行して、それが顧客エンゲージメントに繋がることが多いです。従業員が満足し、モチベーションが高まると、顧客に対するサービスも向上します。
最も効果的な方法は、オープンで透明性のあるコミュニケーションを確立し、従業員や顧客の声に真摯に耳を傾けることです。また、研修プログラムやキャリアアップ支援、適切な評価制度の整備も効果的な手段です。
エンゲージメントの向上は組織にとって大きなメリットをもたらすだけでなく、持続可能な成功にも繋がります。従業員と顧客が一体となり、共に成長できる環境を築くことが、現代のビジネスにおいて不可欠です。
企業内でのコミュニケーションは、エンゲージンメントを向上させるために不可欠な要素ですが、OKRを活用することでその効果を最大限に引き出すことが可能です。
(OKRをもっと知りたい方はこちらのブログ「OKRとは?基本から導入方法、KPIやMBOとの違いを徹底解説」もご覧ください。)
OKRは目標と成果を明確にし、それらを全員で共有するフレームワークです。このプロセスを通じて、各従業員が組織のビジョンに向かって一丸となり、互いの進捗を理解することができます。目標がクリアになることで、情報がシームレスに流れ、組織内の各部門が協力し合う環境が生まれます。
不確実性は組織内でのストレスや誤解を生む一因ですが、OKRはこの不確実性を低減させ、予測可能な進捗と結果を提供します。目標が定量的かつ透明になることで、チームメンバーは自身の仕事が組織の大局的な目標にどれだけ寄与しているかを理解しやすくなります。これにより、信頼感が構築され、組織全体の協力が強化されます。
OKRの適用により、組織内で達成された成果や成功事例を積極的に共有することができます。社内での成功事例は、従業員間のモチベーション向上につながり、また社外への公開は企業の信頼性を高めます。他の組織がどのようにOKRを活用し、どれほどの成果を上げたかを知ることで、業界全体での最良の実践を見つける手助けにもなります。
OKRを通じたコミュニケーションの強化は、組織全体の一体感を醸成し、不確実性を減少させるための効果的な手段です。透明性のある目標設定と進捗管理は、信頼の構築と共に、社内外での成功事例の形成を促進します。これにより、組織はより迅速かつ効果的な意思決定を行い、持続的な成長を達成することができるでしょう。
「Resily」は国内ツールで唯一OKRに特化したものです。直観的なマウス操作でOKRツリーの作成ができ、進捗状況の更新リマインドやチャットツールへの通知などOKRを効率的に運用するための機能が充実。
1on1の機能もあるので、目標に対しての会話を取り入れやすく、コミュニケーションの質もあがります。
スプレッドシートやExcelなどでOKRや1on1を管理しているけど不便さを感じている、もっと効率的に運用したい、というお悩みをズバリ解決してくれるツールになっています。
他のツールとの違いはOKR特化でOKR関連の機能が充実している点です。タレントマネジメントや人事評価の機能がメインのツールはOKR管理はオプション機能のため、OKRでパーパース実現に向けてしっかり取り組んでいきたいとお考えの方には、物足りない部分があるかもしれません。
ResilyはSansan株式会社やみんなの銀行など全社的にOKR導入に取り組んでいる企業を中心に170社以上の導入実績があります。
また、Resilyは20日間無料でツールのすべての機能を試すことができます。クレジットカード登録や商談なしで試すことができるのでまずは使ってみましょう。サンプルOKRが最初から入っているため、これからOKRを始めたいという方でも利用イメージがつかめるようになっています。
なおResilyでは、100名様以上でのOKR導入をご検討の企業様向けに、専任のカスタマーサクセスがOKR導入から社内への定着までを支援する「運用サポートプラン」を提供しております。トライアルでResilyを体験した後に、自社での導入をご検討される場合は、ぜひこちらまでお気軽にご相談下さい。