2023.8.31
「会社でOKRを導入したいけれど、エンジニアチームにおいてOKRはどう運用されるべきなのだろう」と思っている方。
この記事では、エンジニアに関してOKRによって得られるメリットやOKRの運用事例をお伝えします。エンジニアチームにおけるOKR導入や運用に悩んでいるあなたに、おすすめです。
OKR(Objectives and Key Results)とは、目標を管理する方法の1つです。OKRの特徴は2つあります。1つは最終的な達成度が60~70%になりそうなストレッチゴールを設定することで、従業員の成長を促す点。もう1つは会社のゴールをもとにチームと個人のゴールを設定することで、従業員全員が一丸となることを促す点です。
OKRはインテルやGoogleなど、アメリカの企業で主に導入されています。日本発の企業の導入事例としては、フリマアプリ「メルカリ」などを提供している株式会社メルカリや名刺アプリ『Eight』などを提供しているSansan株式会社があります。
OKRそのものについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
OKRとは?Google採用の目標管理フレームワークを導入事例を交えて紹介。KPIやMBOとの違いも解説
エンジニアに限っていえば、以下の2つのメリットを得られるのが大きいです。
OKRによって開発効率がアップする理由は2つあります。1つ目の理由は前述の通り、従業員の成長です。各従業員の技術力が上がれば、1時間あたりに生み出せる進捗も大きくなるでしょう。
2つ目の理由は、業務に優先順位がつけられるため。OKRでは、設定した目標や成果指標に影響しやすい業務を進めることが求められます。目標達成につながる、つまり注力すべき業務が明らかになるため、開発効率がアップするのです。
OKRは、以下の順番で設定されます。
つまり、全体のOKRから下位のOKRは導かれなくてはなりません。したがってOKRによって、エンジニアそれぞれやチームの進むべき方向性を組織全体の方向に合わせることができます。
OKRをスムーズに運用するために、導入時のつまずきは出来るだけ無くしたいもの。ここでは、エンジニアがいるチームにOKRを導入するときのポイントを3つご紹介します。
従業員全員に納得感がなければ、新たな制度の積極的な運用はできません。まずは従業員にOKRを説明し、従業員から質問を受ける場をつくりましょう。
従業員に対する説明について、Sansan株式会社はOKR導入時に、元Googleの方からOKRを教えてもらいました。
実際に、元Googleの方に来てもらって、コーチングをしてもらったんです。みんなやっぱり「元Googleの経験者から教えてもらえれば、理解も深まる」と納得して導入できました。
【参照】自ら「働き方の革新」に挑むのがSansan流。OKRによる目標管理や社内SNS運用を紹介 | SELECK [セレック]
他にもスライドなどによって、従業員のOKRに対する疑いを事前に無くしておくことがおすすめです。
OKRの達成度を人事評価に結びつけてしまうと、OKRは効果を十分に発揮できません。高評価につながりやすい、つまり達成しやすい目標を従業員が設定してしまうためです。
メンバーが安心して高い目標を設定できるように、OKRの達成度をそのまま評価に反映させないようにしましょう。
OKRと人事評価に関連して、メルカリでは実績に加えて「技術力の成長」を評価しています。「技術力の成長」を評価することで、従業員が高い目標を設定することを後押ししているわけです。
【参照】スマニュー、アカツキ、Retty、メルカリが語るエンジニア評価の最前線 | mercan (メルカン)
OKRを習慣化させることで、常に目標達成に重点を置いた業務の進行ができるようになります。例えば週の終わりにはウィンセッションでコードやプログラムを見せ合い、士気を高め合うとよいでしょう。
ここではOKRの運用事例を3つ、ご紹介します。
東京都中央区にある株式会社マイベストは、1つのチームが会社のあらゆるサービスを開発・保守しています。
その開発チームはブレインストーミングをした末に、UXの向上としての表示速度UPをOKRに設定しました。
「ユーザーがサービスを快適に使えるようにしたい」という想いがメンバーにあったのと、表示速度はあらゆるアプリやWebサービスにおいて普遍的な課題であったためです。
OKRに表示速度を設定した結果、マイベストの開発チームはレビューの際に表示速度をより強く意識するようになりました。
【参照】開発チームのOKRが表示速度になるまでのプロセスとその後 | Engineer
東京都港区にあるWantedly株式会社は、「シゴトでココロオドル人をふやす」を全体のミッションとして活動しています。そしてDiscover Squadとは、Wantedlyが提供しているサービス「Wantedly Visit」のある機能を開発していたチームです。
Discover Squadは、以下のOKRを設定して活動していました。
- Objective
- シゴトでココロオドル状態をもっと多くの人に知ってもらうことでエンゲージメントを高める
- Key Result
- 滞在時間を20%伸ばす
- コンテンツの閲覧数を50%増やす
- Discover経由で応募する人を30%増やす
(後略)
【参照】SquadとOKR - 開発チームが無駄なく高い成果を出すために大事にしていること | Wantedly Engineer Blog
ポイントはObjectiveが全体のミッションに関わるものである点と、設定された数値にはそれぞれ根拠があることです。また実際に開発を進める際は、すばやい仮説検証を繰り返すようにしました。
Wantedly株式会社のDiscover Squadの様に正しくOKRを設定したいならOKR管理ツールResilyがおすすめです。OKR管理ツールResilyはOKRの立ち上げと運用を効率化するために設計されたツールです。
東京都港区にあった会社、マッチングッド株式会社の開発部は、1on1ミーティングの末に「開発効率をあげる」という目標と「半年間のGitHubのプルリクエスト数をXX以上にする」という成果指標を設定しました。
ポイントは成果指標の決め方。まず1日単位で達成できそうなリクエスト数を設定し、それをもとに半年間の総リクエスト数を算出しました。
この記事では、エンジニアがいるチームにOKRを導入する際のポイントや運用事例を紹介しました。エンジニアに限ったことではありませんが、上の意向だけで進められる制度は形骸化しがちです。
まずはエンジニアに対してOKRを説明する場を設けて、エンジニア全員が納得してOKRを運用できる体制を整えましょう。
Resilyでは「エンジニア組織のためのOKRとは?」と題したセミナーを行いました。
日本におけるOKRの第一人者である及川卓也さんを招待し、エンジニア組織でOKRを導入する方法を語っていただきました。
ご興味がある方はぜひご覧ください。
OKRを実際に導入し有効的に活用するには、ツールやテンプレートを利用するとOKR本来の価値を最大限発揮し効率的に運用することができます。
「Resily」は国内ツールで唯一OKRに特化したものです。ドラッグ&ドロップでOKRツリーの作成ができ、進捗状況の更新リマインドやチャットツールへの通知などOKRを効率的に運用するための機能が充実。
スプレッドシートやExcelなどでOKRを管理しているけど不便さを感じている、もっと効率的に運用したい、というお悩みをズバリ解決してくれるツールになっています。
他のツールとの違いはOKR特化でOKR関連の機能が充実している点です。タレントマネジメントや人事評価の機能がメインのツールはOKR管理はオプション機能のため、OKRでマネジメントを革新したい!という方には物足りないと感じてしまうかもしれません。
チームや組織のマネジメントの中心にOKRを置きたい、浸透させたいという方にはResilyがおすすめです。
ResilyはSansan株式会社やみんなの銀行など全社的にOKR導入に取り組んでいる企業を中心に170社以上の導入実績があります。
Resilyは20日間無料でツールのすべての機能を試すことができます。クレジットカード登録や商談なしで試すことができるのでまずは使ってみましょう。サンプルOKRが最初から入っているため、これからOKRを始めたいという方でも利用イメージがつかめるようになっています。
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