2024.11.5
「OKRのObjectiveがなかなか決められない」と悩んでいませんか?
ObjectiveはOKRの中で最も重要です。掲げた目標が野心的で誰もがワクワクするようなものであることが望ましいでしょう。チーム活動のスローガン、キャッチコピー作成に近いかもしれません。
この記事では、Objectiveの概要や種類、設定時のポイントをご紹介します。
また後半ではObjectiveのミス設定からOKR運用の失敗につながってしまった企業の事例も紹介しますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
Objectiveだけでなく、「そもそもOKRってどんなものだっけ?」という方のために、基本から導入・運用方法、KPIやMBOとの違いなどをまとめた記事がありますのでご覧ください。
OKRとは?Google採用の目標管理フレームワークを導入事例を交えて紹介。KPIやMBOとの違いも解説
目次
1.目標(Objective)とは
2.Objectiveを設定するときの5つのポイント
3.失敗するObjectiveの具体例
4.Objectiveの具体例
5.Objectiveの運用で失敗しないためには、ツールの活用がおすすめ
6.ObjectiveについてのFAQ
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OKR(Objectives and Key Results)は、組織や個人が目標を設定し、達成度を評価するための管理フレームワークで、GoogleやLinkedInなど多くの企業が採用しています。
OKRは、O(目標)とKR(成果指標)から構成されています。ここで言う目標とは、なりたい姿・状態を言葉にした目標です。一方で、成果指標とは、目標がどのような数値を達成すれば実現されたといえるのかを表す定量的な目標です。成果指標はあくまで目標に紐付けられるものであり、具体的でかつイメージのしやすい指標に設定すると良いでしょう。
ObjectiveはOKRにとって必要不可欠な要素です。もう少し深堀りして、なぜOKRでは、成果指標だけでなくObjectiveを設定するのでしょうか。
Objectiveは組織やチーム、個人が何に焦点を当て、どの方向に進むべきかを明確にします。これにより、それぞれの活動が目標達成に向けたものであることを確認できます。
また、明確で意義のある目標は、チームメンバーや個人のモチベーションを高め、結果としてエンゲージメントと生産性を向上させます。なぜ今この業務をやっているのか、という業務の不透明感をなくすことで、意欲的に働ける環境を作り出すことができます。
OKRは組織全体で共有され、各部門や個人の目標が今どのように設定されているのかを可視化することが推奨されています。一目見ただけでその部門、個人がどのような目標を達成しようとしているかがわかるObjectiveを設定することも重要です。
さて、ここからはOKRにおけるObjectiveの設定方法を5つに分けて紹介していきます。
Objectiveは具体的で理解しやすいものにしましょう。掲げた目標が見る人によって解釈が異なるようなものでは、方向性を打ち出したことにならなくなってしまいます。
明確に何を達成したいのかを示し、あいまいさを避けるために具体的な言葉を使用しましょう。
また、他の部門の人が見ても理解できるような言葉を使うことも意識してみるとよいでしょう。特に技術部門は何をしているのかわからない、ということが多くあります。
透明性の高い組織を作るために、Objectiveをだれが見ても理解できる言葉を使って設定し、各部門が何をしているのかを可視化しましょう。
Objectiveは組織または個人が達成するのが難しい、しかし達成可能な目標でなければなりません。容易に達成できる目標は、チームや個人を十分に動機付けることはありません。
OKRでは達成可能性が60%程度の目標を設定することが推奨されています。
高い目標を設定することで革新的なアイディアの創出を促進したり、達成するためにすべきことを考える習慣が生み出されます。
注意点としてあまりに高すぎる目標設定をしてしまうとチームの指揮が下がってしまう可能性があります。もしかしたらいけるかもしれない、と思えるくらいの目標設定を心がけましょう。
Objectiveは結果を重視するものであり、達成したい具体的な結果を示しましょう。プロセスや活動に焦点を当てるのではなく、最終的な成果に焦点を当てて設定しましょう。
OKRの設定は3か月単位で行いますが、Objetiveは3か月後にどんな状態になっていれば成功と言えるのかを考えるとよいでしょう。
Objectiveは全体のビジョン、戦略、または長期目標と一致していなければなりません。各部門やチーム、個人の目標が大きな組織の目標と一致していることを確認することが重要です。
Objectiveは結果的にKey Results(主要な結果)によって測定可能でなければなりません。どの程度目標が達成されたかを明確に評価できるように、具体的な数値や基準を設けることが重要です。
Objectiveを作った後に適切なKey Resultsが作成できない場合は、Objetiveを再度検討してみるとよいでしょう。
これらのポイントを念頭に置くことで、達成可能でありながらも挑戦的で、組織全体の目標と一致し、達成度を測定できる明確なObjectiveを設定することが可能になります。
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Key Resultの設定方法とポイントを理解したからといってすぐにOKRを導入しようとしてはいけません。
失敗の事例も同時に見ることで「してはいけないこと」が見えてきます。他の企業の経験からも学んでいきましょう。
外国人の人材紹介を行うアクティブ・コネクター株式会社(以下:アクティブ・コネクター)は、2016年から2年間、OKRを導入・実践してこられました。
しかし、結論から言うと「私達の会社ではOKRは失敗してしまった。」と言います。いくつか失敗の原因はあるものの、その中の1つがKey Resultの設定に関わるものだったのです。それはどんな失敗だったのか、以下の事例で紹介します。
アクティブ・コネクターの失敗の原因は「仮説検証せずKey Resultを設定してしまった」ことでした。Objectiveは定性的な目標であるため、ある程度の「感覚」で作ることができます。
一方、Key Resultは「感覚値」で作ってしまえば、正しく数値を追うことができなくなってしまいます。
アクティブ・コネクターはKey Resultのいくつかを感覚と想像で作ってしまったことにより、目標と大きく乖離してしまったのです。
未達成が当たり前となってしまったことが従業員への達成しなければというプレッシャーとなり、それが1つのトリガーとなって退職者を出す結果にも繋がりました。
この経験から、Key Resultを設定する上で現状を分析することと、それをもとに仮説検証を繰り返してエビデンスを取ることが必要だとわかります。
ここでは、OKRを導入しているウォンテッドリー株式会社にあったチーム、Discover Squadが立てたOKRを、Objecitveの具体例として紹介します。
Discover Squadとは、Wantedly社が提供するアプリの機能を開発していたチームです。Discover Squadは以下のOKRを設定して、業務に取り組んでいました。
Objecitveは「~~することで○○を高める」という構文で構成されています。誰もが理解できる非常に良い目標設定といえるでしょう。
エンゲージメントを高めるためにどうするかを4つのKey Resultが設定されています。どのKey Resultも数値によって表現されることで、わかりやすくなっています。
一方でこのOKRはKey Resultが4個と、少し多めです。これに関してDiscover Squadのリーダーだった森脇健斗さんは、以下のように述べています。
振り返ると、少しKey Resultが多いように感じます。下の二つは、少し行動目標っぽくなっているので、Key Resultとして入れなくてもよかったかもしれないです。やはり3つくらいがベストだと思います。
【参照】SquadとOKR - 開発チームが無駄なく高い成果を出すために大事にしていること | Wantedly Engineer Blog
OKRの他の例を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【参照】OKRの目標設定の方法とポイント【メルカリ、Googleの事例も紹介】
OKRを始めたばかりのチームでありがちなのは、Objectiveがなかなか決まらず時間を浪費してしまうことです。事業のスピードを高めるためにOKRを導入したのに、OKRを決めるための時間が長引いてしまっては本末転倒。
Objectiveがなかなか決まらない理由は、目標同士の関係性が見えておらず具体的に何をすべきかがチーム内で認識ズレを起こしていることがほとんどです。
エクセルやスプレッドシートでOKRを行うと、どうしても目標が並列化されてしまい関係性が見えにくくなり、その結果Objectiveを決めることに時間がかかってしまいます。
そこでおすすめしたいのがOKR専用ツールの活用です。OKRの設定だけでなく、定期的な振り返りを促す運用機能が充実しているものが良いでしょう。
OKRが少ない負担で運用できれば、社内の浸透も早くなります。
OKRは社内に浸透して初めて効果を発揮するので、ツールを有効活用して企業の生産性を高めるのに役立てましょう。
「Resily」は国内ツールで唯一OKRに特化したものです。直感的な操作でOKRツリーの作成ができ、進捗状況の更新リマインドやチャットツールへの通知などOKRを効率的に運用するための機能が充実。
スプレッドシートやExcelなどでOKRを管理しているけど不便さを感じている、もっと効率的に運用したい、というお悩みをズバリ解決してくれるツールになっています。
他のツールとの違いはOKR特化でOKR関連の機能が充実している点です。タレントマネジメントや人事評価の機能がメインのツールはOKR管理はオプション機能のため、OKRでマネジメントを革新したい!という方には物足りないと感じてしまうかもしれません。
チームや組織のマネジメントの中心にOKRを置きたい、浸透させたいという方にはResilyがおすすめです。
ResilyはSansan株式会社やみんなの銀行など全社的にOKR導入に取り組んでいる企業を中心に170社以上の導入実績があります。
Resilyは20日間無料でツールのすべての機能を試すことができます。クレジットカード登録や商談なしで試すことができるのでまずは使ってみましょう。サンプルOKRが最初から入っているため、これからOKRを始めたいという方でも利用イメージがつかめるようになっています。
また無料アカウント開設された方には無料で30分間の面談も行っています。今行っているOKRの診断やResilyの活用方法などお気軽にご相談いただけます。
Objective(目標)とは何ですか?
Objectiveとは、目標を達成するための具体的で意味のある目指すべき所です。それは一つの方向性を示し、その達成に向けた活動をガイドする役割を果たします。これは、個人、チーム、または組織全体に関連して設定することができます。
Objective(目標)の例としてどんなものがありますか?
「顧客サービスの質を向上させる」「新製品開発におけるイノベーションを推進する」「ブランドの市場での認知度を高める」などがObjective(目標)の例としてあげられます。
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