2021.10.20
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「コンピテンシーって何?」
「コンピテンシーを活かすにはどうしたらいいの?」
と思っている方。
コンピテンシーには、活用することで社内全体の生産性アップにつながる効果があります。
とはいえ、具体的な意味や活用方法はわかりにくいですよね。
そこで、この記事では、
を、お伝えします。
専門用語で難しいと感じるかもしれませんが、コンピテンシーを活用することは意外と簡単です。まずはこの記事で、コンピテンシーを学ぶことからはじめましょう。
コンピテンシーとは、高い業績や成果をあげている人の行動特性のことです。簡単に言うと、仕事ができる人の行動パターンやノウハウにあたります。
同じ仕事をしていても高い業績や成果をあげる人とそうでない人がいますよね。その違いや理由にあたる部分が行動特性です。
また、高い成果をあげる人の特徴的な行動を類型化したものをコンピテンシーモデルと言います。
コンピテンシーモデルは人材育成や評価などの業務に幅広く活用されているのです。
なお、従来の評価制度では表面的な成果など能力面しか評価しづらいと言えます。
その点コンピテンシーは、成果を生み出す背景にある行動まで評価することができ便利です。
コンピテンシーは、ハーバード大学のマクレランド教授を中心とするグループの研究結果から誕生したと考えられています。
マクレランド教授は、もともと米国文化情報局(USIA)から依頼を受けて研究を開始しました。
研究の結果「高いパフォーマンスを発揮する職員には、学歴や知能に関係なく、いくつか共通の行動特性がある」ことが判明したのです。
この結果が、コンピテンシーの概念を生み出すきっかけとなりました。
その後、コンピテンシーは米国の企業を中心に取り入れられるようになり、現在では多くの企業で導入されています。
具体的な例を参考にしてコンピテンシーへの理解を深めてみましょう。
例えば看護の現場で、ある看護師が自主的に幅広い関係者から情報収集を行っていたとします。その看護師は日常的に情報収集を行なうことで、不測の事態にもスムーズに対応できるようになり、仕事の幅を広げていました。
この場合の行動特性は「自主的に幅広い関係者から情報収集を行なう」ことです。
成果に着目するとわかりにくいですが、行動特性すなわちコンピテンシーに着目すると高い業績や成果をあげる人の行動プロセスに焦点があてられます。
ハイパフォーマンスにつながる行動特性がはっきりするため、他の人も参考にしやすく効率的な人材育成が可能です。
ひいては、社内全体のパフォーマンス向上にもつながります。
コンピテンシーには決まった型があるわけではありません。職種や職務によって異なります。
自社に合わせたコンピテンシーモデルを作ることが重要です。しかし、1から作ることは大変ですよね。
その際に役立つものとしてコンピテンシー・ディクショナリーがあります。
コンピテンシー・ディクショナリーは、コンピテンシーを研究しているスペンサー&スペンサーが提唱しているコンピテンシーモデルです。
コンピテンシーを、6つの領域からなる合計21項目に分類し、モデル化しています。
領域 | 項目 |
---|---|
達成行動 | 達成志向、秩序・品質・正確性への関心、イニシアチブ、情報収集 |
援助・対人支援 | 対人理解、顧客支援志向 |
インパクト・対人影響力 | インパクト・影響力、組織感覚、関係構築 |
管理領域 | 他者育成、指導、チームワークと協力、チームリーダーシップ |
知的領域 | 分析的思考、概念的思考、技術的・専門職的・管理的専門性 |
個人の効果性 | 自己管理、自信、柔軟性、組織コミットメント |
コンピテンシー・ディクショナリーを参考にして、自社のコンピテンシーに仮説を立て、コンピテンシーモデルを明らかにします。
その時のポイントとして、過去の成功事例ではなく、今後の自社の将来ビジョンから求められるモデルを探っていくことが大切です。
例えば、過去に「情報収集」で成功を収めたからといって、この情報社会において大量の情報を集めることが成功につながるとは限りませんよね。ゆえに今後は持っている情報を分析する「分析的思考」を方針とする、のように考えます。
現代は変化のスピードが早いので、過去の成功事例からコンピテンシーモデルを作ると、先ほどの例のように、現場にそぐわないリスクが高くなります。
将来のビジョンから定義したコンピテンシーの仮説を活かすことが望ましいです。仮説を立てたら検証を行います。
具体的には、将来ビジョンと合致するような業績や成果をすでにあげている人にインタビューします。そして、必要なコンピテンシーをより具体化していくのです。
インタビューで、高い業績や成果をあげている人の行動特性や思考特性を明らかにし、コンピテンシーをモデル化します。
各コンピテンシーに点数付けをして、自社の中で優先度を決める方法も効果的です。
コンピテンシーモデルは、
など様々な場面で活かせます。以下で詳しくお伝えします。
コンピテンシーモデルは、評価基準がはっきりしています。そのため、人事評価に便利なツールです。
公正で本質的な評価につながります。
コンピテンシーモデルで求められている行動を行なうように指導・教育すると、効率的な人材教育が可能です。
社内全体のパフォーマンス向上が期待できます。
コンピテンシーモデルに当てはまるか考えることで、自社のコンピテンシーに共感する人材かどうか見極めやすいです。
また、採用の現場で、学生時代や前職で成果を生み出したときの行動を掘り下げることをおすすめします。
行動特性が明らかになると、適性や能力レベルを推しはかることが可能です。
目標の設定や管理ができるツールであるOKRとコンピテンシーは組み合わせて活用することを推奨します。
自社のコンピテンシーを言語化し、コンピテンシーモデルを定めておけば、目標設定がしやすいです。
また、コンピテンシーを導入すると、社内全体で成果をあげることが当たり前になります。
社内全体で協力しあいながら生産性を高めることができ、業績があがりやすいです。
なお、コンピテンシーモデルは定期的なメンテナンスをすることが求められます。OKRは1カ月~3カ月で目標の見直しを行いますので、メンテナンスのタイミングをはかる上でも便利です。
OKRについて詳しくは「OKRとは?Google採用の目標管理フレームワークを紹介」をご一読ください。
人材教育や採用を行っている人事部であれば、コンピテンシーは理解していることが多いです。しかし、一般社員にとってコンピテンシーは身近ではありません。
新しく導入したいなら、社員のじゅうぶんな理解を得ることが必要です。ただし難しく考えることはありません。
コンピテンシーの本質は、仕事ができる人の行動パターンやノウハウを積極的に共有して全員で実践することにあります。
コンピテンシーを活かせば社員の生産性も高くなり、業績もアップして会社の利益につながりやすいです。
導入することで得られるメリットを社員たちにしっかり伝えれば、理解を得られる可能性は高いといえます。
わかりやすい説明を心がけながら、根気よくコンピテンシーへの理解を社員に促すことが大事です。
充分な理解を得て、初めて導入できます。
おさらいすると、コンピテンシーは仕事ができる人の行動パターン、もしくはノウハウです。
コンピテンシーモデルを活用し仕事ができる人材が増えれば、企業にとって自社全体の業績アップにつながりますよ。
また、行動特性が明らかになれば人事は公正な評価がしやすくなり、個人の生産性が向上しやすいです。
OKRとの相性も良いですのでぜひ活用してみてください。
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