• OKRとは

公開:2019.08.28 07:30 | 更新: 2021.06.10 07:46

OKRとは?Google採用の目標管理フレームワークを紹介

「目標管理にOKRが良いって聞いたけど、今までの目標管理と何が違うの?」
「OKRのマネジメントを行いたいけど、どうしたら良いかわからない」

と思っている方へ。

Google・Facebookといった、成功した大企業が採用していることでOKRは注目されるようになりました。日本でも2010年代からOKRに関する書籍が数多く出版され、認知されるようになってきています。

なんとなくOKRという言葉は聞いたことがあっても、その具体的な内容や運用の手順を知っている方は多くないと思います。

この記事では、OKRツールを提供するResilyのOKRコーチが、OKRの意味と導入・運用方法をどなたでもわかるように解説しました。

<目次>

  • OKRとは?基本を簡単に解説します
  • OKRを導入する3つのメリット
  • OKRと他の目標管理(MBO、KPI)との違い
  • OKRを導入した企業の例
  • OKRを導入するための6ステップ
  • OKRを使った継続的パフォーマンス管理
  • OKRを成功させるための4つのポイント
  • OKRの人事制度との関係
  • OKR運用時に押さえるべき3つのポイント
  • OKRを導入することで出てくる課題
  • OKR管理ツールで課題を解決する
  • OKRを学べるおすすめの本
  • OKRのマネジメントは、組織を変える

OKRとは?基本を簡単に解説します

OKRは「Objective(目標)」と「Key Result(主要成果)」の頭文字から成る言葉です。野心的な目標を設定することで個人、チーム、会社単位の能力を高めることと、社内間のコミュニケーションを活発にすることを目的としています。

OKRの主な特徴は従来の計画方法に比べて高い頻度で設定、追跡、再評価すること。

チームの成長やチャレンジを促す仕組みが整えられており、組織の目標に向かって全員が同じ方向を向き、明確な優先順位を持ちながら仕事を進行できるようするためのマネジメント手法です。

OKRのObjectiveとは?

OKRのOの略であるObjectiveは定性的な目標のことです。

OKRを行う際には、初めに野心的で挑戦的な定性目標を設定することが大切です。

会社のビジョンや戦略を決定していくうえで重要なポイントであると同時に、KRを設定する上でも深く関わってくるため慎重に決定しましょう。

Objectiveを設定するための手順とポイントをご紹介します。

  1. 会社のビションを確認し、それに沿った目標を立てる
  2. 定性的な目標にする
  3. 人を鼓舞する内容である
  4. 時間的制約がある
  5. 各部署が独立して実行できるものである

各項目の詳細と設定方法については、下記の記事をご覧ください。

OKRの目標設定の方法とポイント【メルカリ、Googleの事例も紹介】

Key Resultsを設定する

OKRのKRはKey Results。Objectiveの達成を目指す成果を意味しています。

KRは定めたOを達成したときの状態を具体的な指標や数値で示したものです。

KR設定時は、「SMARTの原則」を意識する必要があります。

SMARTの原則は、目標設定の軸となるフレームワークであり、SMARTを用いることで明確で誰にでも理解してもらえる目標を設定することが可能です。

  • Specific=具体的で分かりやすい
  • Measurable=計測可能
  • Agreed upon=達成が可能
  • Realistic=現実的
  • Timely=期限が明確

SMARTの原則を用いてKRを設定することで、明確な目標を意識しながら仕事に励むことが可能で、客観的に判断しやすい目標を立てることができます。

KRに関して、詳しくは下記の記事をご覧ください。

OKRにおける成果指標(Key Result)とは?設定時のポイントや具体例を紹介します

Confidence Level(自信度)を設定

OKRでは目標の達成可能性を追うために、自信度の計測を定期的に行います。

自信度とは、各メンバーが自分の目標について、主観的に、今の目標を達成できそうか?を、他のメンバーに共有する目的で設定する指標です。

自信度が高い場合、進捗が良い理由は何か?自信度が低い場合、進捗を妨げているものは何か?またチーム内で自信度にばらつきがある場合は、業務の割り振りを見直す必要があるかも知れません。チーム全体の自信度が低い場合は、そもそも設定しているOKRの修正が必要な場合もあります。

例えば毎週のチェックイン時に、各メンバーに自信度を入力してもらい、その内容をベースに、業務の割り振りやOKR自体を見直しを話し合います。

自信度があることで、チームの健全性を保ちつつ、OKRの達成を目指すことができます

OKRを実践する上での4つの原則

OKRの根幹には4つの原則があり、以下から成り立っています。

  1. 選択と集中(フォーカス)
  2. 全員が同じ方向を向く(アライメント)
  3. 目標のプロセスと結果を追う(トラッキング)
  4. 高い目標を設定する(ストレッチ)

選択と集中(フォーカス)

OKRでは目標を達成するために、やるべきことを選択したうえで、そこにリソースを集中することを大切にします。OKRは短期集中型のマネジメント手法です。

1ヶ月~4ヶ月ほどのスパンの中で目標達成に尽力することを基本としているため、複数のことを同時に行おうとすると、力が分散され結果を出すことが難しくなります。目標は野心的かつシンプルなものにして、取り組むことが大切です。

全員が同じ方向を向く(アライメント)

OKRは、全員が同じ方向を向いているが重要だと考えます。OKRは社内のコミュニケーションを活発にさせ、より会社を強固なものにすることを目的としています。

そのためには、全員が同一方向の目的意識を持つことが大切。OKR導入を考えている企業は、従業員がビジョンや目的にアライメントを持てているかを確認するために、社内アンケートなどを通じて確認する必要があります。

目標のプロセスと結果を追う(トラッキング)

OKRを運用する際には、状況がどうなっているのかを常に追跡します。

どんなに高く良い目標を設定できたとしても、そのプロセスと結果を追わなければ意味がありません。OKRは四半期の間で結果を出すために、週始めと週終わりにセッションを行います

週初めに行うチェックインミーティングで現状を確認し、その週に行うアクションプランを立て士気を高めます。

チェックインミーティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

OKRを成功に導くチェックインミーティングとは?

週の終わりに行うウィンセッションは、その週の結果を客観的に見て、出来たことは互いに褒め合い、足りなかった部分については次週のためにさらに詰めていきます。この2つのセッションを行うことでトラッキングを行うことが出来ます。

ウィンセッションについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

OKRにおけるウィンセッションとは?メリットや導入事例を紹介します

高い目標を設定する(ストレッチ)

OKRの目標設定の原則は、現状からさらに高みへ挑戦を行うことです。

前提として、OKRは目標達成手法ではありません。MBOのように100%の達成を目的としていないのです。

達成できるかどうか分からない野心的な目標を立て、60~70%達成できればOKRにおいては成功とされています。高い目標はそれを達成するために努力する人の本来の何倍もの力を発揮させます。

OKRではその目標を達成する自信を「自信度」として指数化しています。自信度が5割くらいのものが設定できれば、それはストレッチされたものだと判断できるでしょう。

引用元:天野 勝(2019)最短最速で目標を達成するOKRマネジメント入門
かんき出版

OKRが生まれた背景

OKRは単なるフレームワークではなく、会社の組織の仕組みを変えていく目標管理手法とその取り組みになります。

社会が横並びで成長していた時代と違って、現在は半年もしないうちに事業環境が変わっていきます。

形骸化した「無難な達成目標」や「あいまいで測定不可能な目標」に従い、意味のない仕事をしていると、競合他社に取り残されていくばかりです。

このような課題は、既存の人事評価と組み合わされた目標管理ではこういった課題を解決するのが難しいとされています。

多くの方は、会社から何らかの人事評価を受けているでしょう。「半年または1年に1回目標を設定し、半年または1年後の評価面談で振り返りを行う」というケースが多いはずです。

人事評価が悪くならないように、無難な数字を立てたり、 あいまいな目標を作っている。それは自分の評価に直結するので仕方がないということもあるでしょう。

このような目標管理の課題を解決するために生まれたのがOKRです。

OKRがMBO(人事評価制度)よりも優れている理由

日本国内の標準的目標管理はMBOです。

MBOは人事評価制度として色合いが強く、OKRのように組織目標を達成するための考え方ではありません。そのため、目標管理だけに着目すると多くの問題点を抱えています。

この問題点が起こる理由は、目標管理だけでなく、報酬設計・パフォーマンス管理がごちゃまぜになっているためです。本来、これらは整理された上で各要素に対して適切な制度設計が必要になります。

その点に気づいたグローバル企業では早々にOKRの採用が進みました。残念ながら日本企業はいまだに旧来的なMBO(人事評価制度)を継続してしまっているという状況なのです。

OKRとMBOの違いとは?混同しやすい特徴を整理しました

OKR導入する3つのメリット

OKRを導入するメリットは、大まかに分けて3つあります。

1.企業と社員の関係を強固にできる。

これまでは、社員やチームの単位が大きくなるにつれて個人と組織の方向性を一致させていくことが困難でした。

OKRを導入することで組織の目標(Objective)と、それに準ずる成功指標(Key Results)をチーム、さらには個人の目標を管理しやすくなります。

社員がOKRをベースに立てた目標を達成できるようにコミュニケーションを増やすことができれば、企業と社員の間に強固な信頼関係を築くことが出来ます

具体的なやり方の例として、企業やチームが掲げる目標にどれだけ社員が関心を持って仕事をしているかのヒアリングを行いましょう。

企業は各チームや部署に、チームは各個人にミーティングや1on1などを通して現状の意識を確認します。

双方の意識にすれ違いがあるようであれば、OKRをベースに目標から達成するために行わなければならない業務までを細分化していきます。

1~3ヶ月の間に進捗報告と成果報告定期的に行い、頻繁にコミュニケーションをとることで双方の関係を強めることが出来ます。

2.社員のモチベーションが上がる

企業の目標は必ずしも社員全員にとっての目標ではありません。個人の掲げる目標と企業の目標が大きく乖離しているのであれば、モチベーションは生まれてきません。

企業は会社のビジョンと個人の目標をリンクさせ、達成するためにしなければならない業務を明確にする必要があります。

OKRを通して、社員の目標達成が企業へどれだけの利益を生んでいるかを知ることができれば、個人のモチベーションは飛躍的にUPすることでしょう。

企業の独断で進めないように、1つ目のメリットで紹介した例と同様に、まずは企業の目標が従業員の目標と繋がるように再設定します。

目標達成のための成功指標は全て数値で見れるようにしましょう。そして、社員が達成した成功指標が直接チームに貢献しているということを数値で見れるようにOKR管理ツールなどを用いて見える化します。チームや社員は企業への貢献度を知ることができ、エンゲージメントは向上していくことでしょう。

OKR管理ツールをお探しの方は下記の記事も参考にしてください。

おすすめのOKR管理ツール12選

3.短期集中で目標を達成できる

社員がハイパフォーマンスで業務を行うためには「短期目線の目標」を作ることが大切です。OKRの目標のスパンは1ヶ月〜3ヶ月と短期集中型です。また、60~70%の達成が期待される目標を設定するため、社員も達成できないことで評価が下がってしまうというプレッシャーを感じること無く業務に取り組むことが出来ます。

目標達成を常に意識できるように、目標管理シートを作成するのは1つの手段でしょう。

チームや部署は短期間の中でも定期的に1on1などを行い、目標管理シートを一緒に見てフィードバックを行います。目標到達までの距離感を掴むことで、やるべきタスクが見え、ハイパフォーマンスを発揮することができるでしょう。

OKRと他の目標管理(MBO、KPI)との違い

OKR以外にも目標管理はMBOやKPIなどが存在します。その違いを理解した上でOKRの導入を検討されると良いでしょう。

今回は日本国内でも一般的なMBOとKPIの目標管理とOKRの違いをそれぞれ解説しました。

OKRとMBOの違い

OKR(Objectives and Key Result)とMBO(Management By Objective)は、非常に似ているため混同されがちです。

どちらも会社の目標と個人の目標・仕事内容をリンクさせる目標管理の手法だからです。上司とコミュニケーションを取りながら、会社の目標を達成するための個人目標と業務内容を設定して進捗を管理します。

両者の違いを表にまとめてみました。

OKRMBO
目的会社と従業員の意思統一、目的の明確化とコミュニケーションの活性化による生産性や創造性の向上、モチベーションアップ業務管理や生産性向上のほかに人事評価など
個人目標が共有される範囲社内全体従業員と直属の上司
評価の頻度1ヶ月 ~ 4半期に1回・頻繁なフィードバック1年に1回・頻繁なフィードバックを推奨
計測方法定量定量、定性やこれらの併用
理想的な目標の達成度60~70%100%

MBO(Management By Objective)とは、OKRと同じく目標を設定するための考え方です。しかし両者は、以下のようにそもそもの目的から異なります。

  • OKRの目的は「会社の意思統一とコミュニケーション促進、社員の生産性アップによる会社のゴール達成」
  • MBOの目的は「目標を数値化して管理することによる業務管理、生産性アップ」

この他にも理想とする達成度やフィードバックの頻度など、OKRとMBOでは目標に対する考え方が違うのです。

OKRとMBOの違いについて詳しくは下記の記事をご覧ください。

OKRとMBOの違いとは?混同しやすい特徴を整理しました

OKRとKPIの違い

OKRは個人目標を全社やチームに広く共有するのが特徴です。これにより社内コミュニケーションが活性化して一体感が出ます。

対してKPIの目標は個人レベルで異なりますし、プロジェクトチーム内でのみ共有されることが多いため、全社でのコミュニケーション活性には及ばないことがほとんどです。

端的にまとめると、OKRとKPIには以下のような違いがあります。

OKRKPI
目的会社と社員の目標統一やコミュニケーション促進による生産性アップ目標の達成度チェック
個人目標が共有される範囲社内全体プロジェクトチーム内
評価の頻度1ヶ月 ~ 4半期に1回プロジェクトごとに変動
計測方法定量定量
理想的な目標の達成度60~70%100%

OKRにおけるKPIは併用するというよりも同時に使うものです。

ただし前述の通りKPIマネジメントとしてOKRの要素を抜きにした目標管理方法もあります。

OKRとKPIはレイヤーの違うマネジメント用語なので、それぞれふさわしい場所で活用して下さい。

  • OKRは組織全体や社員個人に対する全体的なマネジメントに向いています。
  • KPIは原価や売上など細分化された数値目標を明確化するのに向いています。

OKRとKPIの違いについてはこちらの記事も参考にしてください。

OKRとKPIの違いとは?目的と計測方法について

OKRを導入した企業の例

OKRを導入して成長した企業の例をご紹介します。

グーグルの急成長を支えたOKR

グーグル社は現在世界有数のメガ企業。しかし1998年頃は小さなベンチャー企業に過ぎませんでした。

21世紀に入って恐るべき成長を遂げ、現在のような巨大企業になったわけですが、その技術力はもちろん、独特な人事制度にも注目が集まりました。

どうやって組織を拡大・成長させてきたのか。その答えの中核にあるのがOKRという目標管理手法だったわけです。 そして現在、日本のメルカリ社をはじめ、スピード感をもって成長する多くのベンチャー(スタートアップ)企業が取り入れはじめています。

また、歴史ある大企業においては、何かしらの変革に迫られた状況に陥っており、変革実行のためにOKRを導入しようとする動きが活発化しています。

インテルの復興を支えたOKR

OKRの考え方は米国インテルで生まれました。1979年、インテルはメモリチップ市場で日本企業やベンチャー企業から攻勢を受け、収益の柱であるマイクロプロセッサ市場でもモトローラ社に押されて青息吐息でした。

インテル存亡の危機だったのです。そこでインテルは社長に就任したアンディ・グローブのもと、 OKRという新しい目標管理手法を推進し、約2000人の従業員のうち半数を動員する「クラッシュ作戦」を展開した結果、数年後には競合に勝ち、市場を制することができました。

当時インテルで働いていたジョン・ドーア(グーグルにOKRを紹介したベンチャーキャピタリスト、『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法OKR』の著者)は、1000人もの従業員を動かすための驚異的な情報伝達は、OKRシステムがなければ実現しえなかったと言います。

OKRを導入し急成長したメルカリ

フリマアプリ「メルカリ」を展開する株式会社メルカリは、社員数100名以下のタイミングからOKRを導入して急成長を遂げた企業の1つです。

メルカリが特に重視しているのがミッションとバリューで、OKR設定にも用いられます。メルカリが設定しているミッション(会社としての使命)は以下の通りでです。

  • 新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る
  • 信用を創造してなめらかな世界を創る
  • 次のメルカリ級の事業を作る

またバリュー(価値)は以下3つです。

  1. Go Bold(大胆な挑戦をする)
  2. All for One(1つの課題に全員が全力で取り組む)
  3. Be Professional(プロとして責任をもって仕事する)

ミッションは会社のOKRを設定する時に常に意識し、バリューはOKRを実行するプロセスと照らし合わせて評価を行っています。

また、メルカリがOKRの設定において意識しているコンセプトは2つあります。

  • 達成確率が50%程度のOKRを設定
  • ワクワクするOKRにする

メルカリでは、個人がOKRを設定する際にマネージャーの存在は大きいです。会社や部署のOKRは高く設定できても個人のOKRまで落とし込んでいくと、つい通常業務にフォーカスしがちになってしまい、現実的なOKRになってしまうという課題があります。これをマネージャーは個人と1on1を定期的に行い適切なアドバイスを与え、解決に導いています。また、メルカリでは「KRを考える上で全て50%ぐらいの確率のものを設定する必要はない」という考えもあります。これは難しい目標だけを立てて従業員のモチベーションが下がることを危惧し、あえて90%達成できる目標、50%、20%と適度なバランスでKey Resultsを設定しています。

こうした、セオリーを意識しつつ会社独自の手法を織り交ぜることもOKRを成功に導く鍵となります。

メルカリのOKR導入事例について

OKRを導入するための6ステップ

OKR導入に向けては企業の雰囲気作りが重要です。

そのための段取りとして組織の目標を設定してそれを全メンバーに共有し、その実現のためにチームとして何ができるかを考える必要があります。そのうえでチームのリーダーが企業に貢献する方法を発表し、実現を行う手段としてOKRを位置付けます。

経営層による導入効果の伝達、導入方法の明確化や、OKR設定のトレーニングが必要です。OKRは経営層、リーダー、個人など組織の階層ごとに設定する必要があり、全体的に齟齬がないことが重要になります。

設定したOKRは、OとKRの関係が分かりやすく、納得感のあるものなのか確認しましょう。

こうした雰囲気作りやOKR設定が導入時に必要となります。

次に導入の際の具体的なステップを6つに分けてご紹介します。

1. 会社のOKRを設定し共有する

会社のOKRは四半期単位で決めるのが一般的ですが、それが難しければ中長期的なOKRと短期的なOKRを併用しても構いません。

例えばGoogleは1年のOKRと四半期のOKRをそれぞれ設定します。

OKRを共有する方法は1つではありません。小さな会社ならばホワイトボードやGoogleスプレッドシートなどで共有するのがおすすめです。

大きな会社ならば、ResilyなどOKR専用のツールを使うのも良いでしょう。

OKRを設定する前に経営陣がビジョンや戦略をはっきりと決めておく

会社のOKRはビジョンや戦略から導かれます。

したがって大本のビジョンや戦略がしっかりしていないと、OKRを使ったところで期待した効果は得られません。

ビジョンや戦略があいまいな場合は、まずその2つを考え直すところから始めましょう。

ワクワクする高い目標(Objective)を3~5個設定する

「ワクワクする」ような目標を設定する理由は、OKRにおいて設定される目標は達成率が60%ぐらいになりそうなものだからです。

論理的に考えて達成できない可能性が高いものに取り組むためには、感情に影響する要素が欠かせません。

定性的なものでも良いので、従業員をワクワクさせる目標を設定してみてください。目標の数は3~5個ほどがベストです。目標が多ければ多いほど、各チームの負担も大きくなります。

目標を設定しすぎてチームのリソースが足りなくなっては本末転倒。ビジョンや戦略を元に、重要な目標にのみフォーカスする必要があります。

1つの目標に対して、計測可能な成果指標(Key Result)を3個ほど設定する

OKRにおける成果指標とは、実現すれば目標達成に結びつくものです。

計測可能とは言い換えれば、数字で表せるということです。数字を用いずに成果指標を決めてしまうと、達成できたかどうかがわからなくなってしまいます。例えば成果指標として「労働環境の改善」を挙げても、改善したかどうかは見る人によって変わってしまいます。

関係者全員が成果指標を達成できたのか、できなかったのかがわかるように定量的な数値で表せる成果指標(Key Result)を設定しましょう。

2. 部門やチームのOKRを設定し共有や調整をする

会社全体のOKRを決めた後は、それを元に部門やチームのOKRを設定します。

一口に部門やチームと言っても、その規模やレベルは同じではありません。どの単位が一番良いか、を検討するのも大事です。

会社全体のOKRを元に部門やチームのOKRを決める

部門やチームのOKRは、そのOKRの達成が会社全体のOKR達成にもつながるものである必要があります。会社全体のOKRの最低1つに関係したOKRを、部門やチームは設定します。

部門やチームのOKRは、会社のOKR全てに対応しなくてはならない、というわけではありません。前述のように、1つのチームがさけるリソースには限界があるためです。

部門やチームのOKRの優先順位も、会社のOKRの優先順位を元に決定します。部門やチームは、会社全体の重要なOKRに取り組む必要があるからです。

チーム間のOKRの関連性を把握する

チームのOKRの中には、そのチームだけでの達成が難しい場合があります。

例えば人事部が社内の生産性アップを目標に掲げるならば、他の部署にも生産性アップを促したり、現状把握に協力してもらったりする必要があります。

チーム間のOKRの関連性を把握し、必要ならばチーム間でコミュニケーションを取ることが重要です。

3. 個人のOKRを設定し共有する

個人のOKRにおいても、最も重要なことは会社全体や部門、チームのOKRと変わりません。達成したらワクワクするような個人目標と、目標につながる成果指標を設定しましょう。

上司と個人のOKRを決める

個人のOKRは所属しているチームの上司orマネージャーと決めましょう。

チームのOKRを達成するために個人で何ができるのか、何を目標として業務するかを上司とすり合わせながら目標設定をします。

この時、上司が一方的に個人OKRを決めてしまうのでは意味がありません。ワクワクする目標を自発的に設定することを促しましょう。

4. 定期的なコミュニケーションで互いに進捗を確認する

OKRにおいて、定期的なコミュニケーションとして、チェックインとウィンセッションが奨励されています。この2つの取り組みによって設定したOKRが今どのように進捗しているか、次に何をすべきなのかが明確になります。

週の優先事項を確認するチェックイン

チェックインは週のはじめに行われるミーティングで、OKRの進捗を共有しその週で優先して行うべき業務の確認が行われます。

チェックインを行うことで、目標達成に必要な業務だけに集中することができます。

週の成果として報告するウィンセッション

ウィンセッションは週の終わりに行われるミーティングです。従業員それぞれが1週間の成果を見せ、互いに刺激しあいます。例えばエンジニアの場合、1週間で組んだプログラムを見せ合います。

OKRにおける目標は、達成度が60 ~ 70%ほどのもの、言い換えればできなかったことが多くて当たり前の目標です。しかしできなかったことだけに目を向けては、従業員のモチベーション低下は避けられません。

ウィンセッションは、従業員ができたことに注目して、モチベーションを保つ機会の一つです。

5. 成果を測定する

四半期あるいは1年の最後には、OKRを数値で評価します。例えばGoogleは、OKRを0.0 ~ 1.0で評価しています。OKRの達成率がちょうど60 ~ 70%だったら、ちょうど良いOKRであったと言えるでしょう。

成果を測定する上でのポイントは次の2つです。

個人が組織にした貢献を明らかにする

OKRは実績を評価するものではありません。個人が何を達成したかを重要とせず、個人が会社にどう貢献したかを明らかにします。

個人の貢献を明らかにすることは、従業員のエンゲージメント向上にもつながります。個人の貢献が明らかになることは、従業員がその会社にいる意義を自覚することにつながるからです。

貢献は社内で共有する

進捗がわからないと、モチベーションを維持できません。いわばチェックポイントのないマラソンのようなものです。現状の把握とモチベーション維持のためにも、組織の評価は社内で共有するのが重要です。

6. 次のOKRを設定する

OKR見直しの頻度は、会社、チーム、個人で以下のように異なります。

レベル目標の見直し頻度成果指標の見直し頻度
会社1~2年ほど3ヶ月
事業部・部門半年~1年ほど3ヶ月
チーム3ヶ月3ヶ月
個人隔週~1ヶ月隔週~1ヶ月

まずこの表の周期に合わせて、目標をと成果指標をそれぞれ設定しなおしましょう。

また四半期の終わりには、OKRの進め方そのものを見直すのもおすすめです。以下5つのポイントをリストアップし、OKRそのものを改善させましょう。

  1. よかった点
  2. 悪かった点
  3. 次のOKRに向けて続けること
  4. 次のOKRに向けて始めること
  5. 次のOKRに向けてやめること

各ステップのより詳しい内容を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

ポイント付き!OKR導入の6ステップ

OKRを使った継続的パフォーマンス管理

OKRは設定して終わりではありません。運用こそがOKRの最も重要なポイントです。今回はOKRを運用する上で継続的にパフォーマンスを管理する方法をご紹介します。

OKRを元にした1on1の実施

OKRでも上司と部下が1対1で、部下を中心にして上司がフィードバックを行う個人面談の「1on1(ワン・オン・ワン)」が大切です。ヤフーの取り組みを契機に、1on1に取り組みはじめる日本企業が増えています。

1on1は、一方がもう一方に対して何かを教えたり、あるいは情報を提供したりする活動を指します。

日本での一般的な面談と1on1ミーティングの違いは、誰が主に話すのかです。日本の面談では、上司が部下に対してアドバイスやフィードバックをするのが一般的。一方でOKRにおける1on1ミーティングは、上司に対して部下が自分の考えを話すことが重視されます。

1on1ミーティングをより詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

OKRにおける1on1ミーティングの目的!ポイントも紹介します

OKRの運用における1on1ミーティングの役割は主に4つあります。

1. 個人とチームのOKRを決める

四半期の切り替わり前後の1on1ミーティングは、個人とチームのOKRを決めるためにも欠かせません。

前提として、個人のOKRは通常は従業員自身が自分で決めるものです。部下が自分の考えを話す1on1ミーティングは、部下のOKRを部下自身が決める場としてもふさわしいでしょう。

また1on1ミーティングは、チームOKRの設定や修正の参考になる情報が手に入る場でもあります。後述のようにOKRにおける1on1ミーティングは、部下が自身のOKRについて進捗などを話す場でもあるためです。

2. 上司が部下の個人OKRの進捗を把握する

OKRにおける1on1ミーティングでは、個人OKRの進捗や心配事、改善したことも部下から従業員が話します。そして上司は、それらに対してフィードバックや部下自身が解決策に気づく手助けをします。

これら個人OKRの進捗の把握は、チームOKRへの影響を知るためにも有効です。

3. 達成不可能なOKRに向かって部下を勇気づける

まず前提として、OKRで設定される目標や指標は、最終的な達成度が60~70%程度に落ち着くものが理想とされています。つまりOKRにおいて、達成できないとわかっている目標の達成に向かって従業員は行動しなければなりません。

OKRに限らず、1人で達成困難な目標を追うのは苦しいもの。そしてモチベーションが落ちてしまっては、OKRの目的の1つである従業員の成長にはつながりません。

そこで役立つのが1on1ミーティングです。1対1での対話を通して、上司が部下に感謝し、彼らを勇気づけることができます。

達成困難なOKRに対するモチベーションの維持に、1on1ミーティングは役に立ちます。

4. OKRを習慣づける

1on1ミーティングを1週間に1回やれば、部下と上司は必然的に、毎週OKRについて考えることになります。つまり部下と上司両方に対してOKRを習慣づけることができるのです。

目標管理などと同じように、OKRは設定しただけでは意味がありません。日々OKRそのものやそれらの達成につながる業務を意識させるためには、OKRを習慣づけるのがおすすめです。

フィードバックの一形式「360度評価」の活用

OKRにおけるフィードバックは、「組織のあらゆる部署の人々とのオープンな対話」であり、リアルタイムに、さまざまな方向からメンバーに提供される必要があります。

「360度評価」(組織内さまざまな人からの多面的評価)はフィードバックの一形式であり、OKRを推進する部門横断型の取り組みにおいて特に有用です。

360度評価の特徴とは?

360度評価の特徴は、その名の通り360度全方位からの人事評価を行う点にあります。上司、同様、部下などの異なるポジションの観点から被評価者を見ることで、多くの有益な評価材料を集めることができるのです。

上司からの視点では見えなかったことが、部下からは見えることもあるので、被評価者の新たな能力発見や適切な人材配置へと繋がります。

OKRに360度評価を取り入れ、成長企業へとなった株式会社メルカリ

メルカリはOKRを取り入れ、それをもとに四半期に一度評価を行っています。

評価軸には自社のミッションとバリューを盛り込み、それに則した行動ができていれば加点対象となります。

また、それに加え、社員間で「成果報酬」を送りあるピアボーナス制度を利用して360度評価を事項しました。360度評価と、ピアボーナス、ミッション・バリューをそれぞれ掛け合わせることで相乗的に社員のモチベーションを高める結果となった運用の成功例と言えるでしょう。

360度評価をより詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

360度評価とは?メリット・デメリット、導入企業例を紹介します。

承認がポイント

「対話」「フィードバック」を実施している企業は多いはずですが、次に紹介する「承認」については、目新しく見えるかもしれません。

OKRにおける「承認」は、会社の目標や戦略と結びつけた成果を同僚の間で互いに認め合うものです。大きな成果のみならず、期限に間に合わせるための懸命な努力、提案へのひと工夫など、マネージャーからすると当たり前に思われる成果であっても、承認することが重要とされています。

OKRでは1on1、フィードバック、承認の3つをうまく活用してコミュニケーションを活性化させ、社員一人一人が組織の目標に向かって自律的に仕事ができる状態を目指します。

OKRを成功させる4つのポイント

ここからはOKRを成功させるために押さえておくべき4つのポイントをご紹介します。

1. 目標の数はできるだけ少なくする

OKRのKRであるKey Resultを立てようとすると「あれもこれも達成したい…」という議論になることはよくあることです。そうなってしまう気持ちはわかりますが、目標の数はできるだけ2~3つ絞ることをおすすめします。

OKRの目標は達成できるかどうかわからないレベルのものです。難易度の高い目標がいくつもあったところで、社内リソースが分散してしまってどの目標も達成度が低いままになってしまいます。

OKRの基本思想である選択と集中を念頭に、事業の成長のために欠かせないKey Resultを絞り込んで設定しましょう。

2. 定期的な振り返りやコミュニケーションを忘れない

OKRでは定期的な振り返りと次のアクションプラン設定が欠かせません。社内のコミュニケーションを活発にすることで、協力や意見交換をしやすい環境になります。

社員一人ひとりが会社の目標に向かって前進している意識をもつためにも、OKRの進捗状況を確認する定例のミーティングを行いましょう。

3. 設定したOKRは全社員がいつでも見れる状態にする

OKRを立てたあとは、全社員が常に確認できる状態にしておくことが重要です。なぜならOKRは全社で達成すべきものであり、そのためには経営層だけがOKRを把握していても意味がないからです。

組織のOKR、チームのOKR、そして個人のOKRまで公開して、全社で目標に向かう姿勢をつくることが欠かせません。

4. 従業員の個人OKRは会社のOKRから落とし込んで設定する

個人のOKRは必ず企業のOKRから細分化して決めましょう。

OKRで最終的に達成すべきなのは、企業の目標です。ゆえに、企業のOKRから個人OKRに落とし込んで、全社で軸をぶらさず目標に向かう必要があります。

どの業務を行う上でも、「それはどのOKRを達成するためのものですか?」という議論が起こるような風土を作っていくと、成長できる強い組織の体質が生まれるでしょう。

OKRと人事評価の関係

OKR導入時に悩みがちなポイントとして、OKRと人事評価の関係があります。目標管理制度というと達成度と評価、報酬が直結するイメージがありますが、OKRにはその関係はあてはまりません。

無理に人事評価とOKRを連携させようとして失敗する事例が後を経ちません。OKRと人事評価の適切な関係の例や、OKRを導入している企業の評価制度をご紹介します。

OKRと人事評価は直結させるべきではない

目標管理制度と聞くと、日本では「MBO」が有名です。MBOにおいて、立てた目標の達成度は評価に直結します。

しかしOKRにおいては、目標の達成度と人事評価を直結させるべきではありません。OKRを導入しているGoogleも、以下のように述べています。

OKR は、従業員を評価するためのツールではありません。

【参照】Google re:Work - ガイド: OKRを設定する

OKRと人事評価を直結させてはいけない理由を知り、その上で適切な関係性を学びましょう。

OKRの効果が薄れる

OKRの達成度と人事評価を直結させると、多くの従業員は、より達成しやすい、つまり保守的な目標を設定するようになります。達成度が高い方が評価も報酬も高くなるためです。

OKRの目的の1つであるストレッチした目標を追うことによる「従業員の成長」が実現できなくなってしまいます。保守的な目標は、OKRの目的である「従業員の成長」につながりません。

OKRの効果を十分に引き出すために、OKRと人事評価を直結させてはいけないのです。

仮にOKRの達成度が理想の60〜70%よりも低かった場合は、次のOKRを改善するためのデータとして捉えます。

OKRは報酬の決定とも直結すべきではない

多くの企業では、従業員の報酬は人事評価によって決まる部分が大きいでしょう。したがってOKRは報酬の決定とも直結すべきではありません。

理由は人事評価と同じです。OKRと報酬制度を直結させてしまっては、従業員はより達成しやすい目標を設定してしまいます。

OKRと報酬の関係についてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

OKRの報酬制度のあり方について【実例紹介】

OKRの変更に人事評価が柔軟に対応できるようにする

OKRの見直しは四半期に1回行います。一方で人事評価は、半期〜1期に1回行われるもの。このギャップに対応するために、OKRの変更に対応できる人事評価制度を作りましょう。

これに関して、「人事評価ではなく、OKRの見直しを半期〜1期に1回のペースで行えばいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかしそれは誤りです。なぜならOKRの見直しは四半期に1回のペースでしたほうが、より効率的に目標を達成できる可能性があるためです。

熟考の上OKRを設定したとしても、実際に業務を始めた後に、より適切なOKRが見つかる可能性はゼロではありません。むしろ多くの場合でOKRは見直しが必要になります。

このときOKRの変化に対応できる評価制度なら、OKRを変更して、より効率的に目標を達成できます。

OKRの結果を評価するのではなく、OKRへの取り組みを評価する制度にする

具体的な対応としては評価シートに、3ヶ月ごとにOKRと結果、それに対する上司からのフィードバックを記入する欄を追加するのがおすすめです。

また1on1ミーティングにおいて、部下の個人OKRの進捗や変更の可能性を聞くのも良いでしょう。

こうすることで、ストレッチな目標を立てても安心して取り組める環境が整備できます。

OKRを導入した場合の人事評価基準の例

OKRを導入した場合、基本給は定性と定量評価で、ボーナスやインセンティブは業績や定量評価をもとに考えるのがおすすめです。

定性評価と定量評価による基本給の決定

基本給は、360度評価などの定性評価と、業績の絶対値を用いた定量評価によって算出します。

定量評価に業績の絶対値を用いる理由は、OKRの達成率による評価だと、実績が過小評価される可能性があるためです。

例えば10件中6件の成約と100件中60件の成約、どちらも達成率こそ同じですが、会社への貢献度は比べるまでもありません。

絶対値によるボーナスやインセンティブの算出

ボーナスやインセンティブも、業績の絶対値を利用して算出します。

ボーナスやインセンティブの算出において注意すべきは、企業の目標に直結しない事項に関する成果への対応です。これらの成果には、インセンティブをつけるべきではありません。企業の目標の優先順位を評価制度に反映させることで、企業の方向性を統一させるためです。

OKR導入企業の評価制度事例

評価制度とOKRの関わり方は、企業によって様々です。しかしどの企業も、OKRの達成度と評価を直結させない、という点は共通しているのがポイントです。

メルカリ

東京都港区に拠点をおく株式会社メルカリは、OKRと「バリュー」を併用して人事評価を行っています。「バリュー」とはメルカリの行動指針を表したもの。

簡単に言えば、メルカリはOKRで定量評価を、バリューの実践度合いで定性評価をしているのです。メルカリのミッションを実現するため、また各メンバーの成長を促すために、メルカリはこのような人事評価を行っています。

【参照】メルカリ人事 石黒さんが教えてくれた「超成長企業の人事評価制度」 -インタビュー前編― | あしたの人事オンライン

チャットワーク

東京都港区などに拠点を置くChatwork株式会社は、もともと「評価制度の刷新」と「社員と経営の目線のすり合わせ」を目的にOKRを導入しました。

チャットワークの評価制度において、OKRの達成率は評価に連動しません。しかし業績評価の中で、どれほど挑戦したか、は評価されます。

【参照】【OKR最前線vol.2】ChatWork流 「完璧を求めない」「カッコつけない 」理想の会社に近づけるためのOKR運用

Speee

東京都港区に拠点を置く株式会社Speeeも、OKRの達成度を人事評価の判断材料にはしていません。

どれだけ高い目標を立てたか、業務のプロセスに変化が起こったかなど、会社への貢献度を多面的に評価するようにしています。

また他の評価の方法として、Speeeは360度評価やコンピテンシーなどを採用しています。

【参照】ブレインパッド、Speee、Yappliと語るOKR導入・運用の課題の乗り越え方〜パネル・ディスカッション〜セミナーレポート【後編】 - Resily - 法人向けクラウドOKRサービス

さらに詳しい事例を知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

OKRと人事評価の関係とは?評価制度の例もご紹介します

ブレインパッド、Speee、Yappliが語るOKR導入・運用のあれこれ〜導入から運用までのつまづきや乗り越え方の事例〜セミナーレポート【前編】

OKR運用時に押さえるべき3つのポイント

OKRは設定した後よりも運用することの方が大切です。期間の設定や行うべきことのルール化、修正や変更を行うことで効果を発揮します。

運用時に特に押さえておきたいポイントを3つに絞ってご紹介します。

1. OKR運用のスケジュールを立てる

OKRを運用する際は期間内の目標と達成するべき状態が明確になっていないと効果が減少します。

組織のOKRから個人のOKR設定まで時間がかかると短期間で目標を達成しなければならない状態になるので、メンバーに焦りが生まれ目標達成に結びつきません。

OKR設定のサイクルは四半期に一度が一般的ではあるものの、企業、部門、チームの状況に合わせて適宜、変更が必要です。

目標を達成できる環境を整えるためにも、OKR運用のスケジュールは綿密に計画しましょう。

2. OKRを運用時は3つの項目を必ず共有する

OKR運用には3つの項目を常に共有しておきます。

  1. OKR自信度を健康・健全化指標
  2. 今週の優先事項
  3. 今後の優先事項

健康・健全化指標ではメンバー個々の忙しさやモチベーションの確認を行い、今週の優先事項では目標に向けて行うべき特に重要な仕事をピックアップします。

また今後の優先事項はチームに知らせるべき今後の予定となります。

これらを考慮しつつ、頑張れば達成できる可能性があるOKR自信度が5~6の目標を設定して共有します。

OKR自信度が5~6の目標をチーム内で共有することでメンバー同士の協力が促進され、高い目標の達成に繋がるからです。

加えてRACIの設定も必要です。

RACIでは、「Resphonsoble(実行責任者)」「Accountable(説明責任者)」「Consulted(協業先担当者)」「Informed(報告先担当者)」を設定します。

RACIを設定することで、企業では役割を明確にしつつチーム内のOKRの把握ができ、個人レベルでは、周囲のメンバーの協力・支援を得ながら、タスクを進行できます。

OKRとOKRの運用ルールには修正や変化が求められる

OKRは四半期に一回設定するものの必要に応じて見直しが必要です。

KRに関しては、業務の進捗状況やビジネス環境の変化などにより見直しが必要であり、Oに紐づけられていたKRが関連性を失う場合にも見直さなければいけません。

そのためOKRに関しては、一度設定すれば良いのではなく、適宜、修正や変化が求められることは認識しておきましょう。

OKRを導入することで出てくる課題

OKRは一見単純な構造に見えますが、安易に導入すると様々な課題に直面します。どのような課題が出てくるか実際に例を見ながら学んでいきましょう。

課題1:トップダウンの決断によるOKRの不浸透

OKRは、従来の上から現場に対しての目標を設定するといったトップダウン式のものとは違います。時間をかけて会社全体、チーム、個人のOKRをそれぞれすり合わせて作っていくボトムアップ式の目標管理です。

個人の目標は個人で作るという創造的な目標設定だからこそ、従業員のモチベーションを高めることができるのです。

しかし、「OKRを自社にも導入しよう!」と独断的に導入しようとすると高い確率で失敗することでしょう。まずは現場が「OKRを導入して、どんな課題を解決したいのか」を理解させる必要があります。

でなければ、現場までOKRの意義とトップの意思が浸透せず、結果として惰性でOKRを続けることとなり、従業員のエンゲージメントは低下していくことでしょう。

課題2:情報の不透明、不可視化

どんなに良い目標を設定しても、理由がないところに人は動きません。なぜ自分はこの業務をしているのか、この目標を達成すると会社にとってどういう良いことがあるのか、常にこの2つを理解できている状態でないと、OKRは機能しないのです。

そのため、OKRにおいて、情報の可視化が不可欠になります。

各部署、各個人がそれぞれ何をやっていて、達成度はどれくらいかというのを常に透明化されている状態が好ましいです。しかしその状態を常に社内全体でアップデート、共有することは難しいと言えるでしょう。

また、規模の大きい会社であれば尚更、新しい枠組みを作り、管理することは大変です。

課題3:OKR実行の工数の管理

OKRは工数のかかる目標管理手法です。目標設定から達成までのタームが四半期ごとの短いスパンでサイクルしていくので、こまめなフィードバックが必要とされるからです。

メンバーの進捗や行動を把握するための週次のウィンセッションを行ったり、個人の目標設定や達成を振り返る1on1を実施する企業もあります。また、導入初期の企業であれば別途OKRのトレーニングや勉強会を開くことも必要になるでしょう。

そうすると、自ずとOKRにかける工数が増えることになり、業務への支障も出てくる可能性があります。この課題はしばしばOKR導入の失敗につながる問題でもあるため、工数負担を減らすために早い段階で施策を打たなければなりません。

OKR管理ツールで課題を解決する

これらの課題を解決するために有効なのはOKR管理ツールを使うことです。こうしたツールは国内だけではなく国外のプロダクトもあり、それぞれ特徴があります。

OKRを導入した際にどのような課題が出てくるかを仮説ベースで出すことや、現在OKRを実践していて課題があるのであれば、どのツールで解決できるのかをよく吟味することができるでしょう。

Resily

Resily」はOKR管理の中でも、コミュニケーションの効率化を特に重視しているOKR管理ツールです。加えて部門やチームが掲げる目標が事業の成長につながるかを、Resilyがチェックしてくれる機能も。Resilyは日本経済新聞社やSansan株式会社などが導入しています。1番の特徴として、全体の活動の方針と、進捗、ムードをツリー状のマップにし、ひと目で可視化できます。それを社内の情報プラットフォームとして活用し、個々人に適切なフィードバックを行うことができるようになります、

また、コンサルティングも提供しているため、OKRを堅実に運用したい企業におすすめです。

メリット

  • ツリー構造で社内の情報をマッピングできる。
  • 社内の情報プラットフォームをひと目で可視化。
  • コンサルティングで着実に運用を進められる。

こんな企業にはオススメ

  • 社内のコミュニケーションを増やしたい。
  • コンサルティングを受けながら堅実に運用したい。
  • ツリー構造で情報を一元化したい。

その他のツールを詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

おすすめのOKR管理ツール12選

OKRを学べるおすすめの本

OKRに関する書籍は多数出版されています。

今回はその中でも、Amazonで紙とKindleの両方が揃っている本を厳選しました。

本記事を読んでさらに詳しく学びたいという方はぜひご購入を検討ください。ストーリー仕立てになっているものなどもあり、より具体的な導入イメージが湧くはずです。

OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法

日本にOKRの手法を紹介した本書は、2018年3月に発売されました。著者のクリスティーナ・ウォドキー氏は、実際に現場でOKRの導入から運営までトレーニングしている人物です。

数多くの企業の実例を知っている著者が書いているからこそ、OKRの基本事項を効率よく学べます。

前半ではOKRの導入過程がストーリー形式で紹介されており、後半ではOKRの設定から運営までの方法が事例とともに学べます。OKRのよくある失敗例が掲載されているので、読んでおくと失敗しやすいポイントを回避することが可能です。

「シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法」は、OKRについて初めて学ぶ人におすすめです。

Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR

「なぜ」OKRがビジネスに必要なのかを詳しく解説した本です。

OKRの原理原則をストーリー形式で学ぶことができます。著者のジョン・ドーア氏は有名な投資家で、GoogleやAmazonなど現在の大企業がまだベンチャー企業だった時代にOKRを伝授し、成長を後押ししました。

こちらの本には、NGOから大企業まで各社の実例が豊富に収録されているので、自社に活かすためのヒントを見つけやすいです。

自社と状況や規模感が似ている企業の例を参考にしながら、現場にOKRを導入することができます。

本気でゴールを達成したい人とチームのための OKR

2019年4月に出版されたこちらの本は、日本人の奥田和広氏が執筆しました。そのため、日本人が理解しやすい言葉で書かれていることが特徴です。

著者の奥田和広氏は起業家であると同時に中小企業を中心にOKRの導入コンサルティングを行っています。

海外の方が書いた本は多く出版されていますが、日本人がOKRについて書いた本は少ないです。この本は、日本人の著者が日本の企業で実際に導入・運用しているOKRについて解説しているので、考え方を理解しやすくなっています。

OKRのマネジメントは組織を変える

OKRは効果は、変えたからといってすぐに結果が出るものではありません。運用して行くうちに、従業員の成長が促され、ある程度の期間が経った時に大きな結果として現れます。

今回紹介したOKRマネジメントの知識を活用して自社に合ったOKRマネジメントに取り組みましょう。

OKRは専門のコーチが必要

海外ではOKRの導入が盛んに行われていますが、その際OKR専門のコーチをつけて行うことがほとんどです。会社によって既存の人事評価制度や報酬制度、組織体系が異なるため経験豊富なコーチがいた方が成功確率はグッと高まります。

Resilyでは、140社以上にOKRを導入したノウハウを元に、コーチングとOKRツールの提供を行なっています。

「OKRを導入したいけど、何から始めればいいかわからない」
「OKRをやるからには失敗したくない」

という方はぜひResilyの資料請求フォームからお問い合わせください。

お役立ち資料

部下の成長は、目標管理で決まる。ダウンロードページ
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