2021.8.1
「レイオフってどんな意味なのだろう。リストラと何が違うのかな...」
と思っている方。
レイオフとは、「企業が従業員を『一時的に』解雇すること」です。レイオフによって人件費の削減が可能ですが、日本ではレイオフは簡単ではありません。
この記事では、
を、お伝えします。
まずはこの記事で、レイオフを大まかに理解しましょう。
レイオフ(lay off)とは、「企業が従業員を『一時的に』解雇すること」です。例えば不況などで会社の業績が悪化した時などに、レイオフが実施されます。
「一時的に」とあるように、レイオフはずっと続くものではありません。業績が回復したときに再雇用が約束されているのが、レイオフの特徴です。
しかし海外のIT企業などでは再雇用を前提としていない解雇に対しても、「レイオフ」という言葉が使われています。
前述の「一時的な解雇」に加えて、日本におけるレイオフには「一時帰休(自宅待機)」の意味もあります。
一時帰休とは、あくまで雇用関係は保ったまま、従業員を一時的に休業させることです。
ちなみに、レイオフは人事制度だけで使われる言葉ではありません。次は、サッカーにおけるレイオフをご紹介します。
サッカーにおけるレイオフとは、「後ろからくる味方に対して、ボールをパスするプレー」を指します。
後方、つまり同じゴールの方を向いた人に対してボールをパスするため、パスを受けた選手がスムーズに動けるのがレイオフの特徴です。
人事に関するレイオフのように「一時的に休ませる」という意味はありません。
次では、レイオフとリストラの違いをご紹介しますね。
レイオフとリストラの違いは、再雇用が前提とされているかどうかです。日本においてリストラは「従業員の整理、解雇」を意味します。そしてリストラにおける解雇は永続的なものであり、再雇用は想定されていません。
一方で前述の通り、レイオフは解雇した従業員の再雇用を前提としています。
しかし再雇用をしないレイオフについては、リストラとの違いはほとんどありません。
次ではリストラの本来の意味を紹介します。
リストラは、リストラクチャリング(restructuring)の略語であり、「業態の再構築」を意味します。リストラクチャリングの例としては、
があります。日本では、再構築の中でも特に「人員整理」の面が強く押し出されているわけですね。
次では、レイオフの目的をご紹介します。
レイオフの目的は、人材流出の防止です。永続的な解雇をすると、解雇された人材が別の企業に雇用され、ノウハウなどが流出する恐れがあります。
今は一時的に苦しいけど、いずれ業績が回復する見込みがある企業なら、優秀な人材はなるべく留めておきたいですよね。
「人件費を削減したいけれども、人材の流出は避けたい...」そういったときに有効なのがレイオフです。
次では、海外におけるレイオフの事例をご紹介します。
ここでは、海外におけるレイオフの事例として、
の3社の事例をご紹介します。
ドキュメント管理ツールを提供するEvernoteは2015年1月に、全従業員のうち20人を解雇しました。組織を再編し、企業全体の収益を増加させるためです。
レイオフされた従業者の中には、エンジニアやデザイナーなどが含まれていたと言われています。
韓国の大手仮想通貨取引所Bithumbは2019年3月に、従業員を310人から150人に減らすと発表しました。今回Bithumbが行ったレイオフは、再雇用を前提としない解雇です。
「レイオフされた従業員は希望退職であり、退職者に対しては再就職の支援をしていく予定である」とのコメントもありますが、業績悪化が原因である可能性は正直なところ否めません。
2019年2月の決算発表で、アメリカの大手ゲーム会社であるアクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)は、約800人の解雇を発表しました。
レイオフの対象は、プレイヤーが少なくなっているゲームの部門にいる従業員だと言われています。
次では、日本におけるレイオフ事情をご紹介します。
日本においては、一時的あるいは永続的な解雇としてのレイオフは簡単ではありません。なぜなら、業績悪化による解雇が厳しく規制されているためです。
例えば人員整理のために従業員を解雇する場合は、
の4つの条件を全て満たす必要があります。
仮にこれら4つの条件を満たさずに解雇しても、労働局などを通じて「従業員を本当にやめさせるべきかどうか」の再検討をお願いされる可能性はゼロではありません。
解雇の再検討がお願いされた実際の事例については、東京労働局『解雇に関する事案』をご一読ください。
解雇としてのレイオフは難しいですが、一時帰休としてのレイオフは解雇に比べると簡単です。
従業員を一時帰休させた場合は、休業させた日に対して、最低でも平均賃金の6割以上10割以下の休業手当を支払わなくてはなりません。
次では解雇規制が緩くなった、つまりレイオフがしやすくなった場合に備えて、レイオフの際にすべきことをご紹介します。
レイオフの際にすべきことは、以下の2つです。
まずレイオフの対象となった従業員に対して、十分な説明をしましょう。
説明の際は、数値などの具体的なデータを使って、従業員に会社の状況や解雇の必要性を理解してもらうことが重要です。
加えて説明の様子を、議事録などの形で記録しておくのも忘れてはいけません。なぜなら、記録は会社が従業員に対して説明をした証拠になるためです。
当たり前のことですが、規制にのっとった解雇をしましょう。規制に反した解雇は、労働局などによって撤回が求められる場合もあります。
規制にのっとった解雇をするためには、現状の解雇規制への理解に加えて、改正などの最新情報も知っておく必要があります。
おさらいします。レイオフとは、「企業が従業員を『一時的に』解雇すること」です。
しかし近年では「一時的」の意味は薄れ、永続的な解雇に対しても「レイオフ」が使用されるケースが増えています。
次にレイオフは人材流出の防止が目的だと紹介しました。
現在の日本では、レイオフを含んだ、人員整理としての解雇をするのは簡単ではありません。しかし、法令の変化などで解雇がしやすくなった場合に備えて、現状の解雇規制について正しい概念や仕組みを理解しておくことが重要ですね。
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