2021.8.1
「コンフリクトって何?」
「コンフリクトマネジメントはどうすればいいの?」
と思っている方。
コンフリクトとは衝突を意味する言葉です。一見マイナスな言葉に思えますが、コンフリクトをマネジメントに活用すると、組織全体がより成長する効果があります。
とはいえ、具体的な意味や使い方はわかりにくいですよね。
そこで、この記事では、
を、お伝えします。
聞き慣れない言葉で難しく感じるかもしれませんが、意外とハードルは高くありません。まずはこの記事で、コンフリクトを学ぶことからはじめましょう。
コンフリクトとは英語で「conflict」と書き、「対立」「衝突」「長期にわたる争い」という意味があります。一見すると会社にとってマイナスの状況を表しているように思いますよね。
しかし、マイナスな状況は成長のチャンスでもあります。
競い合うことで意欲が高まったり、意見を出し合うことでお互いへの理解が深まるなど、プラスの効果もあるのです。
コンフリクトマネジメントでは、コンフリクトを解消し、そこからお互いにウィンウィンな関係になることを目指します。
社内や社外での対立なども、組織を強化するための糧にするために効率的な手法です。
コンフリクトになる要素は大きく
の3つに分けられています。
例えば上司と部下という立場の違いや、仕事内容の違いなど、条件の対立はコンフリクトを生み出しやすいです。
ただし条件の対立は、比較的解決しやすいと考えられています。
思考や価値観が原因のコンフリクトが認知の対立です。考え方は一人ひとり違うので、解消までに時間がかかる場合があります。
感情が原因の対立もあります。
感情の対立まで問題が進んでしまうと、解消が難しいです。そのため、感情の対立まで進む前に、コンフリクトマネジメントを行なう意識が欠かせません。
コンフリクトをマネジメントすることで
という3つのメリットを得られます。
コンフリクトマネジメントが実現すると、対立が怖くなくなります。そして不満を溜め込む前にすんなり表現できるので、組織の改善や改革につなげることが可能です。
ゆえに感情面での対立を引き起こすことなく、組織が成長していきます。
コンフリクトマネジメントは意見の言いやすい職場を実現するため、風通しがよくなります。
誰でも意見をはっきりと伝えられるようになり、業務における議論の質を高めることが可能です。
コンフリクトが解消すると、コミュニケーションがよりスムーズになります。すると、一人では気づかなかった新しいアイディアが生まれやすいです。
議論が活発になり自分にはない視点を取り入れやすいため、質の高いアイディアが生まれます。
コンフリクトマネジメントを実践することは、組織にプラスの効果をもたらすのです。
コンフリクトマネジメントを行うためには、コンフリクトが生じたときの態度を把握することが大切です。
コンフリクト発生時の態度は
の5つに分けられます。
「強制」は、自分の意見を相手に押し付けてしまう状態をさします。自分の意見を無理やり優先しているので、相手は不満が残ってしまい対立の原因になりやすいです。
「妥協」は相手の意見を優先してしまう、あるいは自分も相手もゆずり合う状態です。お互いに満足する結果ではないため、前向きな解決と言い切れません。
「服従」は、相手の言いなりになる状態です。言いたいことを言えないので不満が残ります。強制とは反対の態度です。
「回避」はお互いに否定しあって意見をゆずらず、話し合いが解決しない状態です。解決を先送りにするので、望ましくありません。
「協調」では、お互いの意見を伝えあいウィンウィンな結果を目指して、前向きに議論します。コンフリクトマネジメントにおいては理想的な状態です。
コンフリクトマネジメントは
という3つの手順で行い、協調を目指します。
まずはお互いを尊重しあうことが大切です。その上で、意見が一致している部分と違っている部分をはっきりさせます。
はじめから否定することなく、相手の話をしっかりと聞くことが効果的です。
一致している部分と違っている部分がわかったら、コンフリクトの原因を突き止めます。
最後にどうすればウィンウィンになるかを一緒に考えます。お互いに納得する答えを見つけることが大切です。答えはお互いに共有します。
これら3つの手順にそって進めることで、コンフリクトでもめることなく、冷静かつ客観的に答えにまでたどり着けます。
組織の成長を期待できるコンフリクトマネジメントですが、取り入れるためには社員の理解が必要です。
取り入れる時は
と段階をふみながら行うことが注意点と言えます。
コンフリクトマネジメントを取り入れるのであれば、そのメリットをしっかりと関係者に説明することが大切です。
など、きちんと説明して理解を得ることをおすすめします。
いきなりコンフリクトマネジメントを実践しようとしても、現場ではとまどいが生まれやすいです。
そこで、コンフリクトマネジメントのルールを最初にはっきりさせます。
「誰が」正しいのかを考えるのではなく「何が」正しいのかを協力して探すというルールを徹底すると、お互いを尊重しながら解決策を探りやすいです。
他にも相手の意見を頭から否定しないなど、話しやすい雰囲気を作ることが大切と言えます。
話し合い後のアフターフォローもコンフリクトマネジメントを社内に根付かせる為に必要です。
話し合いの中で見つかった解決策を、時間をおいてから検証することも効果的と言えます。
話し合い後の確認を忘れずに行なうことで、コンフリクトマネジメントの重要性が伝わりやすいです。
ここからはコンフリクトマネジメントの具体例を紹介します。
システム会社では、開発部門が作成したマニュアルが運営部門に引き継がれ日々のオペレーションが実行されています。ところが、あるシステム会社でシステム障害が生じました。
開発部門は「マニュアル通りに動かしていれば問題がない」と主張します。しかし、運営部門は「新しい機能のマニュアルが次々と流れてきて対応できない」と反論しました。
この場合、開発部門と運用部門でコンフリクトが発生しています。
下手をすれば感情の対立まで発展しかねない案件でしたが、上述の通りのコンフリクトマネジメントを実施し、まずは意見が違っている部分んはどこになるのかをお互いに分析、見定め、開発部門と運用部門が協力してお互いに納得できる答えを探りました。
具体的には、マニュアルの一部が古くなっていたこと、自動化できる部分があったことなどが判明。その結果、改善が加えられ、システム障害が少なくなったのです。
開発部門はマニュアルを見直す良い機会となり、運営部門は改善が加えられてシステム障害を発生しないようにできました。会社にとってもプラスの結果です。
コンフリクトマネジメントを活用すると、社内の風通しがよくなり、わだかまりを残すことなく解決方法を見つけることができます。
おさらいするとコンフリクトマネジメントとは、対立さえも活かしながら成長につなげる仕組みです。
取り入れることで、風通しがよくなり組織が成長します。
まずは関係者にメリットを伝えることから始めることがおすすめです。
コンフリクトが発生したら、原因を突き止めて、積極的にコンフリクトマネジメントを実践していきます。
OKRとの相性も良いですので、ぜひ取り入れてみてください。