定性目標とは? 定量目標との違い、設定方法を解説しますBLOG

 2023.8.30

「定性目標とはなんだろう。」「定量目標との違いがわからない。」

と思っている方も多いでしょう。

目標管理フレームワークであるOKRMBOを使った目標管理では定性目標と定量目標を区別して立てることが推奨されています。

この記事では、定性目標の意味と設定方法、定量目標との違いを詳しく解説していきます。

目次

  • 定性目標の意味
  • 定量目標との違い
  • 定性目標を設定する3つのメリット
  • 定性目標を設定する上での5つのポイント
  • 会社の定性目標の具体例3つ

上記をすべて理解すれば、あなたとあなたの会社はより高いモチベーションを持って仕事に取り組むことができるようになるでしょう。

本記事の執筆者について

「Resily」は目標管理のフレームワークOKRのクラウドツールを170社以上に提供しています。国内企業における目標管理に携わったノウハウを基に記事を執筆しています。OKRにおけるObjectiveは定性目標を表します。ぜひこの機会に定量目標との違いや設定する意義を学んでいただければと思います。

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定性目標の意味

定性目標は、数値化出来ない目標のことです。成果に至るまでのプロセスに注目し、その行動のバリューを測るための目標でもあります。 結果ではなく「行動価値」に着目した目標であるため、「行動目標」とも呼ばれています。「定性目標」と「行動目標」の意味は同じと考えていいでしょう。

定性目標は、「目指すべき理想の状態」を表したものとも理解しておきましょう。1日10キロ走ってスタミナを付けることを目標にしたとします。これだけでは、目標の達成基準が不明瞭なため、達成の状態がわかりません。例えば、「駅の階段を駆け上がっても疲れない体を作る」といったように、現状からどう変わるかというのを考えて設定するのが定性目標です。目指すべき理想の姿を考え、言語化してみましょう。

定性目標の例

  1. 顧客満足度の向上
    具体的な数値を設定せずに、顧客の満足度を高めるという一般的な目標。フィードバックやレビューを通じて達成度を測ることが多い。
  2. チームのコミュニケーション強化
    チーム内のコミュニケーションをより円滑にし、互いの理解を深めるという目標。具体的なKPI(Key Performance Indicator)がなく、達成度は主観的に評価されることが多い。
  3. 企業文化の向上
    社員が働きやすい環境を作る、社内のモラルを高める、など企業文化に関する目標。このような目標は一般的にはアンケートやフィードバックを通じて評価される。

定量目標の例

  1. 売上の20%増加
    昨年と比べて売上を20%増加させるという具体的な数値が設定された目標。
  2. 製品の生産効率を15%向上
    同じ時間内に製品を15%多く生産する、あるいは製造にかかる時間を15%削減するといった、数値で測定可能な目標。
  3. 新規顧客獲得数を500人にする
    期間内に新規顧客を500人獲得するという具体的な数値目標。このような目標は獲得人数をカウントすることで明確に達成度が測れる。

これらの目標はそれぞれ異なる特性と評価方法を持っており、通常はこれらを組み合わせて全体の戦略やプランを作成します。

定量目標との違い

定量目標は、定性目標の対になるもので、成果到達までのプロセスと結果を数値化することで達成度を客観的評価するものです。先程の例で言うと、「駅の階段を駆け上がっても疲れない体を作る」という定性目標であれば、「10キロマラソンを1時間切って完走する。」であったり、「1日10本100m走り込みをする。」などが定量目標にあたります。

定性目標を逆算し、数値化したベンチマークを設定することで、「何をどうすれば達成できるか」というのが明確になります。よりゴールが明確に慣ればモチベーションを高く保って目標まで到達できるでしょう。

定性目標を設定する3つのメリット

定性目標の意味、定量との違いが理解できたところで、メリットも併せて理解しましょう。

企業や個人が定性目標を定めることの理由はなんなのでしょうか。

1.方向性が明確になる

定性目標の特徴として、「目指すべき理想の状態」を表すというのがある、というのは前述したとおりです。こうした数値では測れない理想の状態を明記することで、目標までの過程がブレることはありません。

単に数値が掲げられた目標を目指した場合、いつのまにか数値を追うことが目標に成り、定量を達成しても理想の状態に近づかないことがあります。定性目標は達成がわかるように、状態や条件を明確にすることで目標設定者は常に正しい方向に努力することが出来ます。

OKRクラウドツール「Resily」で定性目標と定量目標を整理して作成した例

2.問題点を早期に発見できる

定性目標を設定することで、達成のプロセスにおいて「何をするべきか」というのが分かりやすくなります。定量目標は「〜を〜%にする」といったように数値の最終目標しか定められていないためその過程にある問題点を見つけることが難しいです。定性目標は定期的にレビューを行うことで「この達成状態になるために何が足りていないか」を発見しやすくなります。

問題点を早く見つけることができれば、その分早くPDCAサイクルを回すことができるので、目標達成の確率も高くなります。

Resilyではチャットツールと連携させ
定期的な振り返りをリマインドすることができます

3.目標達成に向けての芯をブレずに保つことができる

後述しますが、定性目標には道しるべとも言える具体例というのがあります。例えば、「新型プロダクトの営業成約率60%」という目標を掲げた場合、その定性目標は「新型プロダクトの営業成約率をUPさせるために、外部の営業研修を強化しクロージングスキルを上げる。」というようなものになります。このような具体的な行動指針まで入った具体例を掲げることで、目標からブレずに達成ルートをたどることが出来ます。

定性目標は具体例を指針とすることで、目標達成に向けての芯がブレること無く成功率を高めることができるでしょう。

定性目標を設定する上で大切な5つのポイント

定性目標は数字が入ったものではないため、大胆かつ野心的な目標である一方、目標達成が難しいような目標になってしまいがちです。

企業、個人が定性目標を設定する上で、しっかりとした目標が立てられるように大切な5つのポイントを押さえておきましょう。

ポイント① 目標達成に至るまでのプロセスに着目する

定性目標は、定量目標と違い結果を数値で測ることが出来ません。目指している目標が数字に表すことが出来ない場合はそのプロセスを重視しましょう。「何をどうすればどの目標が達成できるのか」という問いを持つことが大切です。

まずは定性目標から逆算をしてみましょう。その目標を達成するまでにどのようなプロセスを経過するのか書き出してみます。自ずと、キーポイントが見えてくるでしょう。そうして洗い出したキーポイントを指標にすれば、定性目標に対しての進捗・達成率が見えてきます。

Resilyで定量目標を更新する際は
数値と達成自信度を入力します

ポイント② 定量目標との按配を考える

定性目標と定量目標の配分を考えることは大切です。数字ばかり追った定量目標を重視してしまっては個人やチームのメンバーは疲弊してしまうことでしょう。

一般的に目標設定は定量:定性=6:4の割合で決めます。定量目標ではしっかりと数値を追いかけ個人のスキルを伸ばし、定性目標では自分、チーム。企業が鼓舞されるような目標を立てます。バランスの良い目標は、達成困難な状況下でも励まされ楽しんで取り組むことが出来ます。

ポイント③ 短期・中長期の目標を分ける

定性目標の目標達成のスパンは以下のように決めます。

  • 目標達成:中長期目標
  • 達成プロセス:短期目標

長いスパンでの目標は中長期の定性目標で設定し、達成までのプロセスは具体的な行動を設定した定性目標、もしくは定量目標を設定します。

ポイント④目標を掲げる目的を明確にする

目標を設定する上で大事なことは「目的意識」です。その目標を達成することでどうなりたいのか、なぜその目標を立てなければいけないのかを考えましょう。

目標を雪堤する目的は大きく分けて以下の2つに分けられます。

  1. 現状を改善する目標
  2. 新しく何かを始める目標

現状を改善する目標は例えば、「今期の売上が悪いので、来期は3倍を狙おう」といったものです。

新しく何かを始めるための目標は、習慣づくりであったり、何かのスキルを習得するような目標です。

まずは自分の目標の目的は何かを考え、それを達成するために適切な定性目標と具体例を考えましょう。

ポイント⑤定期的に振り返る

フィードバックのない目標は形骸化してしまう可能性があります。

目標達成の過程を正しく歩めているかを確認するために定期的に振り返りの時間を設けましょう。部下個人の目標であれば上司が定例の1on1ミーティングをしてあげるのは1つの方法です。チームの場合は週頭のチェックインミーティングでPDCAを回していくのもいいでしょう。目標管理手法であるOKRのフィードバック方法は参考になるので下記の記事も参照してみてください。

OKR・1on1クラウドツールResilyの1on1管理画面
OKR・1on1クラウドツール「Resily」で複数人の1on1を管理

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会社の定性目標の具体例3つ

ここでは会社が設定する定性目標の3つの主な具体例を学んでいきましょう。

会社目標の具体例ですが、個人、チームの目標を設定する際に学べることもありますので是非参考にしてください。

①売上目標

企業にとっての売上目標はまさに要といえるでしょう。通常、売上目標は数値化した定量目標で表されます。「新規顧客を開拓し、今期売上3000万円を目指す」といったものです。

売上目標の数値化出来ない部分を定性目標で補いましょう。例えば「売上アップのために新たな市場開拓をする」など具体例を出しましょう。

②顧客満足度の目標

顧客満足度はNPS(Net Promoter Score)などを使って数値に起こすことはできますが、実際の満足度を測ることは難しいです。

顧客満足度の定性目標の具体例として、「顧客満足度をUPさせるために、接客技術向上に関する研修を定期的に行う」のような目標は立てることが出来ます。

③新規市場開拓の目標

市場開拓などについての目標は通常、定性目標で設定します。開拓したか数を数値化して目標にせってすることも出来ますが、いくつ開拓できたかに囚われてしまっては本質を見失ってしまうでしょう。

具体例として、「市場開拓のするために○日までに医療機器メーカーを訪問する」といった具体的な目標を立ててみましょう。

具体的な定性目標を立てて、目標を遂行しよう

今回の記事では、定性目標の意味とメリット、具体例について学んできました。定性と定量のバランスを持った目標を持つことが目標を設定する上で何よりも重要です。定性目標は「理想の状態」を言語化した目標であり、それを目指す成果指標として定量目標があります。両方を意識したバランスの良い目標を立て、達成に向けて努力していきましょう。

本記事を執筆したResilyはスタートアップから大企業まで幅広い組織で採用され始めている「OKR」を管理するツールを提供しています。

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  • 聞いたことはあるけど詳しくは知らない方
  • OKRをこの機会に勉強してみたい方

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