2022.3.31
企業に欠かせない人事部ですが、「何をしている部署なの?」「どうしたら人事部の仕事に就けるの」と知らない方も多いようです。
そこで今回は、人事部について以下のことを紹介します。
この記事を読むことで、人事部の仕事についての理解が深まるのでぜひ参考にしてください。
また、人事の基礎知識として知っておきたい人事評価方法「OKR」について興味のある方はこちらも読んでみてください。
OKRとは?Google採用の目標管理フレームワークを導入事例を交えて紹介。KPIやMBOとの違いも解説
人事は人材に関する業務を行う部署です。
会社の4大経営資源として「ヒト・モノ・カネ・情報」があり、人事では「ヒト」を扱います。
社員が仕事で最大限のパフォーマンスを発揮できる環境づくりを人事部が担っているのです。
仕事内容としては、主に、社員の採用、教育、評価、人事異動などを行います。人事部は経営者との関わりも強く、経営戦略にもとづいて人事の仕事を遂行することが多いです。
人事部はよく、総務部と混同されがちです。しかし、この2つの部署は役割や業務が異なります。
総務部の役割は社内のサポート業務がメインです。あらゆる部署の事務作業を集約して行います。
総務部の業務内容としては、以下の通りです。
細かい内容は会社によって異なりますが、総務部が上記の業務を行うことで、他の部署が円滑に業務を行えるのです。
一方、人事は人材に関わる業務がメインです。人材の教育や評価などを行い、最も企業の利益につながるような人材配置をする役割があります。
ただし、企業によっては人事部と総務部を1つにまとめて運営しています。
企業には、人事部が必要不可欠です。理由として以下の2つがあります。
それぞれ詳しく見てみましょう。
社員一人ひとりの情報をまとめて管理するため、人事部が必要です。
企業が利益を生み出すには、適切な人材配置が求められます。正確に人材を扱うためには、常に人材の経験やスキルを把握できる状態が望ましいです。
人事部を設置することで、人材の情報を集約できるようになります。
そうすることで、経営資源である「ヒト」を最大限に活用でき、業務の円滑に進められるのです。
また、人材の経験やスキルを把握することで、「どのように育成していくか」などの方針を決めやすくなります。
人事部による管理によって社員の成長を促せるため、直接的でないものの、利益貢献に大きく関わります。
社内の人事情報をまとめることは、人事部にとって重要なミッションなのです。
人事部には、経営層をサポートする役割もあります。
人材の採用や人事異動は経営者の戦略に沿って行われます。本来であれば、経営者が人事に関する業務を行った方が、望んだ通りの人材確保や人材配置を行えるでしょう。
しかし、経営者の業務は人事以外にもたくさんあるため、戦略を立てても、実行する時間がありません。もし経営者が採用活動に時間を割いてしまうと、他の利益に関わる業務ができないため、企業の稼ぐ力が弱くなります。
そのため、経営を行う上で必要な資源である「ヒト」を専門的に扱う人事部が必要なのです。
人事部は、経営陣の理解者として人事業務を行うことが求められます。策定した経営戦略を実現するためにも、人事部は重要なポジションです。
人事部が行っている業務として、主に以下の3つがあります。
それぞれ詳しくお伝えします。
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社内の人材育成が人事部に求められている仕事の1つです。社員の経歴や役職に合わせて適切な教育を行います。
研修などを実施することで知識や能力を身につけてもらい、業務の質を向上させます。
たとえば、新入社員研修は、人事部で行う代表的な研修の1つです。新卒採用や中途採用で入社した社員を対象に、企業理念や会社の方針について伝えます。
新卒者には、社会人としてのルールやマナーも教え、会社にうまく馴染めるよう促すことも人事の役目です。
研修には、管理職を対象にしたモノもあります。新しく部署の管理職についた社員に対して、マネージャーとしての業務について指導します。
担当部署の方針の決め方や、部下の業務調整を行うスキルを養うことも人事の重要な仕事です。
他にもさまざまな研修があり、人事が中心となって企画・運営を行います。
人事にとって、社員の評価も重大な仕事の1つです。社員の業績を評価し、昇給・昇格や人事異動などを行います。
ひとえに人事評価といっても、年間を通して以下のことを行わなければなりません。
人事部では評価のスケジュールを立て、予定通りに遂行しなければなりません。上司と部下の面談によって、人事側が評価を行います。
評価で大切なのは、誰が見ても公平であることです。公平でないと、社員が会社に対して不信に思う可能性があります。
人事評価制度に沿った客観的な評価が人事には求められます。
人事は経営戦略や企業理念に基づいた人材を獲得するために、採用活動をします。
人事部では年間を通して、採用に関する以下の業務を行います。
経営陣や各部署のマネージャーの話をもとに、採用計画を立て、必要な人材を募集します。
具体的に必要な人材をイメージしながら求人広告を作成して掲載します。会社の理解度を深めてもらうために説明会を行うことも人事の業務です。
応募者を募り、書類や面接で選考して、最終的に人材を採用します。
選考では、応募者から「会社が求める人材か」や「長く働ける人材か」を見極めることが大切です。
人事採用にはコストがかかるので、自社に合わない人材やすぐやめる人を採用しないよう注意が必要です。
人事部では、人材を適切に見極めて採用を行う役割が任されています。
人事部は会社によって業務範囲が異なり、本来別の部署が行うような業務を担当する場合があります。
以下の2つが人事部に関わる業務ですので、それぞれ詳しく解説します。
労務管理は、社員が安心して働ける体制を整備・運用する仕事です。一般的に労務部が行う業務ですが、小規模の会社などでは、人事部で行うこともあります。
人事部が労務の仕事を兼任する理由として、経営資源の「ヒト」を扱う業務という共通点があるためです。
労務管理は具体的に以下のような業務があります。
採用した人材が自社で長く働けるような環境づくりを行います。保険や税金などの法的な手続きを行うことがあるため、法律の知識も求められます。
給与計算は労務や経理の業務ですが、人事が行う場合もあります。
業務内容としては、社員の給与を計算し、給料日に振込みを行うことがメインです。
勤怠実績にもとづいて総支給額を計算し、社会保険や税金などの控除額や、手取り額を算出します。
また、税金の支払いに関しても給与計算の業務です。給料から源泉徴収額を計算し、社員の代わりに税金を納めます。社会保険についても、保険事務所への支払いが必要です。
給与計算は、間違いがないように業務を遂行しなければなりません。
社員にとっては生活がかかっているため、就業規則にもとづいて給料日に正しい額を振り込む義務があります。振り込んだ給料額が正しくないと、会社に不信感を抱くため注意が必要です。
また、税金を計算ミスした場合、法律に則り、追徴課税として本来払う予定だった額よりも多く支払う可能性があります。
給与計算は正確な計算スキルが求められます。
人事部の仕事には、業務上求められるスキルが以下の3つあるので、それぞれ詳しく解説します。
人事には社内外でさまざまな人と話す機会があり、コミュニケーション能力が求められます。
たとえば、採用面接で、応募者から本音を聞き出すときに必要です。相手から話を引き出せるほど、「自社が求める人材か」を判断しやすいため、人事には聞く力が求められます。
また、社内でも人事評価や採用の計画を立てるときにも、コミュニケーション能力が役に立ちます。
人事部は業務の内容上、経営陣や各部署のマネージャーなどの人たちと話す機会が多いです。
日程調整や採用計画のヒアリングで相手の望んでいることを汲み取り、正確に反映させる力が求められます。
さまざまな人とうまく関わるためにも、人事部ではコミュニケーション能力が必要なのです。
スケジュールを正確に把握し、予定通りに業務を行う必要があります。採用活動では、常に選考スケジュールの管理を行わなければなりません。
応募者一人ひとりの面接時間の調整など、細かいスケジューリングが多々あります。他にも、経営陣や各部門のマネージャーと人事に関する会議を行うために、日程調整をしなければなりません。
また、採用活動と同時に人事評価や人材育成も行うため、マルチタスクになることがよくあります。
業務量が多い中で予定通りに遂行しなければならないため、徹底した自己管理スキルが求められます。
自身のタスクとスケジュールを把握し、気持ちに余裕を持てる人が人事として仕事をこなせるのです。
人事では、機密情報を適切に扱える能力が必須です。
人事は業務上、社員や応募者の個人情報やトップしか知らない機密情報を扱わなければなりません。情報を漏らさないよう徹底的な管理が求められます。
もし社外に機密情報を漏らしたら、企業が社会的信用を失い、経営面からも大きな損害を受ける可能性があります。
口外した人も信頼を失いますし、流出させた情報によっては懲戒処分を受けるかもしれません。
人事は他部署よりもコンプライアンスを遵守し、違反を起こさないようにする義務があります。
人事部門に入って働く方法は以下の3つがあります。
それぞれ詳しく解説しますので見てみましょう。
現職で希望を出して人事に異動できます。
実務経験がなくても、これまでの働き方や人柄を参考に、人事部の適性があると判断されるケースがあるのです。
もし希望したいのであれば、人事スキルを持っていることをアピールしましょう。
人事部では、誰とでも違和感なく話せるコミュニケーション能力やスケジュールの管理能力が求められます。そのため、現職でスキルを培い、実績として伝えられるといいでしょう。
人事は他部署との連携も必要なため、希望する前に社内の人員構成を理解しておくことも大切です。
ただし、社内の人事には空きがないこともあるため、異動希望が通らない可能性もあります。
中途採用に応募して、人事担当になる方法があります。
人事は退職によって欠員した場合によく採用募集が行われます。そのため、人事の求人募集はあまり多くありません。
求人内容も、人事経験者必須を条件にしていることが多く、未経験だとかなり狭き門です。
もし未経験で転職したいのであれば、雇用形態を絞らずに求人案内を見るとよいでしょう。
派遣やパートで人事に関わる業務を募集している会社もあるので、ぜひ探してみてください。
未経験で転職を成功するには、「志望動機」がポイントです。「どうして前職と違う人事がやりたいのか」を考え、自身のスキルとともに魅力的な志望動機を伝えられるようにしましょう。
人事の仕事は副業でも行えます。
たとえば、本業とは別に業務委託の形で人事の仕事を受ける方法があります。
自分のペースで人事の仕事ができるので、本業にも支障が出ません。
また、採用・研修・人事評価のすべてを行う必要はなく、自分ができることだけに絞って作業できます。
ただし、企業は外部委託先に対し、専門性を求めているため、未経験からの副業は難しいです。
もし未経験から仕事をもらうのであれば、未経験者OKで単価が低い業務に応募してみましょう。少しずつ実績を積み重ねることで、副業で稼げるようになるかもしれません。
人事部の仕事について紹介しました。
人事部は「ヒト」という貴重な経営資源を扱う重要な部署です。経営戦略から人事の計画を決定することもあり、経営者との関わりの強いです。
もし現職で人事に携わりたいと考えているのであれば、ぜひ希望を出してみましょう。もし人事部が空いていなくても、副業でもできますのでぜひ挑戦してみてください。
また、人事部に興味がある方は、人事に関する基礎知識を身につけておくことをおすすめします。
学習の第一歩として、さまざまな企業で採用されている目標管理手法「OKR」について学んでみましょう。興味のある方は、こちらのページを読んでみてください。
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