2023.8.14
「1on1について詳しく知らない」
「1on1と人事面談の違いがわからない」
このように、1on1についての理解が浅く、導入までのイメージがわかない方もいると思います。
本記事を読むと以下の内容がわかります
1on1の導入を検討している経営者の方や人事担当者の方は参考にしてみてください。
1on1とは、上司と部下が1対1で行う定期的な面談(ミーティング)を指します。
1on1ミーティングとも呼ばれ、週に1回~月に1回ほどの頻度で、1回あたり30分~60分ほどで実施されることが一般的です。
上司から一方的な評価を伝える面談ではなく、1on1は上司と部下の「対話」を重視しています。
ヤフー株式会社が1on1を人事施策として導入したことで、注目され始めました。
1on1の目的は、部下の成長を促進することです。
部下が業務を行う中でうまくいったことや失敗したことを、1on1で上司と一緒に振り返り、部下の成長を促します。
業務での困りごとや、チームの課題への解決策を上司と部下が一緒に考えることで、部下の生産性を上げられます。
週1回くらいの頻度で1on1を行うと、部下が自分で振り返りをできるようになるでしょう。
部下が自立して成果を出せるような人材になることで、会社全体の生産性が高まります。
1on1と人事面談は、目的や話す内容が異なります。
それぞれの違いを以下の表にまとめました。
1on1 | 人事面談 | |
目的 | 部下の成長を促すため | 部下を評価し処遇を決めるため |
話す内容 | プライベート業務の悩みごとキャリア健康状態 | 評価結果次の目標 |
コミュニケーション | 上司・部下ともに双方向的 | 上司から部下に対して一方的 |
頻度 | 週に1回~月に1回ほど | 四半期に1回~年に1回ほど |
人事面談は、部下を評価し処遇を決定するために実施され、上司から部下に対して一方向的に評価を伝える面談です。
人事評価の制度をこれから導入しようとしている経営者の方や人事担当者の方は、人事評価について解説している以下の記事を参考にしてみてください。
1on1を行うメリットは以下のとおりです。
「上司と部下の信頼関係を築ける」ことが、1on1を行うメリットの1つです。
1on1では、部下の「業務での悩みごと」や「健康状態」、「プライベート」について話します。
ときには、上司の悩みごとやプライベートなことも1on1で部下に共有する場面も。
定期的に1on1を行い、部下の悩みを解消し、上司も自身についてありのままに話すことで、上司と部下の距離感は近くなり信頼関係が構築されていきます。
1on1を継続して行えると、部下が悩みを共有できずに突然辞めてしまうことを未然に防げます。
「部下のモチベーションが向上する」ことも、1on1を行うメリットです。
1on1で上司が部下の仕事の悩みを聞くことで、部下は上司から業務を見てもらえている感覚を得られ、モチベーションが向上します。
たとえば、「残業すると幼稚園に通っている子どもの迎えに間に合わない」という不満を1on1で部下から聞いたとしましょう。
これに対して、部下が子どもの迎えに間に合う時間に帰るために、上司が部下の業務量をチェックして、業務が多い場合は他の社員に任せる対応をしたとします。
上司がこのような対応をして部下の働く環境が改善されると、部下のモチベーションが向上します。
1on1の具体的なやり方は、以下の4ステップです。
1on1を実施するとき、まず目的を決定し部下に共有しましょう。
部下に目的を共有せずに「1on1をやるから30分あけてほしい」といった伝え方では、部下は「業務が増えて面倒くさい」と思ってしまいます。
1on1を行う目的を共有しないと、「上司から評価されるのかな」と不安になってしまう部下もいるため、注意が必要です。
以下のように、目的をはっきりと伝えることがオススメです。
目的を共有して部下の納得を得られると、部下の1on1への取り組み姿勢は積極的になり、自身のことをありのまま話してくれます。
目的を部下に共有した後、具体的な日時・場所を決めます。
日時・場所を決めるときは、上司の都合だけで決めずに、部下の都合や要望を聞きましょう。
上司の都合だけで日時や場所を決めてしまうと、「上司は自分の話を聞いてくれない」と部下は思ってしまい、自身のことを話してくれない可能性もあります。
部下にとって他の人に聞かれたくない話をする場合もあるため、1on1の内容に合わせて場所を変更しましょう。
将来の明るい話をするときはカフェやラウンジ、深刻な話をするときは2人きりになれる会議室にするといった選び方がオススメです。
1on1を行う日時・場所が決まったら、上司と部下で1on1を実施します。
話しやすい雰囲気を作るために、上司は部下の話を「傾聴」することを意識し、上司が一方的に話さないようにしてください。
また、1on1を実施するときには、必ず内容を記録しましょう。
1on1の内容は上司と部下がお互いに見られるようにすると、認識の齟齬を避けられます。
クラウド上で1on1の内容を記録・管理すると、上司と部下がいつでも内容をチェックできるのでオススメです。
1on1の内容を管理するためのクラウドツールもあり、情報を一元管理したい方はチェックしてみてください。
1on1の最後に、次回の1on1を行う日時・場所を決定します。
1on1が形骸化しないようにするために、次回の1on1まで時間が空かないようにしてください。
日程調整するのが面倒であれば、「毎週火曜〇時~〇時まで」のように固定してしまうのもオススメです。
仮に上司と部下のどちらかの都合が悪くなった場合は、すぐに1on1のスケジュールを別の日時に設定します。
1on1を継続して行うと、部下に振り返りの習慣が身につき、部下から上司へのコミュニケーションも取りやすくなります。
定期的に1on1を行い、部下の悩みや不満にすぐに対応できるようにしましょう。
1on1で具体的に取り扱う内容は、以下のとおりです。
部下の業務に関する悩みごとについて、1on1で話しましょう。
「普段、業務で悩んでいることがあるが、相談できていない」という社員もいます。
部下が悩んでいることに上司が寄り添ってあげることで、部下のモチベーション低下を防ぎ、生産性向上につながります。
部下の業務に関する悩みごとを確認するポイントは以下のとおりです。
業務で問題が起きている場合は、課題と解決策を部下が出せるように促します。
上司に対する意見や要望を聞き、より良い人間関係を構築しましょう。
部下が実現したい中長期的なキャリアも、1on1で取り扱いたいテーマです。
上司は部下のキャリアの希望を理解し、キャリア実現のための支援をすることが重要です。
中長期的なキャリアが明確になれば、社内でのキャリア展望が見え、部下のモチベーションや生産性向上につながります。
1on1では、以下のようなテーマで部下のキャリアについて話します。
部下に中長期的なキャリアの目標がない場合は、好きな仕事や大事にしている価値観などから、目標を一緒に設定します。
中長期なキャリアが明確であれば、部下と一緒にキャリアを実現するために必要なことを洗い出し、明日からできることを考えましょう。
部下の健康状態についても、1on1で部下と話します。
メンタル面で不調を抱えていても、社内の人に相談できない人もいます。
周囲に相談できないことで、さらにストレスを抱えてしまい、休職や退職というケースも。
1on1で部下の健康状態について上司が相談に乗り、体調が良くなるようにフォローしてあげましょう。
部下の健康状態について聞くとき、以下のポイントを意識しましょう。
定期的に面談を行い、部下がどこにストレスを感じているか把握することが大切です。
部下が抱えている悩みやストレスに応じて、業務の割り振りや人員配置を変更し対応しましょう。
プライベートでの出来事についても、1on1で話したい内容の1つです。
趣味や好きなものなどプライベートでの出来事を共有すると、お互いへの理解が深まります。
部下だけでなく、上司のプライベートでの出来事も共有することで、話しやすい雰囲気が生まれます。
1on1のアイスブレイクとして、プライベートについて話すのもオススメです。
プライベートについて話すときのテーマの一例をご紹介します。
プライベートについて1on1で話すときは、ハラスメントにならない範囲で話をするように気をつけましょう。
上司が積極的に自身についてさらけ出して、明るい雰囲気を作ってみてください。
1on1の効果を高めるポイントは、以下の3つです。
1on1を導入する目的を会社全体で明確にし、上司・部下に周知することで、1on1の効果を高められます。
経営層や人事担当が1on1の導入目的や目的達成のために必要なことを、事前に設定しておくことが重要です。
1on1の導入目的が事業や組織の課題と結びついていない場合、社員が1on1の必然性を感じられず、1on1が浸透しない可能性もあります。
経営層や人事担当が全社会議や研修を実施し、現場の管理職に1on1について周知しましょう。
1on1の効果を高めるために、上司が必要なスキルを身につけることも必要です。
上司が身につけるべきスキルは以下の2つです。
「コーチングスキル」と「フィードバックスキル」を上司に身につけてもらうために、研修を実施している企業もあります。
1on1で部下の考えや悩みを傾聴するために、コーチングスキルを身につけましょう。
ここでのコーチングとは、部下に自分の考えを整理させ、問題解決のための行動を促し問いかけを行うことです。
コーチングでは、相手が答えを持っているというスタンスに立ち、答えを与えないことが求められます。
コーチングスキルを上司が身につけ、適切な問いを部下に与え、成長を促してあげましょう。
1on1を行う際、コーチングスキルに加えて、フィードバックスキルも上司に求められます。
1on1でのフィードバックとは、部下の失敗や周囲からの見え方を伝えることを指します。
フィードバックの一例は以下のとおりです。
部下からしたら耳が痛くなるような指摘を上司からフィードバックし、部下の成長を促しましょう。
フィードバックするときは、以下のような「人格の否定」をしないように注意してください。
上記のような「人格の否定」はパワハラに当たり、部下の心身に悪い影響を与えるため、決して言ってはいけません。
部下の性格や生き方を否定するのではなく、上司と部下の意見の違いを伝えましょう。
部下が話しやすい雰囲気をつくることも、1on1の効果を高めるために必要です。
1on1は、部下が悩みごとやキャリアについて話す場であり、上司が一方的に話す場ではありません。
部下が話しやすいように、上司は気になる点や評価を話すのではなく、傾聴することを意識してください。
話しやすい雰囲気を作るために上司が行いたいことの一例は以下のとおりです。
部下の話で気になったことや仕事について言いたいことがあった場合、1on1ではなく別の機会に部下に伝えてあげましょう。
1on1は、部下の成長を促すために、上司と部下が1対1で短いスパンで定期的に行う面談(ミーティング)です。
評価面談は上司から一方的に評価を伝える場に対し、1on1は部下の話を傾聴して成長を促す場です。
1on1を行うと、上司と部下の信頼関係を構築でき、チーム内での問題解決も円滑に行えるようになります。
社員の伸び悩みや人間関係について課題を感じている経営層や人事担当の方は、1on1を導入して、社員の成長を促し、会社の生産性を高めましょう。
Resilyの1on1機能を使えば担当する部下の1on1スケジュールと過去の議事録を1つの場所で管理することができます。シンプルで強力な目標管理フレームワークであるOKRと1on1を組み合わせて使うことで、マネージャーの負担を軽減しながら、強い組織マネジメントを可能にします。
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