2023.8.14
効果的な1on1を実施するには、1on1ミーティングシートが必要だと聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?しかし、1on1ミーティングシートといってもどんなことを記入するのか、どのように使うのかイメージしにくいかもしれません。
この記事では、1on1で使用すると効果的な各種シートの作成方法と運用方法を解説します。チーム別のテンプレも紹介していますので、作り方に迷ったときはぜひ参考にしてみてください。適切な1on1ミーティングシートを作成することで、ミーティングの効果を大きく高められます。
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→1on1のテーマで使える7つの具体例 | 1on1の効果を高めるポイントも紹介
1on1ミーティングシートとは、管理者と従業員が1対1で実施する定期的な面談(1on1ミーティング)で活用するためのシートです。シートにはあらかじめ1on1で話したい内容を記載する部分と、ミーティング中に気づいた点を随時記入する部分があります。
1on1におけるアジェンダとして活用できるだけでなく、ミーティング内容を記録して次回に繋げるためにも役立ちます。
1on1を効果的なものとするためにも、これらのポイントを押さえつつミーティングシートを作成しましょう。これから具体的な記入項目や作成時のコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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1on1ミーティングシートを効果的に活用するには、必要事項をきちんと盛り込む必要があります。とくに忘れずに記入しておきたい要素は以下の5つです。
それぞれどのようなことを意識するとよいのかまとめました。効果的な1on1シートを導入するためにも、作成する前に一通り確認しておきましょう。
従業員一人ひとりが担当している業務に対してどのような目標をもっているか、将来のキャリアプランについてどう考えているのかを記入しましょう。具体的に記入するとよい内容は以下の通りです。
これらの内容をシートに記入することで、それぞれの従業員がどのような思いで業務に取り組んでいるのか、将来どうなりたいと思っているのかを可視化できます。企業として従業員に適切なキャリアパスを提示する助けにもなるでしょう。
業務や目標に関する情報を記載したら、シート作成時点でそれぞれの業務がどの程度進んでいるのか、目標の達成状況はどうなのかをあわせて記載しましょう。進捗状況を明記することで、予想通り進んでいるのか遅れが発生しているのかを正確に把握できます。
改善点を把握して必要に応じてサポートするのに役立つため、1on1を通して状況を把握するように努めましょう。
業務において成功したポイントと失敗したポイントをヒアリングし、正しく記憶することも大切です。それぞれ以下のポイントを意識するとよいでしょう。
具体的な例として、以下のように記入すると効果的です。
1on1を行う管理者側は、ミーティングシートに記載した内容に応じてフィードバックしましょう。適切なフィードバックを行うことで従業員のさらなる成長を促せます。フィードバックを記入するときに押さえておきたいポイントは以下の通りです。
所属するチームによって状況が異なります。ひとりひとりの状況に応じて適切にフィードバックするのが成長につなげるためのコツです。
実際に1on1を行うと、ここまでで紹介した4つのポイントに該当しないものの、メモしておいたほうがよいと思うことが出てきます。それらも今後の業務や次回のミーティングに活用できる可能性があるため、メモとして記入しておきましょう。メモしておくとよい内容の具体例は以下のとおりです。
ミーティングを通じて明らかになった点を具体的に記入することで、いつの間にか忘れてしまうことを防げます。
次に、実際に1on1ミーティングシートを作成するときの参考になるテンプレートをご紹介します。今回は、社内の以下の3チームを想定してテンプレートをまとめました。
それぞれ取り組まなければならない具体的な業務内容が異なるため、シートに記載すべき事柄にも違いがあります。1on1ミーティングシートの作成で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
※例文 [目標] 来月末時点におけるオウンドメディアの月刊PV数を、先月末時点より1,500,000増やす [進捗状況・達成状況] 今月末時点の月間PV数が先月比+1,000,000となっており、順調に推移している [成功したポイント] 適切なSEOを施した集客用記事を1日1本のペースで投稿し続けた [失敗したポイント] 作成を担当する従業員によってクオリティに大きな差がある [フィードバック] 従業員によって作成した記事にクオリティ差があるのは事実なので、マニュアルを整備するなどして全体のクオリティアップを考える必要があると考える [備考] 全体としてモチベーションが高い印象だったマーケティングリーダーを目指しているようなので、スキルに応じてキャリアアップの機会を提示したい |
この例では、従業員が提示した失敗点をどのようにしたら改善できるか適切なフィードバックを提示しています。気づいた点についても的確に記載しており、成長につながる1on1ミーティングシートです。
※例文 [目標] 来月末までに新規契約を10件獲得する [進捗状況・達成状況] 今月末時点で新規契約を2件しか獲得できておらず、目標達成が非常に難しい [成功したポイント] 営業用の新たな資料を作成し、商品自体に興味をもつユーザーが増えた [失敗したポイント] 商品に興味をもっても購買につなげられないケースが多いため、アプローチ方法を見直す必要がある [フィードバック] 新たな資料を作成しているが、内容が不十分な印象があるユーザーがイメージしやすいように事例を盛り込むと購買につながりやすくなると考える [備考] 思ったように成果が出ず、モチベーションが低下しているように感じたチーム全体としてもあまり協力的でないため、改善が必要と見受けられる |
こちらは、営業目標の達成が難しい場合の1on1例です。具体的な改善策を提示しており、従業員が何に取り組めばよいのかわかりやすいため、改善行動につなげやすいでしょう。
※例文 [目標] 来月の月間売上を先月より50%増やす [進捗状況・達成状況] 他社製品があまり実装していない機能を実装することによって売上を多少増やせたが、目標達成にはまだ遠い [成功したポイント] 他社製品が実装していない機能を実装することで、自社製品に興味をもつユーザーを増やせた [失敗したポイント] 機能面での差別化を図っているが、ハイエンド製品の売上につながっていない [フィードバック] 当社製品を選択するユーザーは価格重視のユーザーが多く、ベーシックな製品の売上が大半を占めている今後は価格よりクオリティ重視のユーザーを増やす必要があるため、機能面だけではなくユーザビリティの向上も意識するとよいと思う [備考] 新機能実装に意欲的なのはよいと思うが、ユーザーのニーズから若干外れていたこれは会社としての課題なので、開発とマーケティング・営業の連携をさらに強めたい |
この例では、売上目標を達成するために差別化に取り組んでいるものの、あまり効果が出ていません。1on1を通して従業員やチームの課題だけではなく、会社側の課題が見つかることもあるでしょう。全社的な改善を促すことにもつながります。
効果的な1on1ミーティングシートを作成するには、ほかにもいくつか押さえておきたいコツがあります。ここでは、とくに重要なコツとして以下の4つを紹介します。
WordやExcelなどでテンプレートを作る際に、これらのポイントを考慮しておけば忘れてしまうことを防げるでしょう。
1on1は管理者と従業員が1対1で行うミーティングですが、誰でも円滑に会話できるとは限りません。自分から積極的にコミュニケーションを取ってくれる人なら問題ありませんが、そうでないなら会話に困ってしまいがちです。そのため、以下のような会話を促す質問を盛り込むとよいでしょう。
従業員が自分の言葉で答えられる質問をすることで、自主的な会話を促せます。ただし、会話を促すためだからといってプライベートなことを質問するのは、プライバシーの侵害になる可能性が高いので注意してください。
1on1を実施する主目的は「従業員の成長を促すこと」です。したがって、以下のように従業員の持続的な成長につながる質問を盛り込むとよいでしょう。
成長を促すためにはOODA(観察・状況判断・意思決定・行動)の一連の流れを意識しましょう。従業員が自発的にこれらの行動を取れるような質問を意識してください。質問を盛り込んだ1on1ミーティングシートの一例は以下の通りです
[ 質問1: 現状の業務で課題と感じていることはあるか?] 営業日報の作成に多大な時間がかかっており、本来の営業活動に充てる時間が減っている [ 質問2: なぜそのような状況に陥っていると考えるか?] 営業活動が終わった後に会社に戻って日報を作成するフローになっており、非効率なのが原因と考える [ 質問3: どのように改善すればよいと思うか] SFAを導入してオンライン化し、営業日報の作成を出先で行えるようにすれば1時間以上の時間を削減できるため、導入を進めたい [ 質問4: 次にどのようなアクションを起こせば良いと思うか] 具体的なSFAツールを選定し、トライアルを利用して試験的に導入する |
企業が組織として一体感を保ちつつひとつの目標にコミットするためには、強力な信頼関係が欠かせません。
「何かチームや会社に対して不満を感じているポイントはないか」と質問するなど、企業側が一体となって問題解決に取り組む姿勢を見せるのもよいでしょう。信頼関係を高めることで、全メンバーが協力して業務に取り組む姿勢を構築できます。
従業員のモチベーションを高めるのも1on1の主目的です。したがって、キャリアプランや目標を問う質問も盛り込みましょう。
従業員が明確なキャリアプランを描いていない場合は、「マネージャーやリーダーを目指したいと思っているか?」「新たな製品を開発しているが、開発リーダーとして参加してみないか?」など、企業側からキャリアパスを提示する方法もあります。
1on1を実施するときには、ミーティングシート以外にも用意しておきたいシートがあります。今回は以下の2種類について紹介しますので、ぜひ利用を検討してみてください。
それぞれのシートをどのように作成するか、1on1の現場でどう活用するかをまとめました。
記録シートとは1on1を実施するとき、適切にフィードバックするために日々の業務を記録するシートです。シートに記入するときは「どんな業務に取り組んだか」「結果はどうだったか」「フィードバック内容は何か」を意識しましょう。具体的な例は以下の通りです。
具体的に業務の様子を記録しておけば、1on1のときに何を話せばよいか明確になります。
結果シートは1on1で話した内容を記録するシートです。ミーティングが終わったらすぐに作成し、1on1を通して新たにわかったことや次回につなげたいことを記入しましょう。具体的には以下のような内容を盛り込みます。
結果シートを準備しておくことで、管理者側はミーティングを通して従業員ひとりひとりを深く知ろうと努力するようになります。
1on1ミーティングシートを作成することで、あらかじめ準備しないで1on1に望むケースに比べて大きな効果に期待できます。期待できる主な効果は以下の3つです。
それぞれのポイントを簡単にまとめましたので、事前にチェックしておいてください。
事前に準備したシートにもとづいて1on1を実施することで、まったく準備しない場合に比べてミーティングのクオリティが向上します。1on1は1ヶ月に1回など定期的に実施するものです。
毎回のミーティングをシートにもとづいて体系的に行うことで、建設的かつ効果的なものにできます。
1on1の内容を逐一記録することで、従業員ひとりひとりの長所や短所、継続したほうがよいポイント、改善点などが明確になります。内容によっては普段の業務で継続的にサポートする必要があるため、文書の形で残しておくことで忘れないようにできます。
記録をベースにして適切な研修を行ったり、適切にフィードバックしたりすることでさらなる成長につなげられるでしょう。
1on1シートには、ミーティングを通して判明した従業員の悩みや考えなども記載しましょう。これによって不満に思っていることは何か、何を求めているのかを明確にできます。
場合によっては、企業側の改善点が明らかになることがあるかもしれません。働きやすい環境を作り、適切なキャリアパスを提示することにもつながるため、従業員の離職を防止する効果にも期待できます。
1on1ミーティングシートは、ミーティングのアジェンダと記録という2つの役割をあわせ持ったシートです。従業員の様子を細かく記すもので、普段の業務においてもさまざまな場面で活用できます。
従業員の成長を促して企業としての成長につなげる効果が期待できるので、ぜひこの機会に導入を検討してみてください。適切な1on1の実施は企業側・従業員側双方にとって大きなメリットがあります。
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