効果的な1on1を行うためには1on1の目的とテーマを決めて定期的に行うことが重要です。適切な1on1を行うことができれば、モチベーションアップや業務効率改善につながります。

上司は「部下がどんなことで悩んでいるか」を考慮して、1on1のテーマを設定しなければなりません。

たとえば、部下が人間関係に困っている場合は組織の問題のテーマを設定します。また、部下が仕事を休みがちのときは心身の状態について、1on1で扱うといったことが必要です。

もしこのようなお悩みを抱えているのであれば、本記事の内容がぴったりです。

「1on1のテーマがネタ切れで困っている」
「1on1の面談で話すことがない」

本記事では、1on1を実施しているがそのテーマに悩んでいる方向けに、以下の内容を紹介します。

• 1on1のテーマで使える7つの具体例
• 1on1をするときに意識すること
• 1on1の失敗例
• 1on1の効果を高めるポイント

1on1のテーマで困っている方は、テーマを考えるときの参考にしてみてください。

1on1のやり方について知りたい方はこちらからご覧ください。
→1on1ミーティングを実施する目的とは？導入事例や上司に必要なスキルも紹介

1on1とは

1on1とは、上司と部下の2人で行う定期的な面談（ミーティング）です。評価面談とは異なり、1on1は上司が部下の話を聞くことを重要視しています。

1回あたり30分～60分ほどの短い時間で、週に1回～月に1回ほどの頻度で実施することが一般的です。四半期に1回ほどの頻度で実施する評価面談とくらべて、1on1は高い頻度で行うことが特徴です。

多くの場合一人の上司が複数人の部下の1on1を担当することになります。会話内容は都度記録し、効果的な振り返りをできるようにすることが重要です。

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1on1の目的

1on1の目的は、部下の成長を支援することです。部下が業務の中で経験したことを、1on1で上司と一緒に振り返り、部下の業務の生産性を上げていくことを目指します。

1on1では、業務の振り返りにくわえて、中長期的に築きたいキャリアや心身の悩みなどについても扱います。部下が目の前の業務に集中して取り組めるようにするためです。

1on1のテーマで使える7つの具体例

1on1のテーマで使える7つの具体例をご紹介します。

• 業務や組織の課題解決
• モチベーション
• 目標設定・自己評価
• 将来のキャリア
• 会社の戦略・方針の共有
• 健康状態
• プライベート

業務や組織の課題解決

業務や組織の課題解決は、1on1で使えるテーマの1つです。部下が日ごろ感じている業務や組織への課題を1on1で扱います。

業務や組織の課題解決に関する質問の一例は以下のとおりです。

• 現在関わっている業務は？
• 業務が進まずに悩んでいることは？
• チームの課題は？
• 人間関係で困っていることは？
• 上司にしてほしいことは？
• 会社、組織への不満は？

人間関係の問題や、上司への期待、会社への不満など、普段は聞きにくい質問も1on1で聞きましょう。部下の悩みに真摯に向き合うことで、部下は上司を信頼し、業務の生産性向上にもつながります。

モチベーション

部下のモチベーションについても、1on1で扱いたいテーマです。

モチベーションについて1on1で話すとき、話題は2つあります。

• モチベーション向上のための話題
• モチベーション低下を防ぐための話題

部下のモチベーションが向上する話題を扱うときは、以下のような会話をしましょう。

• 熱意や真面目さなどの仕事への取り組み姿勢
• 業務への成果
• チームへの良い影響
• 社内の評価

一方で、モチベーションの低下を防ぐための話題を扱うときは、以下の内容を参考にしてみてください。

• 業務でストレスになっていること
• 人間関係で悩んでいること
• 不安に思っていること

目標設定・自己評価

部下の目標設定・自己評価についても、1on1で扱うべきテーマです。組織や部署全体の方針をもとに、部下と一緒に目標設定を行い、定期的に部下に自己評価をしてもらいます。

目標設定・自己評価のテーマで話したいことは以下のとおりです。

• 今の業務について思っていること
• 今後関わってみたい業務
• 目標にしたいこと
• 目標を達成して得たいこと
• 業務への取り組みの自己評価

部下が会社やチームの方針に納得しているか確認しながら、目標を設定しましょう。

将来のキャリア

部下が今後積んでいきたい将来のキャリアについても、1on1のテーマとして扱いたいです。今後のキャリアや能力開発について、上司がサポートを行います。

1on1では、以下のポイントを抑えて話しましょう。

• 強み・弱み
• 強みを生かせる業務
• 業務でのやりがい
• チャレンジしたい仕事

部下の強みややってみたい仕事を1on1で話し、社内キャリアを明確にしてあげます。部下の将来のキャリアが明確ではない場合、大切にしている価値観ややりがいについて話し、キャリア支援をしましょう。

会社の戦略・方針の共有

会社の戦略・方針を部下が納得できるまで話すことも、1on1でするべきです。上司から、経営層が決めた戦略や方針と、その背景を部下に分かりやすく伝えます。

会社の戦略・方針の共有のテーマでは、以下のポイントを抑えて1on1を行います。

• 経営層が決めた会社の方針について詳細を伝える
• 会社の方針について部下の疑問点を聞く（上司が答えられるものはその場で回答する）
• 部下の貢献できる部分を明確にする

健康状態

部下の心身の健康状態についても、1on1でチェックしましょう。周りに相談できる人がおらず、気づいたら休職・退職してしまう社員もいます。1on1で健康状態について確認して、働きやすい環境の整備に努めましょう。

健康状態について、確認したいポイントの一例は以下のとおりです。

• 業務量が多すぎて疲れていないか
• 業務外でしっかり休めているか
• 睡眠時間を確保できているか
• 体調に変化はないか
• 健康状態について周りに相談できる人はいるか

プライベート

1on1でプライベートについても相互に共有し、信頼関係を深めることも大切です。上司からプライベートについてありのままに共有すると、部下の緊張感が和らぎ、1on1で腹を割って話をできます。

プライベートに関する話題の一例を以下にまとめました。

• 休日の過ごし方
• 最近ハマっていること
• 好きなスポーツ
• 最近気になった時事ネタ

プライベートについて話すとき、部下が話したくない話題は避けて、別の話題に変えましょう。部下が興味を持たない話題を振っても、1on1でありのままのことを話してくれません。

1on1をするときに意識すること

1on1をするときに、上司が意識したいことは以下の3つです。

• すべてのテーマを話そうとしない
• 部下の話を聞くだけでなく自身の話もする
• 部下の話をさえぎらない

すべてのテーマを話そうとしない

1on1では、すべてのテーマについて話す必要はありません。会社や部下の状況に合わせて、適切なテーマを選択して1on1を実施しましょう。

何のテーマについて1on1で話すべきかわからないときは、事前に部下に困っていることや話したいことを聞くこともオススメです。

たとえば、部下が仕事を休みがちな場合、健康状態に関する話をします。また、週末に残業していることが多いときは業務や組織の課題解決について話しましょう。

部下が困っていることや会社の状況に合わせて、1on1のテーマを設定することが大切です。

部下の話を聞くだけでなく自身の話もする

上司は部下の話を聞くだけでなく、自分自身の話をすることも、1on1で意識したいポイントです。上司が自分についてありのままに話すことで、部下も正直に自分の話をしてくれるようになります。

上司が質問したことに対して部下が回答するだけの1on1では、部下は自分の話を評価されている感じがして、自分自身の話をしにくいです。上司から自分の話をして、1on1の緊張感をやわらげて、リードしてあげてください。

部下の話をさえぎらない

1on1では、上司は部下の話を途中でさえぎらないように意識してください。部下は自身の話をさえぎられると、「話を聞いてもらえない」と感じてしまい、自分のことを話してくれなくなります。

また、上司に話をさえぎられたときに注意・指摘されていると感じ、1on1を嫌なものだと思うようになります。上司は部下の話を最後まで聞き、指摘したいことがあれば別の機会を設けて部下に伝えてあげましょう。

1on1をより効果的なものにしたい方にはこちらの記事もオススメです。
→1on1を意味あるものとするには？基本的な考え方を紹介

1on1を失敗させてしまう3つの例

1on1を失敗させてしまう以下の3つの例についてご紹介します。

• 失敗例①：部下に目的の共有をできていない
• 失敗例②：事前準備が足りない
• 失敗例③：部下の意見を聞かずに1on1の日時・場所を決めている

失敗例①：部下に目的の共有をできていない

部下に1on1の目的を共有できていないと、1on1が失敗してしまいます。

1on1は「部下の成長を促すことが目的である」と部下に伝えられていないと、1on1がただの負担になってしまいます。上司が1on1をすることを伝えるときには、目的もセットで部下に伝えてあげましょう。

部下は自分の成長のために1on1が設けられていると認識できると、1on1に納得感を持って取り組んでくれます。

失敗例②：事前準備が足りない

1on1の事前準備が足りないことも、1on1の失敗につながります。部下の働きぶりや悩んでいることなどを把握せずに、上司が自分勝手に1on1のテーマを決めてしまうと、部下は1on1が意味ないと感じてしまいます。

また、1on1中に扱うテーマは事前に決めておくようにしてください。1on1中に話す内容を考えると、1on1の効果を下げてしまいます。1on1を実施する前には部下の状況を把握して、1o1のテーマを設定しましょう。

失敗例③：部下の意見を聞かずに1on1の日時・場所を決めている

部下の意見を聞かずに上司が自分だけで1on1の日時・場所を決めてしまうことも、1on1の失敗につながります。上司だけで1on1の日時・場所を決めてしまうと、部下は「この上司は話を聞いてくれない」と感じてしまいます。

上司は部下のスケジュールを考慮した上で日程調整してください。また、部下の話したい内容によって、適切な場所を設定してください。

将来の明るい話をするときは雰囲気の良いカフェを選び、他の人に聞かれたくない話のときは2人きりになれる会議室にするなどの対応が必要です。適切な場所で1on1を行うために、部下の意見を事前に聞くようにしましょう。

1on1の効果を高める5つのポイント

1on1の効果を高めるポイントは以下の5つです。

• 会社として1on1の導入目的を定めて周知する
• 普段から部下と信頼関係を築くようにコミュニケーションを取る
• 1on1のテーマシートを作る
• 上司が必要なスキルを身につける
• 継続的に1on1を行う

会社として1on1の導入目的を定めて周知する

1on1の効果を高めるポイントの1つめは、会社として1on1の導入目的を定めて周知することです。まず、経営層や人事部が会社の課題を明確にし、解決策として1on1が最適であると認識することが必要です。

その上で、会社全体に1on1の目的や導入スケジュールを伝えましょう。会社全体に周知するときには、全社会議や研修を実施することが一般的です。マネージャーや社員が「会社の課題を解決するために1on1を実施する」と理解することによって、1on1の形骸化（中身がなくなること）を防げます。

普段から部下と信頼関係を築くようにコミュニケーションを取る

普段から上司が部下と信頼関係を築くようにコミュニケーションを取ることも、1on1の効果を高める重要なポイントです。

部下と上司の間で信頼関係を築けていると、1on1で部下は要望や悩みを正直に話してくれます。ただ、信頼関係はすぐに築けるものではなく、時間がかかるものです。1on1を始めるタイミングですぐに信頼関係を築こうと思っても、築けるものではありません。

上司は部下に信頼してもらえるように、日ごろから「約束を守る」「部下の意見を大切にする」などの行動を取りましょう。

1on1のテーマシートを作る

1on1のテーマシートを作ることも、1on1の効果を高めるポイントの1つです。テーマシートとは、項目ごとに部下の話を記録・管理するシートを指します。

具体的な面談項目は以下のとおりです。

• 目標の達成度
• 部下から上司への要望
• 上司からのフィードバック
• 部下の健康状態

このように、1on1でよく話すテーマや重点的に扱いたいテーマを面談項目に設定します。テーマシートに1on1の内容を記録して振り返ると、部下の成長や変化がわかりやすくなります。1on1のテーマを設定するときに、部下の状況を把握する参考資料になるため、テーマシートを活用しましょう。

上司が必要なスキルを身につける

上司が1on1を行うために必要なスキルを身につけることも、1on1の効果を高める重要なポイントです。

部下が話しやすい環境を作るために、以下のスキルを身につける必要があります。

• コーチングスキル
• フィードバックスキル

1on1では、上司が部下の話に対して傾聴、質問、フィードバックする必要があります。

部下の話に耳を傾けて、適切な質問を投げかけるには、コーチングスキルが必要です。

また、上司と部下の間にある知識やスキルを埋めるため、フィードバックスキルも重要です。

上司がコーチングスキル・フィードバックスキルを身につけられるように、会社として研修を実施しましょう。

継続的に1on1を行う

1on1の効果を高めるために、継続的に1on1を行うことも大切です。

1on1が形骸化して途中で辞めてしまうと、部下の振り返りの習慣がなくなり生産性が下がってしまいます。

週1から隔週くらいの頻度で1on1を行うと、部下は自分で振り返りができるようになり、自立して成果を出せる人材になります。

会社として振り返りを行うことを習慣化するために、マネージャーの業務管理を実施したり、マネージャーの負担を減らすために管理ツールを導入したりするケースも。

マネージャーは1on1を継続的に行えるように、業務量を調整しましょう。

1on1のテーマを設定して効果を高めよう

1on1のテーマが思い浮かばないときは、会社の方針や部下の状況を把握して、テーマを設定しましょう。具体的には、「業務の課題」「部下のモチベーション」「目標設定・自己評価」などが1on1で使えるテーマです。1on1のテーマ設定を怠ると、1on1が失敗に終わってしまうので、事前準備はしっかり行いましょう。

さらに、1on1の効果を高めたいときには、会社として1on1の導入目的を周知し、普段から部下と信頼関係を築いておく必要があります。1on1のテーマで困っている方や、さらに効果を高めたい方は、部下の状況を把握して適切にテーマを設定しましょう。

Resilyで1on1を最大限に効率化する

効果的な1on1を行うためには、目的・テーマの設定をマネージャー自身が事前準備することが重要であることをお伝えしました。しかしながら、現場のマネージャーは他の多くの業務を担っていて忙しいことも多いでしょう。

Resilyの1on1機能を使えば担当する部下の1on1スケジュールと過去の議事録を1つの場所で管理することができます。シンプルで強力な目標管理フレームワークであるOKRと1on1を組み合わせて使うことで、マネージャーの負担を軽減しながら、強い組織マネジメントを可能にします。

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