2024.11.5
ビジネスの世界は日々変化し、より効果的な目標管理が求められています。そこで注目されているのが、「Objective and Key Results(OKR)」です。これは、目標の設定とその達成を数値で測るためのシンプルかつ効果的な手法で、多くの企業が成功に向けて採用しています。
本記事では、OKRの導入ステップについて詳しく解説していきます。目標を具体的かつ測定可能な成果に結びつけ、組織全体が一丸となって目標達成に向けて進むためのヒントやポイントをお伝えします。成功事例や注意点も交えつつ、あなたのビジネスにOKRを取り入れ、より成果を上げるための手助けとなる情報を提供していきます。
一緒にビジョンを明確にし、組織全体で成果を最大化しましょう。OKRの導入に関する第一歩を踏み出すための情報が満載ですので、ぜひご一読いただき、お役立てください。
OKR(Objectives and Key Results)を導入・運用するには、計画的かつ効果的なステップが求められます。以下に、OKRの導入手順を10のステップに分けてご紹介します。
社内におけるOKRの役割について、基本的なルールを設定しておくことをお勧めします。具体的には、「OKR運用期間」「チェックインの方法」「目標の作成」の3つです。
OKRに記載する目標は、1年をかけて達成したい目標なのか、半年なのか、それとも四半期なのかを予め階層ごとにルール決めしておくと現場の混乱が少なくてすみます。
Resilyでは、四半期ごとの運用サイクルを推奨しています。3ヵ月単位であれば、あらゆる変化(外部/内部環境による戦略の方向性の変化や目標の見直しなど)に対応しやすいというメリットがあるからです。ただし、OKRを運用する企業の経営フェーズや組織規模・状況などによって最適な期間は異なるため、自社の状況に合わせた運用を設計してください。
(OKR運用期間終了後に、次のOKR運用期間を変更するなどは可能です。)
四半期ごとにOKRを運用しづらいのは、現場での作成負担が多くなってしまうからと考えられますが、Resilyでは、OKRの期間をコピーすることができますので、業務コストが削減できます。(期間をコピーすると、ObjectiveやKey Resultの項目と進捗数字がそのまま複製されます。)
OKR運用期間内に、複数の期間の目標が混在していても、追うべきKey Resultの数値を前期間の数値から追加する方向で利用することも可能です(前期間からの積み上げで目標を追跡できます)。もちろん、KRの削除や新しくKRを作成するなども、簡単に行うことができます。
進捗を更新してレビューするためのスケジュールを決めましょう。これも組織によって最適なスケジュールは異なります。目標が大きくて進行が緩やかなら、2 週間ごとや月 1 回のチェックインで十分でしょう。しかし、目標が小さく、進行が速い場合は、1週間ごとにチェックインを行う必要があります。
基本的には、トップダウン (経営陣がObjectiveとKey Resultの両方を設定)、ボトムアップ (従業員それぞれがObjectiveとKey Resultの両方を設定する)、およびハイブリッド (経営陣がObjectiveを設定し、従業員それぞれがKey Resultを設定する) という 3 種類の基本的なモデルがあります。最適なモデルは会社の規模と構造により異なります。
最初に、組織のトップレベルの目標(TOP OKR)を設定します。これは今後 1 年間の戦略の柱となり、会社のミッションの成功につながる、重要で本質的な活動を明記しているものになります。
1つの企業につき1つのOKR(TOP OKR)を設定するか、複数の事業単位でOKRを設定しても構いません。経営者一人でのトップダウン形式ではなく、経営陣+執行役員の意見やアイデアを取り入れて、「この期間で会社が成し遂げたいことは何か」の戦略をOKRで表現しましょう。
目標を作る前に整理しておきたい情報
【自社戦略のすり合わせ~共通点と差異の洗い出し~】
■共通点
・誰の(ターゲット企業や業種、セグメント、ペルソナ)
・どんな課題を(どのような価値を)
・どのような強みで解消(生み出す)
・解決すべき事業上の優先課題■差異
見解の差異は、多くの場合以下の理由で発生します。隠れた前提情報を共有し、時間軸に沿って優先順位をつけ、戦略に落とし込みましょう
・市場環境や市場の前提に対する認識の差異
・時間軸のズレ(将来のあり姿や課題を指摘しているなど)
・自分が認識できていなかった組織や部署、チームの強みや能力を前提とした情報
できるだけ頻繁に検証ができ、明確に測定できるように目標を設計します。目標サイクルが完了したときに、各目標を達成できたかどうか、はっきりとした結論を下せる必要があります。
■会社全体のObjective例
・世界中でもっと多くの人の役に立つ(マイフィットネス・パル)
・2040年までに世界からマラリアを撲滅する(ゲイツ財団)
会社全体のObjectiveが決まったら、Key Resultを確定させましょう。KRはひとつのObjectiveに対して3個程度(最大5個)を作成します。
KRを作成する際には、SMART の手法を使ってみましょう
SMART は、以下を表す略語です。
記事: 【具体例付き】SMARTの法則とは?メリットや目標設定のポイントを解説!
Key Resultの背景としてメンバーに伝えるべき情報:
記事:OKRにおける成果指標(Key Result)とは?設定時のポイントや具体例を紹介します
一階層目にあたる企業OKRを設定したら、各チームに展開します。OKRを有効活用するためには、組織全体に浸透させる必要があり、組織のトップはまずここで説明責任を果たす必要があります。(各チームや個人の業務において指針となります。)
そのうえで、各チームが上位階層のOKRに納得した状態でチームOKRを決定し、各チームからのフィードバックを吸収します。必要に応じて、再度組織トップOKRを修正・調整します。
目標を設定しても、四半期や年度が終わるまで評価されない企業も少なくありません。しかし、目標が業務に具体的に結びついていないと、業務の焦点がずれ、チームが目標達成に向けたモチベーションを喪失するリスクが高まります。逆に言えば、自分の仕事が組織の目標にどのように寄与するかを理解しているチームメンバーは、モチベーションが通常よりも増加することが分かっています(*)。
(*)出典:パーソルキャリア株式会社|<1,200名のビジネスパーソン対象「目標」に関する調査>
企業OKRを踏まえ、各部署やチームごとにOKRを設定します。企業OKRと同じく、ボトムアップ形式で設定し、他部門と共有します。整合性を保つためには、適宜修正や調整を行います。
■「整合性をとる」とは?
チームレベルの目標設定においては、必ずしも組織の OKR のすべてを各チームの OKR に反映させる必要はありません。組織の OKR のいずれか 1 つだけに注目し、チームの OKR を設定することもできます。ただしチームの OKR は、組織の OKR の少なくとも 1 つには関係している必要があります。
チームの OKR の設定にあたっては、すべてのチームリーダーが集まって目標を設定するのも 1 つの方法です。Google では、各チームリーダーが会社の OKR に沿って、次の四半期の優先事項をリストアップすることもあります。これらの優先事項を書き出す際、組織の OKR との整合性を意識しながら以下のような点を確認してください。
出典:GoogleのチームOKR作成の考え方
- チームの優先事項が、組織の成果指標のいずれかにつながっているか?
- チームの優先事項により、組織の OKR を達成する可能性が高まるか?
- チーム外の人から、このチームが取り組むべきと思われている事項は抜けていないか?
- 優先事項は 3 つ以上あるか?
なお、OKR はチェックリストではありません。チームがこの四半期に取り組むべき事項の一覧ではないのです。OKR を「チーム共有のやることリスト」であると解釈してしまうと、チームとして達成すべきことではなく、やりたいことを杓子定規に並べることにもなりかねません。OKR は、チームとしてどのような影響を及ぼしたいかを定義し、それを達成するための方法を考え出すためのものです。
OKR設定と並行して、ObjectiveとKey Resultの担当も決めましょう。
各チームがOKRを設定したら、他のチームや組織OKRとの整合性を確認します。目標が過度に低いか高い場合や、実情に即した目標値になっているか確認し、必要に応じて調整します。
週に1回または隔週に1回1時間以内で、チェックイン・ミーティングを開催して進捗を確認します。その週の優先事項や達成の自信度、達成阻害要因、次にやるべきことについて話し合い、結果を改善するための方法を検討します。
各KRの責任者は、会議までに進捗をとりまとめます。また、期日までにKRが目標まで達成できそうかどうかの自信度を一緒に進捗を追うメンバーに確認しておきます。
会議の中で、進捗に自信がない責任者がいた場合、マネージャーは責任者が自信をもって施策に取り組めるようなサポートをします。
チェックインの目的は、精神的・物理的な障壁を減らして目標達成をサポートすることです。KRをより進捗させるためにどうしたらよいかを話し合います。
OKRの期間の中間地点である1.5ヵ月〜2ヵ月経過時に中間レビューを行います。進捗に遅れがあれば改善点を検討し、必要に応じて目標の変更を行います。
目標を変更した場合は、なぜそうしたのかの説明を、上位階層の責任者や横の階層のObjective責任者に行い、変更の了承を得ます。
OKRの期間終了時にスコアリングを行い、結果を評価します。達成度が高すぎたり低すぎたりしていないかを確認し、今後の方針を検討します
最終レビューの結果を振り返り、来期の企業OKRを設定します。目標設定にはミスが生じる可能性があるため、振り返りを通じて精度を向上させながら、次のステップに進みます。
これらのステップを追いながらOKRを運用することで、組織全体の方針と個々の目標が連動し、効果的なエンゲージメント向上に寄与します。
「Resily」は国内ツールで唯一OKRに特化しています。直観的なマウス操作でOKRツリーの作成ができ、進捗状況の更新リマインドやチャットツールへの通知などOKRを効率的に運用するための機能が充実。
スプレッドシートやExcelなどでOKRを管理しているけど不便さを感じている、もっと効率的に運用したい、というお悩みをズバリ解決してくれるツールになっています。
他のツールとの違いはOKR特化でOKR関連の機能が充実している点です。タレントマネジメントや人事評価の機能がメインのツールはOKR管理はオプション機能のため、OKRを運用することで企業の成長と従業員エンゲージメントの向上にしっかり取り組んでいきたいとお考えの方には、物足りない部分があるかもしれません。
ResilyはSansan株式会社やみんなの銀行など全社的にOKR導入に取り組んでいる企業を中心に170社以上の導入実績があります。
また、Resilyは20日間無料でツールのすべての機能を試すことができます。クレジットカード登録や商談なしで試すことができるのでまずは使ってみましょう。サンプルOKRが最初から入っているため、これからOKRを始めたいという方でも利用イメージがつかめるようになっています。
またResilyでは、100名様以上でのOKR導入をご検討の企業様向けに、専任のカスタマーサクセスがOKR導入から社内への定着までを支援する「運用サポートプラン」を提供しております。トライアルでResilyを体験した後に、自社での導入をご検討される場合は、ぜひこちらまでお気軽にご相談下さい。