2021.10.20
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「『メタ認知』ってなんのことだろう。仕事にどう活かせるのかな…」
と思っている方。
メタ認知とは「今の自分を第三者の視点から見て、自分がどのように考えているかを判断、解釈すること」です。メタ認知を高めることにより客観的な視点が備わり、業務の効率化や、計画にそって業務を進めることが可能です。
とはいえ、メタ認知を高めるのは簡単ではありませんよね。
そこで、この記事では、
を、お伝えします。
「メタ」は見慣れない言葉ですが、順を追って理解すれば難しくありません。まずはこの記事で、メタ認識について大まかに理解しましょう。
メタ認知(英語:metacognition)とは、自分を第三者の視点から見て、自分がどのように考えているかを判断、解釈することです。
もともと「メタ(meta-)」とは、「何かを超えた」などを意味する言葉です。つまり「メタ認知」とは、直訳すれば「自分を超えた認知」になります。
自分を客観視するという特徴から、メタ認知は「もう1人の自分」と称されることもあります。
メタ認知の例としては、
などがあります。
「メタ認知」に関する研究は1970年ごろに、Brown, AやFlavell, J. H.らによってが盛んになりました。そして近年は教育への活かし方について、メタ認知の研究が進んでいます。
次では、メタ認知を構成する2つの要素についてご紹介します。
心理学者であるBrown, AやFlavell, J. H.によると、メタ認知は以下の2つの要素で構成されている、と言われています。
次では、従業員のメタ認知能力を高めるメリットをご紹介します。
従業員のメタ認知能力を高めることには、以下の3つのメリットがあります。
以下、それぞれを解説します。
まず第1のメリットは、従業員のコミュニケーション能力アップによる、業務の効率化です。なぜならコミュニケーションに対するメタ認知を深めることで
に気づき、そのギャップを埋めることができるためです。
例えば、異なる職種の人との打ち合わせの際に、「自分たちの職種における常識や暗黙の了解」を認識して、それをあらかじめ説明することができます。
そして認識のズレがなくなることで、社外や社内の従業員との連携がスムーズになり、業務の効率化が期待できるのです。
第2のメリットは、従業員がトラブルに対処しやすくなることです。なぜならメタ認知によって客観視できるようになるため、トラブルに対しても今までより冷静に対処できるからです。
例えばメタ認知能力が低い人は、トラブルにあうと焦ってしまいます。周りが見えなくなり、効果的な判断を下せなくなってしまうのです。
一方でメタ認知能力の高い人は「焦っている自分」を認識して、落ち着いた判断を下せるのです。
第3のメリットは、従業員が計画性を持って業務に取り組めるようになり、プロジェクトが遅れにくくなることです。
「時間管理能力のタイプと, 自己効力感, メタ認知能力, 時間不安との関係」に書かれている研究によると、レポートの作成を計画的にできた学生には、メタ認知能力および自己効力感が高い傾向がありました。
したがってメタ認知能力を高めると、仕事を計画的に進めやすいです。
OKRについて詳しくは「OKRとは?メリットや流れ、導入事例をご紹介します。」をご一読ください。
次では、メタ認知能力を高めるデメリットをご紹介します。
3つのメリットがある一方で、メタ認知能力の向上には「頭を使いすぎてしまう」デメリットがあります。
というのも、あらゆる自分の考えに対して普段よりも思考することになり、集中力を使いすぎてしまうためです。
メタ認知は多くのメリットを持つ力なのですが、常にメタ認知能力を働かせていては疲れてしまいます。そのため例えば仕事への取り組み方について、1人で考えても正解が見つからない場合は、
など、今までとは違ったやり方で取り組む意識も大切です。
次では、メタ認知能力を鍛える3つの方法をご紹介します。
メタ認知能力を鍛える手段として、以下の3つが挙げられます。
1つ目の方法は、脳内に浮かんでいるひとりごとに、「...と自分は思っている」と付け加えることです。例えば、
など脳内で色々考えていることに
と、「...と自分は思っている」と付け加えます。「...と自分は思っている」と付け加えることで、「『腹減ったな...』と思っている自分」を、現在の自分と切り離して考えることができるのです。
2つ目の方法は、自分の考えを書き出すことです。考えを書き出す、つまり言語化することで、自分の考えを客観的に見ることができます。
書き出す考えは、別に仕事に関するものでなくてもかまいません。例えば日記に、「今日こんなことがあり、こんなことを思った」と書くのもメタ認知能力の向上につながります。
第3の方法は、他人の立場に立って考えることです。「自分の立場ではなく、他人の立場に立って他人を考える」、つまり複数の視点に立って考えることで、メタ認知能力を向上させることができます。
例えば新入社員に呼びかけても返事がなかった場合、自分の視点に立って、「人と接するのが嫌いな、冷たい人間なんだ」と思うだけではメタ認知能力の向上にはつながりません。
相手の視点に立って、「新しく入った職場だから、目の前の仕事に集中しすぎているのかな」と考えることで、多角的な視点を持つことができるのです。
この記事では、まずメタ認知とは、「自分を高い視点から見て、自分の認知の過程を判断、解釈すること」と説明しました。
メタ認知は、
の2つの要素で構成されています。
次に従業員のメタ認知能力を向上させるメリットとして、
の3つをご紹介しました。
一方でメタ認知能力の向上には「頭を使いすぎてしまう」デメリットがあります。1人で考えても仕方がないことについては、考えるのをやめたり、他の人にアドバイスを求めてみたりするのがおすすめです。
最後にメタ認知能力を鍛える手段として、以下の3つをご紹介しました。
従業員のメタ認知能力を向上させることで、仕事の遅れを防ぐことができます。まずはメタ認知能力をあげるメリットやあげる方法を、従業員に知らせてみるのがおすすめです。
従業員どうしのコミュニケーション方法としては、メタ認知の他にも「ジョハリの窓」があります。詳しくは「【人事向け】ジョハリの窓とは?メリットや見方、使い方をわかりやすく紹介します」をご一読ください。