2022.4.22
「人事評価シートを正しく書けているか不安…」
「人事評価シートってきちんと書く必要があるの?」
と思っていませんか?
たしかに、人事評価シートは会社での評価に大きく関わるため、不安になりますよね。
しかし、人事評価シートはコツさえつかんで書けば、上司や人事から適切な評価をもらえる可能性が高まります。
今回は、人事評価シートについて今回は次の内容を解説します。
この記事で、あなたの実績が適切に伝わる人事評価シートを書けるかもしれないので、ぜひ参考にしてください。
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評価シートの書き方の前に、そもそも人事評価とは何か、なぜ実施するのかという前提の部分を理解しておきましょう。
人事評価とは、組織のメンバーの成果を適切に評価することを目的に実施されます。評価の方法は組織によって細かくは違って来ますが、ただ一方的に評価するのではなく、評価される側も納得できることがポイントです。また、適切な人事評価を実施することでメンバーのモチベーション向上にも繋がります。そのためには他者との比較による相対評価とメンバー個々に対する絶対評価の2つを使い分けて、多角的な視点から評価を実施することが重要でしょう。
人事考課という似たような言葉もあるので、詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
人事評価シートとは、従業員の評価を管理するためのシートです。
シートのサンプルを見てみましょう。
この人事評価シートの場合、従業員が記入するのは、赤枠の「目標設定」欄です。
使い方として、期首に従業員が今年度の目標を「目標・重点テーマ」に記入します。
面談の時期になると、事前に自身で「課題」や「振り返り」に目標達成までの進捗や実績を書き、シートをもとに面談します。
面談は第二四半期や年度末に行われるなど、会社によってさまざまです。
年度末の面談で最終的な目標達成度や実績を確認し、上司や人事担当が今年度の評価を決めます。
人事評価シートは評価を管理する目的のシートで、従業員の目標や能力の記録にも活用されています。
人事評価は以下の3つの評価項目があります。
成果評価は、従業員の設定した目標に対して達成度を評価する項目です。
「営業目標10件のうち、12件獲得した」「スキルや資格を習得した」などが評価対象にあたります。
基本的には期首に目標を設定し、期末に達成度を評価します。定量的な目標にすることで評価に納得しやすくなるので、具体的な数値をいれた目標にするのが一般的です。
実績だけでなく目標を達成するまでの過程も評価の対象に含まれます。
能力評価は従業員の能力がいかに職務で発揮されたかを判断する項目です。業務を行うにあたって、チームや個人に求められる力が評価基準になります。
業務効率のために新しい手法を考える企画力や、自分の力で業務を成し遂げる実行力が能力評価にあります。
業務上のネックになる部分を改善する力や、後輩への指導力も評価対象です。
能力評価は、従業員の役割や役職によって基準が異なります。
意欲評価は、仕事に対する姿勢を評価します。
チームでの協調性やコミュニケーション能力、自ら進んで業務をする積極性などが見られます。職務に対して成果を出すためにやり遂げようとする責任感や誠実性も評価対象です。
意欲評価には、評価者の印象で決まるものも多いですが、勤怠状況など数値を用いた評価もあります。
人事評価を実施する上で多くの組織が評価シートを使用します。
組織によってフォーマットはさまざまで「人事考課シート」「人事考課表」など呼ばれ方も異なりますが、基本的な目的である「適切な人事評価を実施する」ために使用される点は共通しています。
評価シートは第三者ではなく、メンバー自身が記載するのが特徴です。
ここからはなぜ評価シートをメンバー自身が記載する必要があるのか、3つの評価シートの目的に分けて解説していきます。
自身で評価シートを記載することで、メンバーは客観的に成長を確認できます。
目標の達成を通じて自身が何ができるようになって、何ができなかったのか、できるようにするためにはなにをすれば良いか、を考えるきっかけになるでしょう。
月ごとや半期ごとなどの節目でメンバーは評価シートへの記入を実施するので、前期で設定した目標を達成できていれば、その時の振り返りと比較して自身の成長を実感できます。
普段の業務の中でなんとなく感じている自己評価を適切なものに修正するのも評価シートの役割です。自己評価が適切にできないと、過小評価及び過大評価をしてしまいがちです。
こういった過小評価や過大評価になりがちな人は客観的な視点が必要になってくるため、評価シートへ記載して自分の取り組みや成果をあらためて見直すことが有効になります。
とくに過小評価してしまいがちな方は自己肯定感が低い傾向にあり、自分に自信がないため、評価シートを通じて評価に値する成果をあげているという実感を持つことが非常に重要です。
公平な評価を実施することは、評価シートのもっとも大きな役割と言っても良いでしょう。
前述した通り、人事評価は評価する側の一方的なものではなく、評価される側が納得していることが必要です。
異動や配置希望も自己申告で本人の意向を踏まえた上で判断することで、メンバーのモチベーションを保ちながら適切な判断を実施できます。
そのために評価シートをメンバー自身に記載してもらい、不平等さを取り除いた人事評価を実施するようにしましょう。
従業員が人事評価シートを記入するうえで、重要なポイントを紹介します。
以下の3つのポイントがありますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
評価シートに記載する成果は、客観的なデータを用いて具体的に書きましょう。
成果に対して「自分がこう思ったからうまくいった」と記入すると、評価が漠然となるためです。「会社にどれくらい貢献できたか」が具体的でないと、低く評価される可能性があります。
適切に評価されるためにも、数値での目標設定や、資格取得などの明確な基準を成果として書くことが大切です。
たとえば、「売上金額1,000万円」という目標に対して実際にいくら売り上げたのか記載すれば、成果が一目瞭然になります。「資格を取得して、○○を扱う業務ができるようになった」と書けば、会社への貢献度が伝わるでしょう。
自己評価は主観的でなく、誰が見ても同じと捉えられるように書きましょう。
報告するのは良い結果だけではなく、失敗したことや問題点も伝えるようにしましょう。
失敗を伝えることがマイナスの評価につながることは少ないです。むしろ問題点を分析して改善案まで考えると、成長意欲が伝わり高い評価につながります。
「データ入力のシートを改善し、10%工数削減できたが、ミスが発生しやすくなった。今後はヒューマンエラーがないよう、自動化が必要である」などと書くとよいでしょう。
目標未達の場合でも、達成に向けての過程で良かった部分をアピールしていくことが重要です。
たとえば、「売上は目標未達だが、新しく○○業界の会社と契約でき、ビジネスチャンスを広げられた」と書くことで評価を得られます。
評価シートには自身が思っているよりも、一段上の高い評価をつけるようにしましょう。
謙遜して自己評価を低くつけてしまうと、上司や人事も影響を受けて低く評価する可能性があるからです。
客観的に見れば、もう少し高い評価がつく場合もあるので、適度に高めに評価するのがよいでしょう。
1〜5の5段階評価で評価している会社の場合、自己評価を3と思っていたら、4と記入しましょう。そうすることで、評価者からも4を付けられる可能性が高くなります。
ただし、大げさに高い評価をつけてはいけません。むしろ評価を下げてしまう可能性があります。
あくまでも自分の成績が自己評価に見合うことを説明できる場合に、高めの評価をつけましょう。
評価を行う上司も、部下のことを考えてコメントする必要があります。
注意事項として、以下の3点があるので確認しましょう。
人事考課の書き方を詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてみてください。
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部下の成果や仕事に対する姿勢を見て、良い点や悪い点をバランスよく記入しましょう。
上司の評価を部下が見たときに、仕事に対する意欲を持たせるためです。マイナス評価ばかり書くと、従業員のモチベーション低下につながります。
相手を傷つけないためにも、コメントの言葉選びや構成は重要です。
具体的な書き方として、マイナス評価を先に書き、あとでプラス評価を書くようにしましょう。最後にプラス評価を書くことで、従業員のやる気をあげられます。
マイナス評価は、改善の方法も書きましょう。従業員が成長するために、部下にフィードバックすることが重要です。部下がコメントを見て行動できるよう、具体的に書きましょう。
他の社員と比較せず、社員個人に向き合うコメントを書きましょう。
「部下にも優秀な社員を見習ってほしい」という気持ちがあって、つい誰かと比較してコメントを書いてしまうかもしれません。
しかし、優秀な社員と比較して部下にマイナスな評価をすると、自信をなくす可能性があります。
人事評価はあくまで個人の目標に対しての評価であり、社員全員を相対的に評価するものではありません。
他人と比較した表現をしないよう、コメントを書いた後に社員の立場になって見直すことをおすすめします。
ただし、優秀な社員から仕事を教わるように促すのは問題ありません。部下の成長のためにアドバイスをしましょう。
感情的にならないよう、部下の評価に対し厳しい表現は避けましょう。
部下を適切に評価する必要がある場合、厳しい評価を書きたくなるかもしれません。
しかし、厳しすぎる評価は部下のモチベーションを低下させるとともに、上司に対して不信感を招きます。
評価した上司も周りからマイナスな印象を持たれ、上司自身の評価が落ちることもあるのです。
また、相手に感情を持ちすぎると、評価基準がぶれてしまいます。上司によって社員一人ひとりに対して持つ印象も違うため、感情に任せると、不公平な評価になりがちです。
とくに意欲評価は定量化が難しいところもあり、主観的になることが多いです。普段から社員の長所を探して、評価に記入しましょう。
人事評価シートの書き方を以下の職種別に紹介します。
従業員と上司それぞれのパターンでサンプルを記載します。ぜひ参考にしてみてください。
業務改善をして工数を削減を行ったことや、新しくできるようになったことを書きましょう。事務職は具体的な成果が見えにくく、目標を数値化しづらい職業です。
普段の業務を細かく思い出し、どのような変化があったかを具体的に書いていくことで良い自己評価を記入できます。
「日ごろ行っている作業のペースがあがった」「Excelのシートによる作業の自動化を行った」などは、数値化もしやすいため客観的に書けます。
上司は部下を適切に評価できるよう、普段の業務態度を観察することが大切です。仕事に対しての積極性や問題があったときの行動を見て、基準に沿った評価を行いましょう。
「書類の入力ミスを30%減らす」という目標に対し、35%の削減を実現できた。Excelのマクロでツールを作成したことで、ミスの減少だけでなく、工数を20%作成できた。今後は他の書類にも横展開していきたい。
事務部門で問題になった書類の不備を積極的に解決してくれた。他の単純作業もマクロでの効率化を行っており、業務外でも日々学習している姿勢がうかがえる。
技術職の場合、いかに製品作りに貢献したかが求められます。新技術の開発や製品の耐久試験などの効率化、原価コスト削減などが評価の対象です。
製造業の上流工程である開発職や生産技術などでは、プロジェクトチームを作って業務を遂行します。
チームを組むうえで、協力したことや自分の役割を踏まえて書くと評価につながりやすいです。
上司は部下の業績に対し、いかに技術面で会社に貢献できたかを評価しましょう。
製品Aの設計開発を担当し、当初予測されていた生産コストを10%削減できた。生産技術部門とコミュニケーションを綿密に取り、既存の技術で生産できる設計に変更。製品Aを製造するための金型が不要になり、コスト削減を実現できた。
コスト削減は設計開発部門にとっても重要な課題となっており、設計者として意識して取り組んでいた。他部門とのコミュニケーションを自発的に行っているため、プロジェクトのチームに貢献していることがうかがえる。
看護師などの医療職では数値化が難しいため、業務内容や普段意識していることを書きましょう。
医療職に求められるのは、患者の病気や怪我を治療することです。主治医のサポートや患者や家族に対してのメンタルケアも実績として評価されます。
上司は部下の仕事に対する姿勢を細かく見て評価しましょう。患者に優しく接しているか、信頼されているかなどを確認します。勉強会への参加などの積極性も評価対象です。
院内で困っていそうな方がいたら、積極的に笑顔で優しく声をかけて対応している。質問をされて答えられないときもあるが、先輩に聞くことで問題解決を行っている。今後、勉強会などに参加して、自分で対応できることを増やしていきたい。
1年目のため、患者のサポートに不慣れな部分がある。しかし、患者や家族に対して明るく接しており、積極的にコミュニケーションをとる姿勢は素晴らしい。これから勉強会などに参加して、さまざまな知識やスキルを習得して成長してほしい。
人事評価シートは従業員の成果を適切に評価するためのシートです。従業員の成長を確認し、スキルや能力、目標達成度を管理します。
従業員は昇進、昇給にも影響するため、上司や人事に伝わるような自己評価を書かなければなりません。
客観的なデータを使い、少し高めの評価をすることで、印象の良い人事評価シートを作れます。失敗した場合も、分析や改善案などを書くことで上司から好感を持たれます。
適切に評価してもらうためにも、人事評価シートをしっかり書きましょう。
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