2023.8.14
1on1ミーティングを導入する企業が増加している中、「他社の成功事例を知りたい」「具体的に話すネタやテーマってなに」と思っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、1on1導入を検討している方や1on1をより上手く活用したい方向けに、以下の内容を紹介します。
ぜひ最後までご覧いただき、1on1ミーティングをより上手く活用していきましょう。
「1on1ミーティング」は人材育成を目的としたマネジメント手法の1つです。、近年インターネットや書籍でも、「1on1ミーティング」という言葉を数多く目にするようになりました。
実際にはどのくらいの企業が1on1ミーティングを導入しているのでしょうか。「人事白書調査レポート2020」によると、従業員数に関わりなく、約40%の企業で導入されているようです。
従業員数が100人未満の企業でも5,000人以上の企業でも差がないので、企業規模に関わらず1on1を導入するメリットを感じられるのでしょう。
1on1ミーティングを導入するメリットとして、以下の3つを紹介します。
より詳しく1on1の導入による効果を知りたい方はこちらもご覧ください。
1on1ミーティングは部下の能力を引き出したり、高めたりすることが目的です。
1on1は、部下が日々の業務で悩んでいることを上司に相談したり、業務改善を提案したりできる場になります。1人で考えさせるのではなく、定期的にフィードバックを受けられる環境作りで、部下の成長速度を上げられます。
上司は部下の悩みや提案に対してしっかりと話を聞いて、成長できる環境を整えるようにしましょう。
「業務が忙しくて部下と上手くコミュニケーションが取れていない」という悩みをもつ上司も多いのではないでしょうか。
1on1ミーティングは、基本的に週1回30分ほど実施されることが多いです。定例面談として業務に組み込むことで、忙しい時にも部下と話す機会を作りましょう。
日々の業務進捗についてもその場で共有できるので、悩み解消やトラブル防止にも効果があります。部下の悩みに対して、上司が適切なアドバイスをする機会となるため、信頼関係の構築にもつながります。
1on1ミーティングの継続により、部下と上司の間に信頼関係を築ければ、会社全体で社員の定着率を向上できるでしょう。自分の意見を素直に話せる環境は心理的安全をもたらし、社員の仕事へのストレスを減らせます。
また、部下が業務やプライベートの悩みまで幅広く相談できれば、上司は部下の悩みに合わせて、より良い働き方を提案できるでしょう。
定期的に1on1ミーティングを実地すれば、上司はより正当な評価ができるので、部下も受ける評価に対して納得感を持てます。
企業の1on1ミーティング導入事例について、以下の7企業を紹介します。
ヤフー株式会社は言わずと知れた大企業で、2012年に1on1を導入し日本で1on1が広がるきっかけをつくりました。
1on1の導入目的は、「上司が部下の主体的な内省を促すこと」であり、1on1で行うことは「週に1度30分間、場所を確保し、部下の話を聞く」だけです。内省とは「自分自身の心と向き合い、自分の考えや言動について省みること」を言います。
ヤフーの1on1は以下の2つのベースから成り立っています。
部下自身に仕事での失敗や成功から得られる学びを考えさせ、潜在力を引き出すそうです。
楽天グループ株式会社はインターネット関連サービスを中心に、楽天トラベルや楽天モバイルなど幅広い事業を展開している会社です。2017年に1on1を全社で導入しました。
1on1の導入目的は、「相互理解・相互信頼の形成」と「定期的なフィードバックによる成長支援」であり、主にマネージャーとメンバーの間で定期的に実施されています。適切なフィードバックを行うために、管理職向け研修にも注力しており、マネージャー自身の成長支援も行っています。
1on1をすることでメンバーは「自分がすべきこと」を明確にでき、モチベーションを保ちながら働けるようです。
グリー株式会社はゲーム事業や広告メディア事業を行っている会社です。2014年に1on1をテスト導入して、2015年以降に本格的な運用を始めました。
1on1の導入目的は、「経験学習サイクルを回し、事業・組織を成長させること」であり、最低月に1回は上長と1on1を実施しています。
社内で1on1を浸透させるために、次のような取り組みをしました。
特にほかの人事施策と連動することで、1on1を実施する必然性を高められたそうです。
結果として、「直属上司との1on1に満足していますか?」という質問に、7割弱が満足していると回答し、一定の成果を残すことに成功しました。
株式会社Gunosyが開発・運営している女性向け情報アプリ「LUCRA」事業部では、2017年から1on1を導入しています。
1on1の導入目的は、「1人ひとりに向き合う場を設けるため」です。タスクの進捗管理とメンタリングの2軸で、1on1の場を目的別にわけて運用し、直属のマネージャーとメンバー間で実施しています。
また、LUCRA事業部ではアルバイトメンバーにも1on1を行っています。理由は以下の2つです。
実際にメンター側を経験すると、メンティーの動き方を客観視できるため、双方に良い効果が生まれているそうです。
株式会社ディー・エヌ・エーはモバイルゲーム事業を中心に行っており、プロスポーツチームも保有している会社です。
1on1を導入した目的は、「新入社員の成長を促す環境づくり」であり、入社直後の研修から実施しています。新入社員の長所や目標を理解した上で、納得感のある配属を行い、ポジティブな状態で働いてもらうためです。
また、1on1の記録を残すことで、配属先への引継ぎもとてもスムーズにできるそうです。新入社員の不安だけでなく、配属先のメンバーの心配も取り除けます。
株式会社テモナは、サブスクリプション事業支援に特化したシステムを提供している会社です。
1on1の導入目的は、「離職率20%のカスタマーサポートチームの課題改善」であり、マネージャーとメンバー間で実施されました。
1on1をすることで、「コミュニケーション強化」や「教育体制の整備」など22個の課題が
明らかになりました。解決策として、メンバー主体の「朝礼・夕礼の見直し」や役職や職歴など関係なく課題を話し合う「ぶっちゃけ会」などの施策をすることで、1年で離脱率を0%にできたそうです。
株式会社キャナルは自社でアフィリエイトASPを構築している広告代理店の会社です。
1on1の目的は、「メンバーが抱いている成長実感や課題感をよりタイムリーに拾い上げること」であり、月に1回実施しています。
メンバー間の1on1は記録に残しているため、管理者がメンバー全体の状況をより俯瞰できます。また、メンター担当者の育成への意識も高まり、社内全体の成長につながっているそうです。
1on1ミーティングで話すネタやテーマの具体例について、以下3つを紹介します。
1on1ミーティングで部下との話題に困っている方は、次の記事を参考にすると部下との話の引き出しを増やせます。
1on1のテーマで使える7つの具体例 | 1on1の効果を高めるポイントも紹介
業務をしていく上で、少なからず改善すべき業務課題は見えてきます。しかし、緊急を要さない課題に関しては、相談しにくく後回しにされがちです。
他にも人間関係の問題や会社への不満など、部下への聞きにくい質問も1on1ミーティングであれば聞きやすい環境をつくれます。
業務や組織の課題解決に関するテーマの具体例は以下のとおりです。
1on1で、目標設定や自己評価を振り返ることは、部下の成長に必須です。現状と目標とのギャップを埋めるために何をすべきか、部下自身に考えさせることを意識しましょう。
目標は組織や部署全体の方針をもとに、個人の目標へ落とし込み、定期的に自己評価をしてもらいます。
目標設定・自己評価に関するテーマの具体例は以下のとおりです。
部下と上司の間に信頼関係を築く方法として、プライベートの内容も1on1で話すネタとしてオススメです。場の雰囲気を和ませたり、お互いの理解を深められたりするので、業務の悩みなど部下からすると話しやすくなります。
最近の出来事や時事ネタなど、仕事以外の会話を混ぜると良いでしょう。ただし、プライベートの内容に関しては、部下が話したくないと感じる場合もあるので、様子を見ながら話すか判断するのが大切です。
目標設定・自己評価に関するテーマの具体例は以下のとおりです。
1on1ミーティングで気を付けるべき3つのポイントを紹介します。
1on1は定期的に実施することが重要です。具体的な頻度としては、週に1回、1人30分が目安とされています。忙しい場合にも、1回15分でもよいので時間を確保するようにしましょう。
定期的に1on1を実施することで、業務上の悩みをリアルタイムにフィードバックでき、未然にトラブルを防げます。また、回数を重ねると部下が上司に対してフランクに意見を言いやすくなるでしょう。導入時は1ヶ月に1回や2週間に1回など様子を見て、お互いの業務負担にならないよう調整しましょう。
部下の自主性を尊重することは、部下の成長にも大きく役立ちます。業務の悩みを相談され、すぐに答えを伝えても部下の成長にはつながりません。
まずは部下の話にしっかりと耳を傾ける「傾聴」、そして部下が自発的に気付けるように促す「コーチング」を意識しましょう。部下が自分自身で答えを見つけられる質問が大切です。
1on1ミーティングでは、上司は部下の話を途中でさえぎらないように注意してください。
繰り返しにはなりますが、まずは部下の話をしっかり聞く姿勢が重要です。話しをさえぎると「注意」や「指摘」に感じてしまいます。
イメージとしては、話す割合は「部下が8割、上司が2割」です。1on1で意識して実施しましょう。
1on1ミーティングを実施すると、部下の成長を促すだけではなく、合わせて信頼関係も構築できます。また、チームや組織の全体方針を理解して目標設定することは、業務のモチベーションの向上にもつながります。
今回紹介した成功事例を参考に、1on1ミーティングを導入して、より良い成果を出していきましょう。
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