2022.5.30
「売上が伸びず、組織課題を解決したいが、組織課題を特定できない」
「組織課題を特定したが、具体的な解決方法がわからない」
このように悩んでいる経営層や人事担当者の方もいると思います。
本記事では、組織課題を発見するフレームワークや解決方法をご紹介します。
組織課題を抱えて悩んでいる方は、参考にしてみてください。
組織課題とは、「組織の目標と現状のギャップ(問題)を埋めるための方向性・具体的なアクション」です。
組織ごとに目標・問題が異なるため、企業や部署ごとに分析する必要があります。
社員が増えたときや、組織の経営戦略が変わった場合などに、組織課題が発生することが多いと言えます。
企業で発生する代表的な組織課題を紹介します。
具体的な解決方法も紹介するので、参考にしてみてください。
組織課題の事例の1つ目は、社員が会社に共感していないことです。
そもそも会社の理念やビジョンを把握していない社員もいます。
会社の理念に共感していない社員が多いと、会社の経営がうまくいっていないときに社員が離れてしまう場合も。
社員が会社により貢献したいと思えるように、経営層は社員に理念を浸透させる必要があります。
社員が理念に共感できるように、まずは経営層が理念を周知する場を積極的に作りましょう。
理念を周知する方法の具体例は、以下のとおりです。
上記のように、全社向けに理念を直接伝える場を設けるだけでなく、「評価項目に、理念に対する貢献度を取り入れる」こともオススメです。
また、「理念に共感して、会社に多大な貢献をした社員を表彰する」制度の導入も良いでしょう。
会社の長期的な戦略がないことも、組織課題の代表例の1つです。
長期的な戦略を設計しておらず、短期的な売上や利益のみを追求している状態です。
会社を取り巻く市場の状況を踏まえた長期戦略がないと、市場が大きく変化したときに、対応できません。
最悪の場合、売上を担っている事業・サービスの売上が立たなくなってしまう可能性もあります。
会社の理念・ビジョンを達成するための長期的な戦略が必要です。
経営層が長期的な戦略を策定して、事業戦略に落としましょう。
市場や競合の分析を行い、企業の優位性を確保できる長期戦略を策定します。
また、経営戦略が事業戦略と連動するように設計します。
社員が「自分のやっている業務が会社の理念の達成に繋がっている」と感じられると、会社への貢献度は増し、会社の生産性は上がるでしょう。
人材育成の施策が適切に運用されておらず、効果が出ないことも、組織課題の事例の1つです。
目的を明確にせず、育成の施策を導入してしまうと、効果が出ません。
施策を現場任せにしてしまうことも、人材育成の効果が出ない要因です。
結果として、経営層が「人材育成はコスパが悪い」と判断して、中途半端に施策が終わってしまうこともあります。
人事が人材育成の施策を管理して、施策の効果が出るようにしましょう。
まず、人事が育成施策を導入する目的を定めて、社員に周知します。
育成施策の目標やスケジュール、マニュアルを作成することも必要です。
また、人事が教育した内容・結果を随時収集して、施策の効果を検証し、修正しましょう。
社員教育を行おうとしている経営層や人事担当者の方は、人材育成について解説している以下の記事を参考にしてみてください。
リーダー候補の若手社員がいないことも、組織課題の代表例です。
経営幹部や管理職の候補となる社員が若手にいないことは、中長期的に大きな問題です。
会社を長期的に成長させていくために、会社を担う次世代の社員を獲得しなければいけません。
リーダー候補となる社員を採用する必要があります。
リーダー候補の社員を確保するために、採用方法を見直しましょう。
採用方法を見直すとき、以下のポイントをチェックしてみてください。
上記の点を参考に、採用方法を見直して、採用活動を行います。
採用に割いている予算が少ない場合や、採用計画が事業計画と連動していないときは、経営層に相談しなければいけません。
離職する社員が多いことも、経営課題の1つです。
とくに、早期離職(入社してから3年以内に離職)する社員が多いことは、会社にとって大きな問題です。
離職する社員が多いと、採用に予算や人員のコストを多く割かなければいけません。
教育した新人がすぐに辞めてしまうと、教育担当だった社員は「せっかく教えたのに」と思い、モチベーションが下がります。
また、現場の社員は離職者の業務を請け負うため、業務量が多くなりすぎるケースもあります。
社員の離職を減らすために、業務量や社内コミュニケーションを見直しましょう。
残業が多すぎると離職につながってしまうことがあります。
社員が抱えている業務を可視化して、部署内で業務量を調整できるように、環境を整えます。
また、「相談相手がいない」ことも、社員が離職する大きな理由の1つです。
入社したばかりの新人・未経験者には、「相談できる上司や同僚がいる」環境を作ります。
上司との面談回数を増やしたり、メンター制度(他部署の先輩社員が新人の相談相手になる)を導入したりして対応しましょう。
社員を評価する基準がなく、社員が会社からの評価に納得していないことも、組織の大きな課題です。
評価の基準がない(または基準が曖昧)場合、上司のさじ加減で評価が決まることもあります。
上司が自分との人間関係で評価するケースや、その場の気分で評価を下してしまうことも。
「同程度の成果を出している」「同じくらいの取り組み姿勢」であるのに、社員間で給与や等級が異なると、社員は不満を抱えてしまうでしょう。
社員の評価を適切に行うために、評価制度のフレームワークを導入することをオススメします。
評価制度のフレームワークの代表例は、以下のとおりです。
評価制度のフレームワークを導入し、客観的で公正な評価を行えると、社員は評価に納得できます。
さらに評価の結果に対して、社員が振り返りを適切に行えれば、成長につながるでしょう。
たとえば、評価制度において「OKR」というフレームワークを導入すると、組織課題の解決につながります。
OKRについて詳しく知りたい経営層や人事担当者の方は、以下の資料をダウンロードしてみてください。
こちらの資料では目標管理フレームワーク「OKR」がいかにして組織課題を解決するかを簡潔にまとめています。特に企業成長においては役職間での共通言語をつくることがとても重要です。マネジメントにお悩みの方は、ぜひご活用ください。
組織課題を解決するには、管理職が積極的に関与しなければいけません。
管理職が組織課題を解決するために、行うべきことは以下の3つです。
管理職は部下とのコミュニケーション量を増やしましょう。
部下は「上司が考えていること」や「自分に期待していること」を知りたいはずです。
管理職は部下の強みや伸ばすべき点、期待していることなどを伝えて、部下の動機付けを行いましょう。
また、管理職は部下のキャリアを一緒に考えて、部下の力を最大限引き出せるようにしてください。
部下の職場環境や働き方を改善することも、管理職が行うべきことです。
管理職は部下の業務量や勤務時間、人間関係を定期的に確認し、問題があれば解決するために尽力したほうがよいと言えます。
また、フレックス制度やリモートワークも可能であれば、導入したほうがよいでしょう。
これらの制度を活用できると、職場の遠方に住んでいる社員や、子育てをしている社員が働きやすくなります。
成功事例・失敗事例を共有して、部下の支援を行うことも、管理職のするべきことです。
管理職から多くの事例を共有すると、部下は効率良く業務を行い、生産性を高められます。
成功事例のみを共有するケースが多いですが、失敗事例も共有して、部下が同じ失敗をしないように支援しましょう。
組織課題を解決するためには、最初に課題を特定する必要があります。
組織課題を特定するときに役立つフレームワークは「7S」です。
7Sは「ハードの3S」と「ソフトの4S」に分けられます。
ハードの3Sとは、組織に関するフレームワークであり、短期間で改善の効果が現れやすいと言えます。
ハードの3Sの要素は、以下のとおりです。
ハードの3Sの1つである「戦略(Strategy)」は、企業の理念・ビジョンを達成するための方向性を明示するものです。
戦略には、以下の3種類があります。
これら3つの戦略が適切に策定されているか、分析しましょう。
ハードの3Sの「組織(Structure)」は、経営戦略を達成するための組織構造か、確認する要素です。
組織の階層の多さや意思決定の所在、人員配置について分析します。
また、組織構造は以下の3つに分類され、適切に運用されているか確認する必要があります。
ハードの3Sの「システム(System)」は、会社の価値を高めるためのルールや制度が導入・運用されているかチェックする項目です。
社内のシステムが、社員の「業務の効率化」と「業務のクオリティの担保」につながっているか確認します。
システムの代表的な制度・ルールは、以下のとおりです。
7Sの「ソフトの4S」は、人材に関するフレームワークであり、改善に時間がかかる特徴があります。
ソフトの4Sを構成する要素は、以下のとおりです。
ソフトの4Sの「スキル(Skill)」は、会社が保有している知識や技術、ノウハウです。
会社が保有しているスキルが、「市場における会社の独自性を高めるか」という観点で分析します。
スキルに該当するものは、社員の能力や技術だけでなく、会社のチームが保有しているスキル(営業力や開発力など)も当てはまります。
ソフトの4Sを構成する「人材(Staff)」は、人材に関する制度や、社員個人を分析する項目です。
採用や評価、育成、報酬などの人材施策が適切に運用されているか確認します。
また、社員の業務姿勢やモチベーション、モラルも分析します。
ソフトの4Sの「社風(Style)」は、会社の雰囲気や文化、職場環境を指します。
ルールとして明確に定められていない「会社内の暗黙の了解」が、社風に当てはまります。
社風が企業の価値を高めたり、社員の生産性を高めたりしているか、確認・分析しましょう。
社風の代表例は、以下のとおりです。
ソフトの4Sを構成する「価値観(Shared Value)」は、企業理念やビジョン、ミッションを指します。
理念やビジョンに「社員が浸透・共感しているか」確認・分析しましょう。
社員が自分の会社の価値観を分析すると、主観が入って適切に分析できないこともあるため、外部の調査機関に分析を依頼することもオススメです。
社員が理念やビジョンに共感する状態になるには、多くの手間と労力がかかります。
組織課題とは、組織の目標と現状のギャップを埋めるための具体的なアクションです。
目標が異なると組織課題が変わるため、企業ごとに適切に分析する必要があります。
組織課題を解決するためには、フレームワークである「7S」を利用して、課題を特定しなければいけません。
「OKR」という評価制度のフレームワークを利用することによっても、組織課題は解決できます。
OKRの効果について詳しく知りたい方は、以下の資料をダウンロードしてみてください。