フィードバックのやり方とは?フレームワークや効果を高める改善方法も紹介BLOG

 2022.6.29

フィードバックはただ単にするだけでは、大きな効果を得ることはできません。フィードバックのやり方で重要なポイントとして「客観的なフィードバック」や「フィードバック後のフォローアップ」など複数が挙げられます。

この記事では、「フィードバックのやり方」や「3つのフレームワーク」について紹介します。フィードバックのやり方がいまいち分からないという方や、やっているのに効果をあまり感じないという方はぜひご覧ください。フィードバックの効果を高めて部下の成長を目指しましょう。

フィードバックの意味とは?

フィードバックとは「目標・提案に対して良かった点や改善点を伝え、次の行動を促すこと」です。「上司から部下」や「クライアントから委託業者」など、フィードバックを通じてさらに良い成果を目指すために実施します。

フィードバックする際は主観的に評価するのではなく、客観的なデータを用いて改善点を明確にしましょう。相手に不満が残るフィードバックをしてしまうと、「モチベーション低下」や「不信感」につながるので注意してください。

フィードバックする目的と得られる効果

フィードバックする目的としては「業務課題の把握」や「信頼関係の構築」などが挙げられます。適切なフィードバックを継続的に実施できれば、以下のような効果も得られるでしょう。

  • チームの目標達成
  • 業務効率の向上
  • チームメンバー・部下の成長

フィードバックにより「業務課題」を明確にすることで、時間を優先的に使うべき業務が見えてきます。チームメンバー全員が優先度の高い業務に取り組むことにより、効率よく目標達成に近づけるでしょう。

定期的なフィードバックはチームメンバー・部下の「悩み解決」や、「業務の進め方の手本」になるため、人材育成にもつながります。

フィードバックの種類

フィードバックは以下の2種類に分けられます。

  • ポジティブフィードバック
  • ネガティブフィードバック

適切に使い分けられるとフィードバックの効果はさらに高まります。「今まで2種類のフィードバックの違いについて意識していなかった」という方も多いのではないでしょうか。それぞれの特徴を把握して使い分けましょう。

ポジティブフィードバック

ポジティブフィードバックとは、「相手の行動や成果に対して、肯定的な表現を使用してフィードバックすること」です。具体的には以下の内容を意識しましょう。

  • 成果につながった行動を褒める
  • 目標達成できたことを喜ぶ
  • 期待している役割について伝える

「具体的な行動を褒めること」や「今後の期待している役割」について伝えることで、相手の自己肯定感を高められます。相手自身に「ここを改善したい」や「新しく○○に挑戦するのはどうですか」など自主性のある発言を促し、成長につなげましょう。以下の記事でさらに詳しく紹介しています。

ポジティブフィードバックとは?従業員のやる気を引き出す5つのコツを紹介

ネガティブフィードバック

ポジティブフィードバックと対になるのが「ネガティブフィードバック」です。ネガティブフィードバックとは、「相手の行動や成果に対して、否定的な表現を使用してフィードバックすること」を指します。

また否定的な言葉と言っても、「相手を傷つける言葉」ではありません。改善すべき点と具体的な改善方法を指摘して、相手のスキル向上のために行います。相手自身に課題について深く考えさせることで、思考力や創造力を伸ばせるでしょう。

フィードバックするタイミング

「フィードバックするタイミングがよく分からない」という方もいるのではないでしょうか。とくに実施するタイミングに決まりはないので、以下3つのタイミングを押さえておきましょう。

  • 人事評価面談
  • 1on1ミーティング
  • 通常業務中(施策提案・実績報告)

フィードバックの目的は「課題に対する次の行動を促すこと」です。部下とコミュニケーションをとる時にはフィードバックするチャンスだと思って、部下の業務状況を把握しておきましょう。

人事評価面談

人事評価面談でのフィードバックは、相手の「モチベーション」や「今後の業務成果」にも大きな影響を与える可能性があります。以下の順番でフィードバックを効果的に入れましょう。

  1. 従業員の自己評価を行う
  2. 人事評価の結果を伝える
  3. 良かった点・継続してほしい点を伝える
  4. 改善点を伝える

まずは従業員に自己評価を付けてもらい、評価側との認識の差がどの程度あるか把握しましょう。その後、人事評価を伝えフィードバックにつなげます。良かった点を伝えて「モチベーション」や「自主性」の向上をさせ、改善点を伝えることで「自己成長できる人材」を育てましょう。

1on1ミーティング

1on1ミーティングを実施している企業の場合は、ぜひフィードバックも合わせて実施しましょう。1on1とは、上司と部下が1対1で行う定期的な面談であり、週に1回〜月に1回程度で実施され、1回あたり30分〜60分ほどの時間を設定します。

部下の成長促進を目的として、「業務の課題」や「キャリアの相談」などのテーマで実施します。フィードバックする機会が増加するため、部下の成長にも効果的です。

1on1ミーティングを実施していない企業の方は、以下の記事で詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。

1on1とは何か?人事面談との違いや1on1の実践方法をご紹介!

通常業務中(施策提案・実績報告)

フィードバックするタイミングは面談中でなくても問題ありません。例えば以下のように、通常業務中にもフィードバックをするタイミングがあります。

  • 施策提案を受けたとき
  • 実績報告を受けたとき
  • 作成依頼した資料を提出されたとき

提案や報告を受けたままにするのは、部下に余計な不安を与えることにもつながります。できる限り早く「良かった点・改善できる点・追加で考えてほしい点」などをフィードバックしてあげましょう。素早いフィードバックは部下の業務効率を高め、チーム全体の成果に結びつきます。

より効果が出るフィードバックのやり方

「フィードバックのやり方が分からない」や「実施しているのに効果を感じられない」という方は、以下の内容の理解を深めましょう。フィードバックを効果的にするオススメの方法を紹介します。

  • 定期的なフィードバックを心掛ける
  • 客観的な視点からフィードバックする
  • 目標管理制度を活用する
  • 相手との信頼関係を構築する
  • 必ずフォローアップする

フィードバックはただすればよいという訳ではありません。「相手との信頼関係」や「フィードバック後のフォローアップ」も重要です。できているもの・できていないものを把握して改善しましょう。

定期的なフィードバックを心掛ける

日々の業務や1on1ミーティングを通じて、定期的にフィードバックすることを心がけましょう。継続して実施することにより、「常に部下が自分自身の課題を理解し、改善に向けた取り組みを考える」というサイクルを作れます。

フィードバックがなくても、「自分の中で課題を洗い出す→改善する」というサイクルができれば成長速度は格段に上がるでしょう。通常業務からフィードバックするように意識してみてください。

客観的な視点からフィードバックする

フィードバックする際は主観的に評価するのではなく、客観的なデータに基づいて評価することが重要です。主観的に話を進めると、「目標から話が逸れる可能性」や「相手のプライドを傷つける恐れ」があります。

例えば、営業成績が未達成である場合のフィードバックの良い例・悪い例を考えてみましょう。

悪い例向上心が感じられないし、結果として目標未達成につながっている
良い例業件数が先月の70%しかないから、結果として目標未達につながっている

「向上心が感じられない」という主観で話すと、相手は「本当に自分の業務を見てくれているのか」と不信に思う可能性があります。良い例のように、できるだけ数字を用いて客観的なフィードバックを心がけましょう。

目標管理制度を活用する

効果的なフィードバックをするには、MBOやOKRなどの目標管理制度と組み合わせるのがオススメです。目標に対して現状の課題や改善点をフィードバックできるため、フィードバックを受ける側も簡単に意味を理解できます。

明確な目標があることで、部下自身の業務改善への意識作りにもなるでしょう。目標管理制度のフレームワーク「OKR」を以下の記事で詳しく紹介しています。

OKRとは?【Google採用の目標管理手法】意味、導入事例、KPIやMBOとの違いを解説

相手との信頼関係を構築する

フィードバックは「相手との信頼関係」がとても重要です。いくら客観的なデータを使ってフィードバックしていても、信頼関係が構築できていなければ、不満や不信感につながる恐れがあります。

「部下の成長」が目的であることを理解してもらい、素直にフィードバックを受け入れてくれる状況を作ることが成功への近道です。普段のコミュニケーションを通じて、信頼関係を構築していきましょう。

必ずフォローアップする

1回フィードバックをしたからと言って、そのあと放置してはいけません。フィードバックしたことについて、定期的に進捗を確認するようにしましょう。

定期的な確認を入れることで、目標達成をより明確なものにできたり、部下からの信頼度を上げたりすることにつながります。フィードバックした内容が多いものを中心に、フォローアップを検討しましょう。

【例文あり】フィードバックで使われるフレームワーク

フィードバックにはさまざまなフレームワークを使いますが、今回は以下の3つを紹介します。

  • SBI型
  • サンドイッチ型
  • ストラテジー型

人によって好みや使いやすい型が違うため、いろいろ試して自分や相手にあったフレームワークを見つけましょう。以下の記事で他のフレームワークについても紹介しています。

【フィードバック 種類 6月納品記事】

SBI型

SBI型は、状況(Situation)・行動(Behavior)・影響(Impact)の順番で伝えるフィードバック手法です。具体的に業務プロセスに沿って話を進めるため、相手は内容を理解しやすいでしょう。

SBI型のフィードバックの例(新聞広告について)

状況昨日締切だった新聞広告の原稿がまだ先方から提出されていないんだけど。
行動締切当日の朝に届いていなければ、念のため先方に確認の連絡を入れるルールにしています。ただ、○○さんは確認していなかったみたいだね。
影響余裕をもった締切日にしていたから問題なかったけど、もし本当の締切日だったら売上損失にもつながっていたからね。再度ルールの徹底をしていきましょう。

サンドイッチ型

サンドイッチ型は、ネガティブな点をポジティブな内容の間に挟んで伝えて、相手にフィードバックを受け入れやすくする手法です。最初と最後にポジティブな内容を伝えるため、改善点を指摘しても相手のモチベーションを下げにくい特徴があります。

サンドイッチ型のフィードバックの例(営業報告書について)

ポジティブ先週依頼した営業報告書の件について、売上の伸びた要因が細かく記載されていたから、とても理解しやすかったよ。
ネガティブただ、具体的な数値の部分は視覚的に理解できるようにグラフや表を使った方がいいね。
ポジティブ他はとくに問題が見当たらなかったから、そこだけ直せれば完璧だよ。次からもよろしくね。

ストラテジー型

ストラテジー型は、相手に合わせて戦略を変えるフィードバック手法です。日々のコミュニケーションから相手の性格や思考を理解できるように意識しましょう。

例えば、思考力がある人なら「定性的なフィードバックをして自分で考えさせる」、経験が浅い人には「具体的なフィードバックで最終成果物のイメージをさせる」などが当てはまります。相手の状態に合わせてフィードバックしましょう。

ストラテジー型のフィードバックの例(営業報告書について)

思考力がある人営業報告書についてだけど、もう少し全体的に視認性を高められると嬉しい。何か不安なことがあれば質問してね。
経験が浅い人営業報告書についてだけど、売上が伸びた要因について追記するのと、視覚的に理解できるようにグラフや表を使うようにしてみて。次回からも同じところを意識してね。

フィードバックのやり方を工夫して部下の成長を促そう

フィードバックとは「課題に対して次の行動を促すこと」であり、部下の成長を目的としています。フィードバックで大切なのは、「定期的・客観的なフィードバック」や「フォローアップ」をすることです。今回紹介したフレームワークを参考にして、より効果的なフィードバックを目指しましょう。

また、目標管理制度で紹介したOKRについて、以下で人事評価制度に取り入れるための具体的なノウハウを無料でダウンロードできます。OKRは花王や大手金融機関などの大企業でも導入が進んでいますので、この機会にぜひご検討ください。

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