2023.3.28
ビジネスで目標設定しても思うように達成できず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。目標達成できない理由には個人やチームの能力面以外に、元々の目標設定に問題があるかもしれません。現状のままではいつまで経っても、目標達成できない可能性があります。
この記事では適切な目標設定の仕方や、目標達成に効果的なフレームワークや社内での取り組みについて紹介します。
仕事を進めていく中で「個人目標」や「チーム全体目標」が達成できないこともあるのではないでしょうか。ここでは達成できない理由を5つ紹介します。
どの理由で目標達成できていなかったのかを見極め、それぞれの対策を考える必要があります。元々の目標設定に無理が無かったか、目標達成できるだけの時間があったのかなど定期的に目標設定を振り返っても良いでしょう。
目標設定をするとき、あいまいな言葉を使用すると、何を基準に目標達成できたかの判断が難しくなります。以下の例のように誰が見ても達成の基準が分かるように設定しましょう。
改善前 | チーム全員が問題意識を持つようにしていく |
改善後 | チーム全員で月に1回業務課題について話し合う場を設ける |
抽象的な言葉での目標設定は控えるようにして、数字を使い定量的に判断できるように工夫しましょう。
目標達成に向けてどの程度の期間で計画を立てていますか?「1ヶ月目で〇〇をして、2ヶ月目に〇〇をする。最終的に〇〇できるようにするのが目標」のように大まかな計画は避けましょう。「急な業務」や「あまり優先度が高くない業務」に気を取られ計画を後回しにしてしまう可能性があります。
目標設定と同時にスケジュールに落とし込み、個人やチームで期限を設けると良いでしょう。
目標達成ができない社員の中には、すべての業務を自分一人でやろうとして、手一杯になっている場合があります。最初から自分一人でやろうとはせず、他の社員にも頼ると良いでしょう。得意なことは自分で担当して、苦手なことは積極的に他メンバーに依頼するなど、業務によって選択肢を持てると目標達成に近づきます。
目標達成できない理由として、そもそも達成ができない目標設定をしている場合もあります。会社の指示だからといって現実味の無い目標設定は「チーム全体の士気」や「チーム全体の評価」を下げることにつながるでしょう。
目標設定するときは現実的に達成可能か、見栄を張っていないかなど注意してください。自分で自分の首を絞めるようなことは避けましょう。
目標設定をしても、実際に目標達成できるだけの時間がその業務に使えなかったというケースもあるでしょう。各業務に個人やチームがどれだけの時間を使えるかも含めて、目標設定時に考慮する必要があります。いくら努力しても元々の時間が足りていなければ、目標達成できません。優先度を決めてやるべきことに時間を多く使いましょう。
目標達成ができない特徴を「個人」と「チーム」に分けて紹介します。
個人やチームを問わずに「具体的な目標設定」や「現状課題の把握」などの能力は必要です。それぞれ特徴を把握して自社の社員やチームと比べてみましょう。
目標達成できない人の特徴として、以下のような内容が挙げられます。自分の部下に同様の特徴があれば、改善できるように本人と一緒に対策を考えていきましょう。
自分一人の力ではできる仕事にも限度があります。また、具体的な目標があっても詳細な行動計画まで落とし込めていないと、実施する際に迷いが出て業務効率の低下にもつながります。
チームメンバー個人の力があっても、以下のような特徴があると目標達成からは遠ざかってしまいます。
チーム全体で目標達成をするには、普段のコミュニケーションを見直して業務について相談・依頼しやすい関係性を作ることが重要です。個人が別々の方向を向いて仕事をするのではなく「1つの目標に向かってチーム全体で頑張っていこう」という雰囲気を作れると良いでしょう。
ここまで目標達成できない理由や特徴を紹介してきましたが、実際に目標達成するには何に気をつければ良いのでしょうか?今回は以下3つのコツを紹介します。
できない理由でも少し触れた話もありますが、復習もかねて再度確認していきましょう。
目標を達成するには目標設定の具体化は欠かせません。「〇〇を意識する」や「〇〇をできるようにする」などの抽象的な表現では、最終的に何をすべきなのか迷ってしまいます。定性的な目標ではなく、定量的な目標を設定することが大切です。
また、目標管理のフレームワークであるOKRやMBOを使用してみるのも良いでしょう。以下の記事では、目標管理を効果的にする方法について紹介しているので合わせてご覧ください。
OKRとは?【Google採用の目標管理手法】意味、導入事例、KPIやMBOとの違いを解説
大まかにスケジュールを立てることは計画のフェーズでは良いですが、実施するフェーズになると「業務の先送り」や「業務効率の低下」など悪影響を及ぼします。業務内容を細分化して何をいつまでにすべきか明確なプロセスを作るという考え方を持ちましょう。スケジュールを丁寧に作ることで、無駄な時間をかけずに作業に集中できます。
新規営業であれば「新規契約件数」を目標において、契約率からテレアポ件数・営業提案数を計算しスケジュールに落とし込みましょう。現実的に可能な範囲で、かつ具体的にスケジュールすることが重要です。
目標設定する時は、つい大きな目標を立てたくなる気持ちがあるでしょう。しかし、個人やチームの能力を超えた目標設定は「モチベーションの低下」を引き起こす原因にもなります。失敗も成長につながりますが、まずは達成可能な範囲での目標設定をして、徐々に難易度を上げると良いでしょう。小さな成功体験を積むことでモチベーション向上にもつながります。
目標達成を目指す上で「目標設定」や「目標に対する課題の改善」の方法について知る必要があります。以下3つの役立つフレームワークを紹介します。
「SMARTの法則」は目標設定に効果的であり「PDCAサイクル」「KPT法」は課題の振り返りから改善までを考えるのに役立ちます。場面ごとに使い分けて活用しましょう。
SMARTの法則とは、5つの基準にそって目標を立てる目標設定手法です。SMARTの法則を構成する要素として以下のポイントをおさえましょう。
基準 | 概要 |
---|---|
1.Specific (具体的な) | 目標が具体的であるか。誰が聞いても同じ認識が持てることを目標にする。 例) 月間50件の営業提案をする |
2.Measurable (測定可能な) | 目標の達成度が測れるか。数値を用いて達成度を算出できる目標にする。 例) 月間10件の新規契約を結ぶ |
3.Achievable (実現可能な) | 達成可能な目標か。社員の能力や実績を考慮して達成できる目標にする。 例) ベテラン社員:月間15件の新規契約を結ぶ 新人社員:月間7件の新規契約を結ぶ |
4.Relevant (関連した) | 自分の利益に関連しているか。自分のモチベーションを維持できる目標にする。 例) 目標達成することで報酬が上がる |
5.Time-bound (期限を定めた) | 目標に期限があるか。期限を決めることで先延ばしを防ぐ目標にする。 例) 〇月〇日までテレアポを150件獲得する |
すべての目標ですべての基準を満たす必要はありません。目的に沿って取り入れる基準を選びましょう。以下の記事でSMRATの法則について詳しく紹介しています。
SMARTの法則とは?5つの基準と目標設定のポイントについて詳しく解説!
PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字を取ったもので、この順番で継続的に業務を改善していく手法です。各内容については以下の表にまとめています。
項目 | 概要 |
---|---|
Plan(計画) | 目標を設定して、その目標を達成するための行動計画を策定する段階。数値を用いて具体的に設定する。 |
Do(実行) | Plan(計画)で策定した目標や行動計画を元に、行動をしていく段階。目標に対しての進捗具合や工数を記録して振り返りやすくする。 |
Check(評価) | 設定した目標や行動計画が達成できているかどうかを評価する段階。達成・未達成の原因分析をして、Do(実行)での記録を根拠として具体的で整合性のある検証結果をまとめる。 |
Action(改善) | Action(改善)は、Check(評価)での分析結果から改善点を検討する段階。目標達成が現実的でないなら、目標の変更も考える。 |
PDCAを回して目標達成に向けた業務改善を進めましょう。さらに詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
KPT法とは、「Keep」「Problem」「Try」の頭文字を取ったもので、目標の振り返りに効果的な手法です。それぞれ具体例とともに内容を確認しましょう。
項目 | 概要 |
---|---|
Keep | できていることを続ける。 例) 月間50件の営業提案を継続して3ヵ月間できている。 |
Problem | 問題点を見つける。 例) 目標は新規契約7件だが、3件しか契約できていない。 |
Try | 改善に挑戦する。 例) 契約できた3件と他47件に特徴の差を見つけ、今後の営業提案する会社の種類を絞って挑戦していく。 |
KPT法を使うことで、振り返るべき事・次に行う事が整理され、次のアクションが明確になります。まずは「できていること」を続けるようにして、課題改善によって効率を上げて目標達成に近づけるようにしましょう。
組織全体の目標達成をするには各メンバーの成長がかかせません。今回は個人やチーム全体の成長・目標達成に役立つ取り組みを3つ紹介します。
1on1やコーチングは上司が部下に対して実施する取り組みで「部下の成長」に効果的です。目標管理制度はさまざまな種類がありますので、自社に合う制度を探すと良いでしょう。
1on1とは、上司と部下が1対1で行う定期的な面談を指します。週に1回〜月に1回ほどの頻度で、1回あたり30分〜60分ほどで実施されることが一般的です。
部下の成長促進を目的として「業務の悩み」「キャリアの相談」などのテーマで実施します。上司から部下へ一方的な評価を伝える面談とは違い、1on1は上司と部下の「対話」を重視しているのが特徴です。個人やチームの課題について一緒に考える時間を作ることで、部下の業務に対するモチベーションにもつながるでしょう。
1on1の具体的な方法について知りたい方は、詳しく紹介している以下の記事を参考にしてみてください。
1on1とは何か?人事面談との違いや1on1の実践方法をご紹介!
コーチングとは、相手の自主性を促し、能力を最大限に引き出すコミュニケーション手法です。対話の中で相手自身に答えを導き出させるのがポイントです。
コーチングする際には以下の内容に注意しましょう。継続することにより「自分自身で課題を乗り越える力」を身につけられます。
部下自身に課題を解決する力が付けば、個人の業務生産性やチーム全体での生産性を高められるでしょう。傾聴の姿勢を忘れずに取り組んでみてください。
組織目標を達成するには目標管理制度の導入がオススメです。目標に対して現状の進捗度や課題を把握でき、今後の対策を検討することも簡単になります。
明確な目標があることで「チーム全体で業務改善をして目標達成しよう」という意識作りもできます。まだ導入していない会社であれば、まずはチーム内で検討してもよいでしょう。
すでに実施している場合でも、「思うような効果が出ていない」や「効率化をしたい」と考えている方は、以下の資料をダウンロードしてご覧ください。OKRツールでその悩みを解決するサポートができます。
目標管理DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化の取り組みとしてOKRツールが選ばれる理由をまとめました。目標管理や評価制度に課題感をお持ちの方なら、この資料が必ず役に立ちます。
目標を達成できない理由には「目標が抽象的すぎる」や「目標達成に向けた計画が大雑把すぎる」などがあります。まずは達成可能な目標を決めて、できるだけ具体的に目標までの計画を立てるようにしましょう。
小さな目標達成を継続的にすることで自信やモチベーション向上にもつながります。今回紹介したフレームワークや取り組みを参考に、目標達成できる個人やチームにしていきましょう。