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【日本経済新聞社、Sansan登壇】デジタル促進でイノベーションを!新規事業を生み出すOKR運用法
〜前編:OKR導入事例のご紹介、パネルディスカッション〜


2019年7月25日(木)「デジタル促進でイノベーションを!新規事業を生み出すOKR運用法」と題し、日本経済新聞社(デジタル事業 デジタル編成ユニット CPO室 プロダクトマネージャー 武市 大志様)、Sansan株式会社(執行役員/CHRO(Chief Human Resources Officer)/人事部 部長 大間 祐太様)にお越しいただき、新規事業を生み出すためにOKRをどのように運用し、どのような課題を抱えているかを共有いただきました。(※役職は登壇日時点)

前編では、OKR運用・導入事例のご紹介およびパネルディスカッションの内容についてご紹介いたします。

Resily株式会社 取締役 西川 哲郎:今すでにOKRを導入されている方々は、「OKRってそんなに簡単なことじゃないよね」と痛感されていると思います。もともと目標とは事業戦略そのものですし、あるいは会社のビジョンそのものです。

OKRをちゃんとやっていくということは、会社の経営そのものにちゃんと向き合うということだと、僕らは理解しています。

今日はOKRの泥臭い、あまりオープンになっていないような情報も出し、皆さまの経営や知見の部分で少しでもお手伝いになれば幸いです。

日経新聞のデジタル事業部にOKRを導入。OKR導入の背景には3つの課題があった

弊社には「日経電子版」というサービスがありまして、これは「日経新聞のデジタル版」というようなサービスです。今回はその開発チームに、2019年1月からOKRを導入した話をさせていただきます。

私は5年前くらいに日経に入社し、アプリのエンジニアを経て、今は日経電子版の全体のプロダクトマネジャーをやっています。OKRを導入したのは、 大きな事業的な目標を目指す上で2つの課題があったためです。

1つ目の課題は、ビジネスサイドと開発サイドの隔たりです。
日経電子版は5年くらい前から内製化を進めていて、元々すべて外注していたプログラミングなどを社員が自分たちで行うようになってきました。採用も積極的に行い、エンジニアが自ら企画・提案をしてUI/UXの改善を推し進めたり、新しい機能を追加したりしました。しかし、事業的な数値責任を負っているのはあくまでビジネスサイドのマーケティングチームで、開発サイドはそこにあまり関心を持っていませんでした。

一方、ビジネスサイドは開発サイドに色々と要望を出したいのですが、開発サイドの内製化が進んだことで、それなりに強いエンジニアがいるからなんとなく頼みづらい。そんな隔たりがありました。

2つ目の課題は、やることがたくさんありすぎることです。
ステークスホルダーが多いサービスなので、色々なところから案件が降ってくることが多く、その対応に追われがちでした。

これらの課題を解決して、大きな目標を達成するためにOKRを導入しました。

OKRのメリットは目標と進捗を可視化すること

OKRの一般的なメリットとして挙げられるのは、フォーカスできることと、可視化できることです。

事業全体としてどのような目標があって、このチームはこの四半期でどういう目標を背負っていて、そのために何をやろうとしているのかを明確にして、可視化することができます。

各チームには、その目標にフォーカスするために、「この3ヶ月はこういう目標を立てたから、とにかくその数字を上げるためのことだけをやろう」と伝えているんですね。

逆に目標とずれる案件が降ってくる場合には、「目標と合わないので今はやりません」というように、なるべくリソースを集中させています。

OKR導入時に「職能型チーム」から「混成型チーム」へ変えて、生産性よりも創造性を重視

OK 導入とセットでやったことが2つあって、「職能型チーム」から「混成型チーム」へチーム編成を変えたことです。

今までは職能型で、

  • アプリに詳しい人だけが集まったアプリチーム
  • WEBのフロントサイドに強いチーム
  • マーケティング・プロモーションをやるチーム

など、それぞれ分かれていました。
それらを一部混ぜて混成型にしたんですね。一つのチームにアプリエンジニアもWeb系エンジニアもマーケターもデータアナリストもいるといった感じで。

狙いとしては、これはメルカリさんの受け売りなのですが、「生産性よりも創造性を」ということです。

確かにアプリに詳しい人が集まっていると、アプリの改善を回すのはすごく早くなるしいいんですよね。改善を繰り返すことで事業が伸びているフェーズならそれもいいんですけど、それまでにないドライブを実現したいシーンではもっと他の形があるのかなと。

混成型にすることでより創造的な今までにやったことのないアイデアが実現できるんじゃないか、という期待からこのような編成にしました。

あとはその混成チームに明確な数値目標を持ってもらい、チームのプロダクトマネージャーには目標を達成する責任と実行権限がある状態を作りました。

OKRを3ヶ月実施したことで数値を意識し、事業的な成果が出せた。その一方で課題もあった

OKR導入において良かったことは、まずは「OKRを見失うことなく3ヶ月きちんと回せた」ということです。OKR導入で一番ありがちなワナは、設定だけして見なくなることだと聞いていたので、そうならなかったのは第一関門クリアという感じです。

あとは先ほどお伝えした通り、以前はビジネスと開発の間で隔たりがあったんですよね。でもエンジニアからは「事業的な数値を意識できるようになった」との声があったり、実際に短期的に事業的な成果も出たり、と非常に嬉しかったです。

ただやっぱり課題もたくさんあります。当然のことかもしれませんが、3ヶ月という期間で目標の数値を設定してそれを目指そうとすると、3ヶ月でできることしか選ばなくなるんですよね。

なので、現状は「ムーンショット」と呼ばれる、事業を一気に大きく成長させるようなアイデアは実現できていません。その課題に対して7月からは中長期的な、「これは少し時間がかかるけれどもトライしよう」というアイデアを実現させるようなOKRの組み方を模索し、実行しています。

Sansanは名刺管理サービスを通じて、出会いからイノベーションを生み出す

当社は2007年の設立で、今期で13期目になります。従業員規模はここ2年で300名を採用しており、現在およそ500名の規模になりました。提供しているサービスは法人向けが「Sansan」、個人向けは「Eight」という、いずれもクラウドで名刺を管理するサービスです。

弊社は名刺管理サービスを提供してる会社でありますが、サービスを提供すること自体が目的の会社ではありません。このサービスはあくまで手段で 、名刺管理サービスを通じて「出会いからイノベーションを生み出す」ということを実現していきたいのです。

世の中で起きるイノベーションの手前には、ビジネスにおける人と人の出会いがあります。そのような価値のある出会いを、僕らが提供するプラットフォームから生み出していく。
「Sansanがあったからこのようなビジネスシーンが生まれた」
そう言ってもらえるような会社を目指しています。

OKR自体はミッションを実現するためのマイルストーン

2018年1月に全社カタチ議論2018というものをやりまして、当時の社員が400名ほどだったのですが、全3,000時間ほどを使って議論をしました。そこで議論されたすべてがミッションにつながっています。

OKRについても一緒で、ミッション実現のために今すべきことをOKRとして掲げ、「OKRの達成はミッションの実現を引き寄せる」という思想で運用しています。
ちなみに3年前のOKRは「非連続な成長の実現へ」「グローバルの突破口を見出す」でした。うちでは「社内でバズりそうなキーワードをObjectiveに入れる」というのをキーにしているのですが、この「非連続」というのは社内でかなりバズりましたね。

このような形で全体を通すと、「OKR自体はミッションを実現するためのマイルストーン」であると言えると思います。

Sansan独自のOKR運用法は3つある

SansanのOKRには一般的なOKRと違う部分が3つありまして、それを紹介させていただきます。

1. 個人OKRが存在しない

営業やコンサルは定量目標を設定しているんですが、それ以外のメンバーに関しては個人OKRは無いんですね。なので自身の部のOKRにどう貢献したかで評価されるようになっています。

個人のOKRを立てて運用するのはかなり大変で、四半期に1回立てるのですが、個人目標まで立てたらもう四半期の1/3が終わってしまう、みたいなこともありました。。ですので弊社では個人OKRの設定をすることはやめました。

2. 高い目標を掲げ必達する文化

OKRって基本的には、野心的なワクワクするような、達成率60〜70%になる目標を立てますよね。絶対に100%達成できないような目標を立てるのが定説なんです。

ただSansanはかなりアグレッシブな会社でして(笑)、立てた目標は必達する気概で、高い目標を掲げて必ず達成するのだいう文化でやっています。

3. 評価にもしっかり反映される

一般的にOKRと評価は直結しないという風に言われていますが、弊社ではガッツリ結びついていて、しっかり評価されます。これはこの後詳しくお伝えしますね。

社員評価は「Achievement 360度評価制度」で納得感を高めている

弊社の社員評価は「Achievement 360度評価制度」というもので、「Achievement」という概念を取り入れて、そこに対して360度評価を実施するものです。

Achievementは「自分の成果」のことで、自身が所属するグループ・部のOKRに対して「今期自分は何に対して貢献したのか」ということを指します。社員個人には半期に1回、組織OKRへの貢献を3〜5個記入してもらっています。

例として自身が作ったOKRで説明すると、まずは以下の通りです。

  1. 自身の書いたAchievementに対して、貢献度を自己評価する
  2. そのAchievementが、組織のどのOKRと紐付いているかを書く
  3. このAchievementをよく知る同僚を3〜5人選ぶ

この後は同僚の作業になるのですが、例えば「このAchievementはAさんに評価してもらいたい」という人が10人いたとします。そうしたら、評価者のAさんはすべてのAchievementを事業インパクトが高い順に上から並び替えてもらいます。

わざわざ並び替えるのは、あらかじめ序列を付け、差を設けるためです。なぜなら、360度評価ってみんな中央値の3をつけたがるので、なかなか差が出ません。加えて、グレードが高いメンバーが評価者として360度評価をしたAchievementは係数が掛かり、スコアが高くなるようなロジックも設計されています。

そして最後に、上司が360度評価の結果を参考にしながら部下の評価を1から5段階で絶対評価で実施します。
つまり、「同僚の相対評価」と「上司の絶対評価」の組み合わせからスコアリングされた数値を見て、メンバーの評価につなげていきます。

評価というものは、本人が思っている評価と実際の評価結果に大きく乖離があると社員のエンゲージメントの低下に繋がります。ただこの「Achievement 360度評価制度」は自分が評価してもらいたいと思った同僚が評価しているので、被評価者からしても一定の納得感があるんですよね。

まとめ:OKRはあくまで手段。導入するときは自社に合ったOKR導入・運用方法をよく考えよう!

ここまで、日本経済新聞社の武市様とSansan株式会社の大間様に、どのような目的でOKRを導入し、運用上どのような課題を抱えているかを共有いただきました。

OKR導入の経緯や手順は企業によって異なります。今回の2社においては、会社の事情や文化に合わせてそれぞれが努力や工夫をし、少しずつ軌道に乗せていたことがわかりました。

後編では、会場から寄せられた質問に対して、引き続きパネルディスカッション形式でお二方からアドバイスをいただきます。

>>後編「〜後編:会場からの質問受付〜」はこちら



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