• セミナーレポート

公開:2021.04.21 10:29 | 更新: 2021.10.04 08:56

創業140年の歴史を持つグローバル企業「エルゼビア」が挑むOKR導入による組織改革セミナーレポート(前編)

2021年1月28日(木)開催
主催:Resily株式会社
登壇者:Ian Harvey(エルゼビア社シニアディレクター)

OKRは成長企業を中心に支持されているフレームワークだが、組織の在り方、動き方にも大きな変化を伴うものでもある。十分に成熟した企業がOKRを導入するのは、いささか無謀のようにも思える人も多いのではないだろうか? 

オランダを拠点に140年の歴史を持ち、売上高35億ドルを誇るグローバル企業「エルゼビア」。今回のセミナーでは同社シニアディレクターのイアン氏が、OKR導入にあった課題や、どのようなステップを踏んでOKRを導入したのかや、OKRについての考えかたを解説した。

また、同社がOKRを導入した際の失敗から得た教訓を紹介し、Q&Aコーナーも実施。「OKRと評価の関係は?」「これから導入する人達が後悔しないように気をつけられるポイント」といった現場からの疑問にイアン氏の回答は?

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目次

エルゼビアで成熟したプロダクトのイノベーションをどのように起こしたか

今回セミナーに登壇したイアン・ハーヴィー氏は、世界的な製薬会社であるグラクソ・スミスクラインで企業戦略、教育のグローバルリーダーであるピアソンで技術プロダクト管理、テクノロジー関連大企業のEMCでコンサルタントなど、様々なキャリアを積まれてきた。現在はOKRエバンジェリストとしてご活躍されている。

Ian Harvey(エルゼビア社シニアディレクター)

今回は、イアン氏が2017年にエルゼビアにJoinした際に、どのようにOKRを導入していったのか、エルゼビア社についての説明から話し始めた。

エルゼビアは、1880年に設立された140年の歴史を持つ企業。

科学出版分野の世界的リーダー企業であり、主要顧客は世界中の研究者とヘルスケア関連企業・団体などがあげられる。(2000年以降、科学分野のノーベル賞受賞者の99%がエルゼビア誌に掲載されている。)

主要なプロダクトとしては、査読済み科学関連資料の最大のデータベースであるScience Direct」がある。なお、このプロダクトでは、2019年に10億以上の記事がダウンロードされ、売上は1000億円以上だった

順調に成長を遂げていると思われていたが、最高の人材を得るために海外では企業同士熾烈な戦いを繰り広げており、エルゼビアも然り。そして、この優秀な人材を獲得するレースのあおりを受け、エルゼビアは存亡の危機に直面してしまった。

特にエルゼビアが提供していたプロダクトは成熟期に入っており、イノベーションを起こすことは難しいと思われていた。しかし、「競争力を維持するためには、絶え間ない変化と継続的な改善が必要であるということ」を経営層が理解していたことで、

①鍵となるプラットフォームの再設計
⓶アジャイル技術への投資

この2つををイノベーションの実現のために焦点を当て、実行した。

OKR導入検討の背後にあった課題とは

2017年従業員調査自分の仕事が、会社にどのように貢献しているか理解していた従業員はわずか48%

2017年、エルゼビアでは従業員調査を行った結果で、「自分の仕事が企業目標にどのように貢献しているか理解している人」48%に過ぎないという結果が出た。

この調査を踏まえ、社員のモチベーション向上および維持のために、組織として行動に移すことが重要であるという経営判断に至った。

なぜなら、従業員が自分の仕事と戦略のつながりを把握していないと、組織は戦略を実行できないからである。

そこで、エルゼビアでは下記の目標を掲げた。

  • 目標をより明確にし、合わせてアライメントを高めること
  • イノベーションを加速させること
  • 組織にとって本当に重要なことに集中し、業界のリーダーやスタートアップと競争すること

この目標を達成するため、同社内で「ゴール・クラリティ・プロジェクト」チームを立ち上げた。 

OKRをなぜ選んだのか

2017年当時、イアン氏は習得した技術をいかにエルゼビアで広く採用できるかを考えていた。

ゴール・クラリティ・チームでOKRのメリットを議論した際に、既にいくつかのチームでOKRの導入が検討されていた。それを踏まえ、同チームとして内容の理解を深めたところ、OKRが当社の課題解決に最適であるという結論に至った。 

イアン氏はこれまでのキャリアを通じ、常に「なぜ」に注目するよう心がけてきたという。『なぜ私たちはこれをしているのか?』『どのような結果が得られるのか?』 OKRはこの姿勢を体現するものであった。

また、OKRの最大の強みは、権限を与えられたチームがスキル・知識・能力を活用して、お客様やビジネス上の難しい問題に挑戦して、解決策を生み出せること

OKRには、「実験を可能にすること」そして「組織やチームに必要な成果に集中すること」という2つのポイントがある。

驚く人もいるかもしれないが、OKRを導入することは、決してメンバーを幸せにするためではない。実際にはメンバーはそう感じるかもしれないが、OKRは私たちがビジネスで成果を出し、戦略上の目標を達成するためのものである。 同社CEOが評価する成功とは。「事業の成果があがったか否かという一点のみ」である。

OKRとは?

OKRはインテル社のアンドルー・グローヴによって作られ、Management By Objective(MBO)から進化した。それをジョン・ドーアがGoogleに持ち込んだのである。OKRは戦略と実行を一本化させる、成果に焦点を当てたフレームワーク。戦略と実行を一本化させることは、多くの組織にとっての課題である。

では成果とは何なのか?

成果とは「お客様・組織・従業員にとって測定可能な有益な効果」のことである。

OKR
Objective(目標)
Objectiveの例お客様に愛されるユーザーサポートを提供する

OKRの概念

簡単にOKRの概念を説明すると、まずOKRの「O」、これはObjective(目標)の略。

これは私たちが描く世界の定性的な要素になる。素晴らしいObjectiveは、チームや組織に感情に呼びかけ、行動を促し、人々の心を掴み、お客様・組織・従業員のための変革を促すものである。

Objective

良いObjectiveは、シンプルで記憶に残り、意義があり、行動を重視するものである。最も重要なのは、成果を表すこと

例として、1つのObjectiveと2つのKey Resultsをあげる。

Objective:私たちはお客様に愛されるサポートを提供する。

Key Result①:初回電話でのお客様の問い合わせ解決率を73%から90%に向上させる
Key Result②:ヘルプデスクのCSAT(顧客満足度)を7.8から9.2に向上させる。 

Objectiveはモチベーションを高めるもので、Key Results(KR)は重要な詳細を定めるものであることが、理解いただけると思う。

Key Results

Key Results(主要な結果)とは、ビジネス・お客様・従業員にとって測定可能なもので、計画を立てる手段であり、そして最も重要なのは成果を測定するものである。

数字が含まれなければ、Key Resultsではない。理想的には、Key Resultsは「XからYへ」いう形式で書かれ、Xは出発点、Yは目標を置くこと。

それぞれのObjectiveに対して、2~5つのKey Resultsが必要になる。イアン氏は2~3個が理想であるとしている。また、一般的なOKRの設定は、チームは四半期ごと、組織は年次でよいとしている。

後半に続く

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