モチベーションの低下が退職理由?退職する人の兆候や退職を防ぐ方法を紹介BLOG

 2022.8.8

仕事に対するモチベーションの低下は、社員が退職する理由の1つです。モチベーションの低下の理由は「業務負担が大きすぎる」や「組織の人間関係に不満がある」など数多く存在します。

この記事では退職につながるモチベーション低下の理由や、退職する人の前兆・兆候について紹介します。退職する理由や前兆を把握しておけば、退職者を事前に防ぐことにもつながるので、退職者がひとりでも少なくなるよう対策しましょう。

社員のモチベーションが下がる5つの理由

仕事に対するモチベーションが下がることによって、業務への意欲がなくなり、最終的には退職につながる場合もあります。ここではモチベーションが低下する理由を5つ紹介します。

  • 業務負担が大きすぎる
  • 組織の人間関係に不満がある
  • 業務内容にやりがいを持てない
  • 労力に見合う給与・報酬をもらえない
  • 自分や会社の未来が見えない

社員のモチベーションが下がる理由を把握して、自社でも該当する項目がないか確認しましょう。「業務負担に差が出ていないか」、「人間関係で問題はないか」などは比較的確認しやすいです。

業務負担が大きすぎる

モチベーションが低下する理由の1つとして、以下のように業務負担が大きすぎる場合があります。

  • 担当業務を複数兼任している
  • 残業しないと業務が終わらない
  • 業務の責任が大きい

例を挙げると「新聞広告担当とWeb広告担当の兼任をしている」や「チームの売上予算の50%を担当している」などです。上記のような業務を担当する人はある程度実力が認められている可能性があります。ただ、人手不足という理由で社員に兼任させてしまった場合には注意が必要です。担当社員に無理させていないかを確認するようにしましょう。

組織の人間関係に不満がある

上司との相性やチームメンバーとの信頼関係を構築できず、上手く意思疎通ができないのも、モチベーション低下につながります。

プライベートまで仲良くなる必要はありませんが、業務内容についてはストレスなく話し合える関係性の方が業務効率の向上にもつながります。相性が悪く改善の見込めない場合には、チーム異動も視野に入れましょう。

業務内容にやりがいを持てない

希望していた部署や業務内容と全く関係ない担当の場合、業務内容にやりがいが持てず、モチベーションが下がる原因になります。

他の例として、はじめはモチベーション高く業務をしていたが、業務に慣れることで流れ作業になり、やる気が起きないという場合もあるでしょう。定期的な面談を通じてどのような業務がしたいのかヒアリングし、組織として可能な範囲で対応を検討するのも良いです。

労力に見合う給与・報酬をもらえない

自分が担当している業務内容・量を振り返り、労力に見合う給与や報酬をもらえていない状態が続くと、社員のモチベーションは下がってしまいます。

会社で働く理由は給与だけではありませんが、継続して働く理由に大きく関わります。正当な評価がされると感じれば、社員の業務へのやる気にもつながるでしょう。適正な給与体制になっているか再度見直しをすることも重要です。

自分や会社の未来が見えない

社員自身や会社について未来を想像したときに、今より成長しているビジョンが描けない状態では、社員のモチベーションは下がるでしょう。

成長した未来を想像させるための取組みとして、以下の内容を参考にしてみてください。

  • 自分の現状と成長後とのギャップを洗い出してもらう
  • 会社の目標を全社員に共有する

社員自身に現状と成長後のギャップを洗い出してもらい、必要な知識やスキルをどのように身に付けるかを一緒に考えるようにしましょう。成長後の自分の姿を明確にすることで、主体性やモチベーション向上にもつながります。

退職者の増加による周囲への悪影響

退職者が増加することにより、社内全体で以下のような悪影響を及ぼします。

  • 社員の業務負担が増加する
  • 社員のモチベーションが下がる
  • 退職の連鎖が起きる

チーム全体の業務量は変わらないため、退職者の業務を他の社員が肩代わりすることになります。その結果、社員の「不満増加」や「モチベーション低下」を引き起こし、最悪の場合、次々に退職者が出ることもあります。退職者が出た場合には、残っている社員の負担を考慮して対策するようにしましょう。

社員のモチベーション低下による退職を防ぐ5つの方法

ここまでモチベーション低下の理由や退職者増加による影響を紹介しました。今回は社員のモチベーション低下を防ぐ方法について5つ紹介します。

  • 新しい知識が必要な業務を依頼する
  • 目標管理制度で明確な目的を決める
  • 社員の成果を適切に評価する
  • 抜擢人事でモチベーションを高める
  • 部下のキャリア設計を支援する

モチベーションを低下させない仕組みや制度を上手く活用することが大切です。社員が主体的に働く職場作りを意識しましょう。

新しい知識が必要な業務を依頼する

モチベーションが下がる理由に「現状の業務が作業化している」場合があります。具体的に言うと以下のような状態です。

  • 定例業務が多く頭を使わずに仕事をしている
  • 担当業務に必要なスキルを十分に持っている
  • マニュアル通りの業務内容が大半を占めている

改善策として、新たに必要な知識やスキルが必要な業務を依頼しましょう。通常業務と違い、まずは情報のインプットする時間が必要であり、自然と業務に集中できる環境を作れます。一度に新規業務の依頼をすることは受け手の負担になるので、その都度調整をしましょう。

目標管理制度で明確な目的を決める

社員のモチベーション低下を防ぐには目標管理制度の導入がオススメです。目標に対して現状の進捗度や課題を把握でき、今後の対策を検討することも簡単になります。

明確な目標があることで、自分自身の役割をイメージしやすくなりモチベーション向上にもつながるでしょう。まだ目標管理制度を導入していない企業であれば、はじめにチーム内で検討してみてください。目標管理フレームワークの例として、Googleでも使用されているOKRを以下の記事で紹介しています。

OKRとは?【Google採用の目標管理手法】意味、導入事例、KPIやMBOとの違いを解説

社員の成果を適切に評価する

社員の成果を適切に評価することで、社員のモチベーション低下を防ぎます。人事評価を行う際には以下の内容に注意しましょう。

  • 評価基準を明確にする
  • 評価者によって評価のバラつきがないようにする

評価基準が不明慮な場合、評価に納得ができずに社員に不満を抱かせることにつながります。評価基準は誰が見ても適切に評価できるように「具体的かつ定量的な指標」にすることがオススメです。評価のバラつきを起こさないためにも、目標自体を「月間の営業訪問件数30件」と判断しやすいものにすると良いでしょう。

抜擢人事でモチベーションを高める

抜擢(ばってき)人事は特定のポジションに人員をアサインするときに「実力とスキル」に注目するのが特徴です。そのポストで成果を出せそうな社員は誰かを考え、適切だと思われる人材を登用します。プロジェクトリーダーや新規チームのリーダーを任せることでモチベーション向上につながるでしょう。

入社時期や勤続年数、現在のポジションは考慮されません。あくまでもその人が発揮できそうなスキル、期待できる成果にもとづいて判断します。実力があり現状の業務で力を持て余している社員に積極的に抜擢人事を導入しましょう。

抜擢人事とは?適材適所の人員配置に欠かせない人事のコツを紹介

部下のキャリア設計を支援する

モチベーション低下の理由として「自分の成長する未来がみえない」場合があります。「このまま仕事を続けても成長できないのでは」という漠然とした不安を解消することが重要です。具体的に以下の手順で部下のキャリア設計を支援しましょう。

  1. 部下自身にキャリアについて考えてもらう
  2. 必要な知識やスキルを洗い出す
  3. 現在の業務で「身に付けられるもの・身に付けられないもの」に分ける
  4. 身に付けられないものは別業務で代替する

キャリア設計をすることで自分自身に必要なことが明確になります。業務する上で知識やスキルを身に付ける意識をもつことで、モチベーションが高まるでしょう。

【役職別】退職する人の前兆・兆候

退職する社員の前兆・兆候として、以下のような行動を取ることが多くなります。変化に気づけるようにしましょう。

  • 業務へのモチベーションが低くなった
  • 社員とのコミュニケーションが減った
  • 有給休暇・欠勤が増えた
  • 会社での集まりに参加しなくなった

以下では「若手・中堅・ベテラン」社員に分けて、それぞれ退職する理由について紹介します。特徴を把握して退職の前兆を掴めるようにしましょう。

若手社員

若手社員の場合には以下のような理由で退職するケースが多いです。

  • 面接時の業務内容と異なる
  • 仕事量と自分の実力が合っていない
  • 周りとのコミュニケーションが上手く取れていない

面接時に受けた業務内容と実際の業務内容に違いがあれば、退職につながるのは当然です。また、自分の実力以上の業務を任されることによるストレスや、周りとのコミュニケーションがかみ合わないことによるストレスも退職理由になります。

中堅社員

中堅社員の場合には直接的な業務内容だけでなく、プライベートにおける理由での転職も増えていきます。具体的な退職理由は以下の内容が挙げられます。

  • 部下と上司との板挟みによるストレスがある
  • 今後のキャリアに不安がある
  • 仕事とプライベートの両立ができていない

中堅社員には、部下と上司のコミュニケーションを取り持つ役割があります。間を取り持つことで双方からの意見の調整で大きなストレスを抱えることもあるでしょう。

ベテラン社員

ベテラン社員の場合には知識やスキルがあり優秀だからこその悩みが増えます。具体的な退職理由としては以下の内容が挙げられます。

  • チームマネジメントに悩んでいる
  • 知識やスキルが給与に見合っていない
  • 早期退職をして次のキャリアを歩もうとしている

ベテラン社員になると能力が高いことにより、重要度の高い業務の割合が大きくなります。チームマネジメントや部全体のマネジメントなど、役職による責任も重くなるため、精神的な負担も増えるでしょう。現状の仕事に不満がなくても、自分のスキルアップのために早期退職する場合もあります。

退職を事前に防ぐための対策

退職を防ぐ対策として、以下3つの方法で社員とのコミュニケーションを取ることを意識しましょう。

  • 1on1でコミュニケーションの機会を増やす
  • ストレス診断を定期的に行う
  • モチベーション管理システムを導入する

定期的に面談や診断テストなどを実施することで、社員の気持ちの変化を感じ取ることが可能です。外部ツールを活用するのも良いでしょう。

1on1でコミュニケーションの機会を増やす

1on1とは、上司と部下が1対1で行う定期的な面談を指します。週に1回〜月に1回ほどの頻度で、1回あたり30分〜60分ほどで実施されることが一般的です。

部下の成長促進を目的として「業務の悩み」「キャリアの相談」などのテーマで実施します。上司から部下へ一方的な評価を伝える面談とは違い、1on1は上司と部下の「対話」を重視しているのが特徴です。いつもと違うところがないか気を付けて、退職に対する気持ちが出てきていないか確認しましょう。

1on1の具体的な方法について知りたい方は、詳しく紹介している以下の記事を参考にしてみてください。

1on1とは何か?人事面談との違いや1on1の実践方法をご紹介!

ストレス診断を定期的に行う

ストレス診断を実施する目的として、以下の内容が挙げられます。

  • 社員自身にストレス状態を把握してもらう
  • 業務環境の改善を行う

社員自身に「どのくらいストレスが溜まっているか」や「何によってストレスを抱えているか」を把握してもらうことで、事前にストレスからくる不調の予防ができます。また、チームのストレス傾向を見て同じようにストレスがかかっている場合には、チーム単位で「業務環境の改善」について対策が打てます。事前に対策が打てるため、退職を防ぐことにもつながるでしょう。

モチベーション管理システムを導入する

退職を事前に防ぐには「モチベーション管理システムの導入」も効果的です。モチベーション管理システムとは、アンケート調査によって社員のモチベーションデータを収集・分析できるシステムです。分析結果からフォローする必要がある社員を見つけ、対策を打てます。直接人に話すわけではなく、アンケート調査のため本音で回答しやすいでしょう。

社員のモチベーション低下を防いで退職者を減らそう

仕事に対するモチベーションの低下は退職につながる可能性があります。自社の業務環境を見直して「業務負担が大きすぎる」や「労力に見合う給与・報酬をもらえない」というモチベーション低下の原因がないか確認しましょう。他にも今回紹介したモチベーションを低下させない仕組みや制度、外部ツールを上手く活用してみてください。

以下の資料では、目標管理のフレームワークとして紹介したOKR導入による「組織課題の解決法」について詳しく解説しています。「中間管理職のスキルアップ」や「メンバーのエンゲージメント向上」といった組織課題を感じている方は、ぜひダウンロードしてみてください。

こちらの資料では目標管理フレームワーク「OKR」がいかにして組織課題を解決するかを簡潔にまとめています。特に企業成長においては役職間での共通言語をつくることがとても重要です。マネジメントにお悩みの方は、ぜひご活用ください。

OKRを1つのツールに
まとめて運用しましょう

製品資料のダウンロードはこちら

お問い合わせ・導入のご相談はこちら