2023.6.16
ミドルマネージャーは組織の中間に位置して、経営層と現場の社員を繋ぐ役割があります。プレイヤーとしての側面もありながら、マネジメントでも成果を出さなくてはいけない非常に重要な役職です。ミドルマネージャーとしてのスキルを高めることで、会社からの評価をさらにアップできるでしょう。
今回はミドルマネージャーとして知っておくべき「具体的な役割」や「必要な能力」について紹介します。ミドルマネージャーに昇進した方や昇進したい方はぜひ最後までご覧ください。
また、マネジメントスキルについても知りたい方は、合わせてこちらの記事もご覧ください。
→マネジメントスキルとは?必要な5つの能力や向上させる方法について紹介
ミドルマネージャーとは、組織の中間管理職としてマネジメントを行う役職です。主に部長や課長がミドルマネージャーにあたり、部門全体の管理を担当します。
経営層と現場の社員を結ぶ重要な役割があり、経営方針に従いチーム全体を目標達成に導くのが仕事です。
ミドルマネージャーの仕事は多岐にわたりますが、主な仕事内容としては以下が挙げられます。
会社を成長させるには「組織目標の達成」が重要です。売上や利益の目標を達成できれば、その分を「既存事業のさらなる成長」や「新たな事業」へ再投資できるからです。
組織目標の達成や会社の成長は「若手人材の育成」とセットで考えられます。経営層の意思をチーム全体に伝え、同じ目的をもって働く優秀な人材の育成を意識しましょう。
組織として成果を出すためのオススメ目標管理フレームワークはこちらの記事をご覧ください。
→OKRとは?OKR専門家が基本から運用方法まで解説!
会社がミドルマネージャーに求める役割として、主に以下4つの内容が挙げられます。
「業務に関する情報伝達能力」や「他部署を巻き込んでの業務推進」は会社全体での業績最大化に大きく影響します。会社が求めることを理解して、期待以上の行動を目指しましょう。
情報共有の役割として以下の2つが挙げられます。
経営方針について自分なりに理解して、自分の言葉でチームに伝えることが大事です。ただ上からの指示として伝えるだけでは、チーム全体の士気は高まりません。目標達成に向けたプロセスを共有し、方向性を明確に示すことで、「部下に付いて行きたい」と思わせることが大切です。
経営層に対しては、目標に対する課題や対策を明確に伝える必要があります。スピード感とデータに基づいた数字を意識しましょう。
「業務を円滑に進める」には複数の意味があります。今回は以下の2つを紹介します。
日々の業務は課題解決のため、PDCAを常に回し続けることが求められます。目標に対して、「達成できた要因」や「達成できなかった要因」を把握し、さらなる業務効率向上を目指すことが大事です。
新規プロジェクト・新規事業の推進に関しては、日頃からの情報収集や潜在的ニーズの掘り起こしなど、既存ビジネスにとらわれない思考が必要になります。
コミュニケーションの活性化もミドルマネージャーの重要な役割です。主に以下のコミュニケーションを意識しましょう。
業務を円滑に進めるためには、日々の業務管理と同様に「同部署・他部署メンバーの協力」が大切です。何か協力してほしいときに、すぐ協力してくれる関係を構築しましょう。
取引先の方に対しても同じです。何かあったときに協力し合える関係構築・人脈づくりを目指しましょう。
コンプライアンスに反した行為は、企業イメージへの悪影響や世間からの非難を浴びることにつながります。主に以下のことに注意して管理体制の強化を行いましょう。
コンプライアンスの遵守はミドルマネージャーだけの役割ではありません。ただし、職場の責任者として上記の例に関してだけでも、理解を深めるようにしましょう。
ミドルマネージャーの業務は多岐にわたるため、必要な能力も多いです。今回はその中でも重要な3つを紹介します。
「自分には少し足りていないかも」と感じている方も問題ありません。これらの力は、意識してマネージャーの業務に向き合えば身につけられます。以下の内容を理解して、日々の業務を行いましょう。
マネジメントスキルとは、「ある対象を管理・運営するスキル」のことを指します。ミドルマネージャーとしては、チーム全体の「業務進捗管理」や「予算管理」がマネジメントスキルに当たるでしょう。
マネジメントスキルを高めるためには、「現状分析・課題解決力」や「コミュニケーションスキル」などを身につける必要があります。チーム全体で同じ方向を向いて、納得感を持ち業務ができる環境を作りましょう。
マネジメントスキルについて詳しく知りたい方は、以下の記事で紹介していますので、合わせてご覧ください。
マネジメントスキルとは?必要な5つの能力や向上させる方法について紹介
チームの目標を達成するためには、リーダーシップが欠かせません。分析や目標設定をいくら詳細に実施したところで、その目標に付いて来る人がいなければ意味が無いからです。
リーダーシップは人が進んで付いて来る「相手との信頼関係」が重要になります。「権力や威圧によって付いて来ること」とは意味が違うので、注意してください。
リーダーシップがあれば自然と人が集まり、周りのモチベーションも高まります。リーダーシップに大事な「物事を俯瞰的にとらえる力」や「判断力」を身につけましょう。
自己内省力とは、言葉の通り「自分の考えや行動を振り返り、良し悪しについて反省すること」を指します。ミドルマネージャーの仕事に答えはありません。部下の育成ひとつとっても、「どんな部下にも当てはまる育成方法」というものは存在しないからです。
定期的に「どこが良くて、何が悪かったのか、どうすれば改善できるのか」を考えることで、多くの学びを得られ、業務の改善に活かせるでしょう。1人で振り返りを行うときは「紙に書く」ことがオススメです。文字にすることで自分の考えがより明確になります。ぜひ試してみてください。
ミドルマネージャーになると「業務成果に対する責任」や「部下の育成」など、会社からの期待やプレッシャーはより大きくなるでしょう。今回は以下の2つに分けて紹介します。
上司に対しては「現場の意見との板挟みになること」や「成果に対するプレッシャー」、部下に対しては「業務進捗管理」や「成長のサポート」など、それぞれに課題があります。他のミドルマネージャーとも悩みを共有し、経験不足による焦る気持ちを落ち着かせましょう。
上司に対する課題としては、以下の2つの内容が挙げられます。
ミドルマネージャーには現場と上司・経営層を結ぶ役目があります。経営方針・目標に向かい業務を遂行するのは当たり前ですが、時として「会社のため」と現場の声に反した経営判断をすることもあるでしょう。上手く情報を伝える能力が必要です。
また、業績を気にするあまり、マネジメント業務ではなく、プレーヤーとしての役割に集中することもあるでしょう。成果は大事ですが、マネジメントを疎かにしてはいけません。チーム全体での成果向上を意識しましょう
内閣官房内閣人事局の「管理職のマネジメント能力に関するアンケート調査」によると、管理職は以下を「マネジメント上の問題や課題」として回答しています。
マネジメント上の問題や課題 | 割合 |
---|---|
長期的なキャリア形成を見据えた効果的な人材育成 | 49.7% |
ワークライフバランスの重視と、多様な人材の活用などダイバーシティへの対応 | 42.5% |
新たな課題にチャレンジする組織風土の形成 | 37.6% |
1番回答の多かった課題は「人材育成」の49.7%でした。ミドルマネージャーの仕事は、チーム全体の業務管理や他部署との調整など、挙げるとキリがありません。若手の人材育成に力を入れるのであれば、「業務のスリム化」や「業務の分配」を実施して育成できる環境を整えましょう。
部下を育てるには「自信を持たせること」が重要です。「仕事を任せる→成功体験を積む→仕事に自信を持つ」というサイクルが部下の成長につながります。
部下の育て方については、以下の記事で4つのステップに分けて紹介しています。課題をお持ちの方は、ぜひご覧ください。
自主性を伸ばす部下の育て方とは?4ステップの効果的な育成方法を紹介
ミドルマネージャーとして「部下の育成」は重要な役割の1つです。最後にチームメンバーの育成に効果的な取り組みを3つ紹介します。
「1on1」と「コーチング」は1対1の面談を通じて、部下の成長をサポートするのに効果的です。「チームビルディング」はチーム全体の仲間意識を高め、生産性向上につながります。自分のチームに合うものを積極的に取り入れましょう。
1on1とは、上司と部下が1対1で行う定期的な面談を指します。週に1回〜月に1回ほどの頻度で、1回あたり30分〜60分ほどで実施されることが一般的です。
部下の成長促進を目的として、「業務の悩み」「キャリアの相談」などのテーマで実施します。上司から部下へ一方的な評価を伝える面談とは違い、1on1は上司と部下の「対話」を重視しているのが特徴です。コミュニケーションの機会を増やし、部下との信頼関係構築に役立ちます。
1on1の具体的な方法について知りたい方は、詳しく紹介している以下の記事を参考にしてみてください。
1on1とは何か?人事面談との違いや1on1の実践方法をご紹介!
コーチングとは、相手の自主性を促し、能力を最大限に引き出すコミュニケーション手法です。対話の中で相手自身に答えを導き出させるのがポイントです。
以下の内容に注意してコーチングをしましょう。継続することにより「部下自身で課題を乗り越える力」を身につけられます。
質問するポイントは、相手の課題に対して「客観的に分析できるように質問すること」です。「どうしてプレゼン失敗したの?」ではなく、「プレゼン失敗した要因は何だと思う?」と質問すると良いでしょう。
チームビルディングとは、個人のスキルや経験を目標達成のために最大限発揮できるチームを作る取組みです。チームメンバーの仲間意識を養い、生産性を高めることが目的です。
チームビルディングで取り入れられるアクティビティの例として、以下の4つがあります。
どのアクティビティも与えられた課題に対して、チーム全員で協力して成果を出すことが求められます。形式が違っても仕事も同じです。チーム力の向上に活用してみてはいかがでしょうか。
以下の記事では、チームビルディングの「導入事例」や「効果的に実施するためのポイント」について紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
チームビルディングの導入事例5選 | 社員のチームワークを高めるポイントも紹介
ミドルマネージャーの仕事は「組織目標の達成」「部下の育成」であり、チーム全体の良い雰囲気作りや、一人ひとりが目標達成に向かって進む環境作りが大切です。今回紹介した「ミドルマネージャーに必要な能力」「チームメンバーの育成法」を参考に自分自身とチームの成長スピードを上げましょう。
以下の資料では「マネージャーの重要性」や「マネージャーを育てる施策」について詳しく解説しています。無料で資料をダウンロードできるので、ぜひ活用してみてください。