マネジメントスキルとは?必要な5つの能力や向上させる方法について紹介BLOG

 2022.6.29

マネジメントスキルとは、「チームや組織を管理して目標達成に導くスキル」のことです。言葉で表すのは簡単ですが、具体的にどうすればスキルを身に付けられるのでしょうか。

今回はマネジメントスキルを向上させるために必要な「能力」や「フレームワーク」について紹介します。マネジメントスキルを身に付けることで、自分だけでなくチームメンバーも成長させられます。

チーム全体の「業務効率」や「実績」を上げて、会社から評価される人材を目指しましょう。

マネジメントスキルとは?

ビジネスにおけるマネジメントスキルは、「チームや組織を管理し、目標達成に導くスキル」のことです。会社の経営資源である「ヒト・モノ・金・情報」を適切に活用することが求められます。

以下の記事では、組織マネジメントについて解説しています。個人やチーム単位ではなく、組織単位のマネジメント法が知りたいという方は、こちらも合わせてご覧ください。

組織マネジメントによって解決できる企業課題とは?重要なフレームワークについても解説

会社から求められる理由

会社の目的は「事業を通じて利益を生むこと」です。マネジメントスキルの向上は、「売上拡大」や「部下の成長」、「社会の変化への対応力」につながります。売上達成という目標に向かって、チームや部下を成長させられる人材は会社から重宝されます。

リーダシップとの違い

リーダーシップとは企業の方針やビジョンに沿って、チームや部下を同じ方向へ導くスキルです。企業の方向性やビジョンをわかりやすく部下に伝え、自らビジョンを達成するための行動を示す必要があります。

リーダーシップもマネジメントスキルも「目標達成に向いている」という点は同じです。両者の違いは以下の点にあることを押さえておきましょう。

リーダーシップ目標達成に向け、従業員を導くスキル
マネジメントスキル目標達成に向け、従業員を管理するスキル

マネジメントスキルを高めるのに必要な5つの能力

マネジメントスキルを高めるには「チーム内でのコミュニケーション」や「目標達成に向けた管理能力」など、多くの能力が必要になります。今回はそのうちの5つを紹介します。

  • コミュニケーションスキル
  • プロジェクトマネジメントスキル
  • フィードバックスキル
  • コーチングスキル
  • アセスメントスキル

それぞれマネジメントする上では必要不可欠な能力です。まずは自分に不足しているものを身に付け、最終的にすべての能力を高められるようにしましょう。

コミュニケーションスキル

目標達成にはチームメンバー全員の力を発揮させることが重要です。コミュニケーションの頻度や質を上げることで、メンバーとの信頼関係の構築につながります。

信頼関係を築ければ、部下への業務依頼や部下からの相談など、お互いに気を遣わずに済みます。心理的安全を確保することで部下の業務効率も高まり、チーム全体での目標達成に大きく近づけるでしょう。

プロジェクトマネジメントスキル

プロジェクトマネジメントとは、納期が決められているプロジェクトに対して、どのように進行すれば成功できるかを考え管理することです。成功するコツとして、以下3つが挙げられます。

  • メンバーごとにやるべきことを明確にする
  • 優先順位ごとにスケジュールを決める
  • 最終的な目標を常に明確にしておく

あらかじめ詳細に計画を立て、ブレないように進行する力が必要です。全体を俯瞰して、問題が起きても大事にならないように調整できるスキルを身に付けましょう。

フィードバックスキル

フィードバックとは、相手の行動に対して評価や改善点を伝え、相手の成長を促すことです。マネージャーとして部下を育成する立場であるなら、適切にフィードバックできるスキルを身に付けるべきしょう。

適切なフィードバックは、「部下の成長」「部下との信頼関係構築」「部下のモチベーション向上」など多くのメリットがあります。以下の記事でフィードバックのやり方について紹介しているので合わせてご覧ください。

フィードバックのやり方とは?フレームワークや効果を高める改善方法も紹介

コーチングスキル

コーチングとは、相手の自主性を促し、能力を最大限に引き出すコミュニケーション手法です。対話の中で相手自身に答えを導き出させるのがポイントです。

コーチングをする時は「課題の答えを自分で見つけてもらうこと」や「自分で答えを見つけるためのパートナーに徹すること」を意識しましょう。質問するポイントは、相手の課題に対して「客観的に分析できるように質問すること」です。「どうしてプレゼン失敗したの?」ではなく、「プレゼン失敗した要因は何だと思う?」と質問すると良いでしょう。

アセスメントスキル

アセスメントスキルとは、部下の能力や行動傾向、育成ポイントを把握するスキルです。部下の特性を理解できれば、より適切なポジションや業務を依頼できるようになります。

アセスメントのコツは、部下の行動に注目して適性や長所を見極めることです。1on1ミーティングや日々の業務などから意識してみましょう。

マネジメントスキルが高い人の特徴

自分の目標達成だけでなく、チームや会社全体での目標達成に目を向けられる人はマネジメントスキルが高いです。具体的な特徴として以下の3つを紹介します。

  • 現状分析・課題解決ができる
  • チームや部下に視点を向けている
  • 会社全体での最適化を考えている

目標達成に向けた現状分析・課題解決能力はマネジメントする上で必須です。正しい分析と適切な施策を回せれば、チームや会社全体の目標達成に大きく近づけるでしょう。

現状分析・課題解決ができる

チームや組織を管理する立場になると、目標に対する成果をより強く求められます。現状を把握し、課題解決への方針を考えられる人は、部下への業務依頼をスムーズに進められ、チーム全体で高い業務効率を保てるでしょう。

現状分析では、まずボトルネックとなる問題点を洗い出すことがオススメです。項目ごとに「対応できること」「対応できないこと」に分けて、効果が期待できる順に実施しましょう。「時間をかけても実施すべきなのか」「時間をかけてまでは実施すべきでないのか」という判断力もマネジメントには必要です。

チームや部下に視点を向けている

マネジメントスキルの高い人は自分中心で物事を考えず、常にチームや部下に視点を向けています。問題が発生した場合にも、すぐに状況把握ができるため、迅速な対応が可能です。チーム全体の目標管理から業務進捗管理まで、まずは幅広く要点を抑えることを意識しましょう。

部下が業務の相談をした時に、上司の理解が早いと「いつも自分の業務を見てくれているんだ」と安心感や信頼感にもつながります。上司への信頼度が高いほど、部下の業務へのモチベーションも高まります。一度自身の視点がチーム全体に向けられているか振り返りましょう。

会社全体での最適化を考えている

目の前の仕事に集中しすぎると、周りが見えなくなります。仕事は自分の部署だけでなく、会社全体での最適化を考えて進めることが必要です。

自社の商品の割引キャンペーンを例に挙げて紹介します。特大割引キャンペーンをすることで、多くの利益を生み出せるなら実施するのも良いでしょう。ただし、安売りすることでの「ブランド力の低下」や「既存の顧客離れ」といったマイナスの影響も考えなくてはいけません。仕事の大小に関わらず、物事を俯瞰して考える癖を付けましょう。

マネジメントスキルを向上させる方法

マネジメントスキルを高める方法として、以下3つの内容を紹介します。

  • ポジションチェンジ
  • ディズニーストラテジー
  • ペーシング

マネジメントする上では、物事を多角的に見ることが重要になります。「部下の立場」や「営業先の立場」になって課題を考えることで、より効率よく業務を進められるでしょう。部下と会話するときには、声のトーンやスピードを合わせて安心感を高めるのも大事です。

ポジションチェンジ

物事を検討するときや、決断するときは「ポジションチェンジ」を上手く活用しましょう。ポジションチェンジとは、自分の視点を変えて物事を考える思考法であり、以下の3つの視点があります。

  • 自分の視点
  • 相手の視点
  • 第三者の視点

通常業務や新規プロジェクトなど、どのような場合でも「相手の視点」「第三者の視点」をもつようにしましょう。「自分の視点」だけでは考えられなかった課題改善策や新規施策案のアイディアにつながります。部下と接する時も、一度視点を変えることで適切なコミュニケーションを取れるようになるでしょう。

ディズニーストラテジー

ディズニーストラテジーとは、ウォルト・ディズニーの成功の秘訣を体系化したものです。以下に3つのポジションとその役割をまとめました。

3つのポジション役割
ドリーマー(思想家)現実的ではない、周囲が夢だと思うようなことを考える
リアリスト(現実家)夢の実現に何が必要か、具体的な方法を考える
クリティック(批評家)夢の実現に向けて、現状の解決すべき課題を見つける

NLP用語集:ディズニーストラテジー」 NLP-JAPAN ラーニング・センターを元に作成

視点を変えて考えるという点では「ポジションチェンジ」にも似ていますが、「ディズニーストラテジー」は、より新規事業立案系の課題解決に向いている思考法と言えるでしょう。

ペーシング

ペーシングとは、相手に「話す速度」や「声の大きさ」「あいづちの頻度」を合わせ、信頼関係を作るコミュニケーションスキルの一種です。

ペーシングは外部MTGや部下との会話など多くの場面で活用できます。相手の話すスピードがゆっくりなら自分もゆっくり話して、親近感や安心感を高める工夫をしましょう。他にも信頼関係を作るには「傾聴の姿勢」が重要です。傾聴とは「相手の話に否定せず耳を傾ける」ことを指し、相手が話しやすい環境を生み出せます。

マネジメントスキルを高めるための社内研修の例

社内研修でマネジメントスキルの向上を図る場合には、以下3つの制度を導入すると良いでしょう。

  • 1on1の活用
  • 目標管理制度の実践
  • OJT制度の実施

1on1で定期的に部下と面談することで、「業務の悩み」や「業務の進捗度」を細かく把握できます。またOJT制度を活用し、早いうちにマネジメント経験を積ませることで、客観的に物事を見る力が身につくでしょう。

1on1の活用

1on1とは、上司と部下が1対1で行う定期的な面談を指します。週に1回〜月に1回ほどの頻度で、1回あたり30分〜60分ほどで実施されることが一般的です。

部下の成長促進を目的として、「業務の悩み」「キャリアの相談」などのテーマで実施します。上司から部下へ一方的な評価を伝える面談とは違い、1on1は上司と部下の「対話」を重視しているのが特徴です。コミュニケーションスキルやフィードバックスキルなどを身につけるのにも効果的でしょう。

1on1の具体的な方法について知りたい方は、詳しく紹介している以下の記事を参考にしてみてください。

1on1とは何か?人事面談との違いや1on1の実践方法をご紹介!

目標管理制度の実践

目標管理制度とは、あらかじめ「達成すべき目標」と「目標の達成度合いを測定する指標」を定めるフレームワークです。一例としてOKRを紹介します。

  • O(Objectives): チームのチャレンジ精神を刺激する定性的な目標
  • KR(Key Results): 目標の達成状況を把握するのに役立つ定量的な指標

マネジメントスキルを高める方法として、OKRを用いて自分だけでなく、チームメンバーの目標達成も考える癖をつけると良いでしょう。目標管理をどのように行えばよいのか迷っているなら、ぜひOKRの導入を検討してみてください。

OKRとは?【Google採用の目標管理手法】意味、導入事例、KPIやMBOとの違いを解説

OJT制度の実施

OJT(On the Job Training)制度とは、先輩社員が新人・未経験の社員に対して、業務を通して教育する制度です。新人社員の「業務効率化」や「離職防止」を目的にしています。

先輩社員は新人社員への「業務指導」や「進捗管理」が必要となるため、自分自身の成長にもつながります。相談される立場になることで、物事をより客観的に見られるようになるでしょう。

以下の記事で、OJT制度の「導入法」や「メリット・デメリット」について紹介しています。

OJT制度の概要を紹介 | 導入方法やトラブルへの対処方法も解説

マネジメントスキルを身につけチーム力を高めよう!

マネジメントスキルは、チームや組織を管理し、目標達成に導くスキルのことです。マネジメントスキルを高めることで、部下の育成やチーム全体の業務効率の改善にも効果が期待できます。

今回紹介したマネジメントスキルを高めるために必要な能力や思考法を参考に、自分自身のスキルアップを目指しましょう。

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