人事評価の不満は退職に直結する?社員が納得する評価を行う方法BLOG

 2022.6.14

人事評価への不満が高まることにより、「社員の退職」や「社内全体での業務効率の低下」を引き起こします。適切な人事評価をすれば、社員からの満足度は高まり、「モチベーションの向上」や「離職者数の減少」など多くのメリットを得られるでしょう。

今回は「人事評価の不満が退職につながる理由」や「満足度の高い人事評価を行う方法」について詳しく紹介していきます。社員からの満足度が高い人事評価を目指しましょう。

社員の不満につながる人事評価とは

社員が人事評価に不満を持つ理由として、以下の内容が挙げられます。

  • 評価基準が明確でない
  • 人事評価が想定よりも低い
  • 人事評価が給料に反映されない

人事評価は自分の給料面などの待遇にも大きく影響するため、自分の想定より低い評価を受けると退職につながることもあります。適切な人事評価をして、「企業」と「社員」の双方がメリットを受けられるようにしましょう。

以下の記事では人事評価制度の「目的」や「メリット・デメリット」について詳しく紹介しているので、興味のある方はあわせてご覧ください。

人事評価制度とは?メリット・デメリットと導入手順を紹介

人事評価に不満をもつ人は46%

株式会社SheepDogの「人事評価制度への満足度に関するアンケート」によると、46%の人が「会社の人事評価に満足していない」と回答しています。回答の内訳は、「制度が不透明・納得しにくい」が31%、「人事担当を信頼していない」が15%でした。評価制度への基準の明確さや正当な評価を求める結果となっています。

人事評価は働く社員のモチベーションにも大きくつながるため、企業側はヒアリングを通じて現状を把握し、満足度向上に向けた取組みを実施しましょう。

人事評価の不満が企業に与える影響

人事評価への不満が高まることにより、最終的には企業側の負担が増えます。主に以下のような問題が起きるでしょう。

  • モチベーション低下による業務効率の低下
  • 退職者増加による新規雇用コストの増加

自分の働きが正当に評価されないことが続くと、業務へのやる気が下がったり、正当に評価してくれる会社を探したりするのは当たり前です。実際に退職者が増えると、業務の引継ぎにより既存社員への負担も大きくなります。新しい人材を雇用するのにも数十万〜数百万円かかるので、人事評価に不満を持った退職者はできる限り減らせるよう策を考えましょう。

人事評価の不満が退職につながる理由

人事評価への不満の高まりは退職につながる可能性があります。具体的な理由として以下の内容が挙げられます。

  • 評価基準が明確でない
  • 評価が給料などの待遇に反映されない
  • 評価者によって評価の付け方に差がある

「業務で成果をあげたのに、正当な評価がされていない」と不満に感じることで、社員は退職を考えます。公平な評価を行い、評価に基づいた待遇改善が重要です。

評価基準が明確でない

人事評価では、企業ごとに定められた評価項目にしたがって、社員の能力や貢献度を評価します。目標が「月間の営業訪問件数30件」であり、結果が40件であれば、5段階評価でいうと「4」や「5」といった評価がつくでしょう。

しかし、目標が「お客様とのコミュニケーション能力の向上」など定性的な場合もあります。この場合、具体的な数値での判断ができず、評価者側も判断に困り、真ん中の評価にすることが多くなるでしょう。結果として、被評価者と評価者での成果に対する評価基準があいまいになり、「適切な評価がされない」と不満につながります。

評価が給料などの待遇に反映されない

評価されても実際に報酬に反映されなければ、社員のモチベーション低下につながります。役職者にならないと給料が上がらないというのは、社員としては納得できない部分もあるでしょう。

人事評価の高い社員には、評価に合う給料やボーナスを与える仕組み作りが必要です。会社で働く理由は給料だけではありませんが、継続して働く理由には大きく関わってきます。正当な評価がされると感じられれば、社員の業務へのやる気にもつながり、最終的には企業の業績向上にもつながるでしょう。

評価者によって評価の付け方に差がある

他部署、他チームと比べ明らかに評価の付け方に違いがある、というのも不満の理由になります。「同じくらいの成果を出しているのに、自分だけ評価が低い場合」や「上司との関係値によって明らかな差がある場合」などは企業への不信感につながります。

企業は評価基準を明確にして、評価を受ける側の不安や不満を取り除くことが必要です。また、評価者側への教育として、「評価基準に基づいた適切な評価」や「私情を挟まない評価」をさせるようにしましょう。上司が変わると評価も変わるのでは、人事評価をする意味がありません。

満足度の高い人事評価を行う方法

人事評価の不満による退職者を増やさないためには、満足度の高い人事評価を行なう必要があります。今回は以下の3つの方法を紹介します。

  • 評価者と被評価者で評価基準を一致させる
  • 定期的な面談の機会を増やす
  • 人事評価制度を見直す

「評価基準が明確でないこと」がきっかけとなり、多くの社員が人事評価への不満を持ちます。まずは評価基準をすり合わせ、定期的な面談を通じて業務に対するフィードバックをするとよいでしょう。

評価者と被評価者で評価基準を一致させる

「人事評価の不満が退職につながる理由」で「評価基準が明確でない」ことを紹介しました。満足度の高い人事評価には「評価者と被評価者での評価基準を一致させること」が重要です。

評価基準が明確でない場合、「評価者の期待する水準」と「被評価者の想定している水準」に違いが生じます。このギャップが不満を生む原因です。目標設定時には「被評価者」に評価基準の作成を任せるのではなく、「評価者」も一緒になって作成するようにしましょう。待遇面に関しても、あらかじめ重視している評価項目を伝えることで、不満を生みにくくなります。

定期的な面談の機会を増やす

人事評価による不満を減らす方法として、定期的な面談の機会を設けるのもオススメです。十分な信頼関係ができていない状態で評価されると「これは本当に適切な評価なのだろうか」と不安に感じる人もいるでしょう。

日頃から1on1などで、業務進捗の確認やフィードバックをすると信頼関係を構築できます。人事評価時にも評価者が「自分の業務を把握している状態」なので、評価にも納得感を持てるでしょう。評価者側からしても業務の把握ができるため、適切な評価をつけやすくなります。

人事評価制度を見直す

社員からの人事評価の不満が多い場合は、一度評価制度自体を見直す必要があります。マニュアルや規程から見直しをかけ、評価基準や評価方法をアップデートしましょう。

人事評価制度を見直すとき、次のようなフレームワークを採用するのも有効な手段となります。

  • OKR
  • MBO(目標管理制度)
  • 360度評価

それぞれの特徴を理解して、自社に合うフレームワークを検討するのもよいでしょう。人事評価制度に関しては、以下の記事で詳細に紹介していますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。

人事評価制度とは?メリット・デメリットと導入手順を紹介

OKR

OKRは「Objectives and Key Results」の略で、会社の目標と個人の目標を連動させた人事評価制度のフレームワークです。Objectiveが組織全体で設定した定性的な目標を意味し、Key ResultsがObjectiveを達成するための数値化された行動指標を意味します。

会社の目標と個人の目標が連動されていることにより、評価者側も評価しやすいです。被評価者側からしても、会社への貢献度や成果を感じやすいというメリットがあるでしょう。

MBO(目標管理制度)

MBOは「Management by Objectives」の略で目標によって組織を管理する制度です。ピーター・ドラッカーによって提唱されたマネジメント手法であり、企業が目指す目標に向けて社員自身やチームで目標を設定して申告し、進捗を管理しながら生産性を高めます。

MBOはタスクにかけた時間や労力、成果が可視化されるフレームワークで、従業員のモチベーションアップと業務の効率化につながるのが特徴です。

360度評価

360度評価は社員1人に対し、複数の社員が評価を行う制度のことです。上司だけでなく同僚や後輩、他部署で関わりのある社員が評価者となるため、より納得感のある評価を受けられます。

ただし、社員が評価に慣れていないと、主観的に評価してしまう可能性があります。公平な評価を行うためには、社員研修などを通じて各自に評価スキルを身につけてもらう必要があるでしょう。

人事評価を行う際に気を付けたいポイント

人事評価をする上で注意したいポイントとして、以下の内容が挙げられます。

  • 評価者のスキルアップ研修を行う
  • 人事評価と報酬の連動をさせる
  • 評価が低い人へのフォローアップをする

まずは評価者のスキルアップを目指し、基準に対して適切かどうかの判断をできるようにしましょう。退職の理由には給料面での不満も多いため、人事評価と報酬の連動をどうするかも注意すべきポイントです。

評価者のスキルアップ研修を行う

人事評価には評価者のスキルアップが欠かせません。不満の原因のひとつに「評価者による評価のばらつき」が挙げられます。部下との関係の良さなどの私情を挟まない評価はもちろん、どの社員に対しても公平な評価をすることが求められています。

評価者に対しての社内研修や外部講師を招いての研修など、前向きに検討するとよいでしょう。評価者のスキルアップが人事評価への不満をやわらげることにつながります。

人事評価と報酬の連動をさせる

人事評価自体に不満がない場合でも、給料やボーナスなどの報酬に成果分が反映されないと不満を生む原因になります。せっかく優秀な人材を育てても、待遇面での不満により退職されてしまっては元も子もありません。

適切な評価は、社員の満足度にも大きく影響します。人事評価の結果を踏まえ、昇給や昇進を適切に判断できるような仕組み作りが大切です。

評価が低い人へのフォローアップをする

人事評価が低い人へのフォローアップもしっかりと行うことが重要です。社員はただ評価が低いと感じると「なぜ自分だけ評価されないのか」と他の職場を探そうという考えにもつながります。

評価面談の際には「なぜ評価を低くしたのか」「どうしたら改善できるのか」を中心に伝え、被評価者の不満をやる気に変えていくようにしましょう。本音をぶつけることで被評価者の成長にも役立ちます。

人事評価に社員から不服申し立てがあった場合の対応

人事評価に対して不満が高まると、社員から「不服申し立て」を起こされるケースもあります。不服申し立てとは、「人事評価に対して納得いかない社員が会社に対して裁判を起こすこと」です。

不服申し立てを受けた場合は、該当する社員と評価者それぞれから話を聞くことが重要です。社員からは「何が不満だったのか」、評価者からは「評価の妥当性と根拠」を聞き出します。社員の主張が正しければ、評価の見直し、話が上手くまとまらなかった場合には、裁判で話し合いをすることになります。

以下の記事で、「不服申し立てが起こる事例」や「不服申し立てを防ぐための方法」について紹介していますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。

人事評価の不服申し立ての事例4選 | トラブルを防止する策もあわせて紹介

適切な人事評価で社員の満足度を高めよう

人事評価への不満は社員の退職につながる可能性が高いです。「評価基準を明確にすること」や「評価による待遇面の向上」を意識することで、人事評価への満足度を高められるので、意識して改善していきましょう。

以下の資料では、人事制度の見直しの際に紹介したOKR導入による「組織課題の解決法」について詳しく解説しています。評価制度を見直すことで「中間管理職のスキルアップ」や「メンバーのエンゲージメント向上」といった課題解決につなげましょう。

こちらの資料では目標管理フレームワーク「OKR」がいかにして組織課題を解決するかを簡潔にまとめています。特に企業成長においては役職間での共通言語をつくることがとても重要です。マネジメントにお悩みの方は、ぜひご活用ください。

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